4/14闘龍門ディファ有明雑感〜最強は武輝の魂!
■団体:闘龍門
■日時:2001年4月14日
■会場:ディファ有明
■書き手:メモ8(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 闘龍門の前回のディファ興行(3/17、興行全体を余すところなく伝えているmayaさんの観戦記はここ)は、実に実に切ない興行だった。

 メインの6人タッグで、マグナムTOKYOの蹴りを受けそこなったビック・フジがヘロヘロになってしまい、試合がボロボロになりそうだったのだ。リング下で大慌てしている岡村社長の動きだけでも一見の価値はあったし、結果としては、SUWAの獅子奮迅の働き(これでやっとこの選手の素晴らしさを正確に認識できた)と、ヘロヘロになりながらも何とかスポットこなしたフジのガンバリによって、何とかカッコがついたのだが、フジが無理してそこまで戦い続けた理由というのが、斉藤了との自転車争奪アングルのマイクの相手をするためだというのが恐れ入る。

 いきなり第一声を「フジイさん、大丈夫ですかあ?」とやった、斉藤了のどこまで天然でどこまでが計算の範疇なのか、よくわからないマイクも凄いのだが。

 そうして、エンターテイメントの厳しさを見せつけた後、救急車がやって来た。ディファの係員が緊迫した声で「皆さんもっと下がって!」と絶叫して異様な緊張感が漂う中、まだ残っていた多くの観客の目の前を、救急車に運ばれるフジ。心配そうに付き添うSUWAとTARUさん。

 いつもハッピーになって帰れる闘龍門、この日はちょっとやり切れない想いを抱かせられたものだ。

 興行を作る側がキッチリと焦点を絞って興行を作っているからこそ、アクシデントは、あくまでアクシデントとして、それすらあまりに切ないエンターテイメントとして見れてしまったというのは結果論でしかないけれど、実に色んなことを考えさせてくれた興行だった(勿論、フジの怪我と救急車までがアングルという見方も出来ないではないが、大仁田が無料である救急車を散々使い過ぎた為、最近では、アングルに救急車は使い難い状況らしいので、アクシデント自体はシュートと判断するのが、マニアの妥当な意見のようだ)。


 そして1ヶ月以上続いた闘龍門初の長期ロードの最終戦が、この日の「闘龍門No.1決定りーグ戦」の優勝戦。

 おれの観戦記を読んでくれる人は、基本的に総合系のファンが多い筈だから、説明過剰気味に書いていくことにする。

 会場のディファは超満員。開始15分前には、南には既に立ち見がギッシリで、当初は開放していなかった2階をギリギリになって入れ始めたくらい。

 闘龍門を見に行くと、いつも見かけるのは、楽太郎師匠と、パンクラスの持田コミッショーと、駆け回る子供と、リー監督なのだが、この日も同様だった。持田、アブダビに菊田の応援に行っていてもおかしくないだろうに、こっちを取ったわけだ。まあアブダビでホモのスワッピングみたいな寝技合戦を見てるより、こっちの方が面白いというのは、理解出来るのだが。しかし、そんなに熱心に闘龍門見てるなら、少しは何かをパンクラスにフィードバックしてやれよな。

 5分程度のオシで照明ショー(ディファの設備を使いきれてなくてイマイチ。機械を使いこなせる奴がいないんだろうな)から開始。場内モニターはまったく使用せず(ならばディファじゃなく後楽園でやって欲しいよなあという思い通りに、次回・次々回は後楽園だ、わーい)。

 ここからイキナリ第1試合が始まり、その後に全員が入ってきて前説を始めるパターンと、最初から前説を始めるパターンがあるんだが、今日は後者。

 まずはC−MAX(CIMA、TARU、SUWA)の入場。何故かフジはいない。CIMAがマイクを握って話を始めようとした瞬間、マグナムのテーマで正規軍(マグナム、ドラゴンキッド、SAITO、アラケン、元気、斉藤了)の入場。マグナムがマイクが取ろうとした瞬間、今度はM2K(望月成晃、望月享、神田、ダークネスドラゴン)。神田のテーマであるミッシェルガン(個人的に好き好きー)の「G.W.D」で入場。

 そしてモッチーの爆笑マイク。「リーグ戦の状況を説明しましょう」(このトボけた味の素晴らしさは文章で表現出来ない)とツカみ、M2Kが両リンしまくって、誰も決勝進出してないこと、今日のDブロック決定バトルロイヤルを勝ち抜いて、最後は決勝で両リンやって、リーグ戦をぶち壊すんだよとの宣言。

 対抗してCIMAがバトルロイヤルを勝ち抜くは、おれ達だと宣言すると、今度はマグナムが「おれ達は5人もいるから勝ち抜く!」。そこにタイミングよくモッチーが「5人いたって、4人のチビっこ(正規軍はマグナム以外はホント小さい)と1人の酔っ払いだろ」と突っ込み、さらに爆笑を誘う。

 マイクが斉藤了に渡って、自転車アングルの説明。フジを呼び込んで「フジイさん、1対1で対決してください! ボクの予想通り、フジイさん決勝いけなかったじゃないですか!(場内爆笑) 今日のバトルロイヤルでも、…フジイさんは勝てないと思います!(さらに爆笑) でもボクが勝ち残ってしまったら、…すいません」。

 ポイントは、モッチーの「決勝で両リン」宣言。普通の両リンなんてのは見てて全然面白くないのだが、M2Kの場合は、狙うと宣言することにより、両リンを巡る攻防が実に楽しめるのだ。今日はそれに続いて斉藤了のマイク。常識的に考えたら、モッチーがバトルロイヤルを勝ち抜くことは当たり前(決勝にM2Kが誰もいないから)なわけだが、ひょっとすると斉藤了が勝ち残ってしまうかも、という気にもさせてくれるわけ。つまり、この日の興行のポイントを実にウマく説明しちゃうわけね。だから初めて行く人も充分楽しめるような作りになっているということ。


 全軍退場後に、リングアナからカード発表。「3試合終了後に、バトルロイヤルの敗者による2〜3試合を行います、従って、本日は、全5、6試合を予定しております」などと小ネタで笑わせながら、いよいよ本編突入。


<第1試合、Dブロック代表者決定時間差バトルロイヤル>
SAITO、元気、TARU、キッド、アラケン、フジ、了、M2K(神田、享、クネス、モッチー同時)、市川(入場順)
○望月成晃(14分43秒、オーバー・ザ・トップロープ)斉藤了×

 バトルロイヤルで面白いのってあんまりないので、闘龍門なら、どう見せてくれるかと楽しみにしていたのだが、これが期待を裏切らなかった。

 5人目のアラケン入場時までで、C−MAXのTARUさん1人に対して、正規軍が4人。TARUさんのデカさを生かした、チビっこをちぎっては投げちぎっては投げの、まるでダイダラボッチか巨神兵ムーブで最初を盛り上げ、フジと了が入ると、この2人の攻防に焦点を移し、続いて4人同時にM2Kが入って来ると一気に全体が加速。最後の市川は、オマケみたいなもんで、相手にされないムーブで笑いを取ったら、あっと言う間にM2Kに抱え上げられて場外に放り出され、最初の失格。

 全員数珠繋ぎのヘッドシダースあり、味方への誤爆あり、ラナ合戦ありと楽しませてくれた後、正規軍が続々と脱落し、残ったのは、M2Kの3人(クネス以外)とフジと斉藤了。結束力の固いM2Kに対し、宿敵のフジと了が一瞬協力するか否かというムーブをチラっと見せて場内を沸かせるも、フジが脱落(フジ、場外に落ちるスポット失敗して自分で落ちた)。

 ここから了の踏ん張りで、享と神田が脱落し、前説の通りにモッチーと了の一騎打ちに。最後は、あわや了が決勝進出かという見せ場まで作ってからモッチーの勝利。いやあ文句なしの出来。


<第2試合、シングルマッチ45分1本勝負、決勝トーナメント準決勝>
○マグナムTOKYO(11分18秒、バイアグラドライバーから体固め)SUWA×

 マグナムTOKYOは入場以外はサムいというのが、どうもマニア間での評価であるみたいだが、逆に言えば、少なくとも入場だけは何回見ても素晴らしいということ。こう血沸き肉踊る感じというか。従えている2人のダンサーがバツグンにウマいのもあって。

 手の合うSUWAとの1戦なので内容もばっちり。序盤のSUWAのジョンウーキックやらロープ越しエルボーやらでの畳み掛けは見応え充分だし、マグナムに主導権が移っても、SUWAが相手だと流れが切れない。最後は定番のバイアグラドライバーで。マイクで「勝ち残るのはオレだー!」と絶叫して退場。マグナムは元々カツゼツはバツグンなので内容がよければマイクは映える。


<第3試合、シングルマッチ45分1本勝負、決勝トーナメント準決勝>
×CIMA(13分10秒、凄い左ハイ一発でKO)望月成晃○

 試合自体の出来としては、3/17の方がよかったかもしれない(ラストの享の乱入タイミングが絶妙過ぎた)。しかし、あれは120点という感じだったので、今回だって110点はあげていいと思う。

 モッチー、出す技は少ない。右ローの連打から、その足への逆片エビ、そこから4の字かアキレスに繋ぎ、ここぞというところでハイと三角飛び延髄か、ツイスターというらしいドライバー系の技。基本はこれだけだ。これに、享と神田の定番の青箱プラケースでの乱入攻撃を適度に交え、試合を組み立てていくわけだが、相手が天才(としか言いようがない)CIMAだと、相乗効果でモノ凄い出来になる。

 最後は三角飛び延髄を何とか堪えたCIMAに対し、凄い左ハイ一発で完全KO。

 泣き叫ぶCIMAファンの女性多数(男も多数)。いやこれ、マジなんだよ、ホントに泣き叫んでるんだよ。おれの後ろの女性2人連れ(結構美形)も、「あ〜ん、なんで〜、もういや〜」と絶叫していた。勿論、武輝道場ファンの、おれが「モッチー強いぞっ!」と歓喜の叫びを上げたのは言うまでもありません(M2Kファンもそこそこはいる)。

 伸びたままピクリともせず担架で運ばれるCIMA(ストレッチャージョブなんて表現が陳腐に聞こえてしまう位の場内盛り上がりの凄さ)。それを尻目に、モッチーは、さらにマイクで客を煽り、颯爽と退場していくのでした。カッコよ過ぎるぞ、モッチー!


 休憩15分(実質20分)。


<第4試合、3対4ハンディキャップマッチ、30分1本勝負>
ドラゴン・キッド、堀口元気、SAITO、ストーカー市川
 vs
神田裕之、望月享、ダークネス・ドラゴン

○ドラゴン・キッド(16分48秒、ウルトラ・ウラカンラナ)望月享×

 キッドvsクネスのラナ合戦や、キッドが享の身体にへばりついて何回転もする奴(技の名前知らないが、享しか受けられないみたいだ)やら、青箱プラケースをポイントに使うとか、定番のM2K対正規軍の1戦に、市川が加わったことが絶妙のスパイスになり、実に楽しめた。

 3対3で戦っている時に市川だけが誰にも相手にされなかったり、しょうがないのでカンチョー攻撃しまくったり、M2Kが両リンを狙っても、市川が1人余っているからウマくいかなかったりね。


<セミファイナル、タッグマッチ30分1本勝負>
新井健一郎、斉藤了
 vs
ビッグ・フジ、TARU

○斉藤了(15分34秒、メッセンジャー)TARU×

 オレンジ色のコスチュームでブレイク中の斉藤了に、オレンジの紙テープが飛ぶのは理解出来るのだが、赤いコスチュームのアラケンにまで、それなりの量の赤テープが飛ぶのには、もうびっくり仰天だ。

 フジと了との対決に焦点があっているので、当然残ったTARUさんとアラケンが絡むことが多いのだが、さすがにこの4人で15分やると、他に比べると見劣りするかなという感じの1戦。TARUさんが思い切り胸元を蹴れる相手がいないのが、ちょっとなあ。それでも充分面白いのだが。

 すぐ側に座っていた男性の客が、次々に技の名前を叫んでくれるのが、実にありがたかった。なるほど、あれが多留ドリラーかとか、ムーン多留トとか。あと了のサイクリング固めとかね。んで、最後はあっとビックリ、了がTARUさんをくるくるっと押さえ込んで(メッセンジャーというらしい)、ピンを取ってしまった。

 んで「フジイさん、見てくれましたか!」というフジへ1対1対決を迫るマイクに繋げる。フジの「自転車はなあ、おれの大事なモノなんだよ(って元々の了のモノだろ、と観客全員心の中で突っ込む)、やりたいなら、お前も何か大事なモノをかけろ!」「…ボクは髪の毛をかけます!」。

 と、髪の毛vs自転車マッチを匂わして、TARU・フジ組、さっさと退場。


<EL NUMERO UNO決勝戦、時間無制限1本勝負>
△マグナムTOKYO(9分16秒、両リン)望月成晃△

<再試合>
×マグナムTOKYO(9分33秒、ツイスターから体固め)望月成晃○

 マグナムは踊り短い短縮バージョンで入場。コスチュームを銀色のタイツに替え、うんうんカッコいいぞという感じ。

 モッチーは武輝道場上がりだから打撃系なのは当然だが、実もマグナムも空手出身であって、蹴りを中心に組み立てていくタイプ。そんなこんなで、序盤は右ローの打ち合いとか、首とって投げて背中にキツい蹴りを1発とか、同じ技の応酬で試合が展開していく。5分過ぎから一気に試合が動いて、場外での乱闘で神田・享のちょっかいも交えて、明らかに両リンになりそうになると、レフェリーのタマキン、カウントを19で止めてしまう。M2Kの抗議も届かず、試合が再開すると、モッチー、南客席後方の柱の後ろまでマグナムを引きずり出してボコボコにしてしまい、今度はさすがにという感じで、レフェリーも両リンを宣言。

 これが今までの「ホントに両リンになってしまうのか?」という緊張感のある攻防をやってのモノではなく、昔風のズルズルと場外乱闘してたら両リンになってしまいましたという感じのモノで、観客、満足出来るわけもなく「これで終わりかよ〜」的に、場内、怒号渦巻き始める。

 そこですかさず、モッチー、マイク。「これにて、エルヌメロウノ、終了させて頂きます!」。怒号増幅。

 そこに鳴り響く、セパラドス。入場してくるウルティモ校長。

 「モッチー、これがお前のやり方か! 見事なリングアウトだな(ちょっとサムい)。しかし、誰がルールを決めているか知っているか。(パンフレットを持ち出し)ひとつだけここに書き忘れたルールがある。決勝戦に限り両リンは認めない!(場内大歓声)」。そして試合再開。

 再開後、押さえ込み合戦をモッチーがしくったりして、場内のテンションやや落ちかけるも、バイアグラトライバーを凌いだモッチーが、コーナーポスト上での青箱を交えた激しい攻防も制し、再び場内のテンションがあがってきたところで、左右のハイ・踵落しから三角飛び延髄の必殺コース、これを何とか凌いだマグナムだが、続いてのツイスターは、遂に返せず、カウント3!

 武輝の魂最強!!! モッチー最強!!! 師匠の北尾最強!!!


 岡村社長、楽太郎師匠と、リングに上がり、表彰式。最強武輝道場の同窓である岡村社長、心底イヤそうな顔で、モッチーに賞金の300万の目録と商品のトヨタマーク2のキーを渡す。続いての商品、ヤクルトタフマンとラーメン1年分に、何故か300万やクルマより大喜びする神田と享(そういうキャラなんだな)。

 CIMAやマグナムもリングに上がったところで、モッチー「初めから優勝狙ってました(大爆笑)。だいたいなあ、敗者復活戦だけ、がんばればいいじゃねえかなあ。所詮おれ達が本気でやればこんなもんだよ。おれも色んな団体回ってきたけど、1番弱いな闘龍門は(ブーイング爆発)」と煽る煽る。

 マグナム「外様にこんなこと言わせてて、いいのかシーマ!」と、敵であるCIMAを促がすが、CIMAは頭を抱え込んで泣いているばかり。「シーマ、立てよ、シーマ!」とマグナム、さらに絶叫して追い討ち。立ち上がらないCIMAに対する声援が、最高潮になったところで、ウルティモ校長、リングに上がって「闘龍門をナメるのもいい加減にしろ!」とモッチーに掴みかかる。すかさず「校長の悪口は言ってねえよなあ」といなすモッチー。

 ウルティモ校長、「いいか、次の後楽園、素晴らしいカードにしてやる。ダブルメインイベント、髪の毛vs自転車(場内大爆笑)、ビック・フジvs斉藤了、…そして、望月、神田vsマグナムTOKYO、…CIMA!(場内大声援)」。

 泣き続けていたCIMA、やがて立ちあがり、マグナムとしばし見合って微妙にタメてから、やがて、がっちりと握手! 電撃的(でもないけど)ベビー・ヒールの2大エースが合体!

 この2人に怒って、CIMAに殴りかかるSUWA、なんていうさり気ない予告編もちらっと見せて、見事な大団円!


 これを素晴らしいと言わずに何を素晴らしいと言うのかというような、見事な興行。終了後に売り出した次回興行のチケット窓口に長蛇の列が出来たのが、それを証明している。

 1試合1試合の意味付けが見事に決っているのだ。だからこそ、ただでさえレベルの高い試合が余計楽しめる。無理して粗を探せば、本来圧倒的人気を誇るべき正統派ベビーに位置付けられているマグナムが、入場以外で客席を沸かせられず、ヒールに徹底すべきなモッチーのマイクが面白過ぎることなんだが、これも、マグナムが、ヒールとベビーの間で微妙な位置付けだったCIMAと組むことで、違う展開になっていくだろう。

 客筋のよさは特筆モノ。これほど、マーク・シュマーク・スマートがバランスよく見に来ている団体は他にない(というのは、おれは他を見てないのでよくわらんのだが、シナガーさんがそう言ってました)。ひねくれたマニアも結構来ているのだが、そういうマニアの飛ばす野次が、決してメインにならないところがいい。

 バンドでも劇団でも同じなんだが、ホントに面白い旬の期間はそんなに続かない。プロレス団体も同じだと思う。いいとこ3年位なんじゃないか。闘龍門が、この先、このテンションをどこまで続けられるかと考えたら、生易しいことじゃないのは誰でもわかる。箱がこれ以上大きくなったら、どうなってしまうのかという問題もあるしね。

 今のうちに見ておいた方がいい。これ絶対。闘龍門を見ないプロレスファンは、見ているプロレスファンの半分位しか人生を楽しめてないぞ。




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