1.28 全日本 東京ドーム
■団体:全日本
■日時:2001年1月28日
■会場:後楽園ホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

やはり、なんか不思議な気持ちである。全日本が今ドームをやる意味がどこにあるのか。あのカードで客はどれだけ集るのか。ドームで2万人というのは寂しすぎるし。しかも前日大雪で絶望的な気分であった。

ちなみに私がこの興行に行こうと思った理由は、M2Kを始めとした闘龍門勢が第一試合の時間差バトルロイヤルにてドーム初出場になるであろうから(ただしこの試合は選手発表が無いので私の予測だが)その勇姿を見たいというのと、やはりハンセンの10カウントゴングは実際に見届けたい。そして天龍にとってスタジアム興行でのメインでの入場はこれが最後になるのではないか。そういう理由からである。

いつになく多いダフィーを掻き分けて会場に向かうが、ダフィー達の一人一人づつが持っているチケットの数が半端ではない。最低でも20枚くらいは持っている。多い人は50枚近く持っているのではないか。これを見て今日の入りは想像できた。
会場内に入ると案の定スカスカ。第一試合が始まる頃でもこれでは4万人はいかないと思う入りだったが、実際には休憩前まではほとんど満員になっていた。これも不思議であった。まあ、半分が招待券でも一応3万くらいは実券なのか?主催者発表は58、700人だが嘘ではないだろう。予想以上に入ったようだ。WCWなんて末期は招待券があっても行く人がいなかったという話しを聞いたことがあるが、それに比べればいい方であろう。ただ、結果的に考えるとこの日はダフィーが相当儲けたのだろうな。という事は、行くかどうか決めていなかった人達が当日になって行くことを決め、ダフィーから招待券を買って、これだけの入りになったということか。

場内を見ると、やはり全日本らしい質素な雰囲気である。なるべく経費を使わない雰囲気がミエミエである。当然特設花道はなく、選手は各々のコーナーのベンチの所から客の間を通り抜けて入場するという形になる。ただ、それはそれで臨場感とかが増していいと思うのだが、照明がしょぼすぎる。はっきりいって田舎のディスコ以下である。まあ、全日本しか見ない人にとってはいいかもしれないが、K1,プライドとかを見ている人達はやはり貧乏臭く感じてしまうのではないか。レーザーすらなし。まあ、終わってみれば最近のクドイ演出に見慣れてしまったので、こういう質素さもたまにはいいかなという気にもなかったが、新しいファン層を開拓するには、やはりこれではいかんな。

しかも第一試合ではリングにマイクが通っていなかった。後で考えるとバトルロイヤルでうるさいからかもしれないが(第二試合からは入った)、あの時は暗澹たる気分にさせられた。

ただ、この日私は1Fのスタンド席だったのだが、野球のファール用ネットを外していたのは良かった。普段気にしていたことはなったが、このネットを外していたことは無かったのでは。そのため、1Fのスタンドでも少しはリングに近づいた感じだ。

時間に厳しい全日本。当然3時丁度から始まりで、カード紹介。しかしビジョンもモニターも使わずただリンアナが読み上げるだけ。まあ、仕方ないか。
ちなみにこの日はタカハシさん愚傾くんと途中で合流し3人でおしゃべりしながら見ていたので、あまり試合に集中していなかった時もあるし、この二人と観戦記の内容やネタが被るのは勘弁して下さい。まあ、いつもカブちゃんと一緒に見る時は楽しいのだが、タカハシさんもいてそれが何倍にもなった。

1.時間差バトルロイヤル

最初は二人が出場し、後は1〜2分後で次の選手が全13人入って来るシステム。正直言ってこの日のカードではこの試合を一番期待していたのだが。

まずは、相島の入場。これに対し会場はこいつは誰なのかという雰囲気。そしてカニ料理の曲で愚乱浪花が。
まあ、はっきり言って良く分からないゴチャゴチャの試合だったが、一応入場順に勤務評定を1〜5で。まあ、私の場合この日出てきた選手のことを誰が誰かをほとんど分かったが、普段見ていない人は誰が誰かも分からなかっただろう。入場時にビジョンを使って選手の名前を出すとかの工夫をするべきであったであろう。

1.相島勇人 1 初めから出て最後迄残っていたが、この人のつまならさが、この試合のつまならさに続いたのではないかという気がする。特にM2Kが入って来て試合が動いて来た時にM2Kに加勢しないで、邪魔している所は最悪。この選手には期待があったが、あまりのセンスの無さを露呈してしまった。確か神田、望月のどっちかを丸め込んでピンを取っていたが、それは野暮野暮だよ。

2.愚乱浪花 3 最初からカニカニをしてくれたし、途中でもやっていた。一番最初に退場したが、なかなかいい仕事。自分の立場を分かっているというか。

3.土方隆司 2 この人も最初の頃に出てきて最後まで残っていたのは、結局何もしなかったからではないかという感じ。この人も相島と同じで、大して面白くないのに最後まで残っていたから、この試合がつまらなかった感じ。

4.平井伸和 2 私の贔屓の平井だが、特に目立った動きを見せることはできず。残念。WARでビガロと組んでいた時は、結構良かったのにな。

5.6.7.M2K M2Kは3人一緒に入場。ドームの長い花道をキックボードで走る所は爽快。これだけで私のモチベーションが一気に上がった。試合自体もこの3人が入ったことで一気に活気に満ちてくる。ただ3人一緒だったのかM2Kだけ選手コールが無かったので、知らない人には誰だこれという感じだったと思うけど、(ちなみにダークネス・ドラゴンが退場した時には、そんな奴出ていたのかと言っていた人が私の回りにはいた。)それが悲しかったのと、ダークネス・ドラゴンも平均点を上まっているいい選手だが、やっぱここでモッチーがいたならと。

神田裕之 5 まあいつものようにやってくれた。ただ、変な邪魔が多すぎたな。

望月享 5 かなり最初の方で退場になったが、それだけ試合に参加したということだ。

ダークネス・ドラゴン 4 神田&望月をうまくフォローした。ただ、もともと影が嫌いなキャラなので、少し影が薄かったけど、良く神田&望月のフォローをしたと思う。

8.TARU 4 ここでTARUさんの入場。他の選手は結構花道を全力疾走とかしたりしてリングに入って来るのだが、TARUさんは余裕でゆっくりと。しかし、リングに入るといきなりM2Kの標的に。3人のベクトルがTARUに向かうと全員攻撃に合う。結構おいしいシチュエーションだった。ただここで闘龍門勢が4人入ったことで、一気に動きに活気が出て来た。

9.ダニー・クロファット 3 出てきた時点でこの人が勝つのかなと思ったけど、あまり印象無し。ただ唯一の外国人。

10.SHINOBI 2 結構後ろの方で来た割には、結構早めに終わってしまった。それはそれで貴重なキャラなんだが印象に残っていないので残念。

11.水前寺狂士郎 3 私は初めて見る選手。世界のプロレスの人だが、結構元気が良くて私は好印象。この人は悪くなかった。

12.堀口元気 5 もうここに来てのこの試合の大功労者という感じ。まず、テーマ曲が誰でも知っているサーフィンUSAというのもいいが、入場時になんだか場違いのサーフボードを持っているのも笑いを誘う。リングに入るとこれまたM2Kの猛攻を受けるのだが、このやられっぷりに歓声が湧くぐらいの、(いつもの)やられぶり。堀口のやられっぷりの良さというのは、闘龍門でも会場が湧くのだが、その表情がドームのビジョンに出ると強烈だった。それでも、この後堀口が見せたノータッチ・トペ・コンがこの試合での一番の歓声を呼んだ(まあ、もう一つあったのだが)。この難しいシチュエーションで、堀口やったねという感じ。この試合の後もセコンド、雑用も一所懸命やっており、これで堀口の知名度と好感度も一気に上がったのではないか。

13.ストーカー市川 5 最後の最後にこの人である。これは気が利いている。しかし、ついにこの男が王道マットにという感じもしたが、会場も好意的で笑いと歓声を取っていた。ストーカー、リングインすると大アピールするが、全員にしかとされる。こりゃ困ったという感じでコーナポストとロープで身軽さを示すパフォーマンスをやるが、これまた全員無視。しかし3回目のパフォーマンスを失敗しマットに落ちるといきなり全員のストンピングのタコ殴り。一瞬ストーカー死ぬのではないかと思ったが、無事にピンフォール負けで生きて帰れることになった。ストーカーはリングインして1分位で退場になってしまったが、美味しい所は持っていってしまった感じ。 

まあ、試合自体はもたもたやっていた感じ。闘龍門勢は入って来ると活気が少し出てくるが、それを野暮天達が邪魔をする。なんか見てて嘆かわしくなる。まあこの野暮天達を私は今迄フォローしていたつもりなのだが、これではねぇ。暗澹たる気分になる私。変に長いのも気になる。この日CMLLとダブルヘッダーであったマスカラスのために伸ばせと言われたのかと邪推したくなってしまう。

ただ、これはブッカーにも問題がある。これでは面白くなるはずがない。一番最初の登場が相島では誰これ?という感じで客席は引くに決まっている。まあ、元子さん的には今迄新生全日本に協力してくれた選手をドームのリングに上げたかったから、この試合を企画したと思う。しかも、そういう選手はジュニアの選手が多いので企画してはかなり良い発想だと思った。だけど、一番最初の入場が相島では締まらないだろう。相島には悪いが、観客は誰コレという感じであった。

もし私がこの試合のプロモーターだったら最初の入場は、マグナムTOKYOにしたな。まあ、マグナムの入場が試合中だと時間がかかって仕方ないが、最初に出してつかむのには最高だ。それと、CIMAを出さなかったこと。私の回りの客もこれならCIMAも出るのかと言っていたが。私は数えていたのだが、CIMAが出てくることを期待していて、12番目が堀口だったので、オットCIMAは最後なのかと思ったらストーカーだった。ストーカーが出るのは嬉しかったが、最後にじゃじゃじゃ〜んを聞いた時は喜びも半分だったな。

私はこの試合について長々と書いたが、隣のタカハシさんは、この試合を一言で斬ってしまった。
「この中で生き残るのは神田・望月だけだね」
まあ、堀口も入れて欲しいと思ったが、あまりの適切な一言にまたも暗澹たる気分になる私。

結果はどうでもいいけど、ちなみに、

時間差バトルロイヤル(13人出場)
○ダニー・クロファット 26分14秒片エビ固め 相島勇人

2.○キム・ドク 奥村茂雄  14分33秒 片エビ固め 藤原喜明 ●荒谷信孝

ワルキューレの騎士を聞くとやはり気分は高揚する。試合は最近しょぼいけど。
一方のキム・ドクは、前回私はなかなか好印象だったが、後で冷静に考えるとボロが出なかったという感じがしないでもなかった。

試合はキムと組長の絡み中心になるが、まあさして面白くなかったな。奥村と荒谷は自分をアピールした方がいいな。奥村は前回の天龍戦もそうだが、器用だけど体力不足だな。組長に打ち負けたらいかんでしょう。荒谷については当分ノーコメント。ただ応援はするけど。

試合後にも組長がキムに突っかかっていて遺恨めいたのが少し面白かったけど、まあどうでもいい感じ。


3.○ミル・マスカラス エル・イホ・デル・サント 13分40秒 回転エビ固め ●アルカン・ヘル・デラムエルテ ブルー・パンテル

この試合からタカハシさんとの観戦になる。まあ、私にとって今更マスカラスという感じで、この試合へのモチベーションは限り無く0に近かったのだが、スカイハイが流れマスカラスが出てくると、タカハシが「ウォ〜〜」と大絶叫。確かにマスカラスのコスチュームは豪華で年を取っても華は枯れないという感じ。いきなり私のモチベーションも上がる。

試合もなかなか渋いメキシカン・ストレッチから後半は立体殺法に。試合が終わっても選手の名前は覚えられないが、素晴らしいルチャを見せてもらった。試合展開はある意味、教科書通りのオーソドックスなものだったが、その中で出てくる技のキレとかを見ると、これがまたいいのかなという感じ。

最近なんか凄く思うのだが、私の好きな闘龍門はルチャを日本的にアレンジした団体である。GAEAを含め、女子プロレスも、もともと教えた人がルチャ系の人で、女子プロにはルチャの影響を随所に見ることが出来る。実際メヒコに行った選手は数多いし、行ってなくても永島が多用するラナ系の技や関節に行く時のトリッキーな動きにもメヒコの影響を感じる。まあルチャの応用と言ってもいいかもしれない。

田中さんもルチャ好きだし、全日本の四天王時代なんてヘビー級のルチャだと言っている。なんか趣味迄感化されてしまったかな。

4.○長井満也 垣原賢人 11分39秒 飛びつき腕ひしぎ逆十字固め アレクサンダー大塚 ●モハメド・ヨネ

まあ、プロレスが出来無い奴等だからこれまた期待度限りなく0に近い。大体私はAOコーナーは出るのが長くて好きではないのだ。しかし、どんな状況でもUのテーマは燃える。これだけでなんか好意的になってしまう。長井と垣原はこれだけで得をしている感じだ。尤も、カブちゃんに言わせると、このUのテーマは前田が泣いているらしいが。まあ、私的には泣くなら泣けという感じだな。ついでに坂田も成瀬も来ていいよ。ヤマヨシはいらない。だけど、本当に欲しいのは松井だけど。J-CUPでのTARUさんとの乱闘は面白すぎた。

そういえば、ここからカブちゃんも合流。3人でガヤガヤ面白かったんだけど、回りの人は迷惑だったろうな。

試合は思いかけず面白い展開に。前回のホールでは、長井の意気込みは分かるが、プロレスに慣れるのは時間がかかると思ったのだが、この日はまずまずいい動き。前回はあまり使わなかったキックも前半から使い、後半は見事なスープレックスを見せる。最後の腕ひしぎも説得力があった。

なんか前回のホールと今回のドームを見て、この人は頑張り屋さんなんだなというのが良く分かる。私はこういう選手はストレートに応援したい。だけど、私がこの人を応援する理由はもう一つあるんだよね。この人、自分が全日本に来たのは天龍さんと戦いたかったからと言っているんだよね。いいよね、こういう感じ。

あと垣原はいつも通りだったけど、まあこの人はもう変りようがないから仕方ないでしょう。ただ、私はカッキーのあの姿勢は嫌いではないんだよな。まあ、カッキー自体がスタイルを変えるというより、あのスタイルに噛み合う相手を探すのが賢明のような気がする。思ったより面白い試合だったね。

5.○ジム・スティール ジョニー・スミス ジョージ・ハインズ 15分22秒 片エビ固め マイク・ロトンド カート・ヘニング ●バリー・ウインダム

カート・ヘニング以外なんか地味な外国人を集めたという感じだが、私的には少し期待の試合。
ヘニングは序盤にぎこちないけど動こうとする気持ちが伝わり、なんか嬉しかった。こういう展開の試合は久し振りだろう。後半のガス欠は仕方無いだろうが、好感度は大。

スミスは世界タッグ王者の自信か、堂々たる雰囲気。私は好きだ。

ハンセンなき後、全日本一番人気になりそうなのが、ジョージ・ハインズ。で、打点の高いドロップキックも見せてもらったが、スピニング・トーホルドから河津掛けに行くところ、この人今日という日を良く分かっているんだな。馳によると、この人は凄い前向きらしいんだけど、そのうち大ブレークして欲しいな。だけど、これを見るとプロレス技の定番はドロップ・キックなのかなあという気がする。長与は新人には最初はドロップ・キックしか教えないらしいけど、荒谷や奥村もドロップ・キックを使えば、また雰囲気が変わると思うのだが。

まあ、期待はしていてもどうせアメリカンハンバーガーみたいな試合だと思っていたので、特に不満なし。ただ、ペッパーは利いていたし、ピクルスも上等だったので以外に美味しく食べることができた。

あらためて、スミスとジョージは全日本の宝だと認識させてもらった試合。


6.獣神サンダー・ライガー 18分4秒 横回転式エビ固め 渕正信

両者の入場だけで会場は大盛り上がり。やっとドーム興行らしい雰囲気になる。マスカラスもそうだったが、ライガーもやはり出て来ただけで雰囲気がある。渕には全日本ファンの大プッシュ。やはりこの雰囲気はいいね。
ところで、この試合、バラしちゃうけど、タカハシさんとカブちゃんはライガージョブ予想。私も渕応援だが、心なしか渕が負けて欲しいという気持ちが。その理由というのは・・・・・

試合は前半10分はグランド合戦。8分くらいは渕が攻めていたのではないか。それなりに見応えがあったが、ドームでグランドを10分もやるなよという気もする。後半渕がバックドロップ3連発でライガーを追い詰めるが、最後は、ライガーのラ・マストリアルの高速カウントでライガーの勝ち。ちなみにレフリーは保永(笑)。

ただ、渕はバックドロップ3連発は説得力があったが、間合いがあれでは長すぎるな。もう少しどうにかならないかと。そして3発目の後に返されると、やることが無くてリング上で呆然としてしまう。ベテランなのにそこが妙におかしかった。

ただ、試合的には満足行くもので会場も、やっと沸いたという感じである。
ところで、秘そかにこの試合では渕に負けてもらいたかったのは、これで、セミでケアが武藤に勝つ目が出てくるのではないかと考えたから。渕もケアも勝つのはいくらなんでもムシが良すぎるが、渕が負ければサプライズでケアが勝ってもいいのではないか。これを、タカハシさんとカブちゃんに言ったら、鼻で笑われた。

もちろん彼らが正しかったのだが、私的には期待度が上がった。


ここで休憩。

まあ、休憩が長いという文句も多いが、私はタカハシさんとカブちゃんとお喋りをしてて苦痛にはならなかった。
今回の私の全日本ドームの評価もこの二人と見ていたので好意的なんだが、一人で見ていれば違う感想かもしれなかった。ただこの二人と観戦すると面白しろ過ぎる。


7.○テリー・ファンク 大仁田厚 8分26秒 スピニング・トーホールド アブドーラ・ザ・ブッチャー ●ジャイアント・キマラ

口が裂けてもこの日のベストバウトとは、言いたくないが、一番可笑しかったのはこの試合だ。私は戦前、この試合の見所は入場だけとリンさんの所に書いたけど、それだけでは無かったようである。

まずはテリーの入場。テリーも今やこれだけの大観衆に大歓迎を受けるのはこの空間だけでは無いかと思わせるナルシスト振り。続く大仁田は、私は知らないのが恐らく昔のテーマ曲をかけてから、ワイルド・シング。こういう気遣いというのは、ファンにとってはたまらないのではないか?ちなみにカブちゃんによると、こういう計らいはウォーリー山口のものらしい。今日はさすがに歓迎ムード。
一方ブッチャー組はいつものフロイドの曲で入場。個人的にはフロイドでは一番いい曲だな。ただ、久し振りに聞くといいが、聞き込むとすぐに飽きる。

ブッチャーとテリーは顔を見合わせただけで戦闘モードに。タカハシさんの「コールだけしてくれ!!」という悲痛な叫びも虚しくゴングがなる。確かにこの試合は一応「ジャイアント馬場三回忌追悼特別試合」なのであるからコールくらいしても。
しかし、そんなことおかまいなしに試合は進む。大体トルネード方式になっていて誰が試合の権利があるのか分からないが、まあそんな細かい事はいいだろう。凶器に対してもレフリーの介入は甘め。こういう臨機応変なレフリングが出来るウォリーの役割は大きい。

やはり試合の焦点はブッチャー対テリーであった。ブッチャーがビール瓶、フォーク等を使いテリーを大流血にする。

一方の大仁田はキマラ相手になすすべなし。そりゃ、体重もありそこそこ動ける現役のキマラに大仁田が敵うはずないのだが、しかし大仁田、これではやばいと思ったか(まあ、これでは目立たないと思ったということであるが)ブッチャー・テリーの闘争に割って入って来る。

しかしブッチャーに取っては、なんだこのグリーンボーイという感じで、まるでゴミ屑のようにリング外に捨ててテリーに向かう。完全に子供扱い。しかし、ここでの大仁田が凄い。いつもならリング下に落されたらならそこで休むはずだが、この日はすぐさま起き上がってブッチャーに対した。まあ、またやられるのだが、ここに大仁田イズムを感じた。

だけど、ブッチャーはいくら年を取ってもいつも同じというのが、やはり凄かった。試合途中、全然勝ち目がないテリー・大仁田組が、スピニング・トーホルドで勝つのもご愛敬。

しかし試合後、ブッチャーが目をまん丸にして、ブルブルブゥ〜というのがビジョンに映る。ここでなにかあるなと思ったら果てしない乱闘が。この日、特設花道はなかったので、選手は内野の1塁、3塁のベンチから出てくるのだが、この人たち、わざわざ客席を掻き分けてセンター方向に行っていた。さすが、プロである。

試合後のテリーのナルシスト振りは凄い。そして大仁田のパフォーマンスもテリーから引継いだのが良く分かる。客も大熱狂だ。大仁田も試合では何もしなかったが、パフォーマンスはきっちり決めて帰る。

これのどこが追悼試合なんだと考えると妙におかしくなるのだが、まるでタイムマシーンのような試合だった。おじさん達は全員血ダルマになって、いくつになっても出し物は変わりませんでした。


スタン・ハンセン 引退セレモニー

やはりこのために来たのだ。セレモニーの内容は他の人が詳しく書かれているので、簡単な感想を。
ハンセンのスピーチでお世話になった人、友人にメッセージを送るのだが、順番にテリー・ファンク、ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田、ミセス馬場、そして自分の最愛の友人としてブロディを出したところは嬉しかった。

セレモニーは尊厳な雰囲気の中で行われ、やはりドームでやって良かったなと改めて思った。
今日はこれで終わりですと言われても満足して帰って行っただろう。


8.スティーブ・ウイリアス 14分47秒 バックドロップ→片エビ固め マイク・バートン

セレモニーが終わるとゾロゾロと客が移動。タイミング良くカードが組まれていた。
だけど、このカードってウイリアムスがWWFに移籍して早々、シュートマッチで秒殺させられた因縁の試合なんだよね。

個人的には昔の医師はそれなりに見ることが出来たんだけど、今はどうしてこんななっちゃったんだろうな。
まあ、試合も予想通り。バートンはそれなりに頑張ったと思うが、ここで外国人エース交代を願っていた人は多かったのではないか。金をいくら使ってもバートンの流失は避けろよ。ミセスババ。

9.武藤敬司 18分43秒 足4の字固め 太陽ケア

回りの声はどうであれ、先程のライガーの勝利により私の期待が一気にあがったこのカード、ケア、ムトちゃんを倒して一気にスターダムにのし上がれと言いたい所だが、世の中そんなに甘いものではなかった。

久し振りに見るムトちゃんだが、ムトちゃんは前の沖に上がった河童みたいなヘアースタイルよりスキンヘッドの方がいいね。一方のケアは目をひんむきいっちゃっている表情。新生全日本最初の武道館大会のメイン終了後に、"This is the future"と言われたハンセンを伴っての入場。ハンセンはセコンドでは無く本部席で見ていたようだが、ここでハンセンが出てくるとはますます私の可能性が高くなるのだが。

序盤は序盤らしく、ねっちりしたグランドの展開。こういう展開はビックマッチ感の雰囲気を作る。グランドではケアに勝ち目無いだろうと思っていたら、結構ついてくるというか、むしろ主導権を取っているのはケアの方ではないかという感じだ。さすが、ハワイのアマレスチャンピオンだ。ってハワイにアマレス人口がどの位あるのか分からないが。

試合は結構ケア優勢で進み、途中カブちゃんに、これならケアの勝ちもあるかもしれませんねと言わせたが、低空ドロップ、ドラスク、4の字という見飽きた定番パターンでペースを持っていかれてしまう。

2度まではクリアしたのだが、3度目はあえなくギブアップというかレフリーストップという感じ。逆にケアがムトちゃんに4の字でもかければもっと面白い展開になったかもしれないが、まあ、この試合、勝手にカードを組まれてムトちゃんやる気なしという雰囲気もあったが、ケアは相当頑張ったし、好感度はまた上がったのではないか。

試合後にハンセンが駆け寄って、必死になぐさめていたが、やはり、"This is the future"だな。


10.○川田利明 佐々木健介 23分48秒 パワーボム→エビ固め  天龍源一郎 ●馳浩

川田と天龍の三冠戦が流れて一気にモチベーションが下がってしまった、このカード。だけど、個人的にはOKはです。だってここで三冠戦だったらどう考えても天龍のジョブというか、最近の天龍の発言を聞いていると、早くベルトを川田に返したくて仕方ないという感じだ。

まあ、こうなるとこの試合に特別なテーマは見当たらないので、個人的にはミスター・ヒトさんも大絶讃の奇跡のレスラー天龍源一郎を堪能することにしよう。

しかし実はこの試合、前の試合で武藤が勝った時点で、健介ファンののぼりが上がるのである。本当に野暮天の集りだ。普通は前の試合の選手が引きあげて次の試合の選手のテーマ曲がかかる寸前で上げるものだ。全く、選手が○○なら、ファンまでも・・・・

まずは赤コーナーの馳の入場。ありゃ、これだと天龍が最後ではないかと思ったら、次は青コーナーの川田だった。
まあ、馳はいつも同じ。個人的には馳を応援するシチュエーションは初めてなので頼もしい。続いて健介で、最後の最後に天龍。

まあ、これだけで私は感動的。この年になってもドーム興行のメインのとりに入場するなんて。大体、SWS、新日本、FMW、UWFインター、全日本のスタジアム興行のメインを務めたという実績は奇跡としか言い様がない。後にも先にもこんな人は現われないだろう。

試合は前半天龍・馳組のコンビネーションがやけに良いのが目に付く。まあ、川田・健介組はゴリ押しの感じ。
昔、週プロでスケール的に鶴田がドーム男だという記事があったが、天龍も逆水平だけでドームの場内を沸かす臨場感があり、ドーム男と言っていいのではないか。ただ、健介は師匠譲りなのか、セルをしないので、なんだかなぁという感じだ。序盤で、天龍がノーザンライト・ボムを打ち、健介が怒ってカットに入ったのは少し面白かったが、天龍はあの時健介にも打ってやれば良かったのに。

まあ、試合は健介がいる限り面白くなりようがないという感じだが、案の字で、馳と天龍のスタイルは違うが持味を楽しむ試合だった。川田は天龍との絡みで、唸らせてもらったが。それにしても、健介はどうにかならないかな。


試合後、健介が訳の分からないマイクアピールを。一応天龍は立ちとまって聞いていたが、それは違うだろうがという感じ。あまりにしょっぱい内容なのでこれでは、天龍も言い返すことも出来ずにいると、川田はさっさと帰っていっちゃう。川田、ここは何でもいいから、なんか話さないとしまらないだろうと思ったが。

結局は締まりなく終わってしまった。まあ、仕方ないけど。天龍が悪いわけでもないし。



考えてみると、不思議な興行だった。取り立てて素晴らしい試合があったわけでもないし、今後に繋がることもほとんどなかったと思う。それでも満足出来た。

繰り返しになるが、今回はタカハシさんとカブちゃんと一緒に見ていたことも大きかったかもしれない。例えば他の人の感想を読むと、進行にかなり不満があったみたいだが、我々はその間お喋りしまくりだったから、話し足らずに、もう少し時間をくれよという感じだった。この3人はお喋りなのである。だから他の人達と若干感想が違うかもしれない。


ただ、この興行は全日本の葬式のような気もした。というのは、マスカラス、テリー、ブッチャー、天龍(まあ、ここで本当は天龍を並列したくないのだが)という先が見えている選手に、若い選手がアピール出来なかったのである。
聞き覚えのある、ナツメロ入場曲をこれだけ一回の興行で聞くことは出来無いと思うが、そういうレトロを楽しんだ面白さなのである。

そこに第一試合ではないが、私が暗澹たる気分になってしまうのである。


ちまたでは、これが全日本の最後のドーム興行になるだろうと言われている。

ただ、この日のハンセンの引退セレモニーを見て思ったのだが、どんなに赤字になりそうでも、人が集らないかもしれなくても、もう一回だけやって欲しいと思った。

それは、天龍源一郎引退記念興行である。




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