バスで廻ってくるものについて:プロレス未来日記とプロレス回顧録
■団体:新日本
■日時:2001年2月12日
■会場:岡山県体育館
■書き手:ノリリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

誰かが言った。『プロレスとはバスで回ってくるものだと。だからそのこと自体が少年のあこがれを誘うのだ』と・・・・儂が言ったんだが・・・・
ともかく団体は増えたが、バスで回ってくる団体は減ってしまった。
週プロがキャンペーンを張ったように、Non-TVの地方で手を抜くということは極めて当たり前の事態だ。以前のように週一GTに番組があれば、どの地方の会場で事件が起きても全力を尽くしても(手を抜いても)、あっという間に全国津々浦々まで拡がるが、Non-TVの地方大会で何かを起こす方がどうかしている。いきおいドーム重視になるわいな。週一GTのプロレス放送がつけば、地方大会も面白くなるはずだが、地方大会が面白くないようでは週一GTなど望むべくもない・・・というのは勿論新日の話

試合の方は
セミ
西村 修         天山広吉
佐々木健介    VS    小島 聡
最近、長州に因縁を付けている天山・小島。前日の11日にはついにリングサイドの長州の前の鉄柵を蹴り上げるという暴行を加えた。勿論健介はいきり立って、なだめようとする西村を乱暴にコーナーに押し込んで、先発した。しかしすぐ捕まってしまう。2〜3分コーナーでいじられるが、ラリアート合戦を機に逆転!しかし続いてでてきた西村がグランドに引き込んだところでカットプレーで再逆転。西村は4〜5分捕まる。西村は小島のエルボーの自爆のすきに健介にタッチ。両手を拡げて(といって170cmしかないが)吼えた健介は起きあがった小島にラリアート! さらに天山にもラリアート! 起きあがってきた小島が猛然とつっこんできたところを逆一本背追い。しかし天山にカットされる。天山は小島とタッチ。健介はさらに天山を捕まえて、西村のスワンダイブドロップキックを引き込む。フィニッシュだ!そう叫ぶと健介はフィニッシュを西村に任せてコーナーからでてきた小島をリングサイドに蹴散らす。西村は天山にコブラツイスト・・・しかし、先に復帰してきた小島がカット。小島カッターから天山の猛牛固めでタップアウト (13分27秒)
天山小島組と両国で長州のパートナーで戦う鈴木健三は、こんな時に絡むべきなのに何もせずに帰っていった。健三の夜明けは遠い。

吉江 豊       ザ・スレッジ・ハンマー
永田裕志       大谷晋二郎
中西 学   vs  ドン・フライ
ついに武藤組と合体したドン・フライ。しかし表面にはでず、体格的に押され気味の大谷・ハンマーのピンチにパンチによるカットプレーで存在感を示す。チームワークのなさが売りの大谷フライ組ととても仲が悪いG-EGGSの緊迫感が表面に表れないタッグマッチが展開するが、やはり地方の体育館では中西のわかりやすい強さが発揮される。ドンのパンチで追い込まれるが、何故かドンがロープに振った機会をとらえて体当たり気味のスピアー!何故かドンは場外まで吹っ飛んでしまう。大谷は健介との試合に向けて対ヘビー級の技を色々試すが、健介より一回り大きい3人だけになかなかうまく決まらない。まあ両国では太めで間の悪い高岩と戦うのだとおもって気楽に頑張って欲しい。試合は16分27秒、真の司令塔・永田をドンと大谷がダブルチームしている間に中西が2代目だだっ子ラリアートからアルゼンチンバックブリーカーでタップアウト。

特にPPVへの引きもなく終了した。
客の入りは6〜7割。岡山県立体育館は岡山武道館に比べて観戦しづらいし、寒いしあまりいい会場ではない。古くは猪木vsアンドレの初対決などいいカードが行われた岡山だが、今ではただの通過点だ(高松は案外いいカードが行く)。加えて営業も弱い。 


以上が大会の数日前に書いた新日岡山大会の事前観戦記。以降は1週間後の回顧録である。ともかく、地方に住むものにとって『プロレスというものはバスで廻ってくるものであって、その旅のイメージがあこがれを誘った』事は間違いない。そういえばこの前SAMURAIでみた1988/8/8藤波vs猪木の放送も、最後は猪木たちのバスや船で巡業する姿を流して、”そして猪木たちの旅はまだまだ続く”という感じの締めをしていた。いかに新日がドームプロレスの時代にはいり、全日が崩壊し、NOAHにまだその力がなくても、プロレスの基本は地方巡業。3銃士・猪木・藤波のいない地方巡業を見せてもらいましょう。

1.12:岡山県立体育館。
この会場は大阪府立体育館に近いくらい席が置ける。岡山はもともと客の入りの悪い場所で、今日は客の入りも最低かと思っていたら、去年の12/22大阪府立体育館リングスの1.5倍くらいの入り。観客は実数3500以上はいたんではないか。発表はおそらく4500人くらいのはず(主催者発表は3500人だった)。岡山のプロレスではここ15年くらい見たことがない客の入りだ。帰りに見かけたプロモの会社のおっさんはうれしそうだった。原因は休日の昼というくらいしか思いつかない。ともかく、こんなに入ってちゃだめだぞ、新日ファン。

第1試合: ○真壁伸也  7分04秒 逆エビ固め 柴田勝頼×
典型的な新日第一試合。柴田は入場時にピューッと全力で走ってリングに上がる。その素早さがかっこいい。ロックやオースティンを見てるのか?
試合は肩車から腕取りといった新日のグランドのムーブが続き、逆エビ合戦を制して真壁の勝ち。柴田も逆エビをしたが、腰の入ったやつだった。Wall of Jericoも天山の逆エビも真壁の逆エビも最近のフィニッシュとしての逆エビは腰が高いのが多い。こんなんでいいのかなとも思うが、腰が高い方が格好はいいんだよな

第2試合: ○カシン & 高岩  12分06秒 逆十字固め  金本 & 田中 稔×
もう何十回もやっているカード。不機嫌・高岩&わがまま・カシンと陽性の金本田中のコンビの試合は対比がいい。試合はいつものグレードよりは落ちるのかもしれないけど、随所に跳びが入って沸かせた。高岩『しね、たなかぁ!』とストンピング、田中『おまえがしねぇ!高岩』とエルボー。放送できないかけ声が場内にこだましていた。最後は中国地方では弱い田中が年末の広島大会に続いて腕ひしぎをカシンに取られてタップ。
カシン高岩は退場まで不機嫌でバラバラなのがよかった。 

第3試合:○ライガー&サムライ 13分31秒 体固め Dr.Wagner Jr & SilverKing×.
20年以上前の石橋正治主演の特撮もののタイトルがリングネームのSilverKing。DrWagnerJrの弟らしいが、はっきり言ってよく知らない。会場のほとんどが知らない。派手なズボンの禿げたおっさんだ。しかし、握手を拒否して胸を突くという1アクションでWagnerJrとSilverKingのふたりは会場をものにする(まあ割とありがちなシーンだが)。試合が始まると、サムライが捕まる。しかし、コーナーに詰めてストンピングという単調な捕まえ方ではなくて、大げさな身振りから多彩なワザと多彩な自爆でサムライひとりを兄弟コンビが10分くらい捕まえる。コーナーでまだ出番がないライガーがいらついて地団駄を踏んで場内爆笑。サムライがリバースのDDTからついにライガーへタッチ。ライガー大暴れ・・・かと思えば、またライガーもSliverKingにつかまる。しかし、最後はライガーの掌底をかわして・かわして・かわしたSilverKingが掌底を食らって、垂直落下式ブレーンバスターでピンフォール負け。勝ったライガー組はそそくさと帰ったが、ワグナー兄弟は大歓声とスタンディングオベーションをうけていた。もっともサムライとライガーもうまかったんだと思うが・・・素人の儂にはどううまかったのかままでは解らん。この日ベストマッチ。

第4試合: ○鈴木健三 & 平田淳嗣 11分01秒 体固め  ヒロ斉藤 & 後藤達俊×
さて盛り上がった会場は寒波も手伝ってあっという間に冷えてしまった。鈴木はまだまだしょっぱい。会場にも浸透していない。平田は動きはどたどたしてるが、マシーンモードの動きの時だけ会場が沸く。ヒロと後藤は特色のないコンビになってしまった。沸かせたのはセントーンの時だけ。
ともかく鈴木が捕まり続けたあと、豪快なジャンピングニー(これは本当に素晴らしかった)&スピアーでピン。同じように捕まり続けてもサムライとはかなりの格の違いがある。健三の夜明けは遠い。

休憩:岡山とは思えないすごい人の出。便所をあきらめる。

第5試合:○長州 飯塚 & 越中  8分15秒 体固め 小原道由 スーパーJ & AKIRA×
特にどおってことない展開の試合だったが、長州が入場しただけで会場が盛り上がる。先発した長州は1/4より明らかに状態がいい。後ろから前足を相手の胸に振り下ろしてスリーパーというかつての動きも説得力が回復していた。とどめのラリアートも、ロープに飛んで、ロープが大きくしなって、走ってかえって、アキラの必殺逆上がりラリアート受けと完璧な存在感。普段は悪口しか書きませんが、ただの強欲じじいではない事を思い出しました。

セミ
○中西 & 永田裕 11分57秒 アルゼンチン 大谷晋二郎 & スレッジ・ハンマー×
フライが休場してカード変更。Sledge Hammerが大谷のパートナーだったが、これがまるっきり使えない。普通寒い外人ならせめて、体が大きければいいんだが180cmもない。こんなのつれてくんな、使えない外人は阪神だけで充分。
対して大谷はパートナーのさむさをフォローして全てのスポットを一人でこなしていた。ガンメンウォッシュやら、場内アピールやら、スワンダイブやら、流石にJrできたえてきただけのことがある。これは小さいことがかえって今大谷の肥やしになっている。でかい男は流されるという猪木の言葉がよみがえるが・・・やはりもうチト大きい方が・・・

メイン
○天山 & 小島  13分00秒 片エビ固め  健介 & 吉江×
入場から試合終了までテンコジ組の試合。 あれだけオーバーさせてもらいながら興行を締める器でない健介・・・興行を締めることができないチャンピオンなんて必要なのか?レスラーとしては遙かに上だと(儂は)思う天山小島が地方レベルでも人気をつかんでいる。最近はバラエティーなんかにも必死に出ているからか、認知度は割と高い。ぱくりも多いのだが、センスがいい。この日はラウンディングボディープレスとか、急所ヘッドバットとか、行っちゃうぞドロップとかは出さなかったが、ヒールキックや3Dで沸かせて、最後はみちのくドライバー。
健介はいただけだった。エースだから常に勝って締めろとかそういうことではなく、勝ち負けに関係なく全く存在を消されてしまっていた。受けに廻ったのもほとんど吉江だから、ふがいなかったという印象すらない。単にいなかった。もしかしたら、休む番だったのか・・・しかもそれで会場から不満の声のでないエースって?

以上、これをワープロで放送するとすると(この日はnon-TVなんだが)、5〜7試合を流すことになるんだろうけど、とても地上波で流すような内容ではない。下手をするとスズケンも写るかもしれない。しかし、会場で見れば他にも面白い試合やシーンがある。興行を成り立たせている構造やどこをどう写せば面白いかを充分に考えたTVを考えてもらいたいもんだ。




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