石沢が取り戻したカシンらしさ。
■団体:PRIDE15
■日時:2001年8月1日
■会場:さいたまスーパーアリーナ
■書き手:ほいほい@爆発 (ex:爆発!場外乱闘王

会場に入って見ると、前回に比べ試合開始前の客入りが驚くほど凄い。
しかも、オレンジ色のTシャツを着用している人ばかり。
たいした対戦相手でもないのに桜庭目当てだけでこんなにもお客サンが来るとは…。
DSEが桜庭を保護するような働きをかけるのは無理もないかな。
PRIDEのブランド人気もさる事ながら、異常過ぎる程の桜庭人気にかなり引く。
毎回思うのですが…興行を行う度に、演出が凄くなってきている。この豪華さは他の団体にはないもの。
こういう所が、メジャー感を一層感じさせるのかな。
その代償なのかもしれないけど、お客の温度差も激しいものがある。難しいところですね。



第1試合 ヴァレンタイン・オーフレイムvsアスエリオ・シウバ

未知の強豪アスエリオに相対するは、後のないオーフレイム。
開始直後、オーフレイム得意のフロントチョークで攻め込むがうまく外されてしまう。
スイープ成功で上になるオーフレイム。パンチを放つがアスエリオも三角で応戦。
両者共に開始2分足らずでスタミナ切れのような感じでグダグダになった時、オーフレイムあっさりと足を取られてしまう。
靴を履いているオーフレイムの足は、アスエリオのヒールでかるぅ〜く絞めあげられ、あっさりとタップ。
KOK慣れして、ヒールがないと勘違いしたのか?それともこれがオランダ特有の諦めの早さなのか?
オーフレイムの良い時、悪い時はまるで別人のよう。色んな技術を知ってしまったからか?
オーフレイムの魅力であったダイナミックな攻撃は影を潜める。勝敗以上にヤバイものがあると思う。

○アスエリオ(1R2分47秒 ヒールホールド)×オーフレイム



第2試合 大山峻護vsヴァリッジ・イズマイウ

大山の異常なまでの人気にテレビの影響力の凄まじさを思い知る。セコンドには前田憲作、藤井克久、ヤノタク。
一方、久しぶりの登場となるイズマイウのセコンドにはこれまた久しぶりなカーウソン。
このブルドッグみたいなオヂサンにあんなにいっぱい良い選手がいたんだなぁ〜と懐かしい感慨が…(笑)
大山はヴァンダレイ戦同様、イズにガン飛ばし。イズのギョロッとした目が怖い。
試合開始、すぐイズが前と変わらない突っ込みタックル。それを察知した大山はフロントチョーク。
しかし、イズはそれを無難に対処。インサイドガードからパンチを放っていくイズ。靴を履いているのでふんばりも効く。
1R後半、やっとオープンガードにした大山は逆十字を狙うがあっさりかわされる。
この辺の技術は、イズの方に一日の長がある。ネチッとしたイズぺヱスで1R終了。
2R、イズのタックルをきれない大山はず〜っとガード。一瞬の隙をつかれハーフを許すと、
イズは強引に肩固め。ガードしていた足がジョジョに緩くなり、マウント⇒サイドと締め上げられ、
最後は力なく落ちてしまう。高橋戦、小路戦で、株を下げたイズだったが、ここ1番で名誉挽回。
柔術の粘り強さが運んできた勝利であった。

○イズマイウ(2R4分44秒 肩固め)×大山



第3試合 松井大二郎vsエベンゼール・フォンテス・ブラガ

前回の勝利で人気に拍車のかかった松井。強靭なハートだけで大人気。
スタンドの打撃では何枚も上手なブラガ。それを食らうまいと松井がタックルを仕掛けるも、
あっさりときられ亀を避けるように転がりながらガード。インサイドガードからコツコツとパンチ。
スクートポジションになると顔面を狙い蹴りにいくブラガ。狂気の打撃が冴え渡る。
スタンドに戻ると首相撲からのヒザ。首相撲で左右に振ると松井は吹っ飛ばされてしまう。
この実力差はいかんともし難いのか。ガードからブラガの頭をペチペチ、3Rにはドロップキックなどを見せる。
が、劣勢に立たされている上、この無意味な攻撃にはひたすら嫌悪感。
出しておけばうける。的な攻撃は嫌がられる元凶。中にはそれが良いっていう人もいるんでしょうけど。
終始攻め込んでいたブラガはフルマークの判定勝ち。松井…まだまだですね。
ブラガは強いけど…使いにくそうですね(マッチメイクという意味で)またK-1に戻るのかな?

○ブラガ(3R終了判定 3−0)×松井



第4試合 佐竹雅昭vsイゴール・ボブチャンチン

やっと何もせずに噛み合える相手との対戦となった佐竹。セコンドには便利屋な藤井克久。
ボブチャンチンはいつも通り…と思いきやセコンド(?)が増えてる…これも人気の現われなのかな?
ノッケから両者の間合い争い。腰が引け気味の佐竹をコーナーに追い詰めながらパンチを放つ。
身体は小さいのにボブチャンチンのプレッシャーってのは相当なものですね。
知らないうちにコーナーに追い詰められてるんですもの。ボブチャンフックが当たると佐竹の鼻から血が。
2R、ローをいれ始めた佐竹だが、ボブチャンチンはほとんど微動だにせず。
ボブチャンチンにテイクダウンされるとマグロな佐竹、あっさりとマウントを取られる。がゴングに救われる。
3R、要約自分らしい闘いが出来るようなった喜びの表情を隠せない佐竹。
イキイキとした表情がボブチャンチンのパンチを浴びる。それでも曇らない佐竹の表情。
これぞ、マゾヒストのあるべき姿なのか…。
判定は終始圧倒していたボブチャンチンの判定勝ち。
が、自分の闘いを真っ当出来た佐竹に賛美の言葉をおくりたい。
今度はサディスティックな佐竹に期待します。

○ボブチャンチン(3R終了判定 3−0)×佐竹



第5試合 マーク・ケアーvsヒース・ヒーリング

本日の真・メイン。この試合、両者にかかっている未来は大きい。それだけに勝敗に拘ってしまう所があるはず。
例えケアーが首斬りとお金の両天秤に惑わされても。
ソレガシはそれでもケアーは勝ちに固執するんじゃないかな?と思っていた。今なら…UFCに戻る事も可能だろう。とか(笑)
開始早々、いきなりケアーの弾丸タックル。すぐにテイクダウンを奪う。が、ヒーリングは安心出来ない癒し系。
ガードからアームロックを狙う。が、ケアーはパワーとテクニックで難無く逃れる。
ここからケアーのねっちりとした攻撃。ちょこちょことパンチを放ち、たまにパスを狙う。
この地味な攻防が観客の不満を募らせる。1R終了のゴングと同時に大ブーイング。
派手な動きがないとこうもブーイングが出るものなのか…PRIDEの客層はホントに変わったな。
2R、ヒーリングのヒザをキャッチしたケアーはテイクダウン。
もうこんなの見たくねぇ〜とばかりにすぐにブ〜イングが飛ぶ。この違和感は何だろう?
熱心に見ているソレガシ、何だか場違いなところに来てしまった感じすらある。
そうこうしているとケアーに膠着を誘発しているとイエローカード。
ここからはエリクソン戦の再現。自分を奮い立たせるヒーリング、打撃で攻めるがまたケアーもタックルで応戦。
これを何とか斬ったヒーリングは、ケアーの顔面にヒザの連打。見かねたレフェリーがストップ。
大盛り上がりする場内とは裏腹に、何だか煮え切らないソレガシ。何だかなぁ…。
ずっと抑え込むだけっていうのもちょっとアレですけど…ブレイクからの逆転っていうのもなぁ。
ブレイクって言わば他力本願みたいなものじゃないですか?タックルを斬れない選手の方が問題なわけで…。
思った以上に冷遇されているケアーは気の毒としか言い様がないな。

○ヒーリング(2R4分54秒 レフェリーストップ)×ケアー


休憩、後ろに陣取っているエンセンにぞくぞくとサインを求めに来る方々。
そのサインの受け渡しを子供にやらせるなんて…凄いな(笑)
喫煙所にいくと、ソレガシにとってさいたまスーパーアリーナの名物となった桜井章一を発見。
毎回思うけど…怖いなぁ。変な選手よりよっぽど威圧感があるわ(最も意味合いが違いますが。)
休憩が明けると猪木の登場。一人でひたすらブーイングを飛ばすもあの大歓声には勝てず…無念。
藤田のK-1参戦という猪木劇場の後にダーッ!それにしても物凄い人気。これには誰も勝てないな。


第6試合 ゲーリー・グッドリッジvsアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ

ノゲイラのセコンドにはスペーヒー。ブラジリアン・トップ・チームの凄さを見せつけてやってくれ。
「ノゲイラの実力ってどんなもんなんだろうう?」という声がちらほら。これが一般的な見方なのかもね。
1R、ノゲイラがいきなりタックルにいくもそれお斬るグッドリッジ。
これがコールマンやエリクソンと練習いている成果なんだろう。1回スタンドに戻った両者。
今度はノゲイラが引き込むように下になると潜ってからのスイープ。華麗にトップを取る。
そして首を狙うもすっぽ抜け再度下になってしまう。と、ここまでの攻防だけでも素晴らしい。
下になったノゲイラ、最近流行りのオモプラッタで意識を反らせてから見事な三角。グッドリッジたまらずタップ。
華麗に見事な勝利を手中にしたノゲイラ。今日は、新世代ブラジリアン柔術の逆襲の第1歩。
こうなると次に行われるであろう、コールマン戦が非常に楽しみになってきた。
これは…大阪まで密航(古いな…。)するしかない!

○ノゲイラ(1R2分37秒 三角絞め)×グッドリッジ



第7試合 桜庭和志vsクイントン・ジャンクソン

クイントンじゃなく…ケビン・ジャクソンなら面白かったのになぁ〜と思いつつ…異常な桜庭人気に圧倒される。
こりゃ、下手なアイドルなんかより全然人気あるな。異常現象です(笑)
大人気桜庭がタックルでテイクダウンを奪っただけで大歓声。スタンドに戻ると桜庭が引き込むように三角狙い。
ゴエス戦でちょっと見せた以来のガードか。ルールが変わった事で意識変化が起こった感は否めない。
三角を強引に外そうとするクイントンはバスター。パワーボムの要領でマットに叩き付ける。
しかし、桜庭はバンプを取り事無きを得る(笑)腕ひしぎ、アームロック、ヒザ十字色々仕掛けていくが、
パワーと技術を駆使して逃げるクイントン。しかし、タックルからバックに回られスリーパーであえなくタップ。
クイントンに勝っただけというのに、ホイスに勝った時以上の大歓声。
マイクを持ち、新しいベルトを作ってきたと報告し、それを巻く。
懐かしきプロレスリングヘビー級のベルトのようだ。あれも…カッコ良くないベルトだったな(笑)
今日の桜庭を見て…動きにきれがなくなっているような感じを受けた。
ある意味では、今日の一戦で底が見えてしまったかもしれない。シウバには勝てそうにもないかな。

○桜庭(1R5分41秒 裸絞め)×ジャクソン



第8試合 石沢常光vsハイアン・グレイシー

人知れず…ソレガシは石沢には凄く思い入れを持っていた。プロでありながら、アマレスの試合に出た時から。
名誉も何も関係ない。自分がしたいと思った事をする。自分の意思を貫き通す為に。
カシンのキャラの裏に見える石沢の人間性、プロレス界にいらない人間と自分を卑下する石沢カシン。
そして、やらなくても良いVTを自分がやってみたいという思いだけで上った西武ドームのリング。
待っていたのは非常に残酷な結果だけだった。そしてその後…苦渋をなめ続けてきた1年間。
石沢のカシンらしさを取り戻すチャンスが要約巡って来た。自分の名誉を挽回するチャンス。
自らの思いの丈をぶつける為にリングとういう戦場に向かう姿を見るだけで…涙が出そうになってくる。
ソレガシは、リアルな石沢常光という人間のドキュメンタリーを見ている気持ちだった。
そして悲壮な思いを胸にリングに上がる。しかしそこには自信に満ち溢れリラックスしたような表情があった。
運命のゴング…。
突っ込んできたハイアンを抱えるようにタックル。ハイアンは首を抱えるも石沢、サイドに回りこれを対処。
前回の過ちは犯さぬよう、ミスしないようじっくり顔面にパンチ、ボディにヒザ、エルボーを落とす。
しっかりとサイドをキープ。ハイアンの足を取りながら抑え込む。VTに対しての研究心が伺えた。
と石沢はおもむろに立ち上がりスクートポジションを取る。軽く蹴りをいれる姿に悲壮感はもうない。
ここでブレイク。そしてまたタックルを取ったその時!ハイアンは寝転がりながらもがき苦しんでいる。
どうやら、わき腹当たりを痛めたようだ。リプレイを確認するとハイアンの腹が変な方向にねじれている。
コーナーに駆け上り勝利を鼓舞する。1年間、皆が待ち望んでいた最高の笑顔で…。
石沢は勝利者トロフィーを投げ捨て、マイクを握る。
「一言だけ…ありがとう…。それだけ。」とマイクを投げ捨て、颯爽と去っていく。
長かった1年間、石沢が取り戻した自分の名声、VT初勝利という勲章、そして…カシンらしさ。
…………ここで石沢常光のリベンジストーリーが完結する。

○石沢(1R4分51秒 K・O)×ハイアン

石沢勝利、桜庭復活というハッピーエンドを迎えた今回だが…。
いまだにPRIDEとして方向性がまるで見えて来ない。
その場しのぎでやっている感すらある。
団体にベルトがないとストーリー作りは難しいのだとは思いますが…。あえてそれを安易にやらないのかもしれませんが。
桜庭とPRIDEのブランド人気に頼るのも良いとは思いますけど、そのうちしっぺ返しが来るはず。
その時に備えて…先見の明のあるような事をやってもらいたい。




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