1・4新日東京ドーム大会
■団体:新日本
■日時:2001年1月4日
■会場:東京ドーム
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

ワンデイ・トーナメントというのはかなり当たりハズレのある興行形式で、過去の記憶
に残る大会と言えば、全女の豊田初優勝のジャパンGP決勝、Jカップ1st、Kー1
GP等が挙げられると思う。
この形式ではどうしても避けられないのは(当たり前だが)、同じ人が同じ曲で入場
し(KOKの田村はともかく)試合をする事。バトラーツのBカップではプレミア性勝
負のバックランドが決勝まで上がったため、ありがたみという最大の武器が無効となり
決勝は彼のスタミナ切れと相まってちょっとツラい内容となってしまった。
だが、例えばJカップ1stのサスケやWARインタジュニアの外道、Jカップ3rdの
CIMAなど、決勝まで切り札を残しておく組み立てで、マンネリに陥らないように
工夫する選手もいる。この辺でその選手のセンスをかいま見る事ができると思う。

この観戦記を書くにあたって、「www.1wrestling.com」のライター,クリスさんと話した
が「4日のトーナメントはそれなりに良かったけど、Jカップとは比べられないね。」
と言われた。記憶に残るトーナメントとして他にIWA川崎球場を挙げてはいたが(内
容ではなく意義の方で)「中牧とクリスやエディーを比較する方に無理があるよね。」
との事。そりゃそうだ。

さて、試合前には一応トーナメントの勝ち上がりを予想してみた。普通に考えれば川田
対健介で「行って来い」だが、プロレスのトーナメントは多少の格差関係なく決勝は
初対決になりがちなもの。パンクラスKOP、Jカップ3大会、バトラーツBカップ等
全て初対決だ。と言うワケで蝶野対川田のシード選手同士の初対決を予想。ちなみに
Jカップの1回目も同様でした。まぁマニアの邪推はこの辺で・・・。

この日は当日ダフ屋から3千円くらいで買おうと考えていたが、どうにも強気で結局
金券ショップで5千円の席を5千5百円で買うハメとなってしまった。1枚ならともか
く頼み込んで一緒に観戦してもらえる事になった友人の分がどうしても取れなかった為
だが新世紀早々先が思いやられる。
入場するとすでに座席はビッシリ。外野席を完全に潰してしまった事は新日本のとって
もこれは誤算だったのでは?

さて第一試合。小島が何かと健介の対戦相手として重宝されているのは、それなりに
意味があるように思うがいかがなものか?週プロの宍倉次長は小島優勝を予想していた
そうだが、サスガにそれはちょっとな。
この試合で感じたのは小島が健介に対し全く格負けしてないところで、ダテにプライベ
ートでは「健介」と呼び捨てにしてないな、と思いましたよ。
試合には敗れたものの健介の得意のスポットに敢えてハマらず、終盤のラリアットの相
打ち後も先にラリアットを打ったトコロに、小島のこの試合への意気込みが感じられた
のが良かった。

第二試合の永田対天山は正直に言って勝ち上がっても川田、という組み合わせから余り
勝敗自体への関心は低かったように思う。一応2人とも2度目の対決だし。この試合の
個人的なポイントは、天山が放ったリバースのパイルドライバーで馳によるとコレは
禁じ手との事。
この技はオースティンが当時NWA王者の蝶野への挑戦時に使用し、首へのダメージを
大きくした技なのだが、後日談としてオーエンへのインタコンチ奪取の試合でまさに
致命的ダメージを今度は彼自身が受けてしまったという曰く付きのワザなのだ。
試合自体はこの2人の試合らしく、ほど良くまとまったいい試合だったと思う。

第三試合はジュニア21versionと銘打たれたタッグマッチ。大谷が卒業?した事で空席
となったところに真壁が座れるのかが問われる・・・というかファンに認めさせられる
かが、テーマだったと思うが残念ながらコレと言った印象を残す事なく、ノンタイトル
戦でタッグ王者との対戦であったものの、タイトル戦でのリマッチに持ち込める試合内
容でもなく終わってしまった。とにかく真壁にコレといった個性が見えてこないのが
その一因であるように思う。

第四試合は最近何故かドームでマッチメークされる事の多いヘビー対ジュニア。技巧派
対決という事であったが、これはドームには不向きで尚かつお互いの良さを消してしま
うミスマッチメークであったと思う。中途半端なスリーパーで決着したが、ちょっと
選手が気の毒だった。会場ではこの試合がトイレタイムとなっていたが、その判断は
正しかったようだ。

第五試合はトーナメント準決勝。相変わらず蝶野の人気は絶大であったが、試合になる
とかなりテンションが下がってしまう。健介の王者時代最初のタイトルマッチが蝶野戦
であったと思うが、その試合はさほど悪くなかった記憶があったので期待して臨んだ。
腕を痛めているという事を特に強調する事なく進行する事でクサ味がなく、まぁまぁの
内容だったと思う。ただ健介が滅多に出さない逆一本を第一試合に続いて出したのは
どうかと思うが・・・。

第六試合で川田登場。物が投げられる事はなかったが、大コールというわけでもなく
入場。全日本での会場での曲とアレンジが違うように感じたが、これは新日の入場曲集
のアルバムに収録するために新日側で用意したという事なのかな?ちょっとクドイ感じ
のアレンジだ。試合は天山のタフさが期待以上に試合を盛り上げ、あわや・・・という
シーンは特になかったものの中々の好試合で10・9の再戦での決勝となる。試合後に
はなかったコールが初めて退場時に天山に贈られたのは良かった。天山と川田の身長差
が思った以上にあったのは意外だった。

第七試合は武藤・大谷の凱旋試合であり、中西の結婚前の最後のビッグマッチであり、
大谷のジュニア卒業を知らしめる試合・・・のはずのマッチメークなのだが、その内の
どれを充たしたと言えるだろう?
大谷は少し太ったもののカットされてない上半身は観客に驚きを与える事はなく、中西
も大谷のアルゼンチンに怒りを見せた程度の印象しか残っていない。
まぁ最もインパクトがあったのは武藤のスキンヘッドだが、TVマッチデビューの6人
タッグを思い出させる姿に、心做しか若返ったような気にさせるから不思議なものだ。
大谷はアルゼンチンの他はスワンダイブや顔面ウォッシュ(この技?は個人的に大嫌い
だが)など、ジュニア特有の技を使う事で逆に卒業を印象づけさせる事ができなかった
と思う。フィニッシュはデビアス、オースティンと受け継がれたミリオンダラードリー
ム。もう少し長い試合を期待したんだが・・・。

第八試合は遺恨凄惨とのタイトルでの試合。このカードが決定した時は正直言って世間
にその意味がどれだけ伝わるものかと思ったが、結果は外野席を除き満員となった。
第七試合の武藤の入場曲は「ホールドアウト!」、「トライアンフ」そしてNWO時代
の曲の前振りが新テーマの前に少しずつかかったのだが、およそ5年前のテーマで結構
沸いていたトコロから古いファンも多く来ていたのかもしれない。ちなみにスペース
ローンウルフ時代の「ファイナルカウントダウン」はかからなかったが、アレは「トラ
イアンフ」がほぼパクリなので不要だったのかな?まぁ版権の問題か。
試合は橋本がコーナーから出ないという先の小川戦で見せたスポットで始まったが、
確かにコレは「怪しい試合」という印象を強める事ができる。
当然橋本が新日のリングに上がる以上はプロレスになるはずだし、これだけの動員力を
見せた以上再戦狙いでノーコンテスト裁定となる事は予想していたが、試合自体にそれ
を納得させるだけの内容を期待して見ていた。残念ながら両者ともコンディションが
想像以上に悪く、「これ以上やったら死ぬだろ」という言葉が6万人中、山崎と藤波の
頭以外に浮かばない時点でドラゴンストップで両者レフェリーストップという新解釈の
裁定が下る。
先のクリスさんも「2人共まだまだ戦えるように見える段階でのストップじゃ、ゴミが
飛ぶのも無理ないよね」と言っていたが、掲示板で見た意見の「カリスマ性のない人の
ストップがファンを納得させられなかったという側面もある」と、さも自分の意見の
ように話すとエラく感心されてしまった。引用されるかも知れないので、しばらくは
「www.1wrestling.com」も覗く事としよう。
<無断拝借した事を快く事後了承してくれたsupershootoさん、ありがとう!>

メインは普通の人なら大方の予想通りの川田対健介。ここまで来て「小結同士の戦い」
とは言わないが、あまりワクワクしない自分がいるのも事実。試合は2人らしく実直な
戦いぶりで、川田は準決勝では使わなかったストレッチ・プラムを交えながら展開。
生観戦だからか前回よりも面白かったように思うが、これはお互いに2、3試合目で
短期決戦を望んだ事にも関係しているかと思う。
最後はノーザンライト・ボムという川田にとっては先の3冠戦と同じ技での敗退という
皮肉な結末で終了。終了後はそそくさと帰ったものの、開始しばらくのセミの結末への
不満を(少なくとも試合中は)忘れさせただけでも良かったと思う。

まぁ総括としては長州対橋本再戦、健介プッシュの確認という予想通り(しかもファン
が望んでいない)の結末となってしまったが、新年早々記事となる出来事が少ない事も
あり、各スポーツ紙の一面を不祥事?が飾ってしまった事で少しは考え直してくれる
ならそれでいいかという感じ。プロレスの仕組みを見せたかのようなアングルの成功は
今後の試金石となり、もう少し踏み込んだモノを見せていく事になるかも知れない。
ますます(この言葉は余り使いたくないが)シュマーク層を対象にした営業戦略を
考えてくるような気がする。

ちなみにクリスさん他、正月プロレス観戦したアメリカ人ファン5人の各興行総括は
ベスト興行が3日の全女でベストマッチは同日メインの伊藤対三田。
ワースト興行は大日本との事でした。ハヤブサが出ないという事でFMWを観戦しない
という人が数人いたのはちょっと意外だったな。新日は「まぁまぁ」だそうです。
この観戦記のためにオールタイムベストのワンデイトーナメントを聞くと、全員が
「Jカップ1st」と答え、全然参考になりませんでした。

▽第9試合 第27代IWGP王座決定戦(時間無制限1本勝負)
○佐々木健介 <体固め:10分30秒> 川田 利明×

▽第8試合 遺恨凄惨(時間無制限1本勝負)
長州 力 <両者レフェリーストップ:15分20秒> 橋本 真也
 
▽第7試合 武藤・大谷凱旋帰国試合(60分1本勝負)
武藤 敬司 ○大谷 晋二郎 <コブラホールド:5分44秒> 中西 学 獣神サンダー
・ライガー×
 
▽第6試合 IWGP王座争奪トーナメント準決勝(時間無制限1本勝負)
○川田 利明 <パワーボム:10分45秒> 天山 広吉×

▽第5試合 IWGP王座争奪トーナメント準決勝(時間無制限1本勝負)
×蝶野 正洋 <ストラングルホールドγ:11分28秒> 佐々木健介○

▽第4試合 Technical Wrestling(30分1本勝負)
○飯塚 高史 <裸絞め:6分12秒> ケンドー・カシン×

▽第3試合 SUPER Jr. 21Version(30分1本勝負)
田中 稔 ○金本 浩二 <かかと固め:18分2秒> 高岩 竜一 真壁 伸也×

▽第2試合 IWGP王座争奪トーナメント1回戦(時間無制限1本勝負)
×永田 裕志 <片エビ固め:16分45秒> 天山 広吉○

▽第1試合 IWGP王座争奪トーナメント1回戦(時間無制限1本勝負)
○佐々木 健介 <逆エビ固め:16分33秒> 小島 聡×




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