これが新日PPV路線のターニングポイントとなるか?
■団体:新日本
■日時:2001年2月18日
■会場:両国国技館(PPV)
■書き手:ノリリン@悪のオ〜ナ〜(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

さあ、3回目の新日PPV。契約数は1回目4万。2回目2万と落ちて行っている。新日はFMWやNOAHのようになPPVでしか放送の方法がない会社ではない。アメリカ型を目指した攻めのPPVである。だからこそ、この大会が今後の日本のプロレス形態を規定すると行っても過言ではない。
30分の無料プロローグで始まる。前回のPPV(大阪大会:2nd Judgement)では、必然性もストーリー性もないアンダーカードの連続に対して、選手の方も『何の意味があるんだ、やる意味がねえんだよ』とほえてしまうという、寒さの上にも寒さを誘う最低の試合前インタビューが連続してしまったが、今回はそれに比べれば大いによかった。勿論TheRockやRicFlairはいなかったがそれはしょうがない。武藤が『僕らはさあ、プロなんだから客のいないところで襲われたってつまんないよ。やめようよ』という逆言葉のテロを村上に浴びせて事前に殺していたところが面白かった。

新日のPPVのいいところは、時間ちょうどに始まるところと無駄で意味不明なオープニングがないところ。真鍋アナウンサーの開会宣言。田中リングアナのカード紹介とよどみがない。『PPVのため休憩がありません』・・・それもいい。
解説は木村健吾・山崎・柴田(東スポ)、アナウンサーは真鍋から辻へのリレー(だったと思う)

第1試合:高岩・田中稔・金本 vs シルバーキング・DrWagnerJr・エルサムライ
高岩が田中・金本と組んだんだけど、この普段のマッチメークを無視したチーム構成の背後には高岩が今日を最後にZERO-ONE出向するということがあるのは間違いない。でもそれならもの惜しげに今日も高岩を出すのはおかしい、なにか起こるのか・・・と思っても何もないのが新日。しかし、試合の方はそんなうろんな考えとは関係なく、Silverkingの三角跳びトペ、3段階スライド方式サマーソルトや田中や高岩や金本の各々の得意技をだして、第一試合としてPPVと会場の観客を暖めるという役割を充分果たす。(逆に言うとただそれだけの試合だったんだが)。試合は乱戦から金本が今日2発目の月面爆撃でDrWagnerJrをピン。山崎はSilverkingがお気に入りで次のIWGPJrの挑戦者におしていた。5−6月にたいていあるJrのトーナメントでは主役になるだろう。

第2試合:ブライアンジョンストン・The SledgeHammer vs 後藤・小原
なくてもいい試合。そしてHammerはいなくていい外人だった。試合を組まないのもファンサービスだと心得られたい。しかし、G-EGGSはどうなった?ジョンストンは次の試合の吉江と組むのが筋じゃないの? どちらがかったって? It doesn't matter

第3試合:吉江・越中 vs ライガー・西村
これも必然性のないチーム構成。ライガーはなぜか越中に激しくけんかを売る。放送席から『ヘビー級転向をして、トップレスラーとしてがんばる越中は、ライガーにとって一つの目標ですからね』と山崎のフォローが入る。西村のクラシカルな動きはいい、いいんだが、西村の動きはいつも遅い。ひいき目にいっても早くない。時に応じて早く動けば、西村の動きへの支持者はもっと増えるはずだと思うんだが・・・これが西村の限界なのか?
試合は西村が卍固め、ジャーマンなどで攻め込むが、いずれも軽い。試合は吉江がフラインボディーシザーズドロップ(儂は肥満児固めと呼ぶ)の形で相手の胸にしりもちをつくかなり独特の印象のワザから、裏四の字で西村をタップアウト。これをルーテーズドロップといってもテーズは認めまい。
全体としてはこれもPPVになくてもいい試合だったとは思うんだが・・・第二試合よりは面白かった。(特に吉江のワザ)

第4試合:中西 vs SuperJ
銀のマスクのSuperJ。なんとなくにっぺんの美子ちゃんに出てきた先生に似ている。体格・パワーともかなりの玉だ。(・・・しかし、しょっぱい)対する中西、こっちも塩味には定評あり。しかし、両者が向かい合うとこの日はじめて、リング上に力の空間が現れる。SuperJにはこの試合に明確なテーマがあったので両者の実力以上にはスムーズな試合となった。SuperJが中西のアルゼンチンを防ぐために左後ろ足を重点的に攻める。足をねらって殴ったり蹴ったり。かなり中西を攻め込んで、アルゼンチンをかけさせない。逆に先にドンキーダンス。怒った中西がスピアー、ドンキーダンス、スピアー、アルゼンチンで勝ちを収めた。この試合では中西がSuperJを引っ張ってちゃんと攻撃を受けきり、ちゃんと得意技で勝った。健闘したSuperJはそこそこ歓声を受けていたんだが・・・しかし・・・逆接詞がおおいが・・・なんかまだまだ足りない。
SuperJが負けても大歓声を浴びるくらいであれば、中西ももう安心なのだが。まあ、中西を安心してみるようになれば、楽しみがまた一つ減るか?

第5試合:永田・飯塚 vs 垣原・長井
全日では厄介者的評価の二人だが、それは相手次第。永田飯塚組相手ならそれなりにいい試合になった。しかし、圧倒的に存在感を示したのは3/2に出場する永田で、垣原・長井は踏み台にされただけだが・・・ともかくこんなに圧倒的なブックが許されるのかというくらいの存在感で永田組がかった。しかし永田飯塚と垣原長井の位置づけを見ると当然許される。普通これだけ差があったら、両国でマッチメークされない。登場できたのは単にUWFのテーマのおかげだから、腐ってもUWF恐るべしということか。(後で垣原の眼底骨折が明らかになった)

第6試合:天山・小島 vs 長州・真壁
天山小島はこの試合を10分以内に勝たなければ、タイトル返上を宣言。
天山・小島は大人気だ。新日冬の時代に地道に積み重ねてきたタッグの試合の中身がそれを後押ししている。入場してきた長州は一重・無感情・爬虫類顔とてもヒーローの顔ではない。安物の若大将のような小島とは大きな差だ。ただしコンディションは12日よりさらにいい。
先発は長州と天山。長州の顔が怖い・・・完全に組関係の顔つきで民放地上波なら顔にボカシが入ること確実な恐ろしい顔・・・儂はおしっこちびりそうになった。素晴らしいぞ!長州。思えば顔で生き様を表現できるレスラーが今いない。いや、正確に言えばいるんだが、表現されているものが、橋本の脳天気であったり、武藤ののほほんであったりするために、迫力としては伝わらない(儂は好きなんだが)。天山はびびって半失神。続いて入ってきた小島もあっという間に蹴散らされる。真壁に交代したら流れが変わるかと思えば、真壁ががんばって容易に攻め込ませない。あっという間に7〜8分経つが、天山小島組はペースを握れない。10分が近づいてきてやっとペースを握るが、時既に遅し。10分が経過してしまう。怒った小島は長州に日本一のラリアート(自称)。長州は正面から受けることができない。横首で受けてしまう。晩年の猪木がやっていたやつだ。首にラリアートを受けきる自信がないか単にさぼっているか。何にしても儂は気に入らない。さらに真壁は天山のヒールと小島のラリアットで蹴散らされる。ローンバトルになった長州は小島天山のコンビネーションのいい2プラトンを3発ほど受けてピンフォールされた。真壁は若手に抱えられて帰る。長州は試合後に天山にラリアート・・・そんなことするな、長州。なぜ自分の仕事に墨を塗る。
しかし、この試合は今日のベストマッチでした。天山が長州の急所へヘッドバットをしなかったのが気に入らないが・・・

幕間:猪木入場。ホームレスの姿をしている。これはまあ、ホーム・新日を皮肉ったものであろう。長州を罵倒するかと思えば、それもなくタイソン招聘の発表。123ダーもなく去る。

第7試合: ドンフライ vs 蝶野
これは、うちのHPから引用しよう。
”2月18日新日両国大会、ドンフライは蝶野を破った。フライがT2000の総帥を破って遺恨に決着をつけた。結果だけ見れば一見ドンフライ・オーバーのようだが、それは違う。まるっきり
ドンは最大のチャンスを逃した。人はそう何回もこんなチャンスをもらえるものではない。日本の最高の人気レスラーとT2000全員を敵に回して戦うなんてのは・・・いってみれば、リングサイドにコーポレートを全員そろえて、ビンスとランバージャックをするようなものだ。こんなのに勝つなんてオースティンくらいにしかおはちが廻ってこない。最高の役回りだ。
フライは今までは卑劣な手も使うselfishなNHB上がりのプロレスラーといったまるっきりそのままのギミックでやっていた。この試合はそれだけの状態を抜け出して、彼が階段を一段上がるチャンスだった。
しかるに何が起こったか? 
フライは淡々と試合をこなしただけだ。場外でT2000のメンバーに殴られても殴り返すだけ、蹴り返すだけ。体が動いただけだ。心も動かねばプロレスとはいえないぞ、フライ。だから、T2000の妨害にもめげず、返り討ちにしてリング上で蝶野をしとめたのに、フライは単に試合に勝ったと言う結果があっただけで、フライの存在は客に届かなかった。オ〜バ〜はなかった。フライはもっとできるやつだと思っていたが誤解だったかな?このままではフライはこのままだ。

第8試合:武藤 vs 村上   
村上はまだまだ貧相だ。グランドであろうがスタンドであろうが、プロレスであろうが何であろうが、格が違うことは間違いない。グランドでも武藤は村上になんらアドバンテージを与えなかった。村上はエプロンの白覆面にパンチをふるった隙に武藤にダブルニーを2発食らってピン。いきなりまだ何もしていない白覆面にパンチを放つあたり、村上の情緒不安定キャラが完成しつつあるが、誰もそんなことに注目してはいまい。小川の責任だな。白覆面は新崎人生。ムタvs白使はいい試合だった。そんなつながりかもしれないが、単に意外なだけで、人生はどこへでも現れるのでセンセーショナルではない。まあいい。これからだ。村上も入れてもらえ。

第9試合:IWGPヘビー・健介vs大谷
7・8とプロレスになってない試合だったのでここは力の入った大一番らしい大一番になってほしいところだ。しかし、結論から言えば力不足。大谷は健介にあるものが足りず、健介は大谷にあるものが足りない。両者がちょっとずつ補いあって試合が展開したが、大谷にはIWGPをとれるほどの力強いワザがまだ備わってない。コブラホールドは体力不足を隠すだけのワザだ。あんなものを主戦力にしていてはだめだ。それは逃げだから。堂々とヘビーの飛びワザと投げ技を完成させるべし。
試合は大谷の右腕攻撃を軸に展開した。そして腕を痛めた健介にコブラホールド・・・しかしこれがあんまり効いてそうにない。いろいろあって最後はノーザンライトボムでピン。はっきり言ってここんところのIWGP戦では最低の出来でした。しかも健介の性ではない。でも儂は時間がかかっても大谷はヘビーにいってもいいレスラーになると思う。腕力や脂肪はいくらでもこれから付くからね。
試合後、健介に真鍋がインタビュー。健介が付き人の大谷のことを切々と語る。よどみもせず、つまりもせず、感情的になりすぎず、さらっとしすぎず、何より滑舌がいい。 確かにキャラ自身は硬い健介のままだし、中身はつまらんが、マイクの使い方としてはほぼ完璧だ。よくやった、健介。

総評として、儂が見た新日のPPVの中では最高の出来だった。5,6試合は盛り上がった。最後の3試合はもう一つだったが、各々の試合は違うトーンだったし、猪木もきて、PPV中に何かがありそうな雰囲気を漂わせることには成功していた。2000円なら価値があるだろう(価値は人によって違うが)。おそらく新日のPPV路線のターニングポイントになるであろう。
*アンダーカードの整理 & 試合前のインタビューの改善
この二つは改善されてはいたが、更なる改善をのぞみたい。
*Prideのように無駄なオープニングも無駄な休憩もなく、時間も3時間弱と適切
これは評価したい。これを今後さらに短縮することを望む。つまり、客が興味があると自信がもてるようなものだけを提供しなさいということだ。




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