WARが闘魂三銃士に負けた日
■団体:全日本
■日時:2001年10月27日
■会場:日本武道館
■書き手:tigergate

 6時ギリギリに武道館へ。席は一階席なので正面玄関から入ると、すでに音楽が。席に着いたときには第一試合の選手入場が始まろうとしてました。

第一試合 30分一本勝負 ジャイアント・キマラ 対 キム・ドク
 序盤はオーソドックスな打撃戦から。デカい同士がレトロなチョップや拳の打ち下ろしでスタミナを奪い合う。5分過ぎ、キマラがドクにダブルのショルダークローを敢行。苦しむドク。キマラは脳天チョップも見せ、ドクには辛い展開。ついでに観客にも辛い展開(泣)
 最後はドクがキマラを持ち上げるが、逆に体を入れ替えられそのまま押しつぶされる。そこへキマラがボディプレスでピン。

○ジャイアント・キマラ 【8分58秒 体固め】 キム・ドク×

 試合後、苦しそうながら片手を上げて観客へ挨拶する53歳のドクに暖かい拍手が。全日っぽいねえ。


第二試合 30分一本勝負 田中将斗、土方隆司、平井伸和 対 ジョージ・ハインズ、ジョニー・スミス、宮本和志
 平井とスミスでスタート。グラウンド中心の地味な立ち上がり。続いてハインズと田中のスピードあふれる攻防へ。ハインズの当たりは相変わらずいい音がする(笑) たまらず田中が場外へ逃げる場面も。
 最後は宮本と土方。フレッシュだなー、宮本。常にテンパってて良い感じです(笑) 案の定と言うべきか、宮本が捕まり、青コーナーでボコボコに。
 しかしハインズ、スミスのフットワークが次第に流れを引き寄せる。全員入り乱れての混戦では急造タッグの不利は明白。中盤から宮本がずっと田中を付け狙い、食ってかかる。終盤になっても食い下がる新人のひたむきさに田中も持て余し気味。スミスは土方を捕らえていた模様だが、場外なので席からよく見えなかった(泣)
 最後はスタミナの切れた平井が捕まり、ハインズドライバーからフォール。

○ジョージ・ハインズ 【11分53秒 ハインズドライバー→片エビ固め】 平井伸和×

 試合後はリング上で仲良く6人全員が握手握手。


第三試合 30分一本勝負 スティーブ・ウイリアムス、マイク・バートン、マイク・ロトンド、ジム・スティール 対 長井満也、荒谷信孝、奥村茂雄、相島勇人
 試合開始前に外人チームが客席へボール投げ。このボールを受付に持っていくと記念品が貰えるそうですが、一階席の私には関係ない話ですな。だってボール届かないんだもん(泣) 一球だけウィリアムスが投げたボールが一階席の最前列に届いたみたいだけどね。
 先発はバートンと長井。しばらく二人で長い攻防。やや長井優勢で進むが、ゴールデンレフトで逆転しスティールへタッチ。そこからは目まぐるしくタッチが進む。長井から奥村に移ると、スティールからウィリアムスへ。奥村から荒谷へ移ると、最後にロトンドと相島へ順当に全員へ回る。
 そこからはもう細かい展開がよくわからない(泣) 8人タッグは目で追いにくいな〜 見るのが簡単になったのは、日本人チームが外人チームを場外に蹴散らしてから。ロトンドが捕まり串刺し三連発から空牙で集中攻撃を受けるが、フォールはカウント2。
 しかし戻ってきた外人チームに蹴散らされ、逆に一番小柄な相島が捕まるわかりやすい展開。大技連発で簡単に沈む。

○マイク・バートン 【13分51秒 片エビ固め】 相島勇人×


 休憩を挟んで、続いては全日本対WAR。その前、休憩直後に武藤とケアが登場。BATTグッズ売り上げを盲導犬育成基金に寄付するそうな。その目録贈呈式がリングで。良いことですねえ。

 全日本対WAR開始。最終試合は両陣営の強い希望により川田対冬木がすでにリザーブ。残り4試合は試合開始直前に両陣営の指名を使者が書面で伝えに来る、それを立会人が読み上げ、即座に選手が入ってくる寸法。
 まず最初の対戦は……

第四試合 全日本対WAR 決着5対5シングルマッチ@ 太陽ケア 対 天龍源一郎
 サンダーストームが場内に掛かった瞬間、「う〜ん、これは楽しい」と隣の人がつぶやきました。しかし、対抗戦が尻つぼみにならないかな……ってちょっと心配。
 ケアのレガースチェックで早速突っかけていく天龍。しかしキックで迎撃するケア。そこからの序盤はなぜか天龍がやられっぱなし。しかし、為す術無しというわけでなく、ケアの勢いを真っ正面から受けている感じもする。
 天龍、股間打ちからラリアットで反撃開始。その後場外へ。天龍は懲りずに本部席の机を持ち出そうとするが、立会人が体を張って阻止。場内へ戻って電光石火のブレーンバスターからWARスペシャル。しかしケア持ち直し、スタンディングでガチガチの打撃戦へ。グーパンチと逆水平、さらに延髄も飛び出す。
 天龍、打撃戦に疲れたのか、セカンドロープにもたれてグッタリ。でも絶対三味線なんだよね。わかりやすいもん(笑) そこへWARセコンドの平井が、太い飲み口のついた水筒のようなものを手に天龍へ近づく。ケアが気づいてリング下に降り、平井を鉄柵へ飛ばす。
 リングでは再びグーパンチ合戦。そして再びセカンドロープで休憩する天龍(笑) その反対側のロープ付近で客席に突然アピールし出すわかりやすいマウナケア君(笑) そして天龍に近づく平井。天龍何か口に含む。さあ、口の中身はなんでしょね〜
 天龍はケアに引きずられてリング中央で大の字。それを見たケアは赤コーナーに登る。そこへ平井がいきなりエプロンに登り、天龍へ「ケアが狙ってる! 起きて!」と突然アシストし出す。無論、注意しに行く和田京平。和田君がリングの中央に背を向けてる間に、ケアは起きあがった天龍へドロップキックを! しかし! 赤い毒霧がケアに炸裂! やられたケアにノーザンライトボム!! これでフィニッシュ。

○天龍源一郎 【11分35秒 ノーザンライトボム→片エビ固め】 太陽ケア×


 第五試合までのインターバルに場内から「平井帰れ!」の声が。それを聞いてニヤッとする平井(笑)


第五試合 全日本対WAR 決着5対5シングルマッチA 白使 対 北原光騎
 北原はwithパイプ椅子で入場。しかし花道でレフェリーに阻止され、リング下へ投げ捨てる。しかし平井が回収。
 試合開始。しばらく組むのを嫌がる白使。「なんだよ!」と怒って帰ろうとする北原(笑) そんな北原に場内からは「お前が悪い!」(爆) それは可哀想だろー かといって、組み出したと思ったらいきなり股間前蹴りで白使悶絶、場外へ落ちる。引き出しの少ない奴だなー 北原。
 中盤、曼陀羅から念仏ショルダー、念仏パワーボムへと移行するが、念仏中に起きあがって攻撃を加える空気の読めない北原。いかん! それはいかん! 罰が当たるぞ、北原! ちなみに次の念仏パワーボムは成功。
 極楽固めが出るが、技に入りきる前に頭部へのキックで逃れる北原。そして場外へ降り、パイプ椅子を持ち込もうとする。これはレフェリー阻止しようとするも強引にリング内へ。しかし白使はパイプ椅子をかざす北原に椅子ごとキック。倒れた北原へのフォールは返されるが、渾身のファルコンアローでピンフォール。

○白使 【10分42秒 ファルコンアロー→片エビ固め】 北原光騎×


第六試合 全日本対WAR 決着5対5シングルマッチB アブドーラ・ザ・ブッチャー 対 安生洋二
 いやあ、マジで?! いいのか、対抗戦にこんなアングル持ち込んで。筆者は安生のプロレススキルをそこそこ評価してるので、プロレスにはなるだろうなと思ったけど……なんか納得いかない。全日とWARのそれぞれ5人目がブッチャーと安生だったことに対する脱力感なんて吹き飛んでしまいました。
 安生、リングインとほぼ同時にラッシュ。しかしすぐに地獄突きを食らい、この世のものとは思えない苦しみ方をする(爆) いいぞー! 安生!! 大好きだ、そういうの!
 試合は、はっきり言ってグチャグチャ。場外で、この試合だけWARのセコンドに付きに来た田中を見つけたブッチャーが試合そっちのけで殴りかかる。これで試合に参加した田中が安生を好アシスト。最後は田中が凶器を渡して、安生がパンチ。ブッチャー流血、ピンフォール(笑) うーん、プロレス四段活用。

○安生洋二 【7分27秒 ナックルパート→体固め】 アブドーラ・ザ・ブッチャー×

 試合後はキマラが加わって、不条理な裁定に二人で大暴れ。レフェリーのウォーリーが捕まり、地獄突き。ウォーリーは場外へ逃げて、さっさと帰ろうとするそぶりを見せてから(笑)、リングへ連れ戻されてロープに振られる。素直に飛んで帰ってくるウォーリーにエルボーで処刑。ウォーリー、仕事とは言え可哀想……


第七試合 全日本対WAR 決着5対5シングルマッチC 渕正信 対 嵐
 グラウンドの、良く言えば「渋い」、悪く言えば「退屈な」腕取りからスタート。嵐のエグさが渕の前では生かせないレスリングを展開。試合の流れはずっとこんな感じ。
 嵐の股間前蹴りで渕は場外へエスケープ。なんともまあ、困ったらすぐこれだね。
 大した広がりも無く、リングに戻って嵐は渕にサソリ固め。これはロープへ逃げる。その後、渕が反撃開始でナックルパートからバックドロップ二連発。場外へ逃げる嵐を追いかけて、そこでもバックドロップ。軌道が低くてやや技の切れ悪し。でも嵐は地味に痛いかも。
 再びリング上で延髄切り、バックドロップの打ち合いで両者リングに大の字。先に蘇生した嵐がラリアットからフォールにいくがカウント2。そこから串刺し式ラリアット、アラシドリラーでそれぞれフォールするも耐える渕だったが、最後にフロッグスプラッシュで轟沈。

○嵐 【15分55秒 フロッグスプラッシュ→体固め】 渕正信×


第八試合 全日本対WAR 決着5対5シングルマッチD 川田利明 対 冬木弘道
 長い伏線だったけど、やっと結実しましたな、フットルース対決。次の展開はフットルース再結成か?
 序盤からバチバチの激しい当たり。パワーボムでファーストフォールにいくが、場外へ逃げる。冬木も本部席を狙うが全日の良心(?)がこれを許さず。
 リング上では冬木が弓矢固めにいく。川田が素直に応じてるのに、グズグズの入りで崩れる。ならばと続いて逆片エビからSTF。冬木はフェイスロックを解いて片手で川田の腰をグリグリえぐる。こういう「こすい」所業は全日では身につけられなかっただろうな。
 中盤、お互いがパワーボムを打ち、それに耐える膠着状態が繰り返される。冬木を持ち上げるのはやはり難儀らしく、頭部へのキックからバックドロップでフォールを狙った川田。ロープで逃げられると、ラリアットを挟んでストレッチプラムを敢行。ぐったりした冬木を押さえるがギリギリで返される。
 冬木も意地を見せる。股間への頭突きからラリアット、冬木スペシャルと繋いで川田も苦しむ。しかし自力に勝るのはメジャーで揉まれ続けてトップも取った川田。終盤へ至るにつれ、冬木のスタミナ切れは哀れなほど顕著に。
 川田、冬木をロープに振って延髄を二つ見舞う。しかし冬木堪えてラリアット。これで二人がマットに大の字。しかし最後は川田が渾身のバックドロップから延髄で決める。別れて十数年、打撃に磨きをかけてきた川田の哲学が冬木のそれに完勝した瞬間だった。

○川田利明 【18分5秒 キック→片エビ固め】 冬木弘道×


 メイン前、世界最強タッグリーグ出場全7チームが発表される。注目はやはり全日ではシリーズ初参戦の武藤と、ケアの世界タッグ組。本来なら全勝優勝が義務づけられるチームだけに、他6チームからの厳しいマークが予想される。


第九試合 三冠ヘビー級選手権試合 武藤敬司(選手権者) 対 蝶野正洋(挑戦者)
 蝶野は外人勢にT2000のタオルを羽織わせてリングイン。武藤はケアを帯同。花道途中でコートを脱ぎ捨てると腰に三冠、両肩に世界タッグを巻き、もはや鎧。王道チャンピオン養成ギブスってか(笑)
 ゴングが鳴ると赤コーナーへラッシュする蝶野。好勝負の予感。冷静な武藤はカニばさみで切り返し、足首を極める。そこからSTFを狙うが、
フェイスロックが決まらず。ただのステップオーバートゥホールドになってしまった。
 スペースローリングエルボーを放つ武藤。しかし人を食った動きでスカす蝶野。いい味だ。
 二人の狙いはお互いの膝。武藤は殺人フルコースのドラゴンスクリュー→足四の字をこの試合一発目。これはロープに逃げられ、蝶野の反撃は……なんとコンプリートショット? いや、リバースSTOとでも言うべきか、武藤の首にフロントから腕を巻き付け、後頭部を押さえ、武藤の右足に自分の右足をかける。そして反動を付けて後ろへ倒れ、武藤の前頭葉をしたたかマットに打ちつけるという……技の名前は発表を待ちましょ。まずはこれを二発食らわせた。そしてバタフライロック。ロープに逃れる武藤。
 シャイニングウィザード本日一発目は意外なところから。エプロンからセカンドロープに足をかけた蝶野にその足にかけ登って膝をたたき込む。恐るべきイマジネーション。無論、技を光らせる蝶野も立派。プロレス技というのは、一人で出来るものは存在しないんです。
 ムーンサルトを狙い、蝶野を寝かせてコーナーへ登る武藤。しかし蝶野が起きてきたのに気づき、シャイニングウィザードで再び眠らせる。しかしムーンサルトを邪魔されたことは、流れがチャンピオンの手から離れていっている証拠か。なかなか決定的な場面にいくか、という予兆はたくさんあるのだが、いずれも有形無形に潰される。
 蝶野はケンカキック二つからロープに振って戻ってきたところをSTF。その後、スリーパーを首投げに取られ、ムーンサルトを放たれるが転がってかわす。やはりフィニッシュムーブは必ず潰している蝶野。武藤の焦りを煽る超高度な頭脳戦。
 再びSTF、そしてフェイスロックをチョークスリーパーへ移行。これで何と武藤がタップ?! 一瞬和田京平レフェリーがビクッとしたものの、冷静に本部席を制し、武藤はロープへ何とか手を伸ばす。しかし武道館全員がヒヤッとした瞬間でした。
 ケンカキックをドラゴンスクリューに取り、片膝をついた蝶野へシャイニングウィザード。すると蝶野が切り返しでシャイニングウィザード?! しかし膝ではなく、足の甲で側頭を蹴り上げる変形技。武藤が相手の膝を足場にして曲げた膝をぶち込むのに対し、蝶野は相手の膝を支点に足を延ばしたまま回転で蹴り付けるタイプ。長々とウザい解説をしてしまいましたが、これって結局パクリなんだよね。技としてはどうせそんなに息は長くないでしょう。
 まあ、そんな攻防があり、蝶野がわざわざ膝をついて誘い、打ってきたシャイニングウィザードを両腕でブロックという、チャンピオンをおちょくった行為もあった本家と変形の撃ち合いはケンカキックで終止符。ここからのフォールはカウント2.9! そしてロープに振られる武藤だが、帰ってきたところを一発逆転のフランケンシュタイナー!! この切れ、オレンジのショートタイツをはいていた時以来、久々に見たぞ!! 当然蝶野は抗する術なくピンフォール。

○武藤敬司 【22分52秒 フランケンシュタイナー→体固め】 蝶野正洋× ※第27代選手権者が三度目の防衛に成功

 いやあ…………何も語りますまい! 王座陥落を予感させる試合展開だったので、観戦中は極度の緊張感が。試合が終わってしばらくは脱力感で席から立てませんでした。
 盤石ですな、三冠王者。今後の挑戦者デューアップ予想は藤波辰爾、長州力、そして川田利明。天龍さんの言葉を借りれば「三冠第二章」はハズレ無しの試合が並びそうですね。




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