天龍復活!ケアーと対決。 全日のエースはどちらだ?
■団体:全日本
■日時:2001年6月3日
■会場:倉敷山陽ハイツ
■書き手:ノリリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

倉敷山陽ハイツ大会。

倉敷山陽ハイツ(http://www.ehdo.go.jp/okayama/kennai/shisetu/s_heights.html)というのは住宅地的なネーミングだが、倉敷市の保養施設だそうだ。100m程の高さの山腹に宿舎や食堂などが散在している。付属の体育館で時々プロレスの興行が行われる。去年の全日分裂直後の大会も行われたし、7月にはNOAHもくる。1階のみで、椅子をフルに並べて1000人弱といったところか? 今日は余裕のある席組で余裕のある客の入り、7部程度・600−700人くらいの客の入りと思われる。

全日の会場に行くと気づくのはエースはいまだ馬場だと言うことだ。全日のバスには馬場の絵がでかでかと描かれているし、会場にも馬場の写真がある。グッヅ売り場で一番いい場所に置かれているのは馬場のバスタオルだ。オーナーがエースのWWF、引退した会長がエースの新日、営業部長がエースの大日本などなど、レスラーがエースじゃない団体はいろいろあるが、死んだ人がエースの団体は後にも先にも全日だけだろう。そしてそれが全日の真のテーマでもある。会場に天龍の影は薄い。

本来なら天龍も川田も来ない失礼な大会に儂が参加しなくても・・・と思っていたんだが、ガオラをみて全日リングの塩加減を補ってあまりある熱さに観戦を決めた。天龍も来ることになったしな。

第1試合:○キムドクvs奥村X 
試合開始に5分ほど遅れたんだが、そんなことは重要ではない。5分見ても15分見ても同じ試合だ。つまらないという意味ではなくて、アーミー服の上官キムが新兵奥村(といっても随分な歳だが)をしごくという図式がず〜〜っと続くだけだから、途中から見ても一目で分かるし、どこから見ても一緒だ。キムドクの巨体とおなかは随分な存在感だった・・・が、もうちょっと年齢的には苦しいな。奥村はブックを忠実にこなしたのか、それともへたれキャラなのか申し訳なさそうに少々反撃しただけ。最後は墓石式パイルドライバーでピン。奥村は割といい体をしているのでキムドクの体勢の保持が充分でなく迫力不足の技になった。この試合に限らず、老いが深くこの大会に影を落としていた。

第2試合をのぞいて、
第2試合:○垣原・長井 vs 平井X・荒谷
長井は顔が悪い。これではRINGSのエースになれなかったのは仕方がない・・・それはさておき。頑張ってやってはいたんだがあまり印象がない。
「平井が垣原にやられているとき長井がレフェリーにアピールして荒谷のカットを未然に防ぐ」というムーブの時、長井がアピールしたのに荒谷はそんな動きを全然見せていなかった場面が印象に残った、寒くて。その他たくさんの細かいタッグムーブのミスがあった。もっとも全てが長井の責任ではないだろう。レフェリーも明らかにしょっぱかった。
各選手には役割がある。全ての選手が塩加減が同じ必要はない。闘龍門のようである必要もない。しかし、知らないで出来ないのと、知ってやらないのは別だ。全日で長井に指導できる人間がいるのかが問題だな。

ここで休憩。ジャイアントサービスはグッヅの値段が安い。Tシャツは大体2100円。新日が絡んだBATTシャツだけ3000円。ブッチャーのTシャツも捨てがたかったが、ウィリアムスのDr.Death Tシャツを買った。

第3試合:○サブー vs キマラX 
和田京平が登場訳の分からないファイティングポーズを決める。サブーが登場。そこへキマラ登場。『フニャラ!』と叫びながらサブーを威嚇。リング上に今までと異質な風景が現れた。プロレスの第3試合にふさわしい人材がそろった。
キマラを生で見るのは2年ぶり。あのときはキマラが一軍試験の真っ最中で、オブライトと組んで、怪奇派から正統派への変態を遂げつつあった。しかしその時既に膝が悪いのは一目瞭然だった。今日現れたキマラはさらにひどい状態だ。腹周りは20cm程度増しているし、ひざは全く曲がらない。
試合はみんな予想が出来るだろう。Extreme 自爆マシン・サブーが動けないキマラの周りで自爆を繰り返す試合だった。10分くらいでサブーのサマーソルトでピン。儂の席のすぐそばに着地した椅子を使った跳び箱プランチャーや和田レフェリーを使ったキマラのキャメルクラッチ脱出法などが面白かった。しかし、どちらでも本当にキマラは動いていない。キマラを使ってくれるのは世界中で全日くらいしかあるまい。
試合終了後サブーはマイクでブッチャーを挑発。体育館の脇のドアからのそのそとブッチャー登場。本当に膝が上がらない。竹馬が歩いているような歩き方。場外で軽くもみ合って、間に入ったSHINOBIを二人でいたぶってサブー退場。一人で3人分の動きご苦労様!と思っていたら・・・
第4試合:○ブッチャー ー 相島X  
相馬が入場、直後にまたサブーが乱入。コーナーにブッチャーを詰めて額を攻撃。蹴り。間に入った相馬がクリーンに二人を分けて、そのままブッチャーに自分も蹴り。試合開始。サブーの武道館へ向けての煽りはもう充分だろうと儂は思っていたんだが、サブーはそうは思ってなかった。いったん消えたサブーはまた椅子をもって来て、場内に椅子を投げ込む。リング上の動きとはもう全く関係なく、相馬の立場なんかなにもない。試合はブッチャーが既に片づけられた売店に相馬をたたきつけて、リングにどって毒針エルボー2連発でピン。(ジャンピング→スライディングになっていたけど、まあしょうがない。)
ブッチャーもノーバンプだった。リングによじ登るのがやっとだからまあしょうがない。ブッチャーの胸の脂肪ははばたいたら空を飛べそうなくらいになっていた。
なんにしてもキマラもブッチャーも過去の遺産があるから、見ることができる。過去のシーンと重ね合わせる。この二人の今の動きだけだったらとても見ることは出来ない。コンディションは本当に悪く、二人とも試合の途中で死ななくて良かったと本気で思う。

第5試合:○ウィリアムス・ロトンド ー Mバートン・ハインズX
バートンは会場で大人気だった。男前だし、入場するときに会場を2周してファンとハイタッチをタップしして入場。M・TOKYOのように行き着くところまで行ったらもっと人気が出るかも。間違いなくM・TOKYOより男前だから。まあ試合はガチャガチャと展開していった。ウイリアムスをしょっぱいという人がいる。しかし、彼の体の大きさと怖い顔は小さな会場では確かに迫力がある。一方確かに彼はしょっぱい。客との呼吸が読めないとか、動きが悪いとの理由でしょっぱいと言うより、どうやら細かいプロレスの決まり事を覚えていないことからくるしょっぱさだ。だから救いようがないとも言えるが・・・
セミのこの試合はそれなりに迫力のあるレスラーの衝突で15分退屈することはなかった。少なくとも第3試合4試合のような、『歴史を見る試合』ではなくて今行われているものを見る試合ではあった、フィニッシュまでは。ところがフィニッシュはウィリアムスの殺人バックドロップ。しかしこれが何とも悲しい超低空バックドロップ。あっという間に儂の心はまた過去にトリップした。

第6試合:○ケアー・スミスー天龍・淵X
天龍・淵組がクイックタッチ。ケアー・スミスがローンバトルで序盤は展開した。まずはケアーが天龍とチョップ合戦をしたり、淵とグランドをしたりと5分以上活躍。動きはいい。次にスミスがローンバトル。次は10分近く淵が捕まって、20分を過ぎたらhigh spotを入れて、最後は、25分くらいにハワイアンスマッシャーでケアーが淵をピン。
残念だったのはスミスのマジックムーブが出なかったこと。天龍のコンディションは悪そうだったこと。男50歳の責任感だけがリングに立たせていたのではないか。実際大したわざは受けてないのにリング下にすわり込むシーンも見られた。そのため淵は去年の2ndジャッジメント並に大活躍しなければならなかった。その淵もおなかは出てるは手足は細いはとてもメインエベントに登場するコンディションではない。
リングないでの動きはもはやケアーがエースとして絞めていたと思う。しかし、多くをpaperの観客が絞めるこの会場ではケアーのエースとしての認知度はかなり低かった。

以上6試合。キムドク、キマラ、ブッチャー、ウイリアムス、淵、天龍、ほとんど全ての試合に老いの陰が落ちていた。しかし、その老いの陰のなかった第2試合・垣原・長井vs平井・荒谷の試合が一番面白かったかというとそうではない。若さや未来が全日で重要視されていないことは第二試合に置かれたことでよく分かる。

興行全体に漂う老いの雰囲気、後ろ向きのマッチメーク、死に直面しているレスラーたち、真のエースたる無敵の死者。
全てが全日の興行は死者のための大会であることを明示している・・・と考えながら山陽ハイツから帰ったのは儂だけだったかも知れない。




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