9・1 ZERO−ONE後楽園大会
|
■団体:ZERO-ONE ■日時:2001年9月1日 ■会場:後楽園ホール ■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます) |
バルコニーで門馬さんが試合前にポツリと「このカードじゃ入らねぇや」と言っていたそうだが、第1試合 の始まる頃には南側は殆ど埋まっていた。正直開始前にはどうなる事やらと思っていたが、佐藤の試合の冒頭 には「JPWA」コール、コブラの試合の時には「FSR」コールとインディーマニアの琴線に触れる何か があったのだろう。北側の後ろとバルコニーはスカスカだったが、最終的には十分満員マークを付けていい 入りとなった。 ロビーで見る限り橋本の奥さんらしき人はおらず、やっぱインディーとも違うのかなという感じである。 <第1試合:高岩竜一対星川尚浩> 序盤星川のローに合わせて「オーイ、オーイ」の声が。益々客層が分かりにくくなってしまう。高岩も負けじ と逆水平を食らわすが、こっちには会場のごく一部から「フーッ」のが。これはECWの会場から派生した フレアーへのリスペクトの表れなんだそうだ。 試合はカードを見る限り唯一マトモに面白い試合になりそう・・・という予感通りの熱戦(いつでも新日本 で見られそうとも言うが)。星川は丸藤よりも手が合うようで、新日ジュニアらしい盛り上がりの中あらゆる 角度からのジャンピング・ハイキック(流星キック)で会場を沸かせた。 フィニッシュはラリアット連発からの片エビで15分16秒高岩の勝利。 団体の好みはともかくとしてこの2人がレギュラーとしてNOAHに定着するなら、丸藤はともかく志賀や 浅子は相当ワリを食いそうだ。 <第二試合:サイりょうじ対イゴール・メインダート> サイ選手プロレスデビュー戦という事であったが、他の格闘技でのプロマッチ経験があるのかは不明。 サイ選手のスタイルは一言で表すと「空手道場でUWFのビデオを見ながら研究した」という感じ。 メインンダートはブン投げるという表現がピッタリのフロント・スープレクッスを連発し、最後は4分10秒 スタンドのフロント・チョークで勝利。ちょっと扱いにくいキャラクターだな。 ちなみにサイの字がカタカナなのは自分の機械のボキャの問題で、りゅうじは正式に平仮名表記だからです。 <第三試合:ショーン・マッコリー対X> 入場セレモニー後一人残ったマッコリーが武道館での試合で右腕を骨折した事から今回の欠場のアイサツ。 「すでにX選手は会場を後にしております」との事だが、会場で信じている人は皆無だろう。 これから探すであろうXはいきなり不戦勝のポイントをゲットという事になった。 <第四試合:佐藤耕平対サモア・ジョー> サモア感は感じられないサモア・ジョーだが、試合ぶりはハードヒットと多種多様な技を駆使する日本向きの 選手で、近いうちに新日なりNOAHなりに上がりそうな気がする。 試合はスープレックスの連発他を凌いだ佐藤が一瞬の裏投げからの腕ひしぎ十字で勝利(8分25秒)。 説得力ある攻撃をキックアウトし続けていただけに、佐藤の勝利に会場はかなりの盛り上がりを見せた。 佐藤は背丈と顔の大きさからするとちょっと驚くほど線が細く、まずはプロレスラーらしい体作りが課題で あると思う。 <第五試合:田中将斗対ザ・コブラ> 入場セレモニーやコール時も何故かジョージ高野と呼ばれつづけていたが、試合はコブラのマスクを装着した まま始まる。最初の2分はアレッと思わせる動きの良さを見せたがすぐに息切れしてしまい、あとはゴルドー 戦のうっぷんを晴らすかのような田中の猛攻に、マスクをリング上で脱いでみせる以外殆ど見せ場を作る事が できずに最後は足にしがみついての両者リングアウト(9分28秒)。 全日本定着の噂もある田中をこれからどうやって使っていくのか、01の手腕を見届けたい。 <第六試合:大谷晋二郎対関本大介> 今日気が付いたのだが高岩も星川も出場せず、大谷だけが01の代表としてエントリーされている中、関本が 大日本の代表として出るのはちょっとどうかとは思うが、序盤の走りこんでの顔面ウォッシュをスピアーで 切り返し、「コイツやるじゃん!」という空気を作りだした。 大谷も関本の頑張りを認めたのか早々にヒール風の組み立てにシフトチェンジ。 体格差からか大谷が思い切りのいい受けっぷりを見せたおかげで、会場は大盛り上がりとなりチンプな表現 で恐縮だが、関本の生涯最高の試合となったのではないかと思う。 フィニッシュは11分29秒、3度目のコブラホールドで勝利。大谷はミリオンダラー・ドリームを掴める だろうか? また大谷のようなグッドワーカーがこれだけ引き立ててくれるなら、と01のリングに上がりたいと思う選手 も出てくるのでは?と思わされた。せっかくの才能を無駄使いしているような気もするが。 <メインイベント:橋本真也&藤原喜明対トム・ハワード&ザ・プレデター> ひねリンさんのレポートにもあったが、なるほどUPWには日本向きの選手が多い。とんでもない外人を 連れてくる新日本は何をやってるのだろう?と思わざるを得ないが、多分ハワードも近いうちに他団体に 上がりそうだな。もっとも引き抜きが早いか団体消滅が早いかはわからないが。 セミまではカードから予想された数倍以上の盛り上がりを見せていたが、さすがにメインイベンターの貫禄で 入場時から盛り上がりまくり。 試合は一昔前の外人対日本人の構図通りだけど、今のファンにはそれが却って新鮮だったのかも知れない。 ハワードも大受けしたホフク前進エスケープを乱発しないなど、ファン心理を理解しているようでこれからの 試合ぶりにも期待が持てる。ベイダーUFOの縫い取りのあるコスチュームを着たプレデターも不器用ながら 巨体をうまく使った技をいくつか見せ、フィニッシュはブローディチックな変形ブレーンバスターで藤原から ピンフォール勝ち(15分19秒)。試合後はお互いにあっさり引っ込んだのはちょっと意外だったが、 お客さんの方も淡々と帰路に着いていた。この2人の外人選手がこれからどのようにオーバーしていくのには ちょっと興味深いものもあるが、01の未来とはあまりリンクしそうな感じはないなぁ。 <総括> 旗揚げの時に書いていた「立場が中途半端な選手の受け皿となりそう」が益々現実味を帯びてきた。真撃前 のゴタゴタが選手のモチベーションにいい影響を与えたようで、試合自体は全試合盛り上がったのは自分も 予想外だった。その割には会場を離れてしばらくするとあった事を忘れてしまいそうになっていたのは自分 でもちょっとアレだとは思うが、お客さんの作りだす雰囲気に助けられたという事なのかも知れない。 旗揚げ、二戦目の夢のカード連発興行はもうしばらくはできないだろうが、今回の騒動は01への追い風に なるような予感もある。対するバトラーツには強い逆風が予想されるが、01共々「あんな事もあったねぇ」 と言えるような結末になって欲しいものだ。 |
|
本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。
|