WWFに何が起きたのか? 最凶のRAW、見参!!
■団体:WWF Raw is War
■日時:2001年5月14日
■会場:オハイオ州シンシナティ ファースターセンター
■書き手:ひねリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

まず前回のSMACKDOWNについてなんですが、基本的に特筆すべきことはなにも起こりませんでした。テイカー(withケイン)vsオースティンの遺恨が深まり、ベノワ(withジェリコ)vsアングル(withエジクリ)の遺恨も深まった。あと、エディのなぞのハーディーズ援護も継続。特筆すべきことがないだけでなく、面白みにも欠けていました(ステフがラキシにスティンクフェイスされた屈辱を語ったマイク以外)。レスリングの内容そのものは特に変わっていないんだけど、(何度も言ってるように)とにかくストーリーがきちっと作れていないことが響いています。まあとにかく今週のRAWレビューいってみましょう。

番組開始。先週のレビュークリップ。オースティン&ビンスがテイカーを二人がかりで攻撃しようとするところに、ケインが復活。ヒール達は逃亡。

会場からの中継開始。オースティン、トリプルH&ステフが入場。ステフに紹介されたトリプルHが、ケインにジャッジメントデイでのインタコンチ戦(チェーンマッチ)を要求。次にオースティンが早口でテイカーを挑発。というかこれは「おい観客ども、お前らはテイカーが勝つと思っているらしいがな、、、」みたいな感じで四方の観客を睨み、ブーイングを威嚇しながらしゃべるもの。オースティンはベビー時代から観客とのコミュニケーションのうまさは際立っていたけど、ヒールになってさらに丁寧にやっている。アピールの内容自体はつまらないんだけど、こういうところは見事。とにかくオースティンとトリプルHは、今日テイカー&ケインとのタッグタイトル防衛戦を要求。

テイカー登場。ジャッジメントデイでオースティンを倒すこと(「オースティン、お前は日曜、ジャッジメントデイの朝に教会に行き、主にお前の魂を捧げるがいい。お前のケツ(肉体)はすでに俺のものだからだ」とか言ってた)、そして弟ケインはトリプルHを倒すこと、そして本日はタッグ戦の申し出を喜んで受けることを宣言。さらにケインが突然オースティン達の後ろから登場し、テイカーと二人でヒール組を追い払いリングを占拠、この幕終わり。今のWWFのつまらなさの元凶と思われる、ストーリーのないこの抗争がPPVまで続くということです。

アングルがコミッショナーリーガルのオフィスを訪問。リーガルは、前回のRAWで自分の顔に泥を塗った(おなじみbesmirch)ラキシの制裁をアングルに依頼。それができれば、アングルはPPVでのベノワ戦の試合形式の決定権を与えるのとのこと。アングル快諾。

ラキシvsアングル
ラキシは先週のステフへのスティンクフェイスが効いて、出てきたときの会場の反応が増加している。試合はラキシがスティンクフェイスの体勢に入ったところで、リーガルが乱入して幕。でもリーガルが入ってくるのが遅れたため、スティンクフェイスする寸前でラキシが長いこと立って待っているというマイナーミスがあった。ごく短い試合だったけど、最近一回りムキムキ度が増したアングルのリングワークの冴えが目立つ。いきなり素早く片足を取ったりバックに回ったりのアマレスムーブをやってくれるのが特にいい。

ここでリポーターから緊急ニュース。警察隊が会場に来て、関係者全員にテイカーのことを尋ね回っているとのこと。おお、これは新趣向。

ミックが障害のある子供達の施設を尋ねるシーンの紹介。今週のスーパースターズでやるとのこと。

先週のSMACKDOWNでスパイクと仲良く話してたモリーに、クラッシュが「奴を信じるな」と警告。モリーは「彼はいい人よ。」この三角関係のポイントは、全員背が同じくらいちっちゃいこと。

ラディカルズin控え室。マレンコとサタンが、最近ハーディーズとリタを助けているエディに警告。エディは笑って流す。

トリッシュ、黒いコート(というかマント)で登場。「あなた達みんな、私や他のWWF DIVA 達がちっちゃいちっちゃい (itty-bitty, teeny-weeny)ビキニ以外、何もつけてない姿を見る資格があると思うわ」と男どもを盛り上げて、最近発売のWWF DIVAのヴィデオをちょっとスクリーンに写す。トリッシュ、リタ、チャイナ、デブラ達をジャマイカのリゾートや海岸で撮ったもの。トリッシュの今日のアピールは悪くなかった。やっぱり声がちょっと震えてたけど。

緊急レポートの続き。レポーターがテイカーの控え室の前でしゃべっていると、突然ドアが開き、焦った顔のテイカーが荷物をまとめて去って行く。その後ろから私服の警官が出てくる。なんか面白いぞ。

CM後、その警官にインタビュー。テイカーの妻が交通事故にあったのでそれを彼に報告しにきたとのこと。テイカーは警察の用意した車で空港に向かってるらしい。え?それだけ?テイカーが性犯罪でもやらかしたのかと思って楽しみにしてたのに。これってオースティンの陰謀ってこと?

ハーディーズvsマレンコ&サタン(withテリ)
エディもすぐに登場。試合はそのエディが、サタンの振り挙げたイスを取り上げて、その隙にマットがサタンを抑え込む。試合後エディは抗議するマレンコにイス攻撃。変わった話ですね。ふつうヒールキャラのベビー転向のストーリーってのは、本人がヒール仲間から締め出されて攻撃されて被害者になるか、それとも仲間の悪事の酷さに耐えられず正義に目覚める、といった形で行われるんだけど、エディの場合は違いますね。自主的に理由もなく突然ベビーを助け仲間を裏切り出した。今後に注目。

帰ろうとしていた警官を、オースティンが引き止める。真面目な顔で「テイカーのワイフが事故にあったって本当か?ひどい話だ。彼はどんな顔をしてたのか教えてくれ」警官が「とても動揺してました」と答えると深刻な顔で下を向くオースティン(カメラはオースティンの顔をアップでとらえる)。警官が去ると、その顔にかすかに微笑みが見えないでもない。ビンスの名作「妻の入院を聞いてうなだれる→悪魔顔で笑う」アングルの別ヴァージョンなのかな?

ライノvsクラッシュのハードコア戦
倒れてるクラッシュの頭の横にアルミゴミ缶を置いたライノが、その缶にサッカーボールキックを放つという新趣向でフォールにいったところ、スパイクが乱入してクラッシュを助ける。でもそのスパイクがライノに得意の三角飛びフェースクラッシャーにいったところ、ライノがスパイクをクラッシュに投げてぶつけてクラッシュからフォール。始めて見る展開の連続でちょっと面白かった。その後スパイクとクラッシュが喧嘩。

義理の姉(笑)が交通事故に遭ったことになるケインも、会場を去ろうとしているところをコミッショナーリーガルが止める。「ケイン、本当に酷いことになったね。君がここを去りたいのは当然なんだが、でも私は今やりたくないことをやらねばならない。テイカーは去った。今日の観客は多くの金を払って観にきているんだ。君が去ってしまうと、、、私はテイカーと君の両方を解雇しなくてはならないかもしれない。」それを聞いたケイン、バッグを叩き付けてフラストレーションを表現しながら控え室に戻る。それを見るリーガルは、今度はきちっと微笑む。

エジクリvsジェリコ&ベノワ
ベノワはアングルから盗んだ金メダルを首にかけて登場し、それをコーナーポストにかけて試合。この試合は6、7分以上かけてじっくり見せ
(RAWでは、5分以上の試合は長い試合に分類される。10分以上となると大試合)、最後はジェリコがライオンサルトで取る。その隙にアングルがメダルを取り返して逃げて行く。試合後メダルを取り返したアングルが花道で得意になって叫ぶと、ベノワがマイクを取って「どうだメダルの味は格別(sweet)だろう。それはお前が思うよりsweetなはずだぜ。なんせキャンディーで出きてんだから、お前のケツと同じくな!(candy ass=臆病者(ロック様の常套句)ってこと)」と言って本物を自分の股間から取り出す。しかしエジクリは相変わらず、なにか凄いムーブが出来るわけでもないんだけど、とにかく二人してよどみなく試合を作る。レフェリーを巧みに引き付けて反則したり、絶妙のタイミングで出ていって二人してやられたり、と本当にヒールタッグチームの基本をやってるだけなんだけど。

CM後、怒ってるアングルインタビュー。「メダルは私のだ私のだ私のだあ!」と叫ぶ。本当にそうなんだけど。

その後、どう考えても不自然なジェリコ試合後インタビュー。ジェリコが今日の勝利を誇っていると、エジクリが乱入してダブルイス攻撃でジェリコを痛めつける。

上機嫌のコミッショナーリーガル登場。自分には上質のスポーツエンターテインメントを提供する義務があるとして、さっきケインを引き留めたことを正当化。そして、やりたくはないけど、オースティン、トリプルH組とケインのハンディキャップマッチを組むしかないと発言。さらにジャッジメントデイで自分とラキシの試合を組むことも発表。

そこにかつてのラキシの仲間、グランドマスターセクセイが登場。相変わらず聞き取りも理解も翻訳も非常に困難なヒップホップトークを展開。ヘイマンも「奴がしゃべってる時は字幕がほしいよ」と言っている。無理して訳すと「Yo, yo, yo!堅苦しいウイリーさんよう、薬屋に行って、解熱剤を買ったほうがいいぜい!いえーい!あんたはラキシが気に食わねえんだろ?俺もちょっと前はそーだったぜい。でも今ラキシは冷めてるぜい、クールだぜい!奴は戻ってきたんだぜい!いへへーい!」リーガル「君の奇妙な話は全然理解できないよ。何が言いたいんだね?」セクセイ「おおお、俺の言いたいことはだなあ、あんたちょっと肩の力抜いたほうがいいぜ。おい、しんしなちいのみんな、このウイリー君がファンキーに踊るのを観たくねえかーい!(と奇妙なポーズで観客を煽る)」セクセイはさらに、困惑するリーガルを無視していっしょに踊りたいボランティアを観客から募集、リングサイドにいる4人の(どう見ても素人じゃないシリコン胸の)おねいちゃんを指名し、彼女達がリングに上がる。で、セクセイが音楽を鳴らしてダンスが始まる、、、なんてことをやってるうち・にリーガルが怒ってセクセイに暴行して帰ってこの幕終わり。まあ軽い(ちょっと寒い)一発ギャグでしたね。

オースティン&デブラin控え室。デブラがテイカーの妻のことを悲しみ、自分にも同じことが起こるかも、、、と。オースティンはデブラに「心配するな。お前には絶対起こらないから」と。ああ、つまり事故ってのはオースティンの流した嘘情報なのね。

本日タッグ結成するチャイナとリタ。チャイナがリタに「行くわよ!」

ミックの新著のCM。サブタイトルは「実社会はレスリングよりフェイクだ(and the real world is faker than wrestling)」というらしい。

映画スター・ロックが大メジャー局のNBCのニュースで取り上げられた映像。

チャイナ&リタ組vsモリー&アイボリー組
モリーとアイボリーが組むのはおかしいんだけど、この試合はタイトル戦を控えたチャイナとリタのタッグ結成がポイントで、相手はどうでもいいってこと。チャイナは赤いニット帽に、髪を三つ編みにして登場。試合はチャイナが出るのを拒否し、リタに全部一人でやらせて、リタがムーンサルトで勝利。チャイナに手を挙げられてちょっと不満そうなリタ。チャイナがだんだんヒール化していくってことらしいけど、とにかく俺的には女子同士の試合はつまらないから、さっさとタッグベルトをエジクリに帰して、チャイナ&リタ組に挑戦させたほうがいいと思う。だいたいエジクリ、ダドリー、ハーディー達が価値を高めてきたタッグベルトが、今のつまらないオースティンとテイカーの抗争に使われていることもおかしい。

オースティンがリーガルのオフィスを訪ねる。オースティンは真面目腐った顔で、今日のメインのハンディキャップ戦をタッグタイトルマッチにしたい、と。だから何?

リタインタビュー。今日の試合のチャイナの行動はよく分からないけど、とにかく私は6日後にチャイナに挑戦する、と。そこにチャイナが出てきて「今日はあなたに、私に挑戦する資格があることを証明してほしかったの。よくやったわ。ところで私の経験から言うと、エディゲレロを信頼しちゃダメよ。」やっぱエディのなぞの行動は女子タイトル戦に絡むみたい。

WWF New York より中継。今日のゲストはWWF レーシングチームの二人。なんかふつうの人だ。今度トリプルHとステファニーが、彼らの名前を付けられた車を見にレース場を訪れるそう。

オースティン、トリプルH達が控え室。ステフとデブラは心配そうに、男達は楽しそうにテイカーの妻の状況がどれだけひどいか、噂をしあっている。今日のこの展開のつまらなさというのはなんなんだろう。ただでさえ寒いテイカー組vsオースティン組の抗争なのに、今日に関してはメインを盛り上げる伏線が一つも出来てない。今までと同じ人間がシナリオを書いてるとは信じ難いぞ。

アコライツ&テスト組vsショウ&RTCの誰か二人
すみません、今日のここまでの展開があまりにつまらなくて耐えられなくて早送りで飛ばしてしまいました。ショウが勝ったみたいです。もう書くのも苦痛だ、早く終われ今日のRAW。

ケインインタビュー。ケインが「今日の試合はテイカーとサラ(テイカーの妻)に捧げる」とか騒いでいる。ケインはまた騙され役ってことか。まあどうでもいいなあ。

オースティンインタビュー。ケインは動物だ。動物に同情するわけねーだろ、等。

やっとメイン。オースティン、トリプルH組(withステフ)vsケインのタッグタイトル戦
JRやヘイマンの解説では、今日のメインのテーマは「腕を怪我し、家族に不幸があった気の毒なケインが、残忍なヒール軍に一人で立ち向かう」ということで、事故自体がオースティンの陰謀であることはまだ分かってないことになっているみたい。とにかく試合は、トリプルHがケインをチェーンで殴って反則負け。3分ちょっと。その後もヒール組はケインをめった打ち。最後にオースティンがマイクを取ってテイカーを倒すことを改めて予告。同時に「なんか俺、お前の妻は、大丈夫な気がするぜ」と笑う。つまり、やっぱり事故自体がオースティンの流したデマだったということ。おおなんとひどい。オースティンが、じゃなくてエンディングが。だってそんなん分かりきってるじゃんか。最後に得意気にばらすようなことじゃない。実際観客誰も反応してないぞ。分かってなかった人がいたにしても、つまらないことに変わりはあるまい。「事故はデマだったのかあ!なんて悪い奴なんだオースティンは!プンプン!」と怒る人なんているわけないじゃんか。いや、オースティンのヒールとしての地位を固めるために、そういう話をつくることは別に悪いことじゃない。でもそんなのは適当に番組の中盤に埋め込んでおけばいい。メインにもってきて最後に「実は、、、」なんてばらすようなものじゃない。そういうのはビンスのHigher power とか、ああいう良く出来た話じゃないと。それどころがJRは最後まで「なんでオースティンはテイカーのワイフが無事だと言って笑っているのだ?こいつは冷血人間のはずなのに!」ととぼけていた。確かにオースティンの言い方は曖昧だったから、最後までデマだったということが分からなかった人もいるかも。そういう人には今日のRAWは、ますます意味不明で面白くなかったに違いない。

というわけで、レッスルマニア以来退屈度がどんどん上がっているWWFがとうとう本日、恐ろしく凶悪なRAWを生産してしまいました。オブザーバーの評価も最低のF(Failed =落第)でした。他のサイトでも、この日の悪夢に対して文句の声が絶えないようです。ここ数年では、間違い無くワースト1でしょう。とにかくオースティン組vsテイカー組の意味のない抗争は今度のPPVで打ち切らないと。トリプルHをベビーに持ってきてもいいし、WCWの選手を使って別の話を始めてもいいし、やりようはいくらでもあると思うんだけど。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ