2001.8.19 全日本 後楽園ホール
■団体:全日本
■日時:2001年8月19日
■会場:後楽園ホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

ファン感謝デーということもあり、今日は一番高い席も3000円というお得用興行ということもあるのか、場内は超満員(主催者発表2000人)。ただし外人は無し(それがかえってスッキリした感じも)。

1.○ 馳浩 7分46秒 逆エビ固め 宮本和志 ●

新生全日本初のデビュー選手となる宮本和志の入場に大きな声援が。全日本ファンの期待が分かる。コスチュームは黄色のショートタイツに膝サポーター。体は若干細いがキビキビ動くところなど好感が持てる。

試合はタックルの取り合いから、スパーリングのようなグランドの展開。ハセがネチネチしたグランドを披露する。ほとんど何もやらせてもらえないのだが、良く凌いだのではという感じと、途中スタンディングでハセの逆水平を食らっても怯まない所なんかがあった。

それにしてもこれじゃいくら試練とはいえ、何も分からないな。ハセさんよ客は別にあんたのマスタベグランドショーを見たかったのではなく、宮本のデビュー戦を見たかったんだから、もう少し彼の見せ場を作ってやるとかいう工夫をしてやってあげてもいいんじゃないか。今後何度も渕のネチネチグランドの相手もしなければいけないんだから前途は多難だな。

だけど、何も出来無くても好印象だったのは確か。次を期待だ。とにかく場内の支持率は異様に高い。

2.○ 愚乱・浪花 14分17秒クラッチ・ザ・ナニワ 蟹影 ●

カード変更で、相島に変わって蟹影(かにかげ)に。最初から一応浪花と手が合っている所を見るとこれは、SHINOBIかSHIEBAであろう。試合はコミカルな雰囲気から徐々に会場が冷えてくるのが手に取るように分かる。二人とも動きが緩慢過ぎるんだよね。カウント2での拍手も試合が進むにつれて少なくなる。試合が終わり観客席はホットため息。

だけど「こんな試合インディーと同じだとか」言わないでね。私の知る限りインディーでもこんなつまならない試合は滅多に見たことない。今度インディー団体の観戦記を書く時「こんな試合、全日本の前座と一緒だ」なんて書く時があるのかな。

ここで休憩。なんだここまでまだプロレスを見てないではないか。ここで再度ため息。

3.藤原喜明 ○安生洋二 14分45秒グランドクロス200 長井満也 平井伸和●

ダレきり冷え切った会場を一気に盛り上げる長井の入場曲。全くもって便利な曲だ。なんか最近これは新生全日本のテーマという感じだな。一方の組長のテーマで安生が一緒に入場。ということは試合後には安生のテーマが流れるのか。

全日本の後楽園ホールには安生は初登場なのだが、結構歓迎ムードで安生も少し照れ笑い。それにしてもカッキーがケガでなければ当然長井のパートナーはカッキーだったであろう。そうすると元U系が4人。GAEAは女子プロレスの姨捨山と言われるているが、全日本はU系の翁捨山なのか。

ヤル気マンマンの安生は「おい長井出てこい」と長井を挑発。過去に長井と安生の因縁はそれほど深い物は無いと思うのだが結構二人とも最初からヒートしている。この二人だからU系スタイルで行くと思ったら二人とも純プロレスの全日本スタイルでいった所が、少し意外だったのと私も含め場内の好感度はかなり高くなる。取り敢えずここに来てやっとプロレスを見たという感じだ。

それにしても安生はプロレスが上手い。時々技が流れるとかスタミナがやはり疑問だという見方も出来るのだが、緩急の付け方やここぞというキレは唸らせてしまう。新日本やWAR時代でも安生はプロレスが上手いというのは定説であったが、ここまでだったかという気がする。もしかしたら全日本参戦に備えてビル・ロビンソンに習っていたのではないかという気もする。というのも、スタイルがキャツチ風で大技を使わなくても見せてしまうという感じなのだ。ビクトル投げのキレだけでも、なんかいい感じ。”男プラム”と呼んであげよう。

見所が多い試合であったが、長井、安生、組長の元U系3人が頭突き合戦をしているところは笑えた。バッティングは総合系では反則だもんね。
そしてもう一つは久し振りに”平井オンナ”の登場。今迄ホールや武道館で”雅央オンナ”がいたのは有名だったけど、この”平井オンナ”はバルコニーから初めの頃は「平井さん頑張って」とかその程度だったのだのだが、段々平井にバルコニーからアドバイスを送るようになる。ただこのアドバイスがなにげに適切で妙に可笑しかった。安生も何事かという感じで見ていた。

「平井さんそこで休まないで蹴って蹴って!」とか「もっとグリグリしてぇ、グリグリ!」とか「安生はもうスタミナが無いから今がチャンスとぉ〜」とか。平井もいつもは暇さえあればすぐ休むのだが、この”平井オンナ”のアドバイス通りに動く。普通ならとんでもないことだが、平井にとってはいつもより良い動きになってしまったのがとってもシュール。元U系3人組の中で浮きかけていた平井だったが、”平井オンナ”のおかげで見事に試合に入り込んだ感じだった。まあ、普通これだけ試合に介入されると迷惑なだけだが、休みクセのある平井にはいいだろう。

ほとんど大技も出ずにそれなりに見せてしまう。今の全日本はあまり期待しないで見に行くとこういう試合を見ることが出来るので、なんかいいんだな。

4.○ 川田利明 10分14秒片エビ固め(延髄斬り) 奥村茂雄 ●

最近の川田とのシングル。長井は今年の裏MVPと言えるほどのいい出来だったが、荒谷はなんかイマイチであった。それで奥村はどうだという感じだが。

奥村の場合、荒谷よりもそこそこは器用にこなすのだが、どうしても見た目よりも当たりの弱さが気になってしまう。川田に対した長井の場合なんてなんか技を出すわけでもないが、ただ当たっていったから面白い試合になったんだと思う。そういうのは川田も好きみたいだし。

今日の奥村はどうかというと、凄い気合い。なんか技を出すわけでもないけど、しゃにむに前に出る。見た目からするとこれが本当の奥村という感じがするが、渡しからすると今日はかなりきばっているなという感じ。

試合はほとんど打撃戦。出た大技なんて奥村のエクスプロイダー2発くらいではないだろうか。それでも十分見せてもらった。奥村はやはり成長しているな。そのうち大化けするんじゃないか。

5.太陽ケア 渕正信 ●荒谷信孝 17分50秒片エビ固め(ラリアット) 天龍源一郎○ 嵐 北原光騎

先に全日本正規軍の入場の後に、WAR軍の入場。入場時でこの日一番の歓声であったが、とにかく笑ってしまうほどゴツイ。これがプロレスラーなんだなという雰囲気プンプンである。あの歓声というのは、WAR軍に対するものだけでなく、異形のものを見た驚嘆の声ではないかという気もする。いかにもオーソドックスなプロレスらしい。なんかこれだけ見せてもらっただけで、ごちそうさまという感じ。

ひょんなことから始まった"全日本vsWAR”だが、どう考えても足元から固めようという天龍の意向だが、これはどんピシャリではまったと考えてもいいのではないか。今迄全日本からSWSに移籍した選手は上がれなかったのだが、これでなし崩し的なように可能にしてしまった。

試合は当然荒谷をWAR軍がいたぶるという展開であるが、問題は北原と嵐は本当に大丈夫であろうかということであろう。結論から言うと十分以上の動きだった。北原は相変わらずだったが、嵐はデカイ割には良く動き、なんか昔よりも良くなっているのではないかと微笑ましかった。

ただ、本当の問題は天龍で、天龍の右指骨折というはどうやら本当らしく、逆水平も打てない状態であった。本当だったら欠場するところだが、言い出しっぺなのでそうもいかないという感じなんだろう。

だけど、逆水平が打てないので左の張り手を出すのだが、この威力が笑っちゃうほどすさまじかった。食らった人は一発で倒れていた。

全日本軍はというと、天龍に突っかかる気持ちは分かるが、相変わらずどうにもならないという感じだな。まあ、メインはWAR軍に席捲されたと言ってもいいのではないか。特に嵐。相棒はあちこちで恥を掻いているけど、このまま埋もれさせたら少し勿体な。シングルプレイヤーとしては分からないけど、タッグ屋さんとしては十二分にできるという感じだ。

確かに天龍は過去にいろいろ失敗をしているけど、ここに来てのこのプロレス頭は評価せざるをえないであろう。ペンペン草を生えないような状態の全日本にちゃんとペンペン草を植えつけているのだから。

次は神取だと言っているらしいけど、こうなると本当に天龍・チャイナ組というのを見てみたいな。そんなことやったら他がふっ飛ぶだろう。




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