美咲引退、行く先に光はあるか?JWP
■団体:JWP
■日時:2001年6月24日
■会場:ディファ有明
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 ディファ有明半分区切り仕様、観衆4百人ぐらいでしょうか。
 入場式。この日タイトルに挑戦する美咲は「日向と同じ場所にいるのがイヤなので」といい即座に退場。すぐ後に入ってきたチャンピオンの日向は「当たり前のことですが今日は防衛します」とキッパリ。

1.○米山香織(Wリストアームサルト6分41秒)×山本千歳(Jd')
 米山の、デビュー後初勝利の相手山本との再戦。
 山本が序盤に得意ムーヴのモンキーフリップを出して、あとはキャリアの少ない選手同士の対戦らしく、ドロップキック、ボディシザース、キャメルクラッチ、フライングボディアタックなどで試合が構成される。
 ベテラン選手と当る機会が多く、やられにやられてから爆発することで存在を認知されてきた米山の試合としては、相手の山本も新人しかも他団体ということでリズムが合わず、少々段取りじみた試合になっちゃったのも致し方なかったか。米山の魅力である気合、瞬発力があまり見られない試合ではあった。さすがに相手を引っ張って試合を作るまでの力は無いし。山本も、同日夜の自団体の試合では段違いにイキイキしていた。
 だんだん技が立体的になっていって、コーナーからのミサイルキック、フライングボディプレスなども出、米山が走り込んでのエルボーアタック(これは良かった)から上記の得意技につないで勝利。

2.○藤崎忠優(逆エビ固め7分26秒)×勇作(レッスル夢ファクトリー提供試合)
 藤崎レベルでも女子の間に入れば身体はでかい。ゴツゴツした戦いぶりで独自性をアピール、今回の男子団体による提供試合もバラエティを持たせるうえで成功したと思います。藤崎は3・2ZERO−ONEでも見せた四つんばい頭突きや、パワーボムに抱え上げられたところをヘッドバットで脱出するという動きを披露。
 勇作って夢ファクに入ったの?エセUWFみたいな動きだったのって兄貴の方だったっけ?この日の勇作はパワーファイトでまあまあ良かった。

3.○おばっち飯塚(Jd')(エビ固め6分37秒)×「アキュート冴のもう一つの顔」歌舞伎仮面・市川狐火名
 冴は入場式にも参加せず、「もう一つの顔」は試合直前になってはじめてわかるという仕組み。
 「イヨォゥ!ポンポンポンポン…」鼓にのって登場してきた冴。隈取りを模した仮面の上と下から自毛を出し、仮面の下の目にも隈取り、唇には紅。上下とも和装(詳しくないのでよくわからず。HAWAIIさんに見て欲しかった!)、装束のまま戦う。外観は素人目にはほぼ完璧、花道を一歩一歩見得を切りながら進んでくる。。
 試合中、レフェリーにフォールカウントを確認する時も「ツー!?」でなく「ふぅたぁつ??(二つ)」。おばっちが場外へ逃げた時もわざわざ逆方向の本部席へ行きマイクを持って「むわぁ〜〜てぇ〜〜(待て)」。コーナーに上がりフットスタンプ狙い、ダウンしていたおばっちが立ち上がろうとすると「ぬぇ〜〜てぇ〜〜ろぉ〜〜(寝てろ)」。
 ただファイトスタイルは従来とまったく変わらず、そこが今後の課題か。先に書いた通り外観は合格なので、特別な技を考えたり、ルックスとマッチした戦い方を望みたい。冴がこのところ主にNEOで発揮しているお笑いの才能を、やっと自団体で活かす道が見えたか。おばっちも、ネタは少なめでマジックハンドエスケープ、ボディシザース・クレイドルただし自分の方が目を回す、ぐらいだったが味は殺されず。両者とも活きた、コミック・マッチとしては成功の一戦。最後、2人が上下に連結して人間キャタピラのように前転後転を繰り返しエビ固めの切り返し合い、最終的に上になって押え込んだおばっちの勝ち。

4.○輝優優(エルボースマッシュから14分6秒)×市来貴代子(フリー)
 ディファ大会では RESURRECTION(=復活) ROAD と題して大物(京子、貴子)と連戦したきた輝、今回は一休み。輝と市来、実は平成6年デ
ビュー、同期らしいですね。
 市来のラフ攻撃に輝が付き合う。よくある、手の平への踏み付けを、足の裏でやるのでなく爪先でグリグリしたところに市来らしさが見られたというか(笑)。
 全部付き合って輝、スワンダイブ式のウラカンラナで飛びついてきたところを肩車に抱え直し、高速エアプレンスピンから反撃。さらにコーナー駆け上がり反転式の延髄斬り、ジャーマン。
 しかしトップロープからのダイビングニーを躱され、逆に延髄ニーを食らってしまう。しかも3連発で。なんて優しいんだ輝…  全部受け止めきって、トドメの垂直ブレーンバスターは防がれたが出会い頭エルボースマッシュで完勝。
 輝はこういう試合もできるのね。

 休憩。メインで花束嬢をつとめる小室友里がリングにあがり挨拶。

5.○中山香里(コンプリートプレイヤーズ)、米山香織(ダイヤモンドバストから13分40秒)春山香代子、×倉垣翼
 ナカヤマカオリにヨネヤマカオリ、名前が似てるってことで組んだのか?見るとこの2人、チビで丸っこい体つきも、似てるといえば似ている。
 今日も今日とて2試合出場の米山、元気が取り柄だが前半捕まってしまう。機を見てさまざまな飛びつき式のエビ固め、丸め込みで敵を慌てさせる。飛びつき式のバリエーションが増えているような気がする。
 後半は中山が捕まる。春山の各種スープレックス。連係で、コーナートップに座った春山の肩の上から倉垣がダイブ、さらに続いて春山もダイビングプレス。倉垣のバックドロップ3連打。集中されるが、よく凌いでブリザードホールドみたいなの(たしかコレが爆NEWスープレックス)、さらにダイアモンドバスト(雪崩式のスタナー)で逆転勝利。
 試合後マイクを持った春山がいきなり、ハルクラタッグ解消宣言。各々の色を確立した後、また組むとか。やや唐突な感が否めず。

6.JWP無差別級選手権
○日向あずみ(王者)(変形足極めコブラツイスト22分35秒)×美咲華菜(挑戦者)
 今年の団体活動再開以降、「脱ピュアハート」を宣言、春山を血祭りに上げ、日向にことごとく難癖をつけ続けてきた美咲。ファイトスタイル面では、ラフファイトを主体とする以外には「脱ピュアハート」の意味するものが今一つ理解しにくかったのも事実だが、おそらく対立図式を顕在化させることでの試合内容の先鋭化・充実化、それによる団体内相互のレベルアップ、を狙っての行動だったのではなかろうか。とうとうタイトル挑戦にまでこぎつけた。
 序盤、グラウンド、日向が足を取られて逆エビにもっていかれそうな体勢、下からスイープしてくるりとマウントを取った場面や、他にもアマレスの動きがある。いろいろな場所で練習している成果か(この日の他の試合でも、米山がアマレスふうに動いていた)。日向が押し気味な時間帯。永らく腰のサポーターが取れなかった日向だが、この日は着用せず、腹筋の割れがクッキリと見える。素晴らしい。
 美咲の反撃もやはりグラウンドから。スリーパーにこだわりを見せ何度もしつこく繰り出す。他にボディシザースからのグリグリ、スタンドではハイキックを織り交ぜ。早くもK−ショック(オリジナルな手の組み方で投げるスープレックス)3連発が飛び出す。
 返して日向、場外でチェンジオブペース、花道でDDT、座り込んだ相手の後頭部へ走り込んで低空ジャンピングニー(ほぼシャイニングウィザード)、リングに戻って顔面へのミサイルキック、ロコモーションジャーマン。いつもながらキツイ攻めだ…
 美咲も裏拳、フィッシャーマンバスター、春山を屠ったエルボーアタックと必死にたたみ込んでいくが、日向跳ね返してスパイダージャーマン、延髄ニー。やはり日向体調もいいのか、スタミナがあり、手数も多い。
 美咲は持ち技を出し尽くしてもう後が無いかと思わせたが、みちのくドライバーを切り返してラ・マヒストラル!その手が残っていたか。形が崩れても全身で押え込む。しかし無情のカウント2。
 再度のみちドラは完璧に決め、これで終わりかと思いきや、日向ダメ押しの新技(座らせた相手の脚を4の字状に組ませて自分の足で固定、上半身をひねりコブラツイストで固める)で決着。

 試合後美咲がマイクを握る。「私は負けても反ピュアハートの姿勢は崩さない。春山も倉垣も私の思う通りの方向に進んでいる」やや説得力に欠ける発言、しかし「追い込んで、会社に申し込んでタイトルに挑戦したのは、いま自分のいる位置を確かめたかったから」うん、これは今後へ向けての積極的な発言だな、と思っていたら!「それがはっきりしました。私は次回、7/29のディファで引退します!同じ意見で一緒にやってきた輝、(と呼びかけ)7/7(秋田)シングルでやろう」
 最後の最後、ためらっていた日向も握手に応じ、抱擁し合う2人。

 去年後半からの膝負傷の悪化具合、今年初め活動再開時のレディースゴング誌のインタビュー、悔いが残らないように全てありったけを出し尽くして、と言わんばかりだった、前回5月のディファ大会でのタイトルマッチにかける意気込みの発言。いくつかの点をつなげると線になり今回の引退宣言もじゅうぶん予想できたことではあったが。
 ラフ主体のスタイルに変えたのも膝への負担を配慮してのことだったのか。その割にはカルロス天野とやってたけど。そう言えば、やや唐突に天野とのシングルが実現したのも今思えば… 日向、輝と連戦するのであれば、あと1ヶ月の短い間の機会を見つけて、宮崎、倉垣ともシングルでやって欲しいな。
 そして美咲には、引退後もしばらくの間でいいから、団体に残って欲しい。若いけど考え方がしっかりしているし、ちょっとボケたところのある(笑)エースの日向を違った形でサポートして欲しい。若手の相談役ででも。

 今日から販売になった2001年版のパンフレット、表紙は日向、裏表紙はなんと春山である。なかの選手紹介の頁の順番も、トップが日向、次は春山である(以下、輝、ボリショイ、美咲、倉垣と続く)。この日、ハルクラ解散→たぶんシングル路線、が発表されたことと考え合わせると、次期エースとして春山が押し出されることはほぼ決定したみたいである。
 たしかに春山の試合は面白い。開放的、自然に頬が緩んでしまうような、大げさに言えば見る者に幸福感を感じさせるところまであると思う。
 しかし、「エース」となると、どうなのか… 一般のファン、プロレスファンのなかの一般層に対するアピールを考えたら、春山でいけるのかな… 遅かれ早かれ、考えざるを得ない事柄ではあったのだが…

 いずれにしても、不安と期待を持って、見続けていきます。




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