NOAHで大谷躍動
■団体:NOAH
■日時:2001年10月12日
■会場:千葉公園体育館
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 大谷と三沢の初カラミが見たくてはるばる千葉まで。7時少し前に、千葉駅からモノレールで1つの千葉公園駅につくが、もう人影も無くあたりは真っ暗、体育館にたどり着くまで迷って、競輪上の回りを一周してしまった。
 1階フロアの椅子の並べ方はゆったり見やすい。同じ県庁所在都市の横浜文化体育館と比べると、あちらは首都圏の中規模会場としてビッグマッチに使われ、東京からの客も多く、会場内の警備もしっかりしているのに対し、こちらの観客は地元の方が主+いわゆるノアヲタのみなさんで、選手の入退場時にはフロアを駆けまわって花道周辺に人が群がり、身体をたたいたり写真を撮ったりと、かつてからあるプロレスの地方巡業の姿がそのままに見られた。横浜文体も、ぼくが子どもの頃は、国際プロレスに2階席で入場して、休憩後1階に潜入、人も少ないので客席の後ろで走りまわったりしていた記憶があるのだが、それは国際だったからか?
 観衆、2,800人(たぶんほぼ発表通り)。

第1試合 ×ラッシャー木村、百田光雄(10:36 逆さ押さえ込み)○永源遥、橋誠
 間に合わなかった。

第2試合 浅子覚、○青柳政司(14:51 上段回し蹴りから)リチャード・スリンガー、×スーパースター・スティーブ
 会場到着時、この試合の途中だった。
 スティーブは合宿所に住み込んでプロレスを教わっているらしい。飛び技の飛距離に見るべきところがあるが、新弟子のレベル。スリンガーは久しぶり、動きは良い。パートナーがブレーンバスターされるのを後ろで待ち構えて受け止めて防御したり、変わった動きも見せていた。
 浅子はなぜか偉そうにアレコレ青柳に指図、自分はあまり働かない。青柳は以前より動きがスムーズになっていて、トップロープからの雪崩式フランケンシュタイナーまで見せたが、参戦当初のギスギスした噛み合わない雰囲気を失ってNOAHに居続ける意味は、よくわからない。

第3試合 佐野巧真、×丸藤正道(21:07 デスバレーボムから)○池田大輔、杉浦貴
 池田と杉浦が仲が悪いままタッグを組んでトーナメントに参加しているという、そのストーリーを、ただ、見せてもらう試合。ゴングが鳴って2人同時に控えに引っ込み顔を見合わせる、とか。フォールを獲った後にも、池田が杉浦にラリアット、首を傾げながら退場する杉浦。

第4試合 志賀賢太郎、×金丸義信(14:38 バックドロップから)○森嶋猛、力皇猛
 あい変わらず弱々しい、晩期の馬場がそのまま縮んだような動きしか見せない志賀に比べ、金丸は体が小さいなりに、バンデージで首を絞めたりフォールの際ロープを利用して押え込んだり急所攻撃したり、大型のワイルドII相手になんとか互角に闘おうとして会場を沸かせる。
 フィニッシュ、森嶋のバックドロップ、長身だけに落差が大きく、説得力十分。

第5試合 田上明、泉田純、×川畑輝鎮(17:23秒 火の玉ボム<変形ライガーボム>から)本田多聞、井上雅央、○菊地毅
 この日、永源百田ラッシャーの試合を見られなかったわけだが、その代わりというかなんというか、予備軍の皆さんを寄せ集めた試合を見させられる。今年、1月のディファで田上・泉田vs井上・橋、2月の後楽園で田上・泉田vs本田・井上、6月の後楽園でも田上・泉田vs本田・川畑と、この手の試合に遭遇する率が高いような印象があるがきっと気のせいだろう。前シリーズでGHCヘビー級王座に挑戦した本田も、この日はすっかり元の位置に戻っている。それが悪い、と言っているわけではない。
 菊地が、コーナー最上段からスパイダー式のフロントSPXを放った後の無防備な体勢に、敵の集中砲火を浴びる。以降、特に田上に対して腹を立てたようで、「ヴァウ!」「ヴァウ?」と唸って因縁を吹っかける。この関係は試合が終わっても続いたので、「すわ田上−菊地抗争勃発
か?!」と思いきや、その後のシリーズ田上は休場するのでありました。

第6試合 ○ベイダー、スコーピオ(7:35 ボディプレスでKO)×ブル・シュミット、バイソン・スミス
 入場時、常にも増してノリノリのベイダー。花道奥、椅子を持って登場、威嚇すると見せかけて実はフレンドリー。開始前、自軍コーナーでいつものようにスコーピオと示威行為、お互いの胸板にラリアットを打ち合う。それによって得た勢いをそのままに敵組へ向かっていく素振りを見せ、相手が身構えるとピタッと動きを止める。どう対応していいかわからず棒立ちの新参外国人組。
 試合が始まっても、会場の手拍子に乗ってスコーピオがステップを踏み、ダチョウ倶楽部の「ヤー」を観客、レフェリー、相手それぞれに向けて出す。ベイダーは控えでコールを煽り、自分たちの名が呼ばれているのを確認すると「ヨシヨシ」とうなづく。正直、どう対応していいかわからない新参外国人組。
 内容も、ベイダー組が一方的に攻め続け、いやどこかで反撃するだろう、と思う間もなくボディプレスでピクリともせず、レフェリーがフォールカウントを途中で止め、ノックアウト負け。ついていた日本人セコンドが全員リングに上がってくるというありさまに。
 このシュミットという選手、7月の大阪府立第2大会で小ブレイクしたらしいという、噂だけは聞いたのだが、その後同月の武道館ではベイダーのパートナーで出番無く、この日はこんなことになっちゃって、真価を未だ見ることができない。

セミ GHCタッグトーナメント2回戦 時間無制限
秋山準、○斎藤彰俊(16:40 スイクルデス<延髄斬り>から)マイケル・モデスト、×ドノバン・モーガン
 モデスト&モーガン、「21世紀のブリティッシュブルドッグス」というよりは「21世紀のブラックハーツ」という印象が個人的にはする。
 見たことの無い技、見たことの無い連係。技に入る前の妙な間、技を決めた後の妙なアピール(これはモデスト)。この試合では、2人がかり足を使っての羽根折り固め、雪崩式2人がかりコンプリートショット(河津掛けの裏返し版、相手の顔面を叩きつける)、3Dなどの連係を見せる。
 ただこの日は、序盤秋山のグラウンドの動きについていき、試合全般でやられ役をほとんど1人で引き受けていたモーガンのほうに好感を持った。変なふうに相手を背中に抱えて落とす技を連発して追い込むも、最後は彰俊に仕留められる。
 秋山は終始引き気味。やっぱり体調が思わしくないのでは?そんなに動きも良くなかった。

メイン GHCタッグトーナメント2回戦 時間無制限
○三沢光晴、小川良成(19:58秒 エメラルドフロウジョンから)大森隆男、×大谷晋二郎
 と、ここまで興行は全体的に、良くも悪くものんびりした(ベイダーのKO劇すら)NOAHらしい内容だったが、この日はなんといってもこの試合。

 開始前、刀を抜いて振り回し威嚇する大谷。
 ゴングが鳴り三沢組がいったんコーナーに戻ろうとするところ大森組が急襲。大森が小川と場外へ、三沢と大谷1対1。
 いきなりベローと舌を出し笑う大谷。コーナーに振って串刺しビッグブーツ、さらに早くも顔面ウォッシュ決める。エルボーで反撃されても顔面全体でニヤニヤ、そして地団太を踏む。嬉しさの表現か?
 大森が捕まると控えから「今日は絶対勝つぞ!」と檄。
 逆に小川をボストンクラブで捕らえ、控えの三沢を「三沢“さん”どうした!?」と挑発。案の定入ってこられてエルボー食らい、やたらアゴのあたりを気にする。
 大森が小川をボディスラム、すると「甘いぞ大森ィ!」と言い放ちキツめのボディスラムを実演して見せる。続いてエルボースマッシュでも「俺のほうが凄いぞ!」合戦を繰り広げる大森組。おもちゃにされる小川。
 三沢が弱ったのを見てタッチを要求する大谷。大森「いや、俺アックスボンバー出したいんだよ」大谷「そうか。ならしょうがないな」以上の会話をジェスチャーで行う2人。一度は躱されるが2発目を不意打ちで決める大森。
 さらに大谷が後頭部へピンポイントのミサイルキック、パワーボム、大森ダイビングニー、追い込まれる三沢。この畳み掛けはお見事だった。
 しかし三沢返し、逆にWAVEの連携の数々に弄ばれる大谷。小川のスタナー食らって、いったんヒョコヒョコッと起き上がりかけてバッタリ倒れる。
 ついに出たタイガードライバー、大谷返すも必要以上にフラフラドタバタ立ちあがる。ただしこれは三味線で、突如入ってきた大森のアックスボンバーを受け、エグい投げっ放しドラゴンからコブラクラッチ!三沢動けない!え゛え゛え゛え゛ぇ゛ー三沢が負けちゃうの!?と思わされるほど、ここでの連係も素早く、強力だった。
 なんとかロープに逃れる三沢、蘇生してエルボーの一撃。大谷ダウン、またもフラフラドタバタ、ロープ伝いヨロヨロ起きあがる。必死にローリングソバットで反撃するも、最後はなんと!エメラルドフロウジョンが待っていた。新参者に対する最高の歓迎なのかも。

 全日から独立後、徐々に解禁されているとはいえ、まだまだ根がおとなしいNOAHの選手に混じると、大谷の自己アピールはかなり異質。それがいいように際立ってなんとも面白かった。ひとつひとつの技の決め方もキッチリしていて、のべつまくなし大技を出すより、アピールたっぷりの場面とのメリハリがついていて、鮮やかに見うけられた。
 いやー、面白かった。




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