混乱の創立3周年記念大会
■団体:アルシオン
■日時:2001年2月12日
■会場:後楽園ホール
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 後楽園ホール北側客席をつぶして入場ゲートを設置、それ以外のところはギッシリ。1,500〜1,600人ぐらいは入っていそうです。

 全選手入場式、問題の美幸涼、コールされるも出て来ず。出て来ないまま、なかったことのように式は進行、選手会長・大向が挨拶、終了。

第1試合 イリミネーションマッチ 藤田愛 vs ○バイオニックJ vs 高瀬玲奈 vs 山縣優
 ○藤田(ラ・マヒストラル2:14)×山縣
 ○藤田(ファイアーバードスプラッシュ5:42)×高瀬
 ○J(テキサスクローバーホールド8:09)×藤田
 4者イリミネーション、同時にリングで闘うのは2名、誰にタッチしてもよく、負けた者から退場。
 スタート、Jのパワーに苦しむ山縣に高瀬が助っ人、2人がかり。
 藤田が出てきて、まず山縣をラマヒストラルでしとめて失格1人目。
 ついでJが痛めつけた高瀬を藤田横取り、ファイヤーバードスプラッシュで2人目を失格させる。
 Jと藤田の一騎打ち、藤田のムーンサルトがカウント2を数えたところで誤ってゴングが鳴ってしまうハプニング、気をそがれたかJのテキサスクローバーに捕まってしまい、Jの勝利に終わる。
 あのー、私的には、Jと愛ちゃんはあんまり好きでないので、3周年記念大会の第1試合は、高瀬 vs 山縣 にして欲しかった。
 ゴングを間違えたスタッフ、村山レフリーに叱られてました。

第2試合 Re:DRUG クイーン・オブ・クイーントーナメント1回戦
 ○GAMI(エビ固め3:55)×PIKA
 Re:DRUG リーダーにして、アルシオンチャンピオンシップ最高実行委員長の二上美紀子が勝手に開催するトーナメント、緒戦は、初見で楽しみなPIKAちゃん登場。
 でだしから、雪崩式のラナっぽい技、フライングボディプレス、場外ダイブ、ロープ利用の背骨折り、と飛ばして攻める。GAMIの健太ッキーボムも返したが、チビッコの哀しさか、全体重でのしかかられてのエビ固めで敗退。
 で、

第3試合 同1回戦 ○PIKO(センセイ固め3:59)×玉田凛映
 PIKO、セコンドについたPIKAと入れ替わり戦法使ったりいろいろ手伝わせたり、楽しい遊びにあふれた試合でした。この双子、実に仲良さそうに見えるんですよね。微笑ましいというか。本当にJWPに上がってくれないかな。マジで面白いタッグだと思うが。
 スープレックスの打ち合いから、センセイ固めでPIKOの勝ち。

第4試合 P☆MIXスペシャル
 ○AKINO、チャパリータASARI、ミステル・カカオ(シエロペルフェクト11:20)×マリー・アパッチェ、ファビー・アパッチェ、グラン・アパッチェ
 AKINO、チャパリータASARI、ミステル・カカオ vs グラン、マリー&ファビー、アパッチェス
 エロ親父パパ・アパッチェ、今日もやる気マンマン、狙ってます。僕的には、今日のパパの標的・AKINOもASARIも、言っちゃあ悪いが“どうってことない”ので、どんどんやっちゃってくれ、って感じです(失礼!)。
 しかし、2人から1回ずつしかキスを奪えなかった、という結果からも、すこしアパッチェス元気無かったかも。父がリフトしてファビーの錐もみ式プランチャ、3人投げ渡してのパワーボム、もいちおうは決めたのだが。
 というより今日は日本人組の連携が良かったのかな。相手をスカしてのカウンターの連係とか、フィニッシュも、マリーの呼びこんだパパの張り手を自爆させたところからスパートして、AKINOのドラゴンラナで。(ちょっと切れ味悪かったが)

 第4試合終了時で13時15分。12時開始、入場式があったから、ここまでほぼ1時間できている。どの試合も時間は短く(特にトーナメント)、楽しく、良く言えばリズミカルに気持ち良く進行している、悪く言えばアッサリし過ぎのような気もするが、今日は全8試合と長いしセミもメインもタイトルマッチだし、バランスを考えてるのかな… と暢気にかまえていたら、次の試合から超シリアスで生々しいドタバタ劇が幕を開けるのであった。

第5試合 ○大向美智子(裏拳から1:07)×美幸涼
 入場テーマ曲かかるも美幸出て来ず、ついに曲がかかり終わり大向入場、リングアナのコールも大向のみ。「大向、誰とやるんだ?」「高瀬上がれ!」「何がやりたいんだ!」と野次が飛び交う。
 通路奥から(この日は北側に入場ゲートを設置していた、にもかかわらず、通路奥から)私服姿の美幸が現れる。しばらくリングの上下で、やがてエプロンに上がり、ガンを飛ばし合う。そしてつかみ合いに。
 野次、とくに美幸の態度を揶揄するものが多い。
 はじめ「試合にならん」と止めていた村山レフリーがゴングを要請、そのまま試合?に。美幸、出来損ないのニールキック2発出すが当たり損ね。裏拳で挑むが大向動じず、逆に裏拳1発でフォール。1分余。
 大向マイク「アンタはアジャでもなくラスカチョでもなく、私の手で育てたかったよ」(「たかった」過去形?)続けて「私はまだアンタのことを諦めないからな!」
 美幸「私がこうしてマイクで喋ること自体、許されることではないかも知れません。(とくに手厳しい野次を飛ばしていたバルコニーの客に向かい)その通りだと思います。上げてもらって、おいしいとこだけ食べて。…でも、これは皆さん、(本部席を指して)小川さんにも言いたい。雑誌とかで書かれているとおり、私はアルシオンを辞めます。が、プロレスは辞めません!!」!!!
 上のようだとけっこう殊勝に読めますが、じっさいの口調は、負けん気、反発心にあふれ、悪く言えば開き直り、って感じだった。
 通路を引き上げる美幸、セコンドに多くの選手がいたが、止める者は無かった。

 美幸に向けての野次は厳しいものばかりで、「頑張れ」「辞めるな」という暖かいものは一つも(と断定していいと思う)無かったのだが、わからないでもないけど、そういう周囲の見方、反応が逆に美幸を追い詰めたのかもしれないと思った。むろん、事実がどうなのか、知る術もないのだが。
 野次ってる客のなかには、ただトラブルに乗じて騒ごうとしているような雰囲気も一部に感じて少々不愉快(まぁこういうときって、いつもそうなんだけど)

第6試合 Re:DRUG クイーン・オブ・クイーントーナメント決勝
 ○GAMI(アディオス・アミーガから6:03)×PIKO
 セコンド、はじめはGAMIに高瀬、PIKOにPIKA、ニュートラルコーナーに玉田、とついていたのだが、PIKOがコブラツイスト決めるといつの間にか全員で手つなぎ腕引っ張り観客参加式が完成する(笑)。
 PIKOちゃん掌底を軸によく攻めこんだのだが地力の差か、アディオス・アミーガ(足を組み持って、垂直落下で頭部を落とす)でGAMI貫禄の優勝。
 その後、Re:DRUG リーダーにして、アルシオンチャンピオンシップ最高実行委員長の二上美紀子が、勝手に表彰式を執り行い、自分で自分を表彰し、同率3位までの全メンバーにメダルを渡すのだが、Re:DRUG の試合自体が今日3つめだし、じゃっかんクドく感じられもした。磁場の狂いが楽しいはずのこの試合にもひびいたのか。
 で、

セミ ツインスター・オブ・アルシオン選手権
 (王者)○三田英津子&下田美馬(王者)(デスレイク・ドライブから11:20)アジャ・コング、×吉田万里子(挑戦者)
 当初ぼくはこの試合、ラスカチョがボコボコにされた昨年7月の再戦だし、どんな意趣返しが見られるのか、という期待を持っていたのだが、また思いがけないことが。
 試合直前、この試合に何も関係無い玉田が突然、リングに上がる。
 「おいアジャ!前田のことも面倒見れねぇで何がファイティングプロデューサーだ!そんななら吉田でも大向でもいいじゃねぇか。ファイティングプロデューサーなんて辞めちまえ!」
 アジャ「何だどいつもこいつも。何かあるとアジャアジャアジャアジャ。私は苦情処理係じゃねぇ!わかったよ、ファイティングプロデューサーも取締役も辞めてやるよ!!誰かのあやつり人形はもうウンザリだ!!」(「誰か」とは小川宏社長を指すのだろう)
 これだけならまだしも、範疇内の出来事だとも思われたが、ラスカチョに詰め寄られたアジャ、「こんな状態で試合できるか!」と職場放棄、控え室に帰ってしまう。
 独り残された吉田、合体攻撃を集中され、途中エアレイドクラッシュの連打で一瞬だけ反撃するも、下田のデスレイクドライブに沈む、王者防衛。
「金返せー」「小川、説明しろー」などの野次が飛ぶ。三田が「アジャ、こんなことで済むと思うなよ」と凄むが、ラスカチョにも「こんなんで勝ってうれしいか」という野次が飛んだのだろう、下田ちょっとキレかかる。「ラスカチョは何も悪くない!」との反論も客席から。そう、ラスカチョには何の責任もなく、むしろあの場で要求された以上のことはきちんとやり遂げていた、と思う。

 メイン クイーン・オブ・アルシオン選手権
 ○浜田文子(王者)(浜ちゃんカッターから15:08)×日向あずみ(挑戦者)
 昨年11月の初対決では、お互いの手の内を探り合うように静かに試合が始まったが、今日はさらに緊張の度合いを増した間の取り合いから始まる。
 やはり文子がマットレスリングに誘い、変型のボー・アンド・アローを出す。いっぽう、日向の序盤といえばこの技、Wアーム式のシュミット流背骨折りがスタンドで出る。
 文子のブファドーラを日向が足で迎撃したあたりからヒートアップ、打撃の応酬に。文子の掌底。日向のエルボーが交錯!今日の日向まったく引かず。文子の技にあまり付き合わずスカす場面がしばしばあり、強引に一方的に、当たりの強い技で押していく。試合の中での順序は忘れちゃったのだが、アジャを倒したバックスピンキックを手で叩き落とし、逆にロープへ走ってジャンピングニー!という場面も。
 ビーナスからのアイコノクラズムをもカウント1で跳ね返す日向。
 スパイダージャーマン!ロコモーションジャーマンは8?連発!!文子返す!
 文子の高いスパイラル・ボム!日向返す。
 ついに炸裂したみちのくドライバー!!カウント2.9、文子返す!回転エビの応酬からまたもカウント2.9、文子返す。
 去年の奪冠したアジャ戦を見ても、このあたり文子は実に打たれ強く、勝負強いのだ。受けに受けて、相手のスキを見て1発を狙っているのだ。
そしてとうとう、コーナートップからの浜ちゃんカッターで逆転勝ち、タイトル防衛。
 攻めさせて攻めさせて最後にひっくり返す文子のパターンにはまってしまった。怖い日向を見せてもらったが、日向「にしては」負け方があっけなかったようにも思う。もっともっと、30分も40分も粘れる選手のはず。来週のボリショイとのJWP無差別戦も期待してます。

 勝利後、文子は「今日は後半、ちょっとバタバタしちゃいましたが…」と言い、吉田、大向、GAMIに呼びかけ、所属全選手をリングに上げる(ということで日向、PIKO、ラスカチョは出て来ず、アジャと美幸も当然出て来ない。メヒコ3選手は出て来た)。「アルシオンはアジャ・コングがいなくてもここにいる選手で頑張っていきます!」とマイク、そしてふだんの抗争を超え、大向やGAMIたちとも握手。
 つづいて吉田にマイクが渡る、涙に声がつまりがち「さっきはふがいない試合を見せてすみません、この借りはきっと返します」
 大向は「アジャ・コング、美幸涼クソ食らえ!です。私がアルシオンを引っ張っていきます!」と。マイクを放って寄こされたGAMI、いつもどおり笑いコミで締める、「みんな暗い!明日から4年めに入るんやから、明るくいきましょう!」
 いつの間にか文子涙ぐんでいる、リング下の小川社長を引っ張ってきて全員で円陣、手を上げる。小川、選手ひとり一人と握手。で、幕。

 文子が「後半」はバタバタした… と言ったように、この日の興行、「前半」は ReDLUG 同門のトーナメント、ミックスド6人タッグも楽しい試合で、試合時間が短くテキパキと進行も早く、そのぶん少しアッサリし過ぎかなと途中まで思っていたがメインで激しい試合を見せてもらい、アジャ・美幸絡み以外では、いつもの、いやいつも以上のアルシオンだったと思う。もしかしたら、事前にこうなることがわかっていたので、その分残りのメンバーが… ということだったのかもしれない。
 とにかく残ったメンバーには、これまで通り、いやこれまで以上のものを見せていって欲しい。

 そしてアジャ・美幸についてですが…

 美幸は、web 上の情報をいろいろ見て、ガチに素直に受け取ると、本人がいちばん、自分のいきなりの扱いの良さに悩んでいた、そしてこの日の様子を見ると、周囲も美幸の扱い方をめぐって「アジャ(+ラスカチョ?)」対「小川+他の選手」で対立があったと。(ただ、ココが複雑で、どちらが「いきなり上で使う」派でどちらが「地味に育てる」派だったのか、わからないしバラバラだとは思う。「自分の扱いの良さに悩んでいた」と「社長に反抗」とをストレートにつなげれば、「小川=美幸をハナから上で使う考え」ということになる。ただ、大向のマイク・他の選手の雰囲気・じっさいに「アジャ+美幸」(じつはこの結びつきも定かじゃないんだが)と「小川+他の選手」とに別れたこと、を考えると、関係は複雑だったのでしょう。)
 事は美幸の待遇云々の問題だけではなさそうです。
 ぼくが昨年、はじめてアルシオンを見に行った時も、リング上で奥津が「アジャ・コングにはついていくが小川宏にはついていかない」と発言、二上もちょうどリストラされかかっていた頃で社長批判と、ゴタついてるなと思ったんですが、その後、うまくリング上の対立に昇華したりなんだり、ラスカチョもうまく取り込んで使い、去年は良く回していけたと思ってたんですが。
 
 また、ファンの感じ方にも温度差があって、比較的遠くで眺めている人、報道で見ている人のなかには“美幸幻想”はふくらんでいると思うのですが、昨日の会場の雰囲気は冷たいものでした。「何がやりたいんだ」「何様のつもりだ」「そんなこと言う資格ねえよ」など。もちろん、そうした声の方が目立つものですし、会場にいた方の感じ方もさまざまだったでしょう、しかし「頑張れ」「辞めるな」と言う声援は飛ばなかった。
 そうしたファンの視線も、本人を追い詰めた原因のひとつだったかもしれない。

 ガチだろうがアングルだろうが、アジャ+美幸をフリー扱いでアルシのリングに上げ続けるのがいちばんスッキリすると個人的には思うんですが。とにかくリング上で形にしてくれないと。美幸本人にも、とにかく練習しろよ、と。いや、練習は極端な話、しなくても、試合を成立させてくれればいいんですが。プロレスを真剣に考えてくれよ、と。もっと極端に言えば、何も考えていなくてもいいが、なんか意味不明のオーラでなく、もっと内実を伴ったオーラで魅せてくれよ、と。

 このコンビで他団体に上がるっていうのは、アジャはともかく美幸には、会場の雰囲気からしてマイナスイメージがもう付いちゃったからなぁ。どおだろ。
 しかし、試合が終わった後、友人が言ったことなんですが、全女に行くのは面白いかも。正規軍と堀田前川ラスカチョ連合との間で宙ぶらりんになってる豊田にくっつく、っていうのが。全女側にはコダワリは無さそうだし。
 
 いずれにしても、答を出せるのは前田美幸本人しかいないでしょう。プロレスを続けるとして、何年かかかってもいいから、花開けば、そのときになってはじめて、「アルシオン・小川社長を見返せた」ということになり、今回の行動が何であったのか、もわかるでしょう。

 この日は奇遇なことに、美幸涼、21回目の誕生日だったんですよね。それで、大会終了後、他の2月生まれの選手(吉田、浜田、藤田)と合わせてイベントがあったはずなんです(強行されたかどうか不明)。申し込んどけばよかった…

 あと、今回のことについては、レディースゴングの報道が楽しみです。言っては悪いが週プロは(というか宍倉か。新井は知ってるかも)、何も知らないか、「今は書くことができないが」だと思う(笑)。




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