熱狂のメインで、史上最大のレフバンプ炸裂。
■団体:WWF Raw is War
■日時:2001年7月30日
■会場:イリノイ州シカゴ オールステイトアリーナ
■書き手:ひねリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

どうも、先週はKOTCを書いたので休ませてもらったRAWレポートです。2週間ぶりですが、まあそんなに流れは変わっていないと思います。サマースラムでのオースティンvsアングル戦の遺恨が順調に進展して(先週はオースティンが三人がかりでアングルの足を破壊)、また復活ロックはWCW王者ブッカーTとの対決で盛り上がっています。そうそう、どんどん出世してゆくTAJIRIはとうとう先週のRAWでXパックを毒霧からのハイキックでピンしてWWFライトヘビーのベルトを奪取しました。相変わらずファンのリアクション高し。ということで今週のレビューいってみましょう。

番組開始。アライアンス(WCW&ECW軍)入場し(テストが最近加入)、全員でリングの周りを囲む。そのあと、ボスのストーンコールドが入場。一人だけリングに上がりコーナーに昇りガッツポーズし、マイクを取り、自分がアライアンスのリーダーであること、サマースラムに向けてアングルを先週もいたぶったことをひとしきりアピール。さらにリングの周りを囲む配下の選手をリング上から見下しながら、「ストーンコールド様のリーダーシップの下では、誰もがこの俺様のような名声を得るチャンスが与えられる。今日アングルを倒して有名になりたい奴は誰だ?」と配下の選手に問いかける。すると解説席からヘイマンが「RVD!RVD!」とコールを始めてヴァンダムがエプロンに上がって名乗りをあげる。ストーンコールドはそれを賞賛しヴァンダムvsアングルの超好カードが本日実現することに。

さらにストーンコールドは、先週活躍した選手たち(タッグ王座を奪取したDDP&キャニオン、それを助けたテスト、Y2Jに宣戦布告したライノ)をひとりずつエプロンにあげ、賞賛。その後は逆に、先週ふがいなかった選手たち(Y2Jに負けたヒューモラス、サタンに負けたレイヴァン、そしてシェーンがロックにやられるのを助けずに解説してたタズ)をリングに上げて一人ずつ罵倒。最後のタズには見せしめとしてベルトでむち打ちの刑を宣告。「男らしく罰を受けろ!シャツを脱げ!」と理不尽に迫るストーンコールドに対して、今までおとなしくしていたタズの怒りが爆発か! というところで他のメンバー達がタズに襲いかかる。ストーンコールドの指令に合わせてメンバーがタズを大技で痛めつけ、最後はみんなで抑えつけたところをオースティン直々のむち打ちの刑。こうして、ストーンコールドの独裁者(つうかガキ大将)ぶりを見せつけた長いオープニングが終わりました。ちなみに先週のSMACKDOWNでも、ストーンコールドが控え室でヒットラーを思わせるナンセンスな独裁者演説を行って、配下の選手達がそれを盲目的に賞賛する、という寸劇がありました。悪役ストーンコールドはシリアスなようで、相変わらずどこかコミカルです。

エジクリin控え室。クリスチャンは、先週やられるエッジを助けられなかったことを、エッジのKing of the Ring トロフィーを磨くため店に行っていたためだと説明する、など。

TAJIRI(withリーガル)vsアルバート(with Xパック)
サマースラムでの、TAJIRIとXパックによるジュニア王座統一戦の予告編的な試合。TAJIRIは介入してきたXパックにリング下で緑の毒霧、そしてリング上でアルバートに赤い毒霧を吐いて、ぱちんといい音を鳴らす前回しトラースキックで勝利。毒霧のあと、両手を上げて、ためにためてフィニッシュのキックを出すシーンはお馴染みとなってきて、ファンのリアクションがいい。解説のヘイマン「アライアンスは元ECWのスター、TAJIRIの素晴しき勝利を祝福する。」立場を超えて、ちょっと贔屓が過ぎるくらいTAJIRIをプッシュしてくれる元ボスでした。

ベビーと化してから、とにかく強いアングルインタビュー。烈火の表情で「確かにオースティンに足をやられたダメージはあるが、私は逃げない。RVDの挑戦も受けてやる。」とまくしたてる。そこに、さっきオースティンにダメな奴の烙印を押されたヒューモラスが襲いかかるも、あえなく返り打ち。怒りの足首固めで泣き叫ぶことに。

ストーム&クレディブルvsエジクリ。
ストームとエッジはサマースラムでシングルが予定されているので、その前哨戦。エッジがクレディブルを抑えて勝つも、試合後ストームに痛めつけられる。ごく短い試合。

オースティン(withデブラ)が控え室で、アングルと闘うヴァンダムに気合いをいれている(デブラはなんだかんだで、オースティンと仲直りしている)。そこにショーン・ステイジアックが現われ、オースティンにおべっか。独裁者オースティン「おお、お前はかつてのWWFチャンピオンの息子だな。お前は父の名に恥じぬ活躍をしろ!行って名声を上げろ!行けえ!おい俺を見ろ!お前は何をやりとげるんだ?!」それでステイジアックも興奮して「あなたが決して忘れないことを、私は今日やってみせますとも!」ちなみに、彼の親父のスタン・ステイジアック(スタージャック)は70年代に、橋渡しとして短期間WWF王座を取ったことがあるらしい。
DDPとキャニオンが、今日ケージマッチでテイカー&ケインと対決するオヘールとパルンボにハッパをかけ、4人でぎゃーぎゃー気合いをいれる。今のアライアンスのキーワードは「狂信者達」。

コミッショナーリーガルのオフィスを、アングルが訪ねる。リーガルは負傷しているアングルに、今日のヴァンダムとの試合は避けて休めとアドヴァイス。アングル「コミッショナー、私は貴方を尊敬しているが、おそらくあなたには理解していただけないことがあります。私はアメリカ人なのです。アメリカ人はどんな挑戦からも逃げない。ベンジャミンフランクリンは、、、」と語り出した所で、すごい勢いでなにかが「ぎゃー!」と叫びながらアングル目がけて突っ込んできて、びっくりしてアングルがよけると、それはリーガルが部屋に飾っている戦士の鎧に壮絶に激突して爆死。それはさっきのステイジアック。呆然とする二人。これは笑った。

テイカー(withサラ)&ケインvsオヘール&パルンボのケージマッチ&WCWタッグタイトルマッチ。
テイカー&ケインが圧勝。金網でやる意味のない試合。なにもさせてもらえなかったオヘール&パルンボ、これはburyなのか?しばらく彼らをファーム団体にやるというなら大賛成だけど。サラはうまくサイコレイプ魔のDDPから逃げる。ちなみに先週テイカー組がタイトル奪取しており、これはそのリマッチだった。

ステフ、ライノに護衛されて登場。ライノより背が高い。しかも最近突然でかくなった胸が今日は一段と強調されている。ステフは先週、ジェリコにパイを顔に押し付けられて泣き叫び、そのあとライノがゴア(スピア)でSMACKDOWNのスクリーンごとジェリコをぶちぬいたので上機嫌(ちなみにSMACKDOWNは次回から模様替えのようなので、スクリーンはもう不用だった)。リング上でもしきりにライノを称える。サマースラムでのジェリコvsライノ戦でも、セコンドにつくと。

そこにジェリコ登場。「確かに先週食らったゴアの衝撃は今も腹に残るが、サマースラムではこの臭く油じみて汚れた獣(smelly, greasy and
nasty animal)を始末してやるぜ!」で、その後「そしてライノよ!お前も倒してやる!」とやったもんだから大笑い。「臭く油じみて汚れた獣」はステフを指していたということ。さらにステフに「お前は『ライノは仕事をやり遂げる(get the job done)』といったな。でも一仕事すますのは、お前の専門だろう!」(ちなみにフェラチオのことをblowjobと言う)

さらにジェリコはスクリーンを使って、一年前のステフと、現在のステフの胸元を比較するという超危ない攻撃を敢行。おお、ナチュラルからサイボーグへの変身が一目で分かる。「このビリオンダラープリンセスは、すいぶんと成長したみたいだねえ。少なくとも一部分が。腹ばいになるというより、胸ばいになるって感じだね!」それに対してステフは泣き声で「何の話だか分からないわ!あなたはなんか妄想してるのよ!」ジェリコは「確かにそうかも知れない。どこかで食事しながら話し合おうか。フーターズ(シリコンおっぱいのおねいさん達が食べ物を運んできてくれる有名チェーン店)がそのへんにあるらしいぜ!」と爆笑の切り返し。

ここで突然ブッカーT登場。ステフのことを「彼女はナチュラルだ」と弁護し、「ジェリコよ、お前はバックストリートボーイズのオープニングバンドをやったらいい」と攻撃。ジェリコはそれを笑い飛ばして「そういうお前こそ、最近特攻野郎Aチームが再開されるらしいぜ、ミスターTさんよ!」と反撃(ブッカーTは最近さんざん、ミスターTの親戚と思われてうんざりしている)。やられたブッカーTは、今度はロックを挑発「お前を学校に送り返してやる。」

そこにロック様登場。ロックは学校ということで、ハイスクールに行くブッカーTを描写する。27才で未だに高校生、お母さんといっしょにバスが来るのを待ってもらって登校するブッカーに先生が教室で質問。「ブッカー君、2+2は分かる?」「分かるぜ先生。答えはトーマスジェファーソンだぜ、サッカ!(sucker=ブッカーの常套句)」さらにロック様節は続く。「シェーンはお前より利口だ。ロック様に先週ロックボトムされて、今週は現われないからだ。つまりこういうことだ。ブッカーの頭はウーピー(ゴールドバーグ)で、シェーンはプッシーだ。」ジェリコ「ロックそれは上手いが、こうも言える。こっちが人間獣(man beast=ライノのこと)で、こっちが下着獣(hose beast=ステフのこと)だ! つまり、ゴア(ライノの必殺技)とホア(whore=娼婦)だ!」

ロック「分かったジェリコよ、これはロック様とお前の韻踏みコンテストだな。ならこれはどうだ。ブッカーTとシェーン、パンクアスサッカー(punk ass sucker=ブッカーがいつも使う罵倒語)とシルバースプーンマザーファッカーだ!」これで完全に怒ったステフの提案で、本日この4人のタッグ戦が決定。ジェリコは「さすがステフ!お前こそブレスト(胸)だ!間違えた。お前こそベストだ!」ロック「ロック様とジェリコは、フランスでも中国でもロシアでも、ステファニーの胸を浮力にしてどこにでも飛んでいけるが、とにかくこのシカゴでお前らをぶちのめす。If you smeeeeeeeeeelalalala!!.....」

いや、オープニングに続いて長い長いマイクタイムだったけど、面白かったんでいちいち紹介しました。胸のワークをとっととカミングアウトして、アングルとして笑いとばす潔さはさすがWWF。しかしジェリコとロックのマイク揃い踏みは久しぶりなのでは。ジェリコ初登場時の、ふたりの名アピール合戦に次ぐ出来でした。それよりなによりシナリオが見事なんだけど。

控え室のストーンコールド&デブラを、今度はハリケーンヘルムスが訪れる。オースティンはヘルムスに、その名の如くアングルに直撃しろと指令。

テストvsスパイク(withモリー)
ビッグフットで、復活テストの勝ち。グッドジョブ。

アングルがマット&リタと談笑しているところに、さっきのヘルムスがアングルに喧嘩を売りに来て、あえなく投げ飛ばされる。

ヴァンダムvsアングルのハードコアタイトルマッチ。
ヴァンダムがイスをもって飛んだり自爆したりしてテンションの高い試合。そのうちアライアンス勢が入って来るも、アングルが迎撃。そこにジェフ・ハーディーが走って来て、場外で誰かに仕切りの上を走ってのフライングラリアットを決めると、リング上で倒れてるヴァンダムにスワントーンボムを決め、そのままフォールしてタイトル奪還。いや、今日のジェフの乱入ジョブはまさに疾風。これでサマースラムはジェフとヴァンダムのスーパー空中戦の再現か。でも、アングルvsヴァンダムも、もっとじっくり観たかった。ちなみにこれをモニターで観ていたオースティンは、結局誰もアングルを倒せなかったので不機嫌に。

控え室で(さっきアングルを襲って自爆した)ステイジアックがデブラと話してる。「俺(オースティンに)謝ったほうがいいかなあ?」「そうにきまってるじゃない。彼はトイレにいるわ。はやくいってらっしゃいよ。」「いや、やっぱり外で待とう」とドアの近くに直立するステイジアック。そこでドアが突然乱暴に開かれ、ステイジアックを直撃。トイレから出てきたストーンコールドは何も気付かず、不機嫌そうにデブラに「帰るぞ!」

ロック&ジェリコvsブッカー(withシェイン)&ライノ(withステフ)
超ハイスパートレスリング。4人ともものすごく動きがいい。場内の盛り上がり最高潮の中、ブッカーがWWFのレフをぶん殴り、その間にステフがライオンサルトを狙ったジェリコにイス攻撃。ここでWCWレフのニック走ってきてカウントを取ろうとするも、ロックが場外から足を引っぱり、ニックをパンチで倒す。「あれー」とでもキャプションをつけたくなるようなニックのコミカルな倒れ方はいつも絶妙。今度はジェリコのウォールオブジェリコが炸裂。ライノがタップする中、WWFのレフが全力で走ってくるも、シェーンが体当りで阻止。ものすごい勢いでふっとぶレフ。これは俺が今まで見た中で最も凄いレフバンプだった。ストーンコールド(のスタントマン)が車で轢かれたシーンみたい。大丈夫なんだろうか? その後ステフがリングに上がり、ウォールオブジェリコをかけ続けるジェリコの髪を引っぱり、逆にジェリコにテイクダウンされウォールオブジェリコの体勢に。おおステフの足が開かれ、パンティが見えそうに、必死に股間を隠すステフ、、そこにライノが急所打ちからジェリコを丸めこんで、すかさず新たなWCWレフのチャールズがカウントを・取って終わり。試合後の乱闘もアライアンスが優勢。ブッカーはロックに逆ロックボトムから、スピンオールーニー(ブレイクダンス)を決めてポーズ。ブッカーの動きは最近ずっと凄い。客のリアクションはまるでないんだけど。

いやなんか、今日はマイクアピールや壮絶な自爆ギャグに笑い、レフバンプの凄さに驚き、ステフの開かれる股間に息を飲み、なんかプロレスそのもの以外の部分で見所満載でした。でも、プロレスの中味自体も良かった。TAJIRIやヴァンダムやジェフが相変わらずいい仕事したし、メインは圧巻でした。サマースラムに向けてのストーリー準備も無難にできています。あ、メインで一つ気付いたんだけど、最近はWCW加入でレフも増えたので「本レフェリーが倒れる乱戦中、別のレフェリーが全力で駆けこんできてカウント」という場面が特に増えてますね。今日のメインなんか、合計4人のレフェリーが入れ替わりでカウントの取り合いをしてた。レフェリーが倒れて無秩序状態が出現するなか、自分達に都合のいい秩序を制定しようと双方の新レフが駆けこんでは撃沈されるというのは、スポーツの建て前を完全に超えてるというか、ある意味スポーツより表現としてはよっぽどリアルだとも思えます。だって事前に了解された法のもとで争うのではなく、どちらが法を好きなように設定できるかを争ってるんだから。
ま、とにかくWWFは、混乱状態がプロレスの大きな魅力の一つであることをよく分かってます。

ところでここのところ、新加入のWCW&ECW勢のなかでも、完全にレギュラーとして定着した選手とそうでない選手の差が目について来ました。DDP、ストーム、ヴァンダム、TAJIRI、ブッカーあたりは毎回登場してるのに、露骨に出番のない選手も多い。そんな中今回は、ヒューモラスやステイジアックやヘルムスが、笑われ役とはいえ使われました。まあ、あの使われ方じゃあんまり先は明るくないような気もするけど、それでもとにかく三人とも相当気合いが入ってるようでした。選手過多でいつリストラされるか分からん中、チャンスをものにしようと必死なのが伝わって来ます。ではまた。サマースラム酒場でみれたらみます。




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