3/20リングスディファ有明雑感〜シュート興行の到達点
■団体:リングス
■日時:2001年3月20日
■会場:ディファ有明
■書き手:メモ8(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 コンバットレスリングとの掛け持ちでヘロヘロになりながら辿りついたディファ有明は、珍しく2階にも客を入れ、ほぼ満員と言っていい入り。リングサイドには空席はポツポツあるんだけど、これは営業の仕方が悪いんだろうな(来ない客に売る必要はない)。

 到着したのは、17時10分位だったのだが、まだ始まってなかった(ヨミ通り)。小用を済ましてからと思ってトイレに駆け込むと、ヤノタクが小便してた。今日はコンバットの会場でビル・ロビンソンと並んで小便もしたし、何だかお得な感じの1日だ(どこが)。

 ヨミ通りとは言っても決して誉められない15分オシで、カード発表、全選手入場と例によっての進行。今日は選手として登場の平がイキナリ輝いている。前田CEOは、ブラックジーンズにノーネクタイ。ううむ。

 4/20代々木第2のカードとして、田村vsシム(昨年9月のバトジェネで坂田相手に恐ろしい強さを見せたファスVTの選手)、ホーンvsベキシェフ(これは珍しくホーンへのサービスマッチか)。4/20と6/15の横浜文体で、ミドル(75〜90キロ級、って範囲広すぎだろ)、ヘビー(90キロ以上)のタイトルを決定するそうな。田村やホーンのカードが先行発表されたということは、この2戦は、少なくともタイトル戦線とは関係ないんだろうな。

 審議委員は、前田CEOと慧舟會の大川のみ。レフェリーは和田・塩崎に加え、もう1人いたが誰だかよくわからず。塩崎と和田で、レフェリーをやってない方が、3人目のジャッジをやっていた。


<1R10分/2R5分>

○大久保一樹(U-FILE CAMP)(判定2−0)森素道(SK ABSOLUTE)×

 森が所属するSKアブソリュートは、修斗のオフィシャルチームにも登録されている、スポセンを本拠地としているチーム。セコンドにいたのはサンボ・若林次郎だと思う(違うかも)。GCM勢以外にも、こうしてプロの総合界を横断して登場してくるチームが出てくるとそれだけでドキドキする。うれしい。一方の大久保は、一回り大きい身体(体重は76キロと79キロで3キロしか変わらなかったが)。セコンドには田村。

 大久保、ポジション取りを概ね制し、上になればV1やアームロックを果敢に狙って、有利に進めるのだが、仕掛けた勢いで下になってしまうと、ひたすらカメで待つだけなので、これが印象悪い。1R後半には、この状態からチョークを狙われ、結構危なかった。前田CEOは20−18とつけていたが、そこまで差はなかったが、和田の20−20ってのもちょっとな、という位の印象。

 大久保、期待出来ると思う。


○平直行(ストライプル)(1R6分37秒腕ひしぎ足固め)港太郎(フリー)×

 港が入場の際、間違ったテーマがかかってしまい、ちょっとモタモタ。セコンドにはRJWの阿部とタイタンファイトに出ていた慧舟會の芹沢。ここでもGCMだ。一方の平は、はるばる佐渡ヶ島から出てきたのか本間と、早川を従え、ストーンズで入場。いきなり華出まくり。やはりレフェリーをやらしておくのはもったいない(プロレスラー平は見てないのでよくわからない)。

 立ち上がりこそ、打撃に付き合った平だが、港のモノ凄い右ローがビシビシ飛んでくるので、打ち合いながら押し込んであっさり上に。マウント、サイド、マウントと、大して攻めてはいないのだが、小刻みに動いてブレイクさせずポジションをキープし、最後は、袈裟固めから。足で腕を捻りあげて。

 一線級とやらせたらどうなるかは疑問だが、K−1における角田とか竜二さんとか、ああいう感じで使う分には文句なしなんじゃないか、平。素晴らしいと思う。この歳で総合を始めた港にも拍手。ローだけで空気を変えたもんな。


×上山 龍紀(U-FILE CAMP)(1R2分16秒アームロック)江宗勲(慧舟會東京本部)○

 江は、美形でガタイもよく(182、93キロ)、何より落ち着いていながら気合充分で、入場時からイキナリ大物感漂う。セコンドは宇野と久松先生。上山は髪を短くし、ワイルドになってきたのもあるが、江と比べると美形さでも劣ってしまう。田村と西垣が付いた。

 あっさり上を取った上山、雰囲気のわりにはイマイチなのかな江と思っていたら、下から執拗なアーム狙い。上山、多少嘗めた感じで、両手をクラッチせずにいたら、最後は強引に持っていかれてしまった。回転して粘るも田村がセコンドからタオル。

 勝ち名乗り時のポーズも堂に入って、大物感充分の江。最後に宇野に指示され四方に丁寧に礼して退場。これは期待の新人だ、逃がすなリングス(って無理だろうなあ、元々プレプライドから出た選手だし)。


 休憩15分。


○滑川康仁(Rジャパン)(1R43秒腕十字)園田隆(A−3)×

 園田は毛皮のガウンでチト慧舟會らしくない入場。セコンドには矢野倍達。一方の滑川は銀髪にして、野獣系の気合で、まるで和製フィエート。TK、金原がセコンドに。

 いきなりパンチもらって、吹っ飛ぶ滑川だが、あっと言う間に上になり、強引にクラッチ切って十字。

 「見たか、おら!」と吠えまくる。OKだ、滑川、がんばれ!


○村浜武洋(大阪プロレス)(1R4分49秒膝十字)ブライアン・ロアニュー(Rオランダ)×

 ロアニューは黒いスキーマスクをかぶって、両手両足には鎖をつけて入場。マスク外すと白いフィエートという感じ(今日はみんなフィエートだな)。セコンドの巨体のおやじ(まるでヤーブロウ)は、コップスジムのTシャツ。村濱、今日は大阪プロレスのメンバーは帯同せず、兄・天晴のみがセコンドに。ヤノタクは控え目(ホントか?)なのでセコンドには付かず。

 出鼻の激しい打ち合いではやや打ち負け、また無理ある背負い投げにいく村濱だが、2度目の打ち合いでは、左右のフックをぶち込んで打ち勝ち、再び投げミスって下になるも、下からのアキレス狙いから足取り合戦に引きずり込む。最後は一旦猪木アリに戻してからの、スピニングトーホルド式にぐるっと回っての膝十字。相手がグラウンド出来ないことを差し引いても、見事と言っていいと思う。

 村濱を抱き上げ祝福し、終了後はディファの駐車場で持参した自分のポストカードにサイン入れてばらまくお茶目さを見せていた、ロアニュー、へたすりゃフィエートより拾いモノ。村濱とあそこまでスタンドで打ち合える選手は、そうはいない。

 村濱のマイクがまた絶品。「今日はわざわざワタクシ村濱武洋の為に来場頂きありがとうございました(バカウケ)。大阪プロレス、もっともっと大きくなります。そしてキングオブキングス、リングスも、もっともっと大きくなります、応援よろしくお願いします」。素晴らしいな。


○成瀬 昌由(Rジャパン)(1R3分46秒アンクル)リカルド・フィエート(Rオランダ)×

 ロアニューについたセコンドのヤーブロウが、そのままリング上で堂々としていて、一旦、下に降ろされる。そして、本家フィエートの入場。ううむ何と言うか、滑川やロアニューの方がフィエートらしかったよな(ってのも変だが)。

 そして、いよいよ登場の成瀬。B’zの新しい曲で。B’zなんてクソだと思うが、成瀬の入場曲として流れた時のみは許してやってもいいよなという感じ。ガウンの背中には一文字「狂」。セコンドにはヤマノリ、TK、金原とオールスターキャスト。

 自分からローを打っていく成瀬。何かもらってダウン気味に吹っ飛ぶも、シングルから上取って、ハーフ、マウントと定番のパスをこなし、一旦もつれて立つも投げあいで投げ勝ち(これで多少ながら腰の不安が払拭されたと思う)、最後はアキレスからアンクルに切り替えて。

 ヤマノリ・TKと熱く抱き合う成瀬。ここで突如、サザンの「希望の轍」が流れる。当然号泣する、おれ。ここで泣けるのは、リングスファンの特権だ。気持ちよく泣かしてもらった。

 「今日は自分の為にこんだけ集まって頂きありがとうございました(ウマいっ!)。この日が最後の戦いの日だと思ってやって来ました。皆さんありがとうございました」。引退宣言と感じ、怒号渦巻く観客席。そして、さっと手を振って退場する成瀬。

 取り残されるファン。漂う深い深い余韻。


 前回昨年9月のバトジェネは面白かったものの、技術レベルが玉石混交で、まあタマタマウマく行ったという感じだった。ところが今回はどうだ。決してフィエートやロアニューの技術レベルが高いわけではない。なのに満足感が違う。

 思うにマッチメイクの妙だと思う。新人の他流対決から始めて、懐かしの名選手よ再びの平vs港。上山、滑川という若手の他流対決で盛り上げて、外様ながら役者村濱の登場。そして成瀬の感動の復活マッチ。KOK以降のリングスにハズレは1回もないのだが、今回は特に素晴らしかった。シュート興行の到達点と言ってもいいのではないか(ここで到達しちゃうと後は下るだけなんだが)。

 文句なし(成瀬の引退宣言が、なんちゃってだったのはご愛嬌)。

 リングス最強!!! 前田CEO最強!!!




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