孤高のエース。
■団体:RINGS
■日時:2001年12月21日
■会場:横浜文化体育館
■書き手:ほいほい@爆発(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

東京では雪が降った。
そら寒いわけだ。家の中でも白い息が出るほど。
ちょっと横浜まで行くのが嫌になった。
暮れの平日、遠いし寒い。
これ以上ないほど悪条件が揃っている。
が、何だかんだ言っても行ってしまう。何がそうさせるんだろう?
このカードなら行かなくても良いかな?とは思った。それは正直な気持ち。
だけど、得体の知れないような面白さをどこかに感じているから行ってしまうんだろうと思う。

会場は約6割強ぐらいの入り。大健闘じゃないかな?
しかしながら、KOKトーナメントをやっていた時の盛り上がりを思うと、寂しくてたまらない。
今は、金髪美女が1年で白髪の老婆に変わってしまう時代なのね…。



第1試合 門馬秀貴vs佐々木恭介

体重差のある両者。門馬の方が10`ほど重い。
最初からアドバンテージのある門馬が打撃で佐々木を圧倒。
だが、そこからは安全策のようで引き込みグラウンドへと展開をはかる。
が、一向に門馬は攻めようとする気配がない。
2R終盤に、両足飛び越えパスをした門馬だが時既に遅し。

やっぱり…この選手、見掛け倒し?
ねちっこくジワジワというのならわからなくもないけど、はなから判定勝ち狙ってるように見えて。
こんな試合でええのんか?

○門馬(2R終了判定 2−0)×佐々木



第2試合 小谷直之vs飯田崇人

この選手、修斗に行った方が面白いのでは?と思わせられる小谷。
軽量級をあまり重要視してないリングスにはいささか勿体無いような気がしないでもない。
いつも通りのアグレッシブさを見せる小谷。
テイクダウンを奪うが、飯田にアンクルを取られる。
が、強烈なボディパンチをいれながら冷静に対処。
スルスルっと逆十字を極め完勝。
格の違いを見せつけたよう。

やっぱり小谷は軽量級を重んじる所へ行った方が…。

○小谷(1R 3分02秒 腕ひしぎ逆十字固め)×飯田


前回の代々木同様、ユニバーサルバウトを終えてから全選手入場式。
何だか、やたらと照明にお金をかけている気が。豪華に見えるのは良い事です。はい。

選手を代表してエース金原が挨拶。
10周年記念という事で高山が花束を渡しにリング上へ。
こういう些細な事が、凄く豪華に見えてしまう程、最近のリングスはチープな感が漂っていた。
ロウソクの燃え尽きる前の何たらに見えてしまうのが悲しい。


第3試合 前田辰也vsステファン・ギリンダー

SBから新たな刺客登場。
シュートボクシングがリングスKOKルールへのリベンジを狙う。
相手は、凄く弱そうにみえるギリンダー。
双方共、打撃出身(というか前田はそれ専門だけど)という事で、序盤から猛烈な打ち合い。
スタンドの技術では何枚も上手な前田が、カウンターをきめダウンを奪う。
2Rに入っても余裕な前田は、またパンチでダウンを奪う。
ふらふらなギリンダーは、苦し紛れのタックル。それを難無くがぶりバックを取った前田は、
強引にスリーパーを狙っていく。フェイスロックでプレッシャーをかけた後、チョーク葬。
総合の選手のような勝ちっぷり。

でも、ここは緒形が1回尻拭いをしないとダメなんじゃないかな?
前田は素晴らしかったが、自分の尻は自分で拭かないと。

○前田(2R 1分42秒 チョークスリーパー)×ギリンダー



第4試合 山本喧一vs須藤元気

今日は、この試合を目当てに来てる人が多かったんじゃないかな?
そう思わざるを得ない程の好カード。

回転ランプつきヘルメットをかぶり、銀のマントをまとって入場の元気。
みょうちくりんなダンスを踊りながら、鉄砲で紙吹雪きを散らす。
一方のヤマケンは、オリケンにUFC-Jのベルトを抱えさせての入場。
両者の試合にかける意気込みが伝わってくる。(のか?)

73`とコールされたヤマケン。あまりにも絞り過ぎてちょっと異様。
でも異様なぶんだけ殺伐とした雰囲気を醸し出す。ヤマケンも一流の仲間入りかな。

1R、ヤマケンが妙な構えから出す左ミドル、右ミドルが的確にHIT。
それが効いたのか?元気はこれ以降打撃の間合いを嫌うようになる。
グラウンドに入れば、元気の独壇場。首、腕と色々仕掛けていくが、ヤマケンも取らせない。

2R、元気が飛び蹴りのゆな感じで飛び込みながら引き込む。
スタミナが切れた感のあったヤマケン、とうとうパスされてしまう。
こうなってしまったらもう後は元気を乗せてしまうだけなのか?
すかさずマウントを取り、それを嫌い反転したヤマケンだったが、うまく首を取られてしまいタップ。
終わってみると、ずっと元気のペースだったような感じがする。

負けたヤマケンはUFC-Jのベルトを元気の腰に巻く。
事実上崩壊したと言って良いUFC-J。このベルトを大きな遺産として、価値を高めて欲しい。
この際だから、ルールが違うとかそういう事は言わずに…選手同士の目標とすればいい。

勝った元気のマイク「東京元気大学格闘技部GGGを作りました。」との事。
凄い事を言うってのは、これだったの?と思ったら、試合後のコメントでK-1ミドル級に出たい。
とそういう事だったのね。両方、リング上で言えば良かったのに。

○元気(2R 1分46秒 チョークスリーパー)×ヤマケン



第5試合 クリストファー・ヘイズマンvsエギリウス・ヴァラビーチェス

前回、驚きの日本デビューを飾ったヴァラビーチェス。
まだ謎な部分が多い。リトアニアン柔術の実力はいかほどのものなのか?
本当はただの打撃の選手なんじゃないのか?等の疑問が晴らされる。

変則的な蹴りを放ちながら、距離を保つヘイズマン。
ヴァラビーチェスを中には踏み込ませない。蹴りを交えながらタックル。
見事にヴァラビーチェスからテイクダウンを奪ったヘイズマン。
首を取り圧迫をかけながらパス。そして逆十字と王道パターンで見事なギブアップ勝ち。
やっぱり、リトアニアはまだまだ格闘技発展途上国だった。
が、まだまだこれからの選手。国の発展と共にリングスを盛り上げていって欲しい。

○ヘイズマン(1R 3分08秒 腕ひしぎ逆十字固め)×ヴァラビーチェス



第6試合 エメリヤーエンコ・ヒョードルvsリー・ハスデル

リングスヘビー級のベルトを肩にかけ堂々と入場してくるヒョードル。
このトーナメントはヒョードルの強さをきちんと示す為にあるような気がしてならない。
序盤から飛ばしまくりのヒョードル。引退をかけているハスデルなんてなんのその、
強烈なパンチを武器に前へ前へ。そして捕まえると豪快な投げでテイクダウン。
恐ろしい、恐ろしいまでに強い。
中腰の状態で、これまた驚愕のボディパンチをいれながらパスすると、アームロック。
変な方向に腕の曲がったハスデル、幸か不幸かロープ際だった為、うめき声をあげながらエスケープ。
これで意気消沈したハスデルは、やめてくれぇ〜という表情で攻撃を受けるはめに。
ヒョードルがネックロックを狙い、首を抱えながらリング中央に引きずっていった時にハスデルタップ。

圧倒的としかいいようがないヒョードルの見事な勝利。
ヒョードルはリングスの唯一の至宝だ。

○ヒョードル(1R 4分10秒 ネックロック)×ハスデル



第7試合 高阪剛vsヴォルク・アターエフ

シューズ着用の高阪。寝かせてしまえば何とかなるという算段か?
1Rから果敢にタックルを仕掛けていくも、藤田vsミルコ戦のようにいとも簡単にきられてしまう。
後半に漸くタックルを取るも守り一辺倒のアターエフを切り崩せず、ゴング。
2R、序盤にタックルを取れた高阪だが、やはりアターエフの守りが堅い。
どう動いても、ウンともスンとも言わない。
ロシア人の忍耐力と気持ちの強さを改めて知らされたような気がする。
3R、動きに全く精彩のなくなった高阪、アターエフの一撃必殺パンチを浴び始める。
前回代々木に出場したグロム・コバのように打撃を避ける為の土下座式タックルを数度慣行。
が、これが裏目に出てしまい、あり難くないイエローカードを貰ってしまう。
このイエローが響いたのか?判定負け。

試合のほぼ全体を高阪が握っていたのでこれは惜しい。
けど、知的な高阪のバカの一つ覚えのようなタックルは、ちょっと…。
ここらへんで1回野性にかえってみるのも良いかもしれない。

○アターエフ(3R終了判定 2−0)×高阪



第8試合 金原弘光vsポール・カフーン

今の金原を見ているとどうしても切なく見えてしまう。
重圧という十字架を背負わされてしまった影の実力者。
作られた孤高のエースの試合は期待と共に悲しさを物語らせる。
1R、必死の打ち合いから豪快なジャーマンを食らってしまう。
必死に盛り上げようと頑張っている姿に、心打たれる。頑張ってくれ!金原!
2R、ようやく得たチャンス、サイドを取り逆十字を狙うも、極まる寸前の所で逃げられてしまう。
すべての歯車が噛み合ってない。そう思えて仕方ない。
3R、ヘロヘロになりながらもくらいついていく姿を見るといたたまれない。
こういう風に見てしまう、自分を許して下さい。

辛くも判定で勝利し、10周年記念興行のとりを勤めた金原。
明かにモチベーションは低そう。
だが、金原は言う。
「来年はまた新しいリングスのスタート」だと。

どこにいてもいつまでも応援するぞ!金原弘光!!

○金原(3R終了判定 2−1)×カフーン

何だか虚しいような悲しいような気持ちで会場を後にした。
が、数日後リングスの活動休止が発表された。
あの何とも言えないような空気は、こういうのがあったからこそだったのね。
今後、リングスがどういう形になるのかはわからない。
名前だけ残るのかもしれないし、本当にすべてが抹消されてしまうのかもしれない。
でも、まだまだリングス…ありがとう。なんて言葉は口にしたくない。

そんな今だから、暖かい目で、そして精一杯応援したい。




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