2001年パンクラスの〆。
■団体:PANCRASE
■日時:2001年12月1日
■会場:横浜文化体育館
■書き手:ほいほい@爆発(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

最初は、近藤vs郷野をただただ見たくて、チケットを買ったんですが…。
全カードが決定したら、インパクトはないけれど非常に興味深いカードが並んでいた。
といった感じで、今年のパンクラスはちょっと一味違っていた。
今回は今年の総決算、同じように思った人が多いのか?
それとも総合の需要が大きくなったのか?はたまた、GRABAKA効果なのか?
良い客入り。8割以上埋まっている。
去年の凄惨だった武道館を思うと…凄い跳ねあがり方だ(キャパ全然違いますけど…。)
そんなこんなで胸を踊らせながらの観戦です。



第1試合 北岡悟vs長岡弘樹

今回は、黒いシューズ着用の北岡。
序盤から打撃で攻め、アッパーを多用するその姿は、まるでプチ高橋義生。
北岡もとうとう東京道場ナイズされてきたのか。
しかし、その変わろうとする姿が見られたのは、ほんのちょっとだけ。
相手との距離が近づくとタックル、そして差し合いというパターンに移行。
長年身体に染み付いてしまったものを変えていくのは難しいという事か。
2Rに1度テイクダウンを奪った長岡だが、攻めきれず判定へ。
両者共に決め手に欠き、結果はドロー。
納得いかないような表情で走り去っていく北岡に変化の時は訪れるのだろうか…?

△北岡(2R終了判定 1−0)△長岡



第2試合 三崎和雄vsクリス・ライトル

来日する度に強くなっているライトルと現在勢いのある新鋭の三崎。
隠れた好カードだ。
勢いと堅実なテクニックで上を取るんじゃないかと思われた三崎だったが、
予想に反して常に上をキープしたのはライトル。
スタンドになっても、スタンディング肩固めを狙ったりと常に先手を取る。
下になり、スイープ合戦も制し、更なる成長度合いが伺えた。
3R、下から関節を狙った三崎だが、時すでに遅し。
3R終了のゴングがなると、そこにはライトル完勝という光景があった。
地味で無名だけど、強い外国人。
今のパンクラスにもってこいの人材かもしれない。
そういう選手をうまく使っていけば、パンクラス自体のレベルの底上げにもなってくるんじゃないでしょうか。

○ライトル(3R終了判定 3−0)×三崎



第3試合 美濃輪育久vs柴田寛

今の美濃輪には、無名のアイドルグループの中で飛び抜けて人気が出てしまった人、
のような感じを受けてしまう。ピンでライブを出来る日が近付いて来ているような…。
コール時に両手を見つめる、ブッカーTのようなポーズも様になっていてカッコ良い。
美濃輪には人を惹きつける魅力が存分にある。
1Rゴング開始、ローキックを放っていく美濃輪、続け様に放ったハイをすかされるとバックを取られる。
ここから、強引にアームロック狙い。足を1本絡ませながら、ガッチリと腕をホールド。
何とか回転して逃れた柴田だが、美濃輪は続け様に逆十字狙い。
流れるような美濃輪の攻めに、歓喜の声を上げる観客。
第1、2試合での静かな雰囲気を粉砕していく。
逆十字を何とか抜いた柴田は、スタンドに戻るとタックル。
このタックルを斬った美濃輪は、強引かつ豪快にヒザ。
これで額の斬った柴田に、ドクターストップが宣告される。

宗教がかりかけている美濃輪の人気に貫禄が備わってきた。
もはやパンクラスの立て看板になったと言っても過言ではない美濃輪は、今後も輝き続けるだろう。

○美濃輪(1R 2分28秒 T・K・O)×柴田



第4試合 菊田早苗vs渡辺大介

菊田の鉄板試合だと思われたが…やはりガチの世界は何が起こるかわからない。
1Rゴング開始直後、いきなり渡辺の飛びヒザが菊田に炸裂。
スローモーな飛びヒザだったが、菊田には予想外だったようで効果覿面。
渡辺の成長度合いが伺える。
そこから、追随するように菊田の顔面にパンチを放つ。入っている。
予想外な渡辺の猛攻に、興奮を抑えきれない場内。異様な盛り上がり方だ。
しかし、そこで攻めきれなかった渡辺は、菊田の猛反撃を受ける事になる。
恐ろしいまでに冷静に、スイープ、そしてマウントを取った菊田。
得意の流れるようなムーブで肩固めに入る。菊田が身体をサイドに移した時点でTHE END。

憮然とした表情で引き上げて行く菊田に、どれだけ渡辺が善戦したかが伺える。
パンクラスの門番に負けて得る何かがあったように感じた。

○菊田(1R 2分14秒 肩固め)×渡辺



第5試合 佐々木有生vs渋谷修身

この試合も何気に好カード。
単純にどっちが現時点で強いのか?興味津々。
しかし、急に5`減量した渋谷が気に掛かる。どっか悪いんじゃ…。
1R、タックルを取る渋谷だが、佐々木が下から攻め、渋谷に攻撃の隙を与えない。
細かい攻防だが、両者に勝ちの意欲が出て、1R終了時点でこれは名勝負になるかも!と思ったんですが…。
2Rに入るとタックルは渋谷が取るものの攻めてに欠く。
スクートポジションになると、佐々木がデラヒーヴァ狙い。
佐々木が優位に試合展開を進める。
3Rに入っても同様の試合展開が続き、両者に注意が与えられる。
この注意に危機感を感じたのか?上を取った渋谷がやっとこさでパンチを出す。
が、このパンチが逆に仇となり、終始狙っていた佐々木の三角の罠に自ら嵌ってしまう結果となった。
ここまでガッチリ入ってしまうとどうしようもなく、遂に渋谷はタップしてしまった。
終始精彩のなかった渋谷。やっぱりどこか悪いんじゃ…。

○佐々木(3R 3分42秒 三角絞め)×渋谷



第6試合 郷野聡寛vs近藤有己

やはり今日はこの試合目当てで来た人が多いようで、この日一番の歓声。
その歓声の渦の中、両者入場。
不動心の近藤に対して、郷野はリングインすると近藤の前まで行き睨み付け挑発。
両者のキャラがはっきりしていて面白い。典型的なベビーフェイスvsヒールの構図が目新しく見えた。
1R、緊張のゴング。
近藤の打撃の間合いを徐々に詰めていった郷野が、組み付きバックドロップの様に投げテイクダウン。
しかし、今日の近藤は一味も二味も違う。
完璧なテイクダウンはされずに、寝かされてもすぐに立ちあがる。
そして、スタンドで試合を優位に進める。

2Rに入ると、スタミナ切れの見えた郷野に、パンチとヒザを畳み込んでいく。
郷野は近藤の打撃を嫌がるように引き込む。
ハーフガードを取った近藤は、うまくスペースを空け、的確なパンチを当てていく。
郷野にパンチが当たる度に歓声が飛ぶ。
まさにそれはヒーローが敵役を追い込む情景そのもの。

3R、ドクターチェックも入り満身創痍な郷野を容赦なく攻め込む近藤。
スタンドでも打撃で追い込み、グラウンドに入るとマウントまで取りパンチの連続。
もう防ぎきれないと思ったのか、菊田が心配そうな表情でタオルを投げ入れる。
近藤有己の激勝。
今までやってきた練習の成果の歯車がガチッとはまったかのような素晴らしい動き。
強い近藤の来年の巻き返し、物凄く期待できそうだ。本当に凄かった!

○近藤(3R 0分52秒 T・K・O)×近藤



第7試合 ネイサン・マーコートvs國奥麒樹真

またこのカードか…と思ってしまう3回目の両者の対戦。
どうにもこうにも、この二人手が合わないようで…。
今回も差し合いからテイクダウン狙いという細かい攻防の繰り返しになってしまう。
あまりの静かな展開、場内では鈴木みのるの声だけが響いている。
3R、終了間際にマーコートの打撃、國奥の足関節狙いと大きな動きがあったものの、
観客に手を叩かせるほどの攻防にはならなかった。
判定は…ホームタウンデシジョンで國奥の勝ち。
どう見てもドローにしか見えないんですが…2001年パンクラスの有終の美を飾りたかったに違いない。
今の國奥ではUFCからのオファーは来ないのでは…。

○國奥(3R終了判定 2−0)×マーコート



第8試合 高橋義生vs藤井克久

高橋義生…、モチベーション一つでここまで波の激しい選手も珍しい。
気合の入った表情で、パンチを振り回していく高橋。
藤井の頭を抱えると前へ前へと押し込み、リング外へはじき飛ばす。
ノッケからフルパワー全開。
スタンドで再開後も同じようにパンチラッシュ、そしてまたもや同じように藤井を突き飛ばす。
これでペースを掴んだ高橋は、見事右フックで藤井をマットに沈めた。
強い…強い高橋義生がここにいる。
こんな高橋ならUFC出場にも期待が持てるかもしれない。
終わり良ければすべてよし!
2001年のパンクラスはハイブリッドボクシングで幕を閉じた。

○高橋(1R 1分12秒 K・O)×藤井

パンクラスとしては良い〆だったのかも。
次に繋げられるようなカードも出来ましたし。
だけど、如何せんそれが長続きするとは思えないんですよねぇ。
選手はいっぱいいるけど、コマ不足な感は否めないですし。
確かに今日は面白かったし、後半年は面白そう!と思える…。
けど、やっぱりどこか足りないんですよねぇ、インパクトが…。

来年の底上げツアーに期待しておこう。




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