9・16 PRIDE16大阪城ホール大会
■団体:PRIDE16
■日時:2001年9月24日
■会場:大阪城ホール
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

前田はこの大会を「プライド主催のリングス大阪大会」と笑っていたが、考えてみれば先日のリングス後楽園大会は「リングス主催のJTC後楽園大会」。会場の大きさから何からスケールが違うのに比較するのもどうかとは思うが、象徴的であるのは間違いない。
「総合のチャンピオン・カーニバル」とも言われる今大会は、まさにプライドが総合格闘技のメジャー的存在である事が完全に確立された大会であると記憶されるであろうが、リングス変革も併せて自分には強烈に印象深い1週間となるであろう。リングスファンとして率直に言うがもはや敗北感すら沸かず、この方向で生き残れるならそれもまた良し、という感じだ。
個人的には今回のカードはマニアックに走り過ぎたマッチメーク(自分にはたまらないが)と思っていたが、入場式の反応などはもう完全にできあがっている感じであった。意外とシュルトへの声援が少なかったが、これはパンクラスが不人気というよりはここしばらく日本で試合をしていなかったための認知度の低さからくるものだろう。

<第1試合:谷津嘉章 vs ゲーリー・グッドリッジ>
前回の試合では「違う意味でプロレスラーの強さを見せつけた」とTV解説席では絶賛され、中休み中もずっとフィーチャーされていただけに遅すぎるくらいのプライド再登場とは思うが、45歳という年齢からも新しいものを見せてくれるという期待は残念ながらできなかった。
試合は前回同様、ちょっとグッドリッジらしからぬ消極ささえ感じさせるパンチ攻撃に、入場時リング上で最初に向かい合った時の谷津の耳打ちが効を奏したのかと思ってしまった。
結局元アマレス代表と思えない中途ハンパなタックルをサバかれ、軽いパンチからのフロントチョークが入ったか入らないかでタオル投入。てっきりセコンドの勇み足かと思ったが、入りそうになった瞬間の谷津の指示によるものと後からわかって拍子抜けした。この結末では谷津が望んでも再登場は難しいだろう。

<第2試合:山本憲尚 vs アスエリオ・シウバ>
自分でもあきれるくらいにリングスを離れた山本に対して冷淡になっている事に驚くが、入場時に「キャプチュ−ド」を使われては応援しないワケにはいかない。戦前はシウバが何事もなく勝つだろうと予想していただけに不安は募るばかりだが、その不安は僅か十数秒で霧散する。ファーストコンタクトであっという間にTKO負け。
恐らく今年開催のメジャーな大会、そしてプライド史上でも再短となるであろう11秒決着となる。
果たして山本に明日はあるのか?自分はもうどうでもいいな。

<第3試合:松井大二郎 vs ムリーロ・ニンジャ>
ニンジャという名前から入場曲もその手の色モノ系を期待していたが、さすがにそれはなかった。それにしても「悪魔の巣窟」シュート・ボクセの選手は戦い方といい、その冷酷さといい、バイオレントな色合いが必要とされるのであればこれからドンドン新たな選手が登場しそうだ。
試合は壮絶なまでに松井が痛めつけられ「もう止めていいよ・・・」という空気が会場を支配する中、ロープブレイクのような微妙なタイミングでのキックでTKO決着。その明らかに決まったと思われたキックの後の、トドメとばかりに繰り出した踏み付けを見逃したレフェリーには猛省を促したい。

ところでこの試合を一緒に見ていた友人によると、ピンサロなどの本番禁止のお店では従業員の見回りと併行して女の子に自衛策として最初にハーフガードを教えるのだそうだ。今度行く機会があれば是非確認していただきたい。

<第4試合:ガイ・メッツアー vs ヒカルド・アローナ>
UGフォーラムでジェレミー・ホーンにアローナ対策の教授をお願いしていたメッツァーは入場時には国旗を持ち、星条旗タイツを身に着け試合に臨んだ。とにかくメッツァーもアローナも腰が強く、お互いにテイクダウンがとれないまま2R中盤の乱戦時に決まったメッツァーの左ハイでようやく試合が大きく動く。
2R終盤、横浜で金原をしとめた下からのヒザ十字を逃げられた後は、少し気が抜けたようにも見えたが、3R目には復活してついには上からのパンチで有効ポイントを稼ぎ2−1でのアローナの判定勝ち。

とにかくこの日はメッツァーの腰の強さが印象的。「アメリカは倒れない!」というと不謹慎と思われそうで恐縮だが、多分メッツァー自身もそういう意識であったのではないだろうか。ハイレベルな技術戦ではあったがそれを越えた部分も感じさせてくれた非常に見応えのある試合であった。

 <中休み>
20分という長い休み時間の合間に残りの試合の見所解説。高田がコールマンを「全ての対戦相手に圧倒的に勝ってきた」と評するが、他の解説陣も高田本人もコールマン戦の勝利をなかった事のようにしているのはおかしかった。
続いて猪木登場。フジ主導のイベントなのに年末のTBS特番の宣伝をひとしきり。当然このあと「ダーッ!」に行くのだが、その前の前振りが最高!
「確かここは大阪城。オレが昔アメリカ修行中に名乗っていたのがトーキョー・ジョー。・・・これはくだらねぇな・・・。いくぞー!」

<第5試合:セーム・シュルト vs 小路晃>
フリー宣言直後にたまたま小路を見かけた事があるが、あの小ささで世界の強豪と戦っているんだなぁと心から感心したものだ。対するシュルトはプライド参加選手では多分最大と思われるが、身長差は実に40センチ。シュルトはリーチの差を有効に使い、立っても寝ても危なげなく試合を進め、最後はコーナーに詰めてのパンチでKO勝利。
いい勝ち方をしたシュルトだが、解説席では「巨大ロボ」だの「ぬりかべ」だのエライ言われようであった。

試合後場内が暗転し、桜庭のテーマの中シウバと桜庭がリング上に登場。シウバは「ゲンキデスカー!」、「サクラバ、カカッテコイ」と日本語でアピール。対する桜庭は「元気ですよー!」と例のヤツ。
コメントはあんま面白くなかったので省略します。

<第6試合:ギルバート・アイブル vs ドン・フライ>
ぽかぽかグローブを着けての入場と星条旗を手に持ち、感極まった表情での入場という対照的にもほどがあるそれぞれの入場シーン。フライはここから試合に臨むテンションまで高められるのかとも思ったが、リング上で向き合った瞬間その心配は杞憂である事がわかった。
試合はゴング後すぐのアイブルの飛びヒザから始まったが、その後コーナーにもつれた際のサミングやロープ掴みなど、プライドに久々ヒール登場か?と思わせる。2分ほど休憩を取り、試合を再開するがフライは完全にベビー扱いで車締めでは久々の「落とせ」コール爆発。
結局コーナーでもつれたところを再三のロープ掴みで反則負け。試合後ベビーらしく爽やかにアイブルに再戦を促すが、アイブルは「なんでいつもこうなんだ!」と泣き事のみ。会場の観客全てが「全部お前が悪いんだろう!」と心で突っ込んだに違いない。
アイブルはこれからはベビー人気を爆発させたい選手の対戦相手として使っていけばいいんじゃないだろうか?差し当たってヒース・ヒーリングなどいいのでは?と思うが、この2人は同じチームだったな。

<第7試合:マーク・コールマン vs アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ>
リングスとプライドの頂上対決というリングスファンの間のみで盛り上がった肩書きのこの対決。ぶっちゃけた話この対戦がリングスで実現したとしても横浜文体も満員にならないだろう。
試合はスタンドでも意外なほどノゲイラが支配し、寝てもクロスガードの攻防を堪能させてもらうなど、まさにノゲイラの独壇場となった。技術的な事は自分がどうこう言うレベルではないが、とにかく常にコールマンの一歩先を見透していたという一言に尽きる。
試合後にノゲイラがマイクでのアイサツに猪木とともに百瀬さんの名前まで挙げていたのがちょっと気掛かりだが、テクニカルな選手が頂点に立ち、これを最上とする気運になればまたプライドもいい方向へ動いていくのではと思う。やはりバイオレンス一辺倒では限界があるだろうし。
今回は全試合終了まで約3時間とお手頃な時間での終了となり、試合後の余韻もいい感じであった。
次回のドームでどんなカードで5万人の動員を図るのか、DSEの手腕に期待したい。




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