4・22W★ING同窓会:ディファ有明 KANSENKI.NET初の合作観戦記
■団体:W★ING
■日時:2001年4月22日
■会場:ディファ有明
■書き手:タカハシ愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 この観戦記はKANSENKI.NET史上(つってもまだたかだか半年足らずだが)、始まって
以来の、愚傾とタカハシによる「合作観戦記」である。
 W★INGに対して、二人が持つ感情には大きな温度差がある。愚傾にとってのW★
INGとは「後楽園に頻繁に足を運ぶようになりはじめた頃、もっとも熱狂した団体」
であるのだが、タカハシにとっては本文中にもある通り「全く思い入れがない」団体で
ある。

 そんな二人が「W★ING同窓会」を共に観戦し、後で飯でも食いながら興行を振り
返ってみたところ、両者の感想が驚くほど似通っていたものであることがわかった。

 KANSENKI.NETとしては、観戦記の「量」が大事なのは勿論だが、それと同じくらいに
大事なものが「質」である。
 似たような感想を持った二人が似たような観戦記を上げたところで意味は無い。
 ならば、二人で力を合わせて「質」にこだわった観戦記を書いてみたらどうかという
話になった。

 これは面白い。
 是非ともやってみようということになり、さっそく作ってみることにした。

 以下、タカハシが最初に書いたものをベースに、愚傾が補足を付け加えるような形で
興行を振り返っていきたい。
 なお、本文中の青字はタカハシ、黒字は愚傾が書いたものである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ここ数カ月で最もチケットの売れ行きに勢いがあったのはW★INGだったそうだ。
活動時期は短くてもファンに思い入れが強く残っているのがUWFとこのW★INGで
あるが、実のところUWFはともかくW★INGには全く思い入れがない。
怖いもの見たさで何度か会場に足を運んだ事はあるものの、心に残るシーンはちょっと
思い出せない。W★INGで記憶に残るシーンと言えば例の小田原での事故だから、
まぁこの団体に関してはフツーよりちょっと詳しいというレベルだと思う。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 実際に各プレイガイドでの指定席は売り切れだったらしい。
 オープンして以来、ディファ有明を実券でフルハウスにしたというのはNOAH、闘
龍門、UFC−Jに次ぐ快挙か。 え? 掣圏道? それはノーコメントってことで。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

さてこの日は11時から会場の12時開始予定であり、立ち見席を購入していたところ
から少し早めに会場入りするつもりでいた。ところが11時半になってようやく開場と
なり、試合開始もキッカリ30分遅れとなった。
この日は遅刻魔で有名な愚傾くんとの観戦予定で、速報も打つというところから有明駅
に着いた時点で一度電話するとまだまだ向かっている途中で、12時にはとても
着きそうにないとアッサリ言われる。
「W★INGなら間違いなく開始は遅れますから。逆に時間ピッタリに始まったら
『金村お前何考えているんだ!』ってなりますよ」との事。
サスガにW★INGに思い入れのある人は違う・・・が一応席取りの役目も果たさなく
てはいけない事だけは判った。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 いやその節は本当に申し訳ない。

 試合時間について。
 よもやそんなことは無いだろうと思いつつも、やはり今回の興行を仕切るのは「PP
Vに慣れた」金村なだけに、若干の不安は無いでもなかった。
 ただ、よく言われる「30分遅れるのがW★ING時間」というのは後付けの逸話だ
と思う。15分とか20分程度の遅れで始まったこともあるし。まぁ定刻キッカリに始
まったというのは、少なくとも手前の記憶には無いが。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ロビーは入場時に規制が入るほどの混雑ぶりで、レザーも含めポーゴ以外のほぼ全員が
自団体や個人のチケット、グッズを売っていた。ここぞとばかりに旧W★INGの古い
ポスターや特別優待割引券(当然無効)などを売っていたのが笑えるが、Tシャツが
3500円というのはともかく4ッ折りのポスター形式(としていた)パンフが
1500円というのはサスガにヒド過ぎる。

入場式はこれまたポーゴ以外が全員登場。

金村の挨拶:「元気ですか!元気があれば子供ができる(邪道突っ込む)。これだけの
お客さんが集まってくれた事で新団体旗揚げも・・・なぁんて考えてしまう今日この頃
です。実はネタで遅らせてやろうと考えていたのですが、段取りが悪くて本当に遅れて
しまいました。スイマセン。で・・・今日のメインイベントなんですけどまだカードが
決まっていません。これから詰めますんで期待していて下さい。勿論松永とポーゴの
対決を軸としたカードです!」

ここで書くと後出しジャンケンのようだが直感的にポーゴが松永との対戦にビビり、
ゴネているなと思った。全く裏事情も知らずに本当に直感だけだが、コレは確信に近い
ものがある。一番人気は邪外道で二番目は木村かな?ポーゴが登場しない事については
説明もなかったが、もしかしたらW★INGからの伝統なのかも。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 スンマセン。このとき手前はまだ会場に到着してませんでした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「第一試合:モンゴルマン対ジェットジャガー」
確か旗揚げ戦(シリーズ?)に出ていた同名の選手はマスクマンだったかと思うが、
今回出場のモンゴルマンは二瓶組でもそう名乗っているらしい。オリジナルと同一人物
かはもちろん知らないが、どっちにしろ今回で見納めとなりそうだ。
対するジェットジャガーはU系っぽい(というか修斗のジムで半年程練習したような)
動きを見せるマスクマン。これは多分同一人物ではないと思う。ちなみに根拠は「若そ
う」だから。
別にどうと言う事のない試合だが、途中モンゴルマンが見せたスイープとビクトル投げ
には感嘆ではなく失笑の方が多かった。自らロープに飛んでのローリング・ラリアート
でモンゴルマンの勝利。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 会場に着いたらちょうどこの試合のゴングが鳴った瞬間だったため、試合そのものよ
りもあちこちに見られる、視察というか観戦に訪れていた他団体選手の顔ぶれに目がい
っていた。
 ざっと並べると、
 リッキー・フジ、工藤梓、新宿鮫、マンモス佐々木(FMW)
 田村欣子、宮崎有妃、タニー・マウス(NEO)
 MIKAMI、佐々木貴、橋本友彦(DDT)
 佐野直(国際)
 と、手前が確認できた限りでこれだけのレスラーが観にきていた。

 それにしても、FMWの選手、しかも当時からの所属選手であるリッキーや吾作がW
★INGを観にきていたという事実に、時の流れを感じずにはいられなかった。

(8分07秒 ローリングラリアット〜体固め)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「第二試合:三宅綾対菊沢光信」
濃い顔だちが気に入られて有閑マダム(死語)に面倒見てもらった時期のある三宅と
ターザン後藤の弟子でありながら何故か登場の菊沢の対決。菊沢のデスマッチをやりた
いという希望を飲んでのカード変更だそうだ。これまた別にどうと言う事のない試合
だが、公認凶器の有刺鉄線バットが途中折れてしまうものの、予備が出てきたのが笑え
た。3枚ほど積み重ねた折畳みイス上へのタイガードライバーで三宅の勝利。
試合開始のカウントダウンで氏家リングアナが6を飛ばしてやり直し、というのがこの
試合を象徴していたような・・・。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 三宅の持ち味といえば、なんといっても「イジメられっぷり」であることは間違いな
い(まぁW★ING時代からそうだったかと言われると、そのあたりの記憶があいまい
なので回答に窮すが)。
 対する菊澤は格から考えてもファイトスタイルから考えても三宅をイジメる側に回る
ことはできないタイプ。
 そんな両者の絡みがスイングするはずもない。
 奪った有刺鉄線バットをフルスイングしたらいきなりポキンと折れてしまったのは神
の与えた皮肉としか言いようが無かった。

 それはともかく、W★INGの練習生からターザン後藤のもとでデビュー、現在では
大仁田興行にも出場してホームリングに「プチ邪道」なるギミックを持ち込む菊澤の節
操の無さは、U系で言えばUインターの練習生を経てパンクラスでデビューした選手が
現在ではリングスを主戦場にするというくらいに破廉恥なものである。
 勿論、それが悪いといいたいわけでは全然なく、むしろ、自らの「混血」をネタにす
るくらいのしたたかさが欲しいと手前は思う。

(11分24秒 イスの上へのタイガードライバー〜エビ固め)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「第3試合:三浦博文対小坪弘良」
なんかまともにレスリングしていたような記憶もあるが、フィニッシュがスパーンと
決まったチキンウィング・フェースロックだったという事しか覚えていません。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 トイレタイム。
 手前と同様に「この二人のカードが面白くなるわけねぇ」と踏んだファンが多かった
のか、ディファのロビーは試合開始前かと見まごうような混雑ぶりだった。

(7分45秒 チキンウィングフェイスロック)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「第4試合:島田宏対谷口裕一」 
島田で覚えているのはあのでっぷりとした体でトペコンをやっていた事・・・と書いた
ところでその記憶が定かであるか全く自信がない。この試合は「若手教育」とネーミン
グされてはいたが、確かそんな事があったような気もしないではないなぁ・・・。
たにぐちについて覚えているのはその童顔ぶりから「戦う小学生」というギミックを
与えられていた事と、入門を志願する中牧に声援を送るファン時代の写真くらいかな。
試合は特に「教育的側面」を感じさせる事なく島田のトップロープからのフライング・
ソーセージ(この言葉がピッタリの体つきだ)でフィニッシュ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 年甲斐もなく黄色を基調とした派手めなコスチュームで登場する島田。
 それにしても、アンコ型体型のレスラーが派手目なコスチュームを着用るのはSWS
系団体に所属した選手によく見られる光景だが、あれは誰の影響なのだろう?
 この試合に付けられた副題「若手教育チャレンジマッチ! ザ・猛烈シゴキ教室」に
対し、一部の客から試合前に「どっちがシゴかれるんだ?」という野次が飛んだが、後
から考えるとこれが実に的を得た意見であることがわかった。それは、指導役であるに
も関わらず全然シゴけてなかった島田の試合運びからも明らかだが、試合後の島田のマ
イクはその事実を強烈に印象付けた。
「谷口! 今日はいい勉強になったよ。でも、オマエもオレから何か教わってるはずだ
 からな! じゃぁオレはこれから帰って寝るよ。あ? オマエも帰る?
 じゃぁ一緒に帰ろうか」

(8分56秒 トップロープからのフライングボディプレス)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「第5試合:松崎和彦&矢口壱琅&平野勝美対茂木正淑&戸井マサル&覆面太郎」
オリプロ対W★INGの交流戦と銘打たれたこの試合だが、5試合目になってようやく
好きだった選手が登場した。久々に見ることとなった戸井マサルに関する最後の記憶は
ファイト紙にB型肝炎説が出た時に必死になって否定して回っていたらしい事。
その後FMWに出たのかどうかも忘れてしまったが、佐山チルドレンらしさを感じさせ
る鮮やかなローリング・ソバットは忘れられない。今でも現役でリングに上がっている
のだろうか?入場式ではヒザが悪いように見受けられたが、試合中はそれを感じさせる
事なくキレのいいソバットを見せてくれた。残念ながら早々の退場となってしまったが
久々に見られてとにかく嬉しかった。
オリプロと言えば試合後に茂木も言っていたが「板倉はどうした?」という感じだ。
彼はミゼットを除けばスレ違った中で自分より小さいレスラー第一号というまったく
有難味はないが、こっちには結構衝撃的だったレスラーなのだ(ちなみに自分は公称
170cmです)。ところで松崎は駿馬とかいう名前じゃなかったっけ?

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 板倉なぁ。これは試合中に同様の野次を飛ばしてた観客がいた。>板倉はどうした?
 確かに剛竜馬がぬけてからのオリプロを支えたのは板倉だし、獣神サンダーライガー
が一目置いたというだけでも当時のインディー選手のなかでは注目度が高い選手だった
のであろう。
 あぁ、見てぇなぁ、あのマッスルボムをもう一度。

(15分59秒 フィッシャーマンズバスター〜片エビ固め)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「第6試合:木村浩一郎&保坂秀樹対レザー・フェイス&ブギーマン」
木村と保坂が同じリングに立つのを見るのはリングス旗揚げの第一試合目のSAW提供
試合以来だが、巡り巡ってお互いフリーの立場でW★INGのリングに上がるというの
は感慨深いものだろう。試合はこれまたどうと言う事のない・・・と書くと手抜きか
インディー蔑視と思われるかも知れないが、本当に何も書く事が思いつかないのだ。
まぁ実際に見ていない人たちの間では幻想が膨らんでいるかもしれないが、正直言えば
「プロレスって難しいんだなぁ・・・」と実感しに行ったようなものだった気がする。
ただ闇雲なまでの情熱だけは感じたけどね、特にファンから。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 例えば宇宙パワーやT・J・シンジュクのマスクに手をかけられたときの「ブチ切れ
キック」を10とすると、この日、浩一郎がブギーマン相手に見せたキックの威力は2
か3程度。とにかく「保坂ぁ、なんとかしてくれよぉコイツ」といった雰囲気のやりに
くそうな表情が印象的だった。

 あとはレザーだな。古くはジェット・シンのサーベル、グレート・カブキのヌンチャ
ク、田村の小太刀など、実際に試合の中で使うことは無い凶器を持って入場するレスラ
ーというのはいろいろいたが、その中でもレザーのチェーンソーというのは格別の個性
があったように思う。
 なんせ音がうるさい、火花は飛び散る、殺傷能力はピカイチ。もはや凶器としては反
則である……って厳密に言えば凶器そのものが反則なんだけど。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「セミファイナル:金村ゆきひろ&中牧昭二対邪道&外道」
おなじみの曲におなじみのコスチュームでの登場でまず沸かせた邪道&外道。金村は
ともかく中牧相手にどうか?と思っていたがそれなりに合わせて試合を作っていく。
当然中盤以降は中牧が一方的に攻められる内容になる訳だが、それでも金村がテーブル
バンプや流血等で見せ場は独占させずに最後は唐突に決まった逆さ押さえ込みで決着。
すぐにゴングが鳴らなかった事で、観客も終わったのかどうか把握できなかった様子
だったが邪道たちもあっさり敗北を認め(と言うかどうでもいいという感じ)、健闘を
讃え合って幕。まさに歴史的惨劇となった小田原の試合のリマッチとは思えない結末で
はあったが、最早邪道&外道にとってはただの通過点に過ぎないのだ、という事を改め
て認識した感じ。最後にコスチュームを脱ぎ、かつては決して見せなかった上半身を
さらしての「コンプリート・プレイヤーズ」のポージング。コスチュームを投げ捨てる
のかとちょっとドキドキしたな。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 思えば邪道と外道が「邪道・外道」として国内デビューしたのがW★INGだったん
だよな。それだけに、本人たちとしてもこの興行に対する思い入れはかなりのものがあ
ったという噂を聞いた。
 しかし、中牧をいたぶり続けるその姿にかつての「怖さ」は無い。アスリート然とし
たレスラー二人がそこにいるだけだった。試合後にコンプリート・プレイヤーズのポー
ズを見せたことからも、この二人に過去を懐かしむつもりは無く、現在進行形である二
人の価値を大事にしたいという意思を感じた。
 かといって、彼らに「W★INGへの思い入れはそんなものか?」と問うつもりは毛
頭ない。彼らは彼らなりに「W★ING」を、心の中の箪笥の引き出しにしっかりとし
まっているに違いない。
 そうじゃなければ、もう二度と見ることは無いと思っていた「赤コスチューム」と、
二度と聞くことは無いと思っていた「We Are 邪道外道ハッハー!」から始まるテーマで
入場したりはしないはず。

(11分47秒 パワーボム〜エビ固め)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「メインイベント:松永光弘&ジ・ウインガー&三宅綾&保坂秀樹対
      ミスター・ポーゴ&フレディ・クルーガー&金村ゆきひろ&菊澤光信」
試合前に金村が松永を挑発し無理矢理8人タッグに変更。ますますポーゴが金村に泣き
付いた事を確信するが、2人の絡みはフィニッシュ直前に三宅にフォールの体勢を
取ったポーゴに松永がカットに入った時の1回のみ。ポーゴは三宅を試合開始から
ずっと捕まえ、徹底的に松永を避け続けた。試合開始5分後に照明が落ちる変則ルール
(あまり意味がなかったようにも思うが)による闇の中、リング上で延々と三宅を武器
(ポーゴは凶器をこう称する)で攻め続けた。三宅も大変だよな。
松永の壁によじ登っての攻撃や会場外乱闘など極地的な盛り上がりはあったものの、
期待されたバルコニーダイブもなく、「殺してやる!」と言ったポーゴが結局松永と
絡む事なく武器上へのパイルドライバーでの決着となった。ちょっと拍子抜けという
空気が会場を包む中、試合後になってようやくこの日最大の盛り上がりを見せた。
金村の「松永が言ったら一番盛り上がる言葉をポーゴさんから聞かせてやる」とマイク
をポーゴに振ると「テメーらよく聞け!茨城が帰ってくる。そしたら8月に東京の
どっか(会場大爆笑)・・・後楽園かココでW★INGの復活だ!W★INGは永遠に
不滅だ!」とまさかまさかの復活宣言。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 この試合の最大のポイントはウインガーとフレディ(初代)の場外戦。
 両者頭をつかみ合っての乱闘は会場の外まで広がり、止めてある車(HONDAのプレリュ
ード)に向かってウインガーをボディスラム気味に投げるフレディと、近くにあった自転
車を投げつけるウインガー。それに呼応して「プレリュード! プレリュード!」という
前代未聞のプレリュードコールや、「自転車! 自転車!」という、これまた前代未聞の
自転車コールを送る観客(含む愚傾)。
 そして、二人の行く先には日本が誇るメジャー団体、プロレスリングNOAHの事務
所が!
 ガチ系団体を除けば日本でもっともスポーツライクなプロレスを展開するNOAHの
事務所に乱闘中の怪奇派レスラーが……NOAHファンの手前でもヨダレが出そうな展
開である。次第に大きくなる「NOAH! NOAH!」というコール(含む愚傾)。
 しかし、残念ながら二人は会場内に戻ってしまうのだが、この昨今のインディーで見
られるハチャメチャさ加減の元祖はW★INGである。
 これぞW★ING! これぞ日本のインディー!!
 そんなことを思わずにはいられないシークエンスだった。

(17分46秒 武器の上へのパイルドライバー〜体固め)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

確かにその気になってもおかしくないほどの大入りではあったが、誰もが口を揃えて
「いい人なんだけど、信用できない」と評する茨城氏が戻ってきても、喜ぶのは実際に
被害にあっていないマニアだけで、トップがハードな事は絶対拒否のポーゴではどう
考えてもうまくいくワケがない。とりあえず月1の定期イベント的な興行をW★ING
興行としてやっていくのだろうが、行き場のないポーゴをどう使い、どこで切るかが
ポイントではないかと思う。「試合はショボかった」というのが観客の共通した意見
でもあるため、次回またこの興行人気が期待できるとも言い難い。
今回の興行人気を冷静に捉えて、次回の興行につなげて欲しいと思う。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 やはりW★INGだった。「あの頃」の雰囲気がどこまで再現できるか不安ではあっ
たが、そこにあったのはまぎれもなくW★INGだった。
 ジェイソンも、徳田も、ペレスJrも、板倉も、そして何より茨城清志がいなかった
興行だけど、それでもやっぱりW★INGだ。

 そして、この日よみがえったW★INGは、8月にもまた興行を行い、再出発を果た
すという。正直、眉唾な感は否めないし、また茨城社長が戻ってきたところでそれが団
体運営に関して何のプラスにもならないことは言うまでも無い。

 それでも、また「あの頃」と同じような得体の知れないエネルギーを、リング上のレ
スラーと一緒に作り上げることができるのなら、そのときを素直に待ちたい。
 十年近く待ち続けてきたんだ。
 それに比べれば、一ヶ月や二ヶ月の遅れなんてなんてことない。
 あるいは、実現なんてしなくてもいいと心の底では思ってるのかもしれない。
 もう一度、W★INGという夢を見ることができるなら、それだけでプロレスファン
を続けていく勇気は自然と沸いてくる。

 というか、むしろポーゴが口にした「8月」なんかには実現して欲しくない。
 時間通りにピッタリに始まるW★INGなんてW★INGでは無いのだから。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ