チャンピオン・カーニバル ワンナイト・スペシャル
■団体:全日本
■日時:2001年4月14日
■会場:日本武道館
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

地方在住のプロレスファンには贅沢以外のなにものでもないだろうが、関東エリアでは
まれに同日興行でどちらに行くかの選択に悩む時がある。
最近では昨年10・9のリングスKOKと新日本のドーム大会が記憶に新しい。古くは
(このサイトの読者層にとって古いのかどうかわからないが)高田対北尾の武道館決戦
と天龍と新日勢との初対決となった天龍&北原対健吾&越中の後楽園がそれぞれ記憶に
残る試合となっただけに印象的だ。余談だが宇野薫選手も紙プロインタビューで好きな
試合として後者を挙げていた。

さてこの日は闘龍門のトーナメント決勝がディファ有明、コンプリート・プレイヤーズ
がメビウスの後楽園に登場と東京だけでも面白さが保証されている興行の目白押しだ。
その中で自分が選んだのはこの全日本武道館大会。今回のメインは武藤対川田で、多分
新日本と現在の全日本との組み合わせでファンが望むトップカードと言えるかと思う。
だが正直に言えば闘龍門の試合(選択した時点ではメビウスは興行自体未発表)の方が
武道館大会よりも遥かに面白い興行となる予感(確信?)はある。
それでも敢えてこちらを選んだのは今後どんどん上積みされて、1年後には比較になら
ない程練られた試合をするであろう闘龍門よりも、この日をピークに後はクォリティー
が落ちていくだけの武藤対川田を見に行こうというひねくれ切った発想からだ。

試合開始15分前に入場したが、まず目につくのが不入りの客席と武道館では全団体を
通じて初と思われる花道。「馬場さんがいなくなっても馬場さんがいた頃の全日本を」
というのが元子さんの願いかと思っていたが、今回は決勝を武道館でなく地方開催する
といったある意味三沢以上に思い切った方向性を打ち出している。今一番のブレーンは
誰なんだろう?

<第一試合:相島勇人VS水前寺狂士郎>
この2人世界のプロレス」所属らしいがコール時には特に触れられる事はなかった。
試合について特筆する事はないが、水前寺のニールキックとみちドラIIにはオヤッと
思わされた。ところでみちドラTってどんなワザ?
試合は相島のダイビングエルボーでフィニッシュ。こんなものかな?

<第二試合:奥村茂雄VS愚乱・浪花>
TAKAに2chで「最低のレスラー!」とコキ下ろされていた浪花。他団体で全く仕事をして
いないところからも、全日本でそれなりにもらっているのだろうか?と余計な事まで
考えてしまう。「デルフィンの洗脳が解けました」とみちのくに戻ってきた経緯からも
大阪プロには行きにくいとは思うが・・・。
試合で目についたのは浪花のカニ歩きから場外へのスレッジハンマー。これは初めて
見たな。奥村は身長は低いが中々のハードワーカーで浪花とはちょっと差がある感じ。
フィニッシュ前のエクスプロイダーはとても秋山のと同じ技には思えないが、そこそこ
説得力はある。続けての魔神風車DDTはズドンという感じでこれまた説得力アリ。
奥村には頑張って欲しいな。

<第三試合:新崎人生&荒谷信孝VSマイク・バートン&ジム・スティール
この前ガオラの全日本の放送を見ていたら浪花が人生の先導役をしているのを見た。
人生が今の全日本に出る事の意味が今イチ不明だが、考えてみるとつい先週新日本の
ドーム大会に出たばかり。同時期に全日本と新日本に連続出場というのも最早ニュース
にはなり得なくなっている。案外新日本、全日本、NOAHに連続出場という偉業?を
一番先に達成するのは人生かも知れない。
試合に話を移すと荒谷のやる気のないやられっぷり(変な表現だ)、人生の機敏さを差
し置いてウルフのオーバーアクションが目を引いた。あそこまでやられると観念して
楽しむしかない。試合はバートンがダイアモンド・カッター、ラストライドと米マット
に未練があるのか?と突っ込みたくなるフィニッシュで勝利。
バートンは全日本初登場時の衝撃は既に忘却の彼方という感じ。一部ウワサにある
ビリー・ガンのWWF解雇が本当ならスモーキング・ガンズ再結成を期待したい。

<第四試合:渕正信&藤原喜明VS長井満也&垣原賢人>
オブザーバーネタで恐縮だが、馬場存命の頃チーム再編成時に三沢が新パートナーと
して名前を挙げたのが垣原だったそうだ。それを馬場が認めずにモスマンを推薦した
ところ今度は逆に三沢が納得せず小川で合意に達したという経緯があったそうだ。
その話の信憑性はともかく、垣原がもし三沢の正パートナーとして選ばれていたなら
やっぱりNOAH離脱していたのだろうか?
試合について言うと思った以上にかみ合った試合で逆に意外な感じ。フィニッシュは
藤原が垣原をコーナーでスタンディングの肩固めに捕らえている間にリバースバイパー
で渕組の勝利。レフェリーのウォーリーがシュートサインを出していたかを確認し忘れ
たのがちょっと残念。
まぁ長井&垣原がその持ち味を出せる一番の対戦相手は大谷&高岩だと思うが、これは
かなり実現性の低いカードだ。知名度は無闇に高い(そうでもないか?)2人なのだか
ら、もう少しオーバーさせる事を考えたマッチメークを今度はお願いしたい。

<休憩>
会場を見渡すと既に満員と発表されても不思議ではない入りにまでなっている。全日本
とWARはいつも客足が遅い事で有名らしいが、流石にメインがこのカードだけに面目
を保ったという感じだ。客層は年齢層がやや高めのいかにもプロレスファンらしい人た
ちといったトコロ。逆に新鮮かも知れない。とりあえず今のところは花道を使った攻防
はナシ。武藤の花道ラリアートが久しぶりに見られそうだ。



<第五試合:スティーブ・ウイリアムス&ジョージ・ハインズVS天山広吉&小島聡>
IWGPの現役タッグ王者の対戦相手としてふさわしいのかどうかわからないが、宇宙
で5人くらいしかいい試合ができる相手がいないウィリアムスとの対戦は天山&小島
へのある意味での試金石となるかと思われた。
ところがしばらく見ないでいるうちにすっかりメインイベンターとしての器量を身につ
けていた天山、小島組。全国各地でメインを勤めあげている成果か、客いじりも申し分
なく、「地方でのいい味出してる試合ぶり」を堪能させてもらった。
特に小島は新日ではそうそう見られない、ウィリアムスよりよっぽど洗練されたアメ
プロ風アクションで、全日本の武道館を完全に自分たちのものにしていた。試合自体も
ウィリアムスのやぼったさとハインズの躍動感あふれる動きも上手くハマり、想像を遥
かに越えた好試合となった。フィニッシュは3Dから天山のニールキック、小島の
ラリアートで堂々のピンフォール勝ち。特に小島のラリアートはハインズの体も半回転
する説得力あふれるものであった。
試合前の6月の武道館の予告として「新日本対全日本 3大タイトルマッチ」とあった
ところからそれなりのアクションがある事が予想されたが、現タッグ王者のプライドか
自ら同列に並ぶような事はなかった。今日のこの試合を見る限り当然の判断と言える
だろう。
かつて対抗戦男と言えばイケイケの突貫タイプが挙げられたが、今は敵地ではヒール、
自分のリングではベビーとキッチリ使い分けられるのが、今の時勢に合っているのかも
知れないと思った。


<セミファイナル:太陽ケア&ジョニー・スミスVS天龍源一郎&キム・ドク>
天龍とドクのコンビは合計年齢しか話題にならないところが寂しいが、世界タッグへの
最高齢挑戦者チームは馬場、木村の兄弟タッグだろうか?書くことが思いつかないので
昔話に移行させてもらうが、あの日が百田のジュニア初挑戦でブーイングが定着した
記念すべき興行でもあったんだよな。
それにしても「馴れ」というのは恐ろしいもので、すっかり太陽ケアという名前にも
馴れてしまった。ケア&スミスが世界タッグ王者というのにいつか馴れる事もあるのか
はこの日がひとつのターニングポイントになるかと思われたが・・・。
試合はドクのモッサリとした動きを観客が楽しめ始めてきたところで、妙にケアが
つっかかりゴチャゴチャした展開からDDTでケアがドクから勝利。会場は余りの唐突
さにちょっと冷え冷えとしてしまった。
天龍は殴る蹴るのいつもの動き(説得力はバリバリあったが)で、特にコレといった
見せ場はなかったものの、とても51才とは思えない強烈な個性を見せつけていた。

<メインイベント:川田利明VS武藤敬司>
川田自ら「横綱と小結の対決」と言ってしまったこのカード。なるほど確かに横綱で
ある武藤はこの試合を落としても痛くも痒くもないが、小結である川田には今後の人生
を左右する大一番だ。
負けられないという意味合いの重さからも川田の勝利を予想していたが、最初の
ラッシュが最後まで続くワケもなく、セミまで自粛された?花道での攻防を武藤に譲る
事がなかったところに川田の意地は感じた。武藤はよく言われる事だが、決して技が
豊富なタイプではない。それでもテクニシャンというイメージが損なわれる事がないの
は大変な事だと思う。
フィニッシュはシャイニングウィザードの連発からの体固め。正直に言えばもう少しギリギリ
のフィニッシュになるかと思っていたが、ちょっと差が大きすぎるという印象だ。
最後にケア、人生、馳のBATT勢で勝ち名乗りを受けたがケアの複雑な表情が
気になるところだ。リングを降りた川田に最後にコールが送られたのは、ハードな
スケジュールを完走した事への賛辞であったと思いたい。

総括としては流石に黄金カードだけあって満員に偽りのない入り具合であったが、これ
が永続的なものでないのは言うまでもない。とにかく全日本ブランドの復権を心がけて
新たなる展開を見つけていって欲しい。最初に書いた事の繰り返しになるが、イメージ
に囚われる事なく新機軸を打ち出していくのは、ファンの入れ代わりがとやかく言われ
ている今では大きくステップアップするとっかかかりとなる可能性も否定できないはず
だ。やはり全日本という団体がなくなるのは悲しい事。ギリギリまで頑張って欲しい。




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