1.14全日本 後楽園ホール
■団体:全日本
■日時:2001年1月14日
■会場:後楽園ホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

昨年はかなり見に行った新生全日本だが、10.28の武道館がメイン以外酷かったのと、その後の後楽園ホールもあまりパッとしなかったので、少し距離を置こうと思っていたが、私のお気に入りになったメキシカンがまた来るということで、行くことにした。
昨年のホールはなんだかんだ言っても立ち見以外売り切れだったのだが、この日は余っている。試合が始まっても8割の入りだったのだが休憩後を見ると95%の入りになっていた。2100満員は嘘ではないだろう。

1.愚乱・浪花 シコシス ●ハロウイン 14分23秒 エビ固め(トップロープからの合体パワーボム) 神田裕之 ○望月享 ダークネス・ドラゴン

私のお目当てはこの第一試合。こんなカードを見るためにノコノコ来るのは私くらいだろうな。
シコシスはTVで見たことがあるが生で見るのは初めてだったが、かなりカッコイイ。なんだかんだWCWでやっていたことだけはある。売り出し方次第では大人気になる可能性もあるのではないか。そして我が愛しのハロウィン君。恒例のボール入れをするのだが、一所懸命客を引き付けようとしていて頭が下がる。試合をやる前から場内を暖めている。この人ルードのつもりで全日本に来たのだろうが、今ではすっかりリンピオになってしまった。会場人気も結構高いので本人もノリノリで気持ちがいい。こういう人たちは乗らせるといろいろサービスしてくれていいね。キャラ的には甘辛な所がダンディ・フジに近いかな。しかし元WCWの美形ヒールとメヒコの元ルードと大阪のベタキャラとなんとも珍妙なチームだな。ただこの3人怖いくらいにチームワークがいい。

そしてM2Kの入場。モッチーはさすがに来ていなかったが、私にとってこの人たちは新生全日本の華ですね。神田もススムも23歳だからいずれこいつらが日本のジュニアの中心に居座るのは目に見えている。見たことない奴は早めに見ておけよ。参戦初期の頃は、会場に誰これ?というとまどいみたいなものもあったが、ここに来て大分認知されて来たようだ。バルコニーのブーイングは相変わらずだが、女性の声援も聞こえるようになった。ただ、何よりもこいつらモッチーなしでも存在感をつけてきたというか、貫禄というかオーラみたいなものも出て来た(まあ、オーラは少し大袈裟かもしれないが)。

この6人がリングに上がっただけでもワクワクするのだが、まずは選手コールから笑わせてくれる。ハロウィンが自分のコールの時にニュートラルコーナーのポストに登って格好良く観客にアピールしようとしたのだが、神田がさりげなくロープを揺らしてハロウィンは尻持ちを付いてしまう。
ハロウィンはあまりの醜態に怒り、控え室に帰ろうとするのだが、シコシスが一所懸命になだめる。まあ、これはハロウィンにとって受けを狙ったのではなくシュートだと思うが、面白すぎる。それにしても神田は悪い奴だ。

試合はまず、1対1の対戦から始まる。個々の実力ではM2Kはやや押され気味という感じだったが、一通り個人戦が終わるとM2Kがコンビネーション・プレーを見せてくれる。このM2Kの連係が凄まじい。スピード、キレで一気に有利に持っていってしまう。ダークネス・ドラゴンもマスクをしていない時は地味(バンパイア?)ながらもコンビネーションが上手い選手なので、若い二人の動きにいい潤滑油になっているようである。

試合経過は忘れてしまったが、随所でハロウィンの甘辛ネタを、とんがっているM2Kが付き合いながらもプロレスをする所が妙におかしかったし、シリアスな攻防での両者の動きや技のキレは半端ではなかった。例えば、浪花が例のカニ歩きをすると、コーナーでハロウィンとシコシスも一緒にカニカニしている所なんか、真剣に試合に入り込んでいるのが分かって感心してしまった。
終盤6人が円になっておのおの相手に技をかけ6人全員がヘッドバットをして6人ともダウンしてカウントが入ると一緒に起き上がるという芸まで見せてくれた。6人とも怖いくらい息が合っている。分かってはいるけど、あそこまでやられると面白すぎだ。どう見ても6人で練習しないとあの呼吸は無理だと思うが。最後は望月がハロウィンのスーパー・パワーボムをぱくってやんの。ハロウィンにしてみれば災難みたいな日だな。

はっきり言って、この試合だけで今日の元は取れたという感じだ。私の今世紀最初の生観戦の試合がこの試合なんて、さいさきいいね。それにしても14分という短い時間の中で、個々の持ち味を十分生かしながら全員のキャラクターを押し出すこの試合は凄いね。闘龍門の試合とも少し違う、笑いを入れながら高度な攻防も見せて敵とも呼吸が合っている、ある意味これは芸術品だ。やっぱ見に来てよかった。

2.荒谷信孝 ●土方隆司 平井伸和 16分28秒片エビ固め(ターボドロップ2) キム・ドク ジム・スティール ○ザ・セッドマン


キム・ドクである。何だかよく分からないけどキム・ドクであった。私的にはキム・ドクなんてあまり知らないし、それより全日本で初めて見る平井に注目だったのだが、終わってみればやっぱりキム・ドクだった。

まず一見した感想はデカイ!!少し胸が弛んでいるとか言う人もいるかと思うが、あのデカサはそれだけで説得力がある。
最初は殴る蹴るしかやらない。しかも1分くらいですぐ交代してしまう。しかしその殴る蹴るが何とも言えない説得力と音の凄さ。途中で、やっとダブル・アーム・スープレックスとパイルドライバーを打つのだが、なんか説得力抜群。

やっぱキム・ドクすげえぜ!
としか言い様がないな。

3.マイク・バートン ○モハメド・ヨネ 15分14秒片エビ固め(筋肉バスター) ジャイアント・キマラ  ●ダミアン666

前回、チョウシュー、テンリュー、オオニタ、最後に「今晩は、森進一です」をやった ダミアンを期待したんだが、キマラとは合わなかったみたいだな。残念。キマラは合わせようという気が無いらしく、ダミアンのキャラが立たなかった。

バートン・ショーみたいな感じだったけど、バートンも最近場の雰囲気を良く分かってきたようで、なかなかみせてくれる。圧巻はキマラにブレンバスターを打つところ。滞空時間約5秒。キマラもこんなの食らったのは初めてだろうか、かなり苦しそう。まあ、ヨネは元気がいいのは分かるけど、体が小さいんだからもっと工夫しないとな。バトの選手を相手にする訳ではないんだから正面から行っても無理だ。
もう少し面白くなると思ったが、こんなもんか。

4.○馳浩 ジョージ・ハインズ 22分19秒片エビ固め(ハインズドライバー) 垣原賢人 ●長井満也

今全日本の外人で一番人気のジョージ君。今日も大声援でした。久し振りの馳はちゃんと体が出来ている。大したものだ。垣原・長井は相変わらずUのテーマで。しかしこの4人全員坊主頭だ。

試合はU出身の二人に馳がネチネチと関節ショーを。私は馳は昔から好きになれないのだが、やはりこの人が入ると試合のテンションが高まるのは確かだ。しかもその馳のテンションに触発され他の3人も引っ張られて来る。特に真面目なジョージ君は何処で覚えたのかグランドでも対等に戦っている。ジョージ君は立っても良し、寝ても良し外人にしては珍しい。そのうち大化けするな。しかも馳とハインズなんて何の接点もないのに、これが昔から組んでいるのではないかと思わせるコンビネーションの良さで全く違和感を感じなかった。これもこの二人の実力だろう。

試合は途中から長井の闘争心に火がついて、馳を執拗にキックで追い込み、熱い展開になるが、最後はジョージが冷静にみちのくドライバー系の技(ハインズ・ドライバーというらしい)で終わらせる。しかしこの男は器用だな。

試合が終わっても馳に眼を飛ばす長井がたのもしいが、プロレスに慣れるのにはもう少し時間がかかりそうだ。それでもこの日はなかなか好印象であった。今後長井・垣原とM2Kとかが絡んだら面白いな。
昔からのオーソドックスなプロレスと今のプロレスがうまく溶け込んで、なんかプロレスを見たなぁという感じの試合だった。

5.○天龍源一郎 6分39秒 テキサスクローバー・ホールド ●奥村茂雄

天龍が圧倒的力を見せつけて終わらすか、奥村の技を一通り受けてあげるか、どちらかだろうと思ったが、両方だった。圧巻はコーナーポストで奥村のエルボーを1ダースくらい受けるが、顔が笑っているのである。そして奥村の1ダースを1発で切返してしまう。逆水平にいたっては、奥村の体が宙に浮いてしまった。まあ、ありゃ岩だね。

奥村は最近良くなっていたのだが、基礎体力が足りないみたいだな。エクスプロイダーを出せたのがせめてもの救いだが。まあ、こういう日もあるよ。

それにしても、この日の天龍は凄かったな。はっきり言って強すぎる。絶好調という感じだし、しかも顔が若返っていたぞ。川田、健介二人まとめて来なさいという感じだ。


6.第43代世界タッグ王座 決定戦
 川田利明 ●渕正信 23分54秒 片エビ固め (ハワイアン・スマッシャー) ○太陽ケア  ジョニー・スミス

なんで今更このメンツで世界タッグ王座決定戦なんて野暮なことは言いません。その代わりほとんど興味がありません。大体川田以外これではアジアタッグのメンツではないか。

試合は渕のバックドロップの奇襲から延々とスミスが捕まる展開に。スミスは序盤の猛攻が響いて最後迄あまりいい所は無かったな。しかし川田と渕のネチネチした攻撃は相手は嫌だろうね。
後半はケアの大踏ん張りでケア、スミス組の勝ちだが、それほど面白いという試合でも無かったな。正直言って。

だけど、スミス・ケア組というのはなかなか爽やかで感じがいいね。スミスもここでベルトを巻かせて流失を防ぐというところかな。この日頑張ったケア君はドームでも勝って大ブレークということにならないかな。



ということで、メインはしょぼかったけど(まあ、ハナから期待していなかったけど)、あとはかなり楽しめた。この日に限って言えば夜のGAEAよりも面白いくらいだった。これならまた見に行ってもいいかなという気になる。新生全日本になって寄せ集めから始まり、かなりぎこちない所が随所にあったのだが、自己主張や個々の個性は消えずに、だんだんとまとまって来たような感じがする。もしかしたら馳効果なのかもしれないが。ヤブ医者がいなかったのも安心感を高めたかもしれない。

だけど、今の全日本なんてただのインディーだとか、どうせそのうち無くなるとか言われているけど、若い選手にとっては絶好の仕事場だな。若い選手にとって満員の後楽園ホールや武道館とかで試合をすること自体経験になるし、自分たちと今迄接点の無かった全く違う出身の選手と試合をやったり、コーチしてもらえるのは貴重であろう。実際、神田と望月なんてそれで実力がメキメキついて来てるのが良く分かる。この二人は移動のバスでキニスキーにアドバイスしてもらっていたらしい。
ビッグネームを集めてお祭りだとか騒いだり、イエスマンしかオーバーさせないところよりも、プロレス界によっぽど貢献しているな。




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