11/26修斗下北大会観戦記
■団体:修斗
■日時:2001年11月26日
■会場:北沢タウンホール
■書き手:うしをたおせ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

この日も行って来た。初の二日連続修斗。ちょっと強引に抜けてきた。
今日は下北なんでよく見える席。2列目。やっぱ随分違うね、昨日の最後列とは。

会場に入ろうとすると、ちょうど第1試合開始のゴングが鳴ってた。
てなわけで、観戦記へ。


第1試合 ウェルター級 5分2R
×マーク・ドゥンカン(オランダ/バッドボーイ柔術)
○朴 光哲(SHOOTO GYM K'z FACTORY)
2R 3'15" 腕ひしぎ十字固め

朴金髪でバランスのいい体格。ドゥンカンはやや細身の黒人。

1R
朴タックルでテイクダウン。ドゥンカンはガードで下からしがみつく。朴はボディへパンチ。
アゴで目を潰そうとするマーク・ケアーばりのえげつない攻撃も。朴は上から強いパンチも入れる。
アリ・猪木状態になってもシャープな蹴りを入れていく。上手い。ドゥンカンは隙を見て立つ。
朴はパンチで攻める。ドゥンカンは首相撲からヒザを狙うも、朴は両差しからテイクダウン。

2R
朴は片足タックルからテイクダウン。一気にニー・オン・ザ・ベリーそして腕十字へ!
腕が伸びかけるが、ドゥンガンは上体を起こし上に。朴は下から今度は三角に固めてそこからまた
腕十字に移行。今度はガッチリ極まって、ドゥンガンタップ!

うーん、ホント今年の全日本アマ上位の選手はレベルが高い。かなり総合的に強い。
朴選手打撃のバランスがいいって噂だったけど、打撃だけじゃない。タックルもいいし、上からも
下からも見事な攻めを見せてくれた。まあ癖がないのはさみしいんだけどね。
柔術もそうだけどここ1年で急に修斗の競技人口、選手層が厚くなったと思うのは気のせい?

ドゥンガンは・・・。悪くなかったし、気迫もあった。まあ日本のアマ修斗優勝者とオランダのアマ修斗
準優勝者が同じレベルじゃ困るし。


第2試合 クルーザー級 5分 2R
○安達明彦(パレストラ松戸)
×カシム・アナン(フランス/アカデミー・コニアン)
1R 3'46" スリーパーホールド

安達選手、相変わらず重量級ながら引き締まった体。短髪が渋くてクール。

アナン、タックル。安達一旦切るもテイクダウンされる。しかし安達すぐ立つ。アナン再度タックル。
安達今度は脇を差して力強くすくって投げて上に。上から強烈にパンチを落とす。アナンは三角狙い。
アナン立つも、安達はがぶってギロチン気味に上からコントロールする。そのまま潰してガードになった
アナンに上からパンチ!アナンまたタックルもしっかり潰してバックに回りスリーパー狙う。
体勢自体はかなり乗りすぎで足は相手の腕と肩にかかる状態だったが、それ以前に、アナンの喉に
ガッチリ安達の腕が入ってアナンタップ!

うーん戦前評価の高かったアナンだったが、安達選手が完勝。それにしても重量級とは思えないような、
動きまくり、展開しまくりの素晴らしい試合。両者見事な動きだった。
安達選手、毎日吐くほど練習して、体重も10kg落としての戦いだったとの話。
うーん凄すぎます。36歳だし。でもマジで、貴重な重量級ですから他の団体の日本人選手との
試合も見たくなった。そう思うほどの動きだった。


第3試合 フェザー級 5分2R
○喜多浩樹(パレストラ東京)
×木部 亮(ALIVE)
判定2-0(20-18,20-20,20-18)

1R
木部タックル。喜多切る。差し合いに。喜多足をかけテイクダウン。木部はガード。木部は下から
抱え十字、アームロック、ヒップスローを狙う。喜多は両手を木部の背中でクラッチし、がっちり
ガード。たまにパンチを横から当てる。

2R
木部の蹴り足を取って、喜多が残りの足を払ってテイクダウン。サイド取りかけるも、木部はガード戻す。
木部は三角狙い。木部はずっとアームロック狙い。喜多もがっちりクラッチを離さないため膠着に。
木部は終盤下からパンチも連打していく。喜多は基本的に抑え込んだまま、たまにパンチ。

動きの少なかったこの試合はテイクダウンが評価されて喜多選手の勝利に。
喜多選手は心から安堵の表情を浮かべ、両手を上げ、リングに座り込む。怪我、手術、リハビリからの
見事な復活を遂げた。まずはおめでとうと言いたい。しかしテイクダウンしてから攻めてた時間は非常に
少なく、20:20の採点があったのも十分頷ける内容だった。テイクダウンまでは非常に良かったが、その後
積極的だったのは木部選手だった。次回は上を取ってからのパンチ、パスに期待したい。

木部選手、何もできなかった感があるが、あれだけ抑え込まれていたのでは仕掛けずらかったのだろう。
しかしもう少し下から打撃を出したり、テイクダウンされずに粘れば展開は変わったかもしれない。
次回は本来の動きが見れるかもしれない。


第4試合 ウェルター級 5分2R
×小島直人(パレストラ東京)
○石田光洋(総合格闘技TOPS)
2R 1'58" TKO (レフェリーストップ)

1R
石田右ハイ出す。そして素晴らしい鋭く力強いタックル。小島一旦切るも、石田はそのまま持ち上げて
テイクダウン!小島はガード。石田は抱えられた腕を抜いてパンチを落とす。前回もそうだったが、
この落とすパンチが強い!小島は相手の腕を取ったり、自分の腕でパンチをガードしたりで防ごうとするが、
ボディから顔面へとパンチを落とされ、相当殴られる・・・。小島の顔が腫れ上がってくる・・・。
セコンドもあまりに不利な体勢にオープンガードでの展開をアドバイスするが、小島はかたくなに
クロスガードを取りパンチを凌ごうとする。

2R
小島タックルも石田切る。がぶって今度は石田がタックルでテイクダウン。またインサイドガードから
相当強いパンチを落とし、それもガードできずに、ますます小島の顔が腫れ上がる。石田は特に
パスやそこからの極めを狙わないため、かなりむごい状態が続いてしまう。
かなり強い打ち下ろしパンチが2発入った時点で見かねたレフリーが試合を止めた。
石田選手は勝利の雄叫び。小島選手は中井さんに抱えられふらつきながら退場した。

タックルといい、上からの鋭いパンチの打ち方といい、石田選手の攻撃は素晴らしかった。
デビュー戦は杉江選手に完封されているが、他のTOPS勢と同じく、どんどん強くなってきている気がする。
クラスB上位陣との戦いが楽しみだ。

小島選手、36歳なのにあのガッツは凄い。しかしあの状態が続くぐらいならオープンで仕掛けたり、
タックルに行って欲しかった。


第5試合 フェザー級 5分2R
△梅村 寛(ALIVE)
△小塚誠司(PUREBRED大宮)
判定0-0(19-19,19-19,19-19)

1R
梅村、今までに見たことのない程、鋭い眼光で小塚に向かっていく。対する小塚もいきなり右ハイ!
梅村吹っ飛ばされ倒れるも腕でガードしており、すぐに追撃を逃れながら立ち上がる。
お互いパンチをメインに打撃の攻防が続く。そして小塚の踏み込みに合わせ、梅村の鮮やかなタックル!
でテイクダウン。ここまで鋭くきれいな梅村のタックルは初めてみた程。見事だった。
小塚はガード。梅村は立ち上がり上から強いパンチを落としていく。終盤はパスを狙いつつヒザを割り、
隙を見てパンチを落としていったが、小塚もパスはさせなかった。

2R
スタンドの見合いから梅村タックル。しかし1Rほどのスピードはない。小塚はがぶり、そのまま場外へ
出てブレイクに。またも梅村タックルに行くも、距離があったためしっかり潰されそのままガードを取ろうと
するもすぐに小塚はパス、そしてマウント!小塚がパンチを落とすと梅村は背中を見せバックマウントに。
小塚はスリーパー狙いに。上を向いた梅村は小塚の両腕を掴んで凌いでいく。終盤、梅村が反転し、
インサイドガードに。小塚は梅村の両腕を掴み凌ぐ。梅村は腕を抜き、立ち上がりたまにパンチを
落としていく。最後、梅村が下げた頭を小塚が脇に抱えてゴング。

それぞれのラウンドをお互いが取り合い、3者とも19:19のドロー。
梅村選手、終盤追い込んだが、ドローでもやむなしといった表情。小塚選手はかなり納得のいかない
試合だったのか、苛立った奇声を発しながら退場していった。

梅村選手、いつも以上に気合いが入っていたように見えた。1Rタックルもするどく、落としたパンチを
強かった。また2R劣勢に立っても、終盤盛り返し攻めたところに気持ちの強さを感じた。
かなりいい動き、凄い気合いだっただけに2Rの正直すぎるタックルが悔やまれる。

小塚選手、連勝はストップ。しかし打撃の得意な梅村選手と打ち合い。今回も見事にパス、マウントの
動きを見せてくれた。個人的にあまり注目していなかったが、本日パンフを見ると、中井さんも若林さんも
その実力を大絶賛。クラスAとも遜色無いとか。今後、注目かも。


セミファイナル ブラジリアン柔術紫帯ぺナ級 7分1本
○渡辺 孝(パレストラ東京)
×植松直哉(SHOOTO GYM K'z FACTORY)
ポイント2-0

ルール説明はトマリーニョと荒牧くん。
スイープが2Pと紹介する際に、トマリーニョはオモプラッタと潜り系を披露する。マニアックな(笑)。
レフリーはストライプルの早川さん。

植松選手、金髪の短髪。KEIKOの特注バージョン(シルバーライン)を身にまとい、軽快な音楽に
乗って、そしてなぜか青いマントを羽織って登場。そしてリングに上がると深々と一礼。
セコンドは和道さん、小室さん、山口元気さんと凄い組み合わせ。
孝君はいつもの、パッチが擦れてもう見えなくなったパレ着で登場。
セコンドは中井さん、愛花ちゃん(紫帯女性柔術家)、仕事早退でスーツ姿の上村さん(紫帯柔術家・
うしをたおせ柔術師範代)。こっちも凄い組み合わせだ。

渡辺リーチを生かした低いタックルを仕掛けるも、植松は右腕で距離を測り、ズボン、足を掴ませない。
渡辺何度もタックルを仕掛けるも、植松は柔道のようにやや半身の体勢をとり、右手で渡辺の左襟を
掴み、距離をコントロールする。植松は少し微笑みながら投げのフェイントや足払い(X2)で
渡辺のバランスを崩す。渡辺は得意の寝技に持っていけず、ややあせりも感じているように見えたが、
セコンドの「あきらめずに何度も仕掛けろ!」の声に応えるようにまたもタックル。そしてとうとう
植松のズボンを掴み、タックル!そして見事にテイクダウン!渡辺2PGet!
会場爆発!(正確には柔術ファンだけか(^-^;))
ハーフになるも植松ガードに戻す。植松は襟を引きつけ、スイープのプレッシャーを掛ける。
渡辺は両足の裾をを掴み、得意のちょっと距離をおいて回り込むパス!植松は起きあがり急いで
ガードに戻す。この攻防で渡辺アドバンGet!またも同じパスで足を越す渡辺。
植松は起きあがって凌ぐが、そのまま渡辺はスタンド状態でバックを取る。そして植松の両膝裏を蹴り、
植松を倒し、バックを奪う!そして襟をたぐり、絞めを狙い続ける。植松は、向き直ろうと試みるも
そのままタイムアップ。渡辺がテイクダウンの2Pで見事勝利!

序盤こそ植松選手ペースに見えたが、テイクダウンしてからは完全に渡辺選手のペースだった。
相変わらず素晴らしいタックル、パス、ポジショニングを見せてくれた。もう日本ペナ級最強かもしれない。
もちろん、本人の師匠をのぞいては。

地獄のような闘病生活で生死をさまよった状態からリングへ復帰できた喜びからか、植松は
試合が終わると涙を浮かべ、顔をゆがませた。そして反対コーナーに挨拶に来た植松をその師匠の
一人でもある、中井さんが「よく戻ってきた・・・」と言わんばかりに高々と抱き上げる。
植松は抱き上げられながら、両手人差し指を天に伸ばす。中井さんがリング中央で抱き下ろすと、
そのまま泣き崩れる植松。しばらくして立ち上がるとリング中央で入場時と同じように深々と一礼し、
ホールを包む拍手の中、退場していった。

素晴らしい技術、パワー、戦いぶりを見せてくれる植松選手の修斗ルールでの復帰戦を早くみたい。
期待して待ってます。

孝君の素晴らしい戦いぶり、植松選手感動の復帰。マジで感動した最高の柔術マッチだった。


メインイベント フェザー級 5分3R
○池田久雄(PUREBRED大宮/5位)
×村田一着(無所属/9位)
判定3-0(30-27,30-27,30-27)

久雄さんのセコンドは大宮の石川選手、柔術黒帯プーさん、パレ八王子の盟友GOZOさん(柔術茶帯)

1R
スタンドでの距離を取っての見合いが続く。池田は踏み込んでの左ハイ。村田の頭をかすめる。
村田はワンツー返す。池田は得意のローからパンチのコンビが当たる。村田タックルも池田切る。
組んでから村田のヒザが池田の下腹部に当たり一瞬中断するも、再開と同時に今度は池田が村田に強烈な
ヒザを返す。(池田さん気が強い!)スタンドでは打撃もレスリングも分の悪い村田は飛びついて
正面から組み付くルミナ・ジョンルイス状態に。池田は冷静にコーナーに押しつけ、顔面・ボディと
パンチを打ち分ける。そして1R終了のゴングと同時に強烈なバスター!効いていないぞといわんばかりに
跳ね起きる村田だが、このとき池田の頭が当たり、前歯が折れたとのこと。

2R
村田やや大振りだがアグレッシブなパンチで押し込む。池田は凌ぎながらフックやアッパーを織り交ぜながら
コンビネーションで対抗。ぐらついた村田をテイクダウン。村田は堅いガードの状態から踵で腎臓蹴り。
池田はじっくり頭、ボディとパンチを打ち分ける。
池田のセコンド、パワー系シューター石川からは「バスターだ!」との無茶な指示も(笑)。
「そこからバスターいけるのはあんただけだよ・・・」と心の中で突っ込む。

3R
池田左ジャブというか左ストレートを痛烈に当てる。そして池田差す。村田はロープ際でヘッドロック
に取る。池田は頭を抱えられたまま空いている手でガツガツ殴っていく。村田は隙を見て前転し、
膝十字を狙うも池田冷静に足を抜き、今度は池田がアキレスを仕掛ける。村田も上体を起こし、
二人とも立つ。ここまで劣勢の村田は強気にパンチで攻める。池田は差してヒザを入れる。
そして最後は両者パンチの打ち合いでゴング。

判定が示す通り久雄さんが完勝。戦前から分かっていたことだが、久雄さんの打撃、レスリング、寝技の
技術は素晴らしい。そしてこのトータルバランス。うーん、コンプリートファイター!
試合後リング上で「来年はチャンピオンになります」と宣言。
バリジャパでホーキと激闘を繰り広げたり、巽選手と互角の戦いをしたりと、実力はライト級時代に
証明済み。間違いなくチャンピオンに一番近いのは久雄さんだろう。
ちなみに大石さんとのライト級での対戦では1勝1分け。来年中には3度目が見たい。

なんだか、見所が多くていい大会でしたね。いい試合が見れていつも以上に胸が熱くなりました。

さあ、もうすぐうしシューターも出場が決まり、その他にも熱すぎるカードが揃ったNKです。
楽しみすぎます。みなさん気合い入れて観にいって、会場で燃えましょう。




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