NEOの踏み出した一歩。
■団体:NEO
■日時:2001年5月13日
■会場:ディファ有明
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 久しぶりのNEOです。といっても2ヶ月ぶりぐらい。
 下田、貴子、ASARIといったベテラン勢が中心線にからみ始めてきたので少し敬遠していたのですが(この間4/21の30人大バトルロイヤルがたいへん面白かったとのこと。悔しい。また個人的には、5/4、タニー&宮崎、NEOマシンガンズ vs 仲村&石田リングアナ、の一戦を見逃したのは痛かった。これについてはまた後にふれます)。北沢タウンホール、板橋産文ホールを中心に興行を行ってきたNEOがディファで開催する。他団体から見れば些細な一歩かもしれないが、彼女達にしてみれば大きな冒険である。GW3連戦で予選を繰り広げた『NEO JAPAN CUP』の決勝が、私の期待通りのカード(田村 vs 元気)になったこともあり、この日ばかりは行かずばなるまい、という心境でした。

 観衆、公式発表335人、これは掛け値なしホントにホントの数字だと思います。
 この日、石田さんが選手として出場するため、リングアナは伊藤こーへー(第4試合まで)。
 入場式。本日、1vs4ハンディキャップマッチを行う「4」の側、仲村、冴ら、早くも密談。
 挨拶したのは、その「1」の側のタニー。「本日は、いつもと違う会場ですが来てくださってありがとうございます。…私事ですが、今日はハンディキャップマッチに出場します。自分でも、何故こんなことになってしまったのか…(京子爆笑)」
 どうでもいいことだが選手退場時、JWPの米山が勝手に1段ロープと2段ロープの間を空け、仲村が困ったような顔をしていた(仲村は2段ロープと3段ロープの間を空けようとしていた)のがなんだか可笑しかった。

第1試合 1vs4変則マッチ
○タニー・マウス(パロスペシャル8:38)仲村由佳×、宮崎有妃、アキュート冴(JWP)、石田亜矢子(リングアナ)

 ここに至る経緯を、当日会場で配られた「本日のみどころ」より転記します。
 「無敵の友情パワーで快進撃を続けていた二冠王、タニーと宮崎のNEOマシンガンズ。アキュートのつれてくる刺客、白覆面を次々と撃破し、敵なしの状態だったが、そこに意外な落とし穴があった。
 5月4日、仲村と石田リングアナ、通称ユカアヤに勝利したマシンガンズは『やる気があるならまたやってやる』と石田を挑発。石田は『私にプロレスは無理…』と言いかけたが『わかった、やってやる』と仲村が独断でリベンジマッチを受諾。タニーはさらに、その試合で特別レフェリーに起用されながら、ユカアヤ寄りのレフェリングをしたアキュートにも『お前ら何人でも一緒。マシンガンズ vs ユカアヤ、冴の2vs3でいい』と通告。するとアキュートは何人でもいいという言葉尻をとらえ『じゃあもうひとりXをいれて2vs4にしてください』と強引に認めさせてしまった。
 翌5月5日。例によってXが気になる宮崎が仲村に誰なのか聞こうとすると、仲村は『宮崎さんがXになってこっちのチームに入りませんか。今、こっちのチーム・ユピチックに入ると、サイパンにいけますよ』となんと宮崎を勧誘。タニーは友情パワーがあるからとせせら笑ったが、なんと宮崎はあっさりと寝返り。『エメラルドの海が私を呼んでいる』とNEOマシンガンズ解散を宣言した。茫然自失のタニー。
 こうして今日の試合は、異例の1vs4の試合となった。どうなる、友情パワー!?」
 ということです。

 チーム・ユピチック、入場時『5,6,7,8』を全員で踊る。仲村がリーダーだからかコールを受けるのも最後。石田リングアナ、可愛らしい水着なのだが、その上から巻かれた分厚い腰痛バンドが痛々しい。
 さて試合。注目の石田さん、カンパーナ、鎌固め、コブラツイストなどを出す。カンパーナではセコンドの元気が笑ってました。
 宮崎、後ろから二人羽織のように仲村に無理やり「決め」ポーズをとらされ、飛行機投げの体勢までは持っていくのだが、そこからドライバーでおとす(最近の宮崎の得意技“チーズスター”)ことができない。「できないよ〜」やはりかつては強い友情の絆で結ばれた元パートナーのタニーを地獄に沈めることはできないのであろう。抱き合って仲直りしようとしたところ、2人の間に冴が体を挟んで邪魔する(冴はこの日、ひとり張り切っていて動きも良かった)。
 ごちゃごちゃあるが、ま、しかし結局、宮崎は再度寝返りタニーにつく。予想通りではあるが… これで2vs3だが石田さんがコーナーから出てこないので実質、仲村&冴組。この連係が意外に良く、同時飛び付き腕ひしぎ、マシンガンズのお株奪うWスピニングトーホールド。しかし対角線からのWミサイルキックを狙ってコーナーに上ったところ、同時に雪崩式の技で切り返されてしまう。とくにタニーのキン肉バスターを食らった冴はリング下に転落、かなり効いたよう。その間リング上では仲村と石田さんがWでパロ・スペシャルを決められ、フィニッシュ。

 素人まじえて、しかも1vs4という特殊状況、なかなかネタ繰りもままならなかったのだろう、上記では省略したがバタついた展開も多く、寸劇以上のものにはならなかった。“プロレスごっこ”に見えちゃった、というと言い過ぎかな。
 石田リングアナを巡るスポットもあまり無くて(技を受けていない)、彼女を生かしきれていないのもつまらなかった一因だろうと思うのですが、この日購入した5/4のビデオ(NEOでは自家製の大会毎のビデオを1本 2,000 円で発売しています)を帰ってから見たら、石田さんも
けっこう技を受けていて、よく試合に溶け込んで見えました。体をどこか傷めちゃったのかもしれない。
 そう、ビデオで見た5/4のマシンガンズ vs ユカアヤ は、比べものにならないぐらい面白かった!レフェリーの冴はもちろん、スペシャル・リングアナを勤めた西千明(Jd')まで含めて、絶妙な一つの“作品”になっていると思いました。
 NEOマシンガンズをどう評価するかというのは難しくて、この5/4の vs ユカアヤ、もう1本買ってビデオで見た4/21の vs つぼ原人&仲村戦は出来が良いと思ったのですが、ぼくが生で見たときにはどうも、“プロレスごっこ”は言い過ぎとしても“キン肉マンごっこ”に見えちゃうような感じで… タニーと宮崎、敵として対戦していた頃の方が面白かった気もするし、…もう少し見守っていきたいと思います。

 試合後、宮崎「裏切った私だけど、また組んでくれるかな?」タニー「当たり前じゃないか!」友情とは美しい。
 仲村「今日は勉強になりました」。石田さんは「いつもインタビューの最後に失礼な事を言ってすみませんでした」と謝罪。宮崎「わかった、これからも皆でNEOを盛り上げていこう」冴に対しても「アキュート、今まで闘ってくれてありがとう」ここまで大団円ムードだったが、冴「お二人さん、なんか勘違いしてるんじゃないの?石田さん、仲村、あんたたち見損なったよ。これからもマシンガンズをつけ狙っていくから。24時間、気を抜くなよ!」
 ということでした。

第2試合 ○矢樹広弓(フリー)(腕ひしぎ逆十字固め8:58)椎名由香×

 椎名さんの試合を生で見るのはぼくははじめて。
 デビューこそ椎名の方が1年とちょっと早いものの、ともに29歳、同い年の対戦。
 とにかく腕十字、ワキ固め、膝十字、アキレス腱やらの取り合いを延々と繰り返して決着もその種の技。
 となると、序盤に出した腕十字とフィニッシュの腕十字の違いは何?力の入れ具合?
 べつにそんな、無粋なことを言いたい訳ではないけれど、この日のこの試合では、逆に一つ一つの技の説得力が軽く見えてしまったというか。スパーリングみたいで。
 趣味の問題とは思いますが。

第3試合 ○井上貴子(フリー)(裏拳→体固め12:05)春山香代子(JWP)×

 貴子のイジワル系の技の数々、ボディシザース食らってる時のヒジでぐりぐり返し、ヘアー投げ等に対して春山のクレームがうるさいうるさい(笑)。怒った時のプンプンした表情がとても良い。レフェリーに向ける不服げな顔が。
 とはいえ春山、いまいちハジケず。いつもやってる同じ団体の先輩相手とは勝手が違うのは前提としても、やはり貴子相手で思いきって技を受けとめてもらえるかどうか不安だったりするのかもしれないが。…

第4試合 ○下田美馬(フリー)、チャパリータASARI(フリー)(カカト落とし→片エビ固め12:50)井上京子、米山香織(JWP)×

 スペシャルなときの貴子、もっとスペシャルなアジャ、FMでの元川、それら以外で京子とよく組んでいる米山。ぼくが観戦したうち記憶に残っているのは2月の vs 元気&八木淳子戦。元気組が米山をボコボコにして京子に全く出番を与えなかった一戦。
 この日も似たような展開で進み、京子が出てきそうになると下田が「おぉーコワイコワイ」と言って逃げる(笑)。2月と違って、途中やっとタッチできた京子、大暴れしたんですが最後は米山が仕留められました。
 京子は、前の試合の貴子と比べれば分かりやすいが、必ず相手の技を正面から受ける。コーナーからのダイブを受けるとき微妙に受けやすい方ににじり寄るのは少しやり過ぎとしても、そのこと自体はやっぱりすごい。
 勝利チームのマイク「あたし達の目的は、井上京子、あんたを潰すことじゃなく、NEOを潰すことなんだよ!」言い放つや否や、京子が怒って向かってくるのを尻目に、ダーッと走って逃げる!私は通路すぐ側の席で、このときの下田&ASARIの、悪い事して逃げる、めちゃくちゃ楽しそうなハジケた笑顔をまぢかで見てしまいました。ここまで全体を通じてのモースト・インプレッションな場面がこのワル笑顔。言いかえればここまで、どれも試合そのものはいまいち低調だったのですが…

メインイベント NEO JAPAN CUP 2001 優勝戦
○元気美佐恵(Gドライバー→片エビ固め25:38)田村欣子×

 このメイン、この日もっとも大事なこの試合、やっとNEOらしい試合が見られました。
 田村の体調がすぐれなかったことで勝者の元気自身、満足がいっていないとか、また週プロの「特選この一番」を奪取した昨年10月の試合に比べれば… という意見もあるようですが、ぼくとしては、これで十分、でした。

 試合はまず、打撃の応酬から。田村のエルボー、ドロップキック。元気、前蹴り、チョップ。
 すぐに締め技のじっくりした攻防に。田村ヒザ十字、足4の字。元気カンパーナ、逆エビ。さらにエルボーの打ち合い。
 場外に戦場が移り、ひとしきり観客席へスローし合った後、いきなり田村がジャーマン!以降しばらく田村ペースに。
 リング上に戻りミサイルキック、コーナーに追い詰めて顔面ヒザこすり。
 コーナーの攻防で逆に抱えられパワーボムでロープに(!)叩きつけられたものの、田村は元気の弱点・左膝に焦点を絞る。低空ドロップキック、膝十字(さらに右足も巻きこんで変形でも極めた)、タムーズ・ロック・フォー(足ナガタロックみたいなの)。
 元気も痛む足を引きずって反撃する。Wリストアームサルトは食らったが、続いての裏Wリストを防いでエース・クラッシャー、投げ捨てジャーマン食らってもすぐに立ちあがり、ノド輪落しでお返し。しかし田村もカウント1で返す!元気、落差のあるバックドロップ、大技の打ち合いに。
 田村攻め続ける、スリーパーホールド、コブラクラッチSPX。手数が多い、手の内が多い、しかもそのどれもがハードヒット、田村の良いところ。
 元気がついに決め技を出す、Gドライバー!(エメラルドフロウジョンみたいなの)もう1発、旋回式でGドライバー!田村返す!死力振り絞ってエルボーの打ち合い、しかし勝負を決したのは元気、再々度のGドライバー!!
 元気、手数は少なかったが、重さが勝っていたということだろう。田村以外に京子、貴子、下田、ASARIを揃えたトーナメントに優勝して、現チャンピオンの京子への挑戦を宣言した。

 この日の335人、今のNEOにとって多かったのか少なかったのか。週プロによると甲田社長は、反省点が多かったことは認めているようだ。9月にもう一度ディファ、12月には後楽園ホールを目指すとのこと。これまで通り評判の良い点、修正すべき点、賢明なNEOのスタッフのことなので、さらに着実に、頑張って欲しいです。




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