う〜〜ん…
■団体:T2P
■日時:2001年11月12日
■会場:後楽園ホール
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 これだけ事前にあおられていかないわけにはいかなかったT2P。関節技主体のルチャリブレクラシカ、新しい時代のUWF?闘龍門JAPAN旗揚げのときと同じく、コンセプトを決めて1から作り上げた、ウルティモのライフワークという話も。
 大田区で、試合の合間のトークも聞かず先行発売に早くから並んだ甲斐があり、後楽園南側C列という 5,000 円としてはたいへん見よい席。
 平日ということもあり開始時には(それでも)ほんの少し空席があったが休憩時の発表では 1,898 人超満員。ロビーの混雑ぶりもさすがに闘龍門で、売店では早くもT2Pのグッズ、二等兵の帽子などを販売していた。
 開始前、リングの周囲に黒い幕が張られていた。配られたサイリウムのライトを観客一同振りながらのカウントダウンで幕は払われ、現れたのは6角形のリング。そして入場式。

第1試合 ×近藤修司(13:19 タコツボ固め)○八木隆行
 八木は漁師キャラ。入場曲は北島三郎(『兄弟船』のほうがいいと思う)。コスチュームは防水の吊りパンツ(いつぞや蝶野もあんなの履いてた)。顔はTIMのゴルゴ似。学生プロレス経験者らしく、出身校からの垂れ幕が。
 近藤、顔はバトラーツの石川雄規似。
 グラウンドの攻防、やたらと回る。相手の体の上で上半身から下半身へ、また体勢を入れ替えるのにも。しかし、さほど緊張感は感じられない。間が空いて、どうしても珍しい技の練習の、成果のお披露目のように見えてしまう。
 試合が進むにつれだんだんと普通のプロレスに。八木の腕への1点集中を耐えた近藤、ラリアットなどで反撃。ラリアットてどうなん? ラグビー出身らしく、相手を長い距離運んだタックルはよかったが。パワーファイトで逆に押す。
 フィニッシュは八木が再逆転。決め技は、えーと… 変形のストレッチ。

第2試合 ○TARUシート(7:41 飛びつき小包固め)×三島来夢
 ミゼット相手なので、三島はギブアップ2回ないし4カウントフォールをとらねば勝てない。TARUシートは身長 154cm、2カウントのフォールで勝ち。三島、コスチュームは永田@新日、顔はえなりかずき。
 お約束で、三島が1度ギブアップをとって控え室に帰ろうとする、3カウントをとって大喜びする、などをはさみ、油断をついたTARUシートの逆転勝ち。本物TARUが試合途中からセコンドについた。この「途中から」というのが大事なのかも。そこで必ず、一度沸くポイントが作れるし。
 TARUシートとドラゴン・キッドをやらせてみたい。

第3試合 ○大鷲透(11:48 千秋楽固め)×小川内潤
 大鷲は大相撲出身、大型(185cm)。ポコンと突き出た腹、髪の感じ、体のさばき方など、荒谷@現・全日を想起させる。技のフォロースルーで体の芯が妙にクネクネしているところは太陽ケアっぽい。
 大鷲のパワー殺法、喉輪でリフトしたまま少しく走って決めたチョークスラムが目立った。フィニッシュ技は、えーと… 変形のストレッチ。

 ここまでの試合内容、たしかに目新しい動きがあるものの、第1試合のところで触れたようにその動きに間が空きがちなんですよね。確認しながらやっているような。
 アレをやるなら、もっと隙なく流れるように動いて、スピードによる緊迫感を出すか、そうでなければ「間」そのものを魅せるようにするか(技をかける際の見得、耐えるセル)。前半3試合については、序盤を中心に珍しい技を一所懸命出していたけど中終盤は普通のプロレスになっちゃっていた。
 スピードによる緊迫感、驚きということで言えば、まさしく、今や早くも伝説になりかけている3WAY6人タッグがそうだったし、流れるような動きと言えば、同じ後楽園大会で “メキシカン・バーリトゥードの達人と紹介されたホルヘ・リベラっていうおっさんがそうだった。
 キャリア1年そこそこの選手たちにそこまで求めるのもハードルが高いのかもしれない(同行のR君の観察によると、入場式で三島来夢、緊張のあまりか何度も何度も生唾を飲みこんでいたらしい)。しかし、これだけ煽っておいて、選手のキャリアの少なさを言い訳にするのはナシだと思う。
 ただ、先に挙げたホルヘのおっさん、動きから緊張感はさほど感じられなかったですよね? それは、エキジビションだったからだけではなく、あまりにも「流れるように」動きすぎたからだったのかも。そのへん、止まらずに動き続けるだけにとどまらず瞬間瞬間「コレで終わらせちゃうぞ」っていう勝敗の緊張感の見せ方も、今後の課題なのかもしれない。

 休憩後、失踪中だったSUWAが登場、どよめきのなか記者席に座って以後観戦。

第4試合 ×TARU(12:5 敬礼逆さ押さえ込み)○大柳錦也
 大柳、出撃ラッパを前奏につけた『宇宙船艦ヤマト』で入場。兵隊帽、兵隊服、牛乳瓶底眼鏡、髭面、ゲートル、手には懐中電灯。TARUのセコンドにシート。
 兵隊さんの、匍匐前進ネタは、トム・ハワードに先にやられちゃっていてウケもいまひとつでちょっとかわいそうだったけど、敬礼のほうは徹底してた。とにかくはじめから敬礼。TARUが腕を無理やりねじ曲げても形状記憶合金のように復元。敬礼のヒジの角度を利用したダイビングやローリングしてのエルボー、敬礼背面アタック。また、バンザイしてポストから飛び降りる「バンザイ・アタック」もあり。
 最後も逆さ押え込みしながらの敬礼で勝利。ちょっとビックリ。
 TARUマイク「ストーカー市川とは違うようだな… もっとお前と試合を組むよう校長に頼む!」TARUさんはいい人だなあ、と思う。
 面白かった。けど、ネタが徹底しているだけに飽きられるのも早いかもしれないので、たえまない研鑚を期待したい。

セミ ○吉野正人、S・b・TUJIMOTO(22:19 ソル・ナシエンテ) 森ken太郎、×岩佐卓典
 先行上陸し、みちのくで東郷・外道と組んでいるというルード側。TUJIMOTOはラップ(たぶんDragon Ash)で入場。吉野はポストに上ってターザンの雄たけび。この吉野、雰囲気はある、色気がある。ややCIMAを思わせる。しかしいかんせん小さい。体の見せ方の問題だと思うのだが、現時点で、より小ささが目立つというか。惜しい。
 リンピオ組、森は王子様。リングインして四方へお辞儀。岩佐はリンピオだとしたらキャラぼけ。金髪にアジャ・コング風メイク、小太り。コスチュームと相俟って、アジャというよりファング鈴木@Jd’。
 序盤、吉野と森、TUJIMOTO と岩佐、という組み合わせで替わるがわる。前者の組み合わせで、ここまでの試合の動きを何倍速かにしたような、すばらしいシークエンスがあった。コレがそうなのか?!
 別の場所で見ていた友人によると、このタッグの試合あたりで、ウルティモ校長から選手に、セコンドを通しての指令があったように見えたらしい。興行の途中でいかほどかの軌道修正がなされたのだとしたら、さすが校長。
 吉野と森、組み合わせも手が合っているのかも。そういえば、休憩時に発表された今後のシリーズで行われるヤングドラゴン杯の1回戦も、この日の第1、第3試合と同じ組み合わせであった。この2つは、手が合っているにしてはアレだったけど。
 後半、バテたのかスピードも鈍ったが、連係ふくめてルード組、とくに吉野は良かった。気に入った。
 この試合で、この日初めて場外乱闘があった。見る側の慣れの問題かもしれないが、6角形のまわりでの乱闘はどこかやり辛そうだった。6角形、ロープワークも斜めに走らなきゃいけないし。
 しかしこの問題(6角形)については、おいおいその新しさがわかってくるのかもしれませんね。なんかエスケープルールが関係してきそうな。
 フィニッシュは、変形の変形の両腕ひしぎみたいなの。

メイン 61分3本勝負(5回のロープエスケープでTKOルール)
○ミラノコレクションA.T.(2−0)×斉藤了 1. ○ミラノ(7:18 パラダイス・ロック)×斉藤 2. ○ミラノ(7:19 A.T.ロック)×斉藤
 いよいよエース登場。イタリアの国旗から、白・緑・赤で彩ったコスチューム、同じサングラスをかけさせたモデルふうの男女とともに入場。モデル歩き、本人犬を連れているつもりでその紐の先には何も繋がれていないのがなんともおかしい。透明犬というらしい。登場の仕方が、ややマグナムを思わせる。
 ミラノには、ルードだけでなくT2Pの全員がセコンドにつき盛り上げる体制。対する了には誰もつかず。この時点でイヤな予感がした。
 ミラノの見たことのない動きに翻弄され続ける了。反撃も、ジャーマンなどありふれた技しか使えない。中盤、普通のSTFを先に仕掛けて、A.T.ロック(ステップオーバートーホールド・ウィズ・フルネルソン)を食らいそうになってしまう。
 なすすべもなく1本目をとられ、イヤな予感は増し、少しいたたまれなくなって了に声援。しかし空しく、4度のエスケープを繰り返した了、5度目はなくギブアップ。
 ミラノ、ムードと、ハイブリッドな身体つきは良い。だが、T2P内で長身(183cm)なのがかえって、関節をとる動きにムダがあるように見えてしまう。起動とフォロースルーがギコチないというか。カクカクしてちょっと蜘蛛っぽいような。それがやや、この圧勝劇の説得力に翳をさした。

 エースの勝利にT2P全員大喜び。肩車で祝福。
 「メインをはってるチャンピオンがこんなもん?闘龍門JAPANってたいしたことないね」ミラノの挑発に無言で引き上げる了、立ち上がったのはSUWA!しかし期待する観客の胸のうちとは裏腹に、笑みを浮かべてミラノと握手!?ううううーん、そうきたか。
 今回のミニシリーズののち、次回T2Pが再上陸するのは来年2〜3月だとか。今回を踏まえ、練り直すべきは練り直し、たくさん練習して、もっともっと凄いものを見せて欲しい。校長お願いします。


(今回の観戦記は、同行したR君のそれに多くを拠っています。Special Thanks to R君。R君の観戦記はココのBBSで)




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