結果と内容と未来
■団体:PANCRASE
■日時:2001年10月30日
■会場:後楽園ホール
■書き手:リー監督 (ex:リー監督の「た・い・く・つ」

 出張帰り。新幹線を降りてそのまま後楽園へ向かう。

 何だか最近、パンクラスの後楽園大会は盛況が続いている。私も珍しく当日券ではなく前売り券を握りしめて突入した。パンクラス東京&横浜連合軍 対 GRABAKA対決。冷静に考えれば結果は見えているが、その結果に至るまでの内容をこの目で確かめられる幸福がある。事前のアオリと試合内容の充実がうまく組み合えば、興行はほぼ成功と言ってよい。

 しかし、改めて考えてみると後楽園ホールを満員にしたところで、世間一般のエンターテイメントの水準から考えれば、どうってことないような気もする。プロレス・格闘技興行の理想の姿はもっと先にあるのだ。

 観戦記に入る前にラウンドガールについて。2人とも癒し系狙いで可愛いと思うけど、あのボードの持ち方やウォーキングは一体何なんだ。全然出来ていない。誰が教育しているのだ。責任者出てこい。私が教育しようか。全く。アホらしいと思うかもしれないが、興行では大切なことなのだから。このままではルッテンの餌食になるだけだ。

 18:40、10分押しの開始。その時点で7割近くの入り。バルコニーが東西両方で40人くらいかな。平日で客足が遅いことを考えれば、また満員になりそうな予感。

 伊藤の代打で冨宅が出場。24時間の準備期間もないので、それを受けた冨宅の心意気は良しとしよう。

(1)ミドル級 大石幸史 対 ミック・グリーン

 期待されている移籍組の大石。セコンドには渋谷と國奥。専門用語でこのコンビを「渋Q」と呼ぶ。渋谷の東急とは無関係。グリーンの筋肉の付き方を見るとストレートパンチが得意そう。しかし、大石のレスリング技術がそれを許さない。大石の片足タックルはほとんど決まる。スタンドの差し合いも大石が上。それから先はさすがに何もさせてもらえないが、判定の2−0には当然。3−0だと思ったくらい。

(2)ミドル級 佐藤光留 対 岩崎英明

 佐藤のセコンドはまた渋Q。対して岩崎は平。岩崎の入場曲はブルーハーツの、リンダリンダ〜♪。一方の佐藤、なんと白いマントをなびかせてリングイン。カッコ・・・悪い。互いにつかみはOKといったところ。

 岩崎が積極的にパンチを繰り出す。そして、隙を見てタックル。これは作戦として面白いかも。少し佐藤の意表を付いたかも知れない。佐藤はタックルを潰してインサイドガードになるが、その先はない。2Rに岩崎のジャブが当たって佐藤は鼻血を出す。おおお、流血じゃ。佐藤がドクターチェックを受けた後、岩崎はパンチの連打。最後は右ストレートでKO。2R4分20秒。平の頭が薄くなっていたのが印象的な試合だった。

(3)先鋒戦 代打冨宅 対 三崎

 ここからセミまではパンクラス東京・横浜の連合軍 対 GRABAKAの5対5対抗戦。

冨宅のセコンドは近藤と伊藤。伊藤は足を引きずっている。対して三崎のセコンドは菊田。これ以降全部菊田が付いている。勝って当然の試合を、きっちり勝つのは意外に大変なこと。勝たなければ意味のないGRABAKAの哀愁を感じたのは私だけだろうか。

 いきなり三崎の右ストレートで冨宅がダウン。8秒KO。しばらく冨宅が起きあがれない。鈴木と美濃輪も飛んできた。冨宅には悪いが、ここは判定よりも秒殺が理想的な展開だった。そういう意味では素晴らしい。冨宅の出場の経緯は理解する。しかしリングに上がったからには言い訳は無用。

(4)次鋒戦 窪田幸生 対 石川英司

 窪田のセコンドは渋谷と美濃輪。窪田の気合いだけは充分。石川のタックルを潰して窪田がインサイドガード。それを石川が返す。おおおお。そこでバックを取られながら立ち上がった窪田。これはなかなかいい動き。技術向上委員会の発足か。やっと相手のスウィープを想定しての練習をしたらしい。スタンドでの差し合いに戻る。しかし、流れは石川のもの。窪田は自分から仕掛けない。カウンターの打撃狙いで、タックルが来たら潰してインサイドガード・・・という、いつものパンクラス戦術。と、そこへタックルに合わせた窪田の左膝が石川の顔面にジャストミイイイイト! 2R56秒、マグレのKO、と厳しく書いておく。

 窪田のマイク。また、負けたのにマイクか・・・と思ったが、勝ったんだよな。12/23のDEEPで坂田と対戦らしい。頑張れ。

(5)中堅戦 渡辺大介 対 佐藤光芳

 渡辺のセコンドは渋Q。後方からは鈴木のアドバイスが飛んでくる。なかなか良い試合。タックル、差し合い、殴り合い、いずれも実力伯仲で見応えがある。2Rには佐藤がマウントを取りかけるが、渡辺はクルリと回ってスリーパーを狙わせ、その動きに合わせて立ち上がる。窪田と同じパターン。3Rも佐藤がマウントを取るが、渡辺は決めさせない。結局、判定。ポジショニングだけなら、佐藤の圧勝だと思った。しかし、1−1の引き分け。私的には少し疑問の判定。確かに差は付いていない、と言われればその通りなのだが・・・。

・休憩 (休憩後の開始は20:30頃 満員になっていた)

(6)副将戦 石井大輔 対 佐々木有生

 石井の打撃か佐々木の寝技か、という比較的判りやすい試合。GRABAKA対石井は今後も観たいカードである。佐々木がしつこくタックルを仕掛ける。差し合いになったら石井は小さい打撃をしつこく入れる。なるほど、実に自分の個性を理解している。猪木・アリ状態からブレイク。突然、佐々木の左ハイからパンチで石井がぐらつく。普通なら上に乗って打撃で決めそうなものだが、佐々木はGRABAKAらしく、上からパンチを放った後、クロスアームバー。1R3分01秒。スタンドで佐々木のパンチが当たった時点で勝負は付いていた。石井が打撃でやられるとは・・・油断したな。しかし、面白い試合だった。

(7)大将戦 KEI山宮 対 郷野聡寛

 山宮のセコンドは鈴木と近藤と豪華。郷野は、山宮入場時から挑発しまくり。素晴らしい。いつもの山宮戦法に対し、郷野はノーガードで素早い打撃。何となく、ワクワクする。郷野はスタンド時コーナーで膠着すると、肩パンチの連打。面白い。時々スリルのある打撃戦もある。2R終了前には郷野の良いジャブが一発入ったが、山宮は動ぜず。3Rには郷野のマウントに対し、バックを取らせて立ち上がるというパターンを見せた山宮。しかし、全体としては打撃もポジショニングも積極性も全部郷野が上。最後にはバックドロップ気味の強引な投げを魅せた郷野が判定勝ち。3−0。文句なし。あちらこちらで吠えていた郷野、勝てて良かったね。これでGRABAKAは3勝1敗1分。予想通りの快勝。内容的には、パンクラス側がかなり対策をやり始めたのかな、という感じ。来年同じ企画をやったら、もっと面白いことになるだろう。

 試合後の郷野のマイクもパンクラスを挑発。「おいおいおい。前KOPの実力はこんなもんかよ。美濃輪と闘うのはまだ早い、と言った皆さん、目を覚まして下さい。もう日本には敵がいないな。ボス(菊田)と佐々木とオレで、ブラジリアントップチームと3対3のカードを組んで下さい。尾崎社長、お願いします」とかなんとか。パンクラスにそんな金はありません。DEEPの佐伯さんにお願いしましょう。

 そういえば、郷野と美濃輪の試合が観たかったんだけどなあ。ええと。このリングはGRABAKAのものです。はい。そういうことです。

(8)メイン ミドル級KOPマッチ ネイサン・マーコート 対 星野勇二

 いつもの野獣パンツで入場の星野。セコンドには高瀬。二日前のディファ有明で闘龍門を観ていたコミッショナーがタイトルマッチ宣言。21:15くらいに試合開始。

 いきなり星野が引き込みながらのフロントチョーク・・・は抜ける。グラウンドでは星野が上になるケースが多いが、下からのマーコートの攻めを警戒している様子で、あまり仕掛ける気配はない。打撃は何故か星野が押している。スタンドでの差し合いから倒すまでは互角。星野が健闘している。というより、星野は強いね。

 決着は3R。星野のタックル。インサイドガード。しかし、すかさずマーコートが長い手足を絡ませて三角締め。2分13秒。次は12/1、國奥とのタイトルマッチだ。この短い間隔は一体何なのだろう。不思議だ。

 表彰式の前に尾崎社長から、12/1に郷野対近藤が決定したとのお知らせ。ありゃ、そうですか。というわけでチケットを買ってしまいました。全くアホやね。横浜文体の動員にも期待できそう。パンクラスの未来は・・・明るい・・・のかな。それは少し心配だが、とにかくこういう対立のはっきりした「抗争」は面白いのは確かだ。

 やはり、格闘技興行も企画力。そして、それを支える選手の実力と努力であることを再認識。是非このペースを持続していただきたいものである。しかし、それが一番難しいのよねん。ねんねんのねん(by 青田赤道)。




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