再出発。…
■団体:JWP
■日時:2001年2月18日
■会場:ディファ有明
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 新世紀1発めのJWP、というか3ヶ月ぶりのJWPです。ディファ有明南側を区切り客入れ、観衆は 500 人ぐらいでしょうか。
 入り口に輝優優欠場の張り紙が。対戦相手の仲村由佳にドクターストップがかかったためだとか。ややこしいけど、当初の発表に輝のカードはなく、追加されたんだけどそれがキャンセルになったということのようです。

 入場式、所属選手が1人ずつ入場。米山と冴は、お揃いのジャージ上にちょっとした仮装をしてきたのだが、たぶんハンズで 1,500 円ぐらいで買ってきたようなマントと帽子、仮面。板橋産文でなら似合いそうな仮装も、ディファでやるとちょっと… なんとかしようという意気込みは買えるが。
 所属選手、一言ずつ挨拶を。その後、2人残った春山と輝、あらためて欠場の挨拶。輝、涙ぐんで「ちょっと混乱しています…」と言いかけたところに、本日倉垣と既に対戦が組まれている元気美佐恵登場!「お前、やりたいんだろ?やってやるよ!」ということで、輝半年ぶりの復帰戦は昨年3月の無差別級タイトル戦のリマッチ、ライバル元気とのシングル戦に(5分1本勝負ではあるが)。輝のマイクはすこし聞き取りにくいので注意。

第1試合 ×米山香織(10分17秒体固め)○井上京子(NEO)
 先週のNEOで、1度もタッチできなかったものの非常に息の合っていた(?)京子と米山が対戦。ゴング前、握手になかなか応じない京子に、大声でしつこく迫ってようやく握手してもらえた米山、でだしから勢い良く行く。エルボー、ドロップキック。
 しばらく攻めさせてから京子、悠然と相手の背中に乗り、ダブルレッグロックで絞る。京子に乗られてかんたんに返せるわけもないのだが、乗りながら相手に檄を飛ばす京子。
 その後も「どうした」「まだまだ」「頑張れ」と口に出しながら闘う京子。さほどの相手でもないという判断からかもしれないが、この試合も、技を受け、受ける事で試合を進める京子。自ら出した技は数少ない。
 試合の焦点は、米山が京子を持ち上げて投げられるかどうか、に移ってくる。ジャーマンにトライ、得意のWリストアームサルトに何度も。何発もエルボー、ドロップキック、丸め込み、フライングボディプレス、返されながらも手一杯攻めて、京子の口数も少なくなって、ついに投げましたWリストで!
 試合は京子のラリアット3連打でフィニッシュ。だが、3つも出させたのにも意義があるか。
 決着後米山大声でマイク「京子さん!」花道を帰りかけた京子「なに?元気だな〜」米山「31日のタッグトーナメント、優勝したいので私と組んでください!」京子「お前アタマいいな。私と組めば優勝できるよ。今日も頑張ったしな、よし、組んでやる!」
 ?はじめNEOの板橋タッグの決定戦のことかと思ったんだけど、NEOは3日だし既にカード出てるし。31日はJWPの興行だけどトーナメントやるなんて何も発表されてないし。
 あとでそれは正式に発表されたんですが、このあたり細かい事だけど、よく練っておかないとダメです。
 ただ、米山のマイクはクソ度胸があって大声で良い。

第2試合 △輝優優(5分時間切れ引き分け)△元気美佐恵(NEO)
 やっぱり輝には元気、日向には田村、という感じで、意識しあい手も合うのであろう対戦になりました。わずか5分ですが、まず各種の蹴りで攻めこむ輝、ノド輪落し2発見せ相変わらずのパワー元気、つづくGドライバーは宙で絶妙に切り返した輝がリバースDDTに返しそのままドラゴンスリーパーへ。終了間際にはエルボーの連打、ユウユウ・エルボー(肘から下を真下に向けて打つもの。いま勝手に命名)も飛び出した。5分間引き分け。
 ゴングが鳴った後も掴みかかっていった為に、食らわなくてもいいGドライバーも食らっちゃいましたが、復帰記念の嬉しい痛みだったかも。
 握手を求める元気にあくまでそれを拒んだ輝。相手にも恵まれたか、ブランクを感じさせない動き。受けに回ったときやや弱弱しく映るのは、以前からもそうだったのですが。
 再出発JWPにおいて間違いなくカギを握る選手の一人である輝、今日の試合時間5分は、元気が2試合やるという事情の他に、輝の体調も考慮されていたかもしれない。万全である事を望みたい。

第3試合 ×美咲華菜、米山香織(14分2秒ブラディーEX)藪下めぐみ、○ザ・ブラディー(Jd'=ID4)
 ID4、勢ぞろいで入場、花道で組体操ふうのアレを見せる。
 当初このカードを見て、膝の悪い美咲をカバーするべく、動ける米山と組ませたのかなと推測してました。しかしいざ現場で見ていて、米山も第1試合でヘトヘトの様子、大丈夫かなぁ、とも思ったんですが、ご心配なく、いつものように動き回ってました。ただ、これは第1試合の方がヒドかったんだけど、米山ムーンサルトアタックで目測を誤りがち(先週のNEOでも)。注意。
 美咲はそつなく、カウンターの動き、大技中心のスタイルで、要所要所に出てきて相手にペースを渡さない働きを。STFではわりと長時間、藪下を苦しめました(その場面でブラディーが「ヤブ自力で返せ!チェンジしねえからな!」とキビシイ檄を飛ばしてました)。
 ID4は今日はオトナシめだったかも。
 まあ全開バリバリ厳しい攻め、って感じじゃあなかったんですが、流石ブラディー、レフリーへのクレームの付け方、観客も対戦相手も臨機応変にイジる、技を受けたときの驚いたような顔、と、上手い!だてに何年もヒールやってない。
 対して藪下は、僕はそんなに回数は見てないんですがプロレスあんまり上手くないですよね。飛びつき腕十字にこだわって、タイミングやら何やらがあんまり… もう一つの得意、スワンダイブのほうはキレイで良いんだけど。まあそんな不器用なところも魅力かもしれませんが。
 試合のほうは、流石のブラディーがEXで美咲を仕留めました。ID4、なぜか今日は優しいヴァージョンで、相手の健闘を称える。
 あ、それと、セコンドの坂井が、あまりうるさくなかった(笑)。JWP側も、春山のセコンドのうるささが半減していた(笑)。代わりにヨネの大声が響きわたっていました。

第4試合 ×タニー・マウス(NEO)(11分51秒ラ・ポリストラル)○ポリスウ〜メン(大阪プロレス)
 ポリスウ〜メン待望の東都初登場(だと思う…)、相手はおそらくもっとも手が合うであろうタニー。
 ネタとしてはとにもかくにも敬礼、声援にも敬礼技に入る前も敬礼入りながらも敬礼、レフリーの「ギブアップ?」にも敬礼ポーズを要求、自らが「ギブアップ?」たずねられると「ノーであります…(息たえだえ)」。細かいところでは、ヘトヘトになって「水飲みたい…」(口を覆っているマスクなので、飲めないのだ)。スカートふうの衣装、下は白い水着、動いていればどうせガンガン見えているのに、途中で気にして必死に直していたのはナゼ?
 試合もラ・マヒストラルで勝ち。正体がひょっとして万が一、アノ選手だったとしたら、タニーにシングルで勝ったのは初めてかも(タッグでは勝った事あると思う)。
 さいきん大阪プロレスでは白鳥の代わりに倉垣と絡んでいるらしいポリス、あの生真面目そうなクラちゃん相手にどんなプロレスをしているのか、少し気になる(できれば東京で、見てみたい)。

休憩。ここで正式に、次回3/31ディファ大会が空位のタッグベルト争奪トーナメントになることが発表される。

第5試合 ×アキュート冴(12分51秒体固め)○田村欣子(NEO)
 田村のテーマ曲、「ギャラクシーエクスプレス」ではなくなっている。短い期間とは言え、あれが耳に馴染んでいたのだが… 他団体という事もあってかチャンピオンではなくなったからか、大きなパフォーマンスもなし。
 この試合ひとことで言って「冴が通じなかった試合」でしかない。タムラ・スタイル、相手の技を受け流し平然と勝つ、を破れず。Wリストからロックボトムでわりとアッサリ。
 冴、主たる決め技が各種の丸め込みと腕ひしぎだけで、それ以上のものがなく、強い相手に健闘はしても、「ひょっとして勝てるんじゃないか」と思わせるものが無い。若くして“職人”にとどまるのでなく、新しい決め技を身につけて、「勝てる」選手になって欲しい。冴もJWPの今後のカギとなる選手の1人である事は間違いないのだから。

第6試合 2フォールカウントマッチ ○倉垣翼(9分37秒変形エビ固め)×元気美佐恵
 昨年12月、鎖骨を折られたパートナー春山の仇討ちに倉垣が挑んだ、NEOの大会のメインイベントの再戦。
 ルールを有効に生かそうと、開始直後からとにかくカバーにいった倉垣、しつこく何度も何度も。リング下に降りた元気が思わず「けっこうキツイな…」ともらしたほど。
 しょうじき去年の対戦時ほどのド迫力、ではなかったように思うが、一進一退の攻防、倉垣は、さすがにアルゼンチンは出す素振りすらなかったものの、ミサイルキック、フライングボディプレスを思いきり出し、ムーンサルトかわされての着地もお見事。Gドライバーもカウント1で返す!
 しかしこの試合、ひとつキズが。元気のわりとなんでもないような技で2カウント入っちゃったように見えた場面があった。ルール一瞬忘れちゃったのかクラちゃん!
 それを除けば、フィニッシュの飛びつき後ろ回転ラナからジャパニーズレッグロールががっちり決まって、倉垣の大勝利万万歳、なのですが…
 しかし敗者元気、件の場面で抗議はしていたものの、決着後は「ルールはルールだからな、認めるよ」と潔く。そのかわり、倉垣とともに勝利をアピールしハシャぐ春山に「お前ナマイキなんだよ」とイチャモン!
 「タッグトーナメントあるんだろ、1回戦でハルクラだっけ?こいつらと当てろ!」と言い放つ。てことは八木がJに上がるのか?くわばらくわばら…
 その後も、元気「お前そんな生意気な口聞いてっとあとで便所に呼び出すぞ」「あとで『あの時はゴメンナサイ』とか謝ってくるなよ」「私に鎖骨折られたくせに!」春山「今度はこっちが、折ってやります!」「負けた人は早く下がってください!」など、面白いやり取り満載。春山は自信満々、憎めない口調と声だからなんだかおかしくて。春山のマイクも良いですね。
 そして元気は、負けても傷つきにくい、負けることをそのストーリーの一部や、次の展開に生かせる、選手になってきていると思う。こないだもタニーに負けてたが、けっしてそれはタニーより強い弱い云々ということには感じなかったし。善し悪しあると思いますが。

メイン JWP無差別級選手権試合 ×(王者)コマンド・ボリショイ(19分48秒)○(挑戦者)日向あずみ
 静かで緊張感あふれるスタートから。日向は低空ドロップキックから十字と膝を狙い、ボリショイはフェイントかけまくりの十字で腕を狙う。
 DDTの掛け合い、すぐに立ち上がる。
 日向、序盤で必ず出すWアーム式のシュミット背骨折りから腰を攻める。
 ここまでが序盤、ボリショイが宙を飛び乗って空中で三角締めを決めたところから試合が動き出す。
 締めに締めた後コーナーワーク、振られてコーナーに駆け上った日向に掌底、場外に落としてダイブ、リングに戻って華麗なラナ。
 日向もコーナー最上段からのWアームSPX、ロコモーションジャーマン、ダルマ式ジャーマンと攻めるが、トドメとみちのくドライバーに抱えあげたところにまたしても変形の三角締め+腕ひしぎ、に切り返されてしまう。
 日向の攻めは単発になりがちで、他にもさんざんアピールしてからの延髄ニーを楽々かわされてしまったり…
 ボリショイが追い込む!相手の動きに合わせて掌底の嵐!変形の三角締め、輝を破ってタイトル奪取した技タイガーSPX!日向ギリギリで返す。すごいキツそう。ついにセンセイ固めが飛び出した!
 …これが凌げたのが日向の勝因だったかも。コーナーからのニーアタックを、今度はなんと眉間に決め、みちドラを連発、首固めに切り返されたのをそのまま持ち上げて3発目!!ついにチャンピオンに返り咲く。…

 ひとつ、日向は変わらないのだが、ボリショイは、アルシオンでの試合よりぜんぜん生き生きしている。置かれたポジションの違いからすれば当然の事かもしれないが、今日のボリショイは凄かった。

 メイン終了後、同日興行のJd'、OZとのかけもち出場者ら(なんとこの日ブラディーは3つとも出た!)を除いて、選手がリングにあがり、代表して日向が挨拶「JWPはこれからも前進していきます!」
 
 ベルトがあるべきところにおさまった、という感じもするこの試合、たいへんな熱戦、好勝負であったことは間違いない。しかし、この2人ならこのぐらいの試合をして当然、そこから先が問題なんです依然として。
 ファンならまた来月も見に行くでしょう、僕も行きます。しかし、それ以外の人にも、「面白そうだな」と思わせるようなサムシング、を生み出していかないと。
 今日の興行でも、次回のタッグトーナメントへの前フリがしょうしょうありました。が、率直に言って、NEOで毎回繰り広げられている物語や、僕はあまり見ていないがここ最近のJd'、に比べればそんなに関心を喚起する力があるのかな?と思います。持っていき方にもよるのだが…
 なにも、規模が同じぐらいのNEOの真似をしろというのではありません。 
 次回以降のポスターには既に、NEO全選手の顔写真が掲載され、チケットの出場予定選手にも京子、田村、元気の名前が載ってます。それは現実的な選択の結果であり、NEOの展開にそのまま噛んでいけばいい、というものでもないでしょう。

 山本代表も辞任しました。けっきょく、選手本人たちが、どういうプロレスがやりたいのか、ではあるのですが… プロレスが好き、全力でいい試合も出来る、それ自体をとってみれば間違いなく長所であり、そこが僕の好きなところでもありますから… いつもハートさんが書いている事と同じなのですが。

 当面の選手たちのことになりますが、カギを握るのは、先にも書いたように体調を戻した輝。あと、冴を「勝てる」選手にしていくこと、それにやっぱり米山を育てて欲しい。そうして、まず、コマの点で幅が持てるようにして欲しい。




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