これぞ新日本!(ネガティブヴァージョン) 1/4 新日本東京ドーム大会観戦記
■団体:新日本
■日時:2001年1月4日
■会場:東京ドーム
■書き手:愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 さて、新年、明けましておめでとうございます。
 今年も色んな興行を観て、思い、考え、学び、そして皆さんに喜んで貰えるような観戦記を書いていく所存でありますので、今年もよろしくお願いします。
 というわけで、年頭の書き初めにも「遅筆を直す」と一筆献上したことですし、さっそく1月4日のプロレス初めである東京ドーム大会の観戦記といってみましょう(それでもまだ二日遅れだが)。

・・・

 特に魅力的なカードがあるわけでもないのに「つい1月4日はドームに行っちゃうんだよね」というファンは多いと思う。手前もどっちかと言えばその口だったりする。まぁ去年は行かなかったんだけど、今年は早くから観戦することを決めてた。
 とはいえ、チケットを入手したのは当日。長州vs橋本効果で前売りは結構伸びたらしく、JR水道橋からドームに続く歩道橋のダフ屋連中も「買い」の声のほうが多かった。とりあえず手前は水道橋の「T1」なるチケット屋で友人H君と、その彼女のぶんの立て替えと併せて購入(ところでこの店って正規のルートでチケット仕入れてるのかしら? いや、なんせ三万円席の招待券を半額で売ってたりしたもんだから、ちょっと気になった)。
 ドームに入って席を確認すると、なんと花道を真っ正面に見据えた位置。こりゃいい席が取れたもんだ。新年早々縁起がいい、と思ってたら、隣の席に座ったおねいちゃんがヤンキーだった。新年早々ロクなことがない。
 この時点で、二階席はほぼ満員。一階席には空席もちらほら見えたが、最終的には埋まってた。超満員といって文句無いでしょう。まぁ「6万2001人」という、いかにもとってつけたような公式発表はどうかと思うが。

 そうこうしてるうち、ほぼ定刻通りに選手入場式がスタート。「ワールドプロレスリング」のオープニングテーマであるEL&Pのあの曲(タイトル失念)がイントロからフルバージョンでかかる。いかにも金がかかってそうなゲートの真ん中に設置されたエレベーターに、タキシード姿の藤波が現れた。
 曲が転調し、あの「♪パパーパパーパパラーパラーパラー」というお馴染みのファンファーレに達した瞬間、エレベーターから降りてきた藤波を先頭に選手一同の入場行進が始まった。そのタイミングの見事さたるや後藤と小原の犬軍団の連携プレーを見てるようであった……って、これじゃなんとなく聞こえが悪いか。いや、とにかくバッチリなタイミングだったのよ。リハーサルとか入念にやったんだろうなぁ、と思わせてくれたというかなんというか。

 全選手がリングインし、藤波社長の挨拶。
「新年、あけましておめでとうございます。正月恒例の東京ドーム大会に多数のご来場ありがとうございます! 21世紀を迎え、我が新日本プロレスも創立30周年に剥けて、選手、社員一同頑張っていきたいと思いますので、本年もよろしくお願いします」(大意)

 その後、田中リングアナからの前口上とオーロラビジョンを使ったカード発表へと続き、第一試合が開始。


 第一試合 IWGP王座争奪トーナメント一回戦(時間無制限一本勝負)
 ○佐々木健介(16分33秒 逆エビ固め)小島聡×

 21世紀、愚傾のプロレス観戦はこの試合から始まった。

 ゴング後、先制攻撃をしかける小島。場外にエスケープした健介にトペ一閃。さすがに客の暖め方を知ってる……と思いきや、場外でいきなり流血。新年一発めの試合から流血を見るとは思ってもみなかった。今年は例年よりも多めに流血戦を観ることになるのか? うーん、手前はこれでも流血戦の少ないNOAHと闘龍門のファンなんだけどなぁ。いや、別に流血が嫌だってわけじゃないんだけど、女の子とか連れて行きにくいんだよなぁ、血が出る試合は。まぁ女の子をプロレス会場に連れていく予定はいまのところまったく無いんだが。悲しいことに。

 小島はその後、ラリアット封じのためか徹底して健介の右腕を攻める。
 この時、隣で観戦していた手前の友人H君が一言。

「健介、蝶野との準決勝で右腕を執拗に攻められて不覚を取りますね…」

 H君、キミと初めて逢ったとき、キミはもうちょっと素直なファンだったはずだぞ。いったい誰にそんなひねくれた物の見方を教わったんだ?

 最後は去年のG1を制した逆エビ固めで健介がタップアウト。

 ところで、今回は二階席の上のほうで観ていたんだけど、両国あたりでは会場に隅々まで響き渡る健介のチョップの音が、やっぱりドームの二階席となるとあまり響いてこない。そう考えると、ドームでの打撃戦っていうのはあまり得策では無いのかもしれん。今年、新日本は五大だか六大だかのドームツアーを計画しているそうだが、そうすると打撃系レスラーである健介と川田の使い道っていうのは熟慮を要する問題と言えるんじゃないだろうか。


 第二試合 IWGP王座争奪トーナメント一回戦(時間無制限一本勝負)
 ○天山広吉(16分45秒 ムーンサルトプレス)永田裕志×

 この試合、手前は永田が勝って、去年末の大阪の「タッグ日本一決定戦」の決着をつけると思ってた。
 が、結果は逆。ちょっと意外に思ったけど、よくよく考えてみれば天山は永田にシングル二連敗中だったりするので、さすがに序列で並んでる者にシングル三連敗ってことは無いわけで、そういう意味では順当と言えるか。
 それに準決勝で当たる川田としても、永田よりは天山のほうがスイングしやすいだろうし。


 第三試合 SUPER Jr.21Version(30分1本勝負)
○金本浩二、田中稔(18分2秒 かかと固め)高岩竜一、真壁伸也×

 高岩・真壁組が先に入場し、Jrタッグ王者コンビは後から入場。
 王者コンビはテーマ曲に田中稔のもの(B'zの英語詞のアレね)を使ったんだけど、それを見たH君がまた一言。

「金本がピンを取るんでしょうね。そうじゃないと金本のテーマ曲がかからないですもんね」

 いや、まぁ確かにこのコンビは女性人気が一番高いわけだからそういう配慮も必要だとは思うけど、しかしH君よ。どうしてキミはそんな風になっちゃったんだい? しかもその予想がドンピシャで当たってしまったじゃないか。プロレスファン歴2〜3年でブックを簡単に読んでしまうH君が凄いのか、ファン歴2〜3年の青年にブックを読まれてしまう新日本がダメなのか……うーん。


 第四試合 TechnicalWrestling(30分1本勝負)
 ○飯塚高史(6分12秒 裸絞め)ケンドー・カシン×

 手前は仕事が休暇に入ると昼夜が逆転してしまうという悪い癖がある。
 この日も前日の夕方に起きて、一睡もしないまま東京ドームに足を運んだんだけど、そのお陰で眠気のピークがここにきてやってきた。H君に「終わったら起こしてくれ」と頼み、目をつぶる。

 ………六分後、そろそろ夢の世界に入ろうかという頃、H君に肩を叩かれて起こされた。

愚傾「ん? もう終わったの? 面白かった?」
H君「いやー、典型的な消化試合っすね。石沢もハイアンに負けてから扱いが悪いなぁ」

 H君よ、(以下略)。


 第五試合 IWGP王座争奪トーナメント準決勝(時間無制限一本勝負)
 ○佐々木健介(11分28秒 ストラングルホールドγ)蝶野正洋×

 蝶野の入場時、この日これまでの試合で一番の歓声が飛んだ。やはりいまだ神通力は衰えてないようだ。

 が、試合は特筆すべきものは無し。というか、前の試合で中途半端なところで起こされたので眠気が覚めなかったので覚えてない。まぁ、眠気の覚めるような試合では無かったということで。

 しかし、蝶野が勝つと思ったんだけどなぁ。


 第六試合 IWGP王座争奪トーナメント準決勝(時間無制限一本勝負)
 ○川田利明(10分45秒 パワーボム)天山広吉×

 川田、ガウン着用で入場。心なしか入場テーマがマイナーチェンジしたような。気のせいか? なんとなく全日本の昨年最終戦武道館大会で聞いたのと違ったような気がしたんだけど。
 まぁそれはいいとして、オーロラビジョンに映し出された表情を見ると、川田は気合満点! リングインする直前、花道で例の屈伸運動で呼吸を整えてた。よしよし、やっと川田も「花道でやるべきこと」がわかってきたか。

 試合は予想通りの打撃戦。天山のヘッドバッド、川田のチョップ、キックがめまぐるしく交錯した好勝負となった。最後はパワーボムで川田がピン勝ち。やや唐突な感もあったけど、まぁ良い勝負だった。試合後に起こった天山コールがこの試合のすべてでしょう。


 休憩。
 田中リングアナは10分間といっていたけど、たぶん20分くらいはあったと思う。まぁトイレが男女ともに凄い行列だったので丁度良かったと気もするけど、それならせめて「15分」とアナウンスすべきじゃなかったかな、とも思う。

 休憩明け、当日はメキシコにいたという猪木からビデオメッセージが流れる。最初の「元気ですかー!」以外は、相変わらず何を言ってるのか殆どわからない。音響が悪いのか、それとも猪木の声質が悪いのか、そうじゃなくて猪木の喋ってる内容そのものが意味不明瞭なのか。たぶん全部正解であろう。ちなみにダーッ! は無し。

 第七試合 武藤・大谷凱旋帰国試合(60分1本勝負)
 武藤敬司、○大谷晋二郎
    (5分44秒 コブラホールド)
         中西学、獣神サンダー・ライガー×

 手前としてはこの日二番目に楽しみだったカード。

 入場は中西組から。最初に「怒りの獣神」がかかったので「ほう。新日にしては珍しく一人ずつ入場かぁ?」と思ったが、すぐに中西のテーマ曲に切り替わった。で、この曲が合体バージョンというわけでもなく、ただ単に獣神のテーマのさわりだけ流して、その後に中西のテーマを繋げただけ。それだったら最初っから中西のテーマだけでいいじゃんと思うんだが、まぁそんなことはいいや。

 続いて武藤組の入場。イントロ部分に武藤がこれまで使ったテーマ曲三つのさわりの部分をチラッと聞かせ、そこから新テーマ曲に移行し、その瞬間にフード付きのコートを被った武藤と、明らかに体が大きくなったのがわかる大谷が花道に登場。
 大谷は客席に自らの肉体を誇示するように胸を張って歩き、武藤は時折フードに人差し指でたくし上げ、客席の様子を伺う。そしてリングインする直前にバッ! とフードをひっぺがして自慢のツルッパゲを客席に披露。その仕草の一つ一つがどれをとってもかっこいい。Natural Born Masterの名に偽り無し!(もっともそれがどういう意味なのかよくわからんが)

 試合は武藤と大谷の奇襲で始まった。武藤は中西をドラゴンスクリューで、大谷は獣神を投げ捨てジャーマンでそれぞれ吹っ飛ばした。

 その後も、試合は武藤vs中西、大谷vs獣神を中心に進む。特に目立ったのはやはり大谷。中西の前でこれみよがしに獣神をアルゼンチンに持ち上げてパワーの片鱗を見せたかと思えば、Jr時代からの代名詞、顔面ウォッシュを中西に見舞う(これは最後にスピアーで切り返されたが)。武藤を攻める中西をスワンダイブドロップキックでカット。
 圧巻だったのは、獣神のカウンター掌打、串刺し掌打、垂直落下ブレーンバスターという一連の攻撃からのフォールをカウント1で返したところ。
 最後は胴締め式コブラクラッチ(コブラホールドというらしい)でライガーが失神。

 勝ち名乗りを上げながら、ライガーの頭を踏みにじる大谷。あれほど拘っていた「ジュニアヘビー」という冠を、キレイさっぱり海外に置いてきた、という覚悟の程がうかがえた。これで名実共に「Jrからの卒業」は果たしたと言えるんじゃないだろうか。

 実は大谷っていうのは、個人的に新日本の中でもかなり好きな選手だったりするのでこういう形でのオーバーは嬉しいものがある。願わくば、一人称も二人称もフルネームだったりするところや、「汚らわしい! あっちへいけ!」といった言葉のセンスまでは変わらないで欲しいものだ。


 セミファイナル 遺恨凄惨(時間無制限一本勝負)
 △長州力(15分20秒両者レフェリーストップ)橋本真也△

 さて、と。この日、手前が一番楽しみにしていたカード。
 とりあえずは試合の流れを追っていきますか。

 入場は橋本が先。アリーナ席には「闘魂伝承」「ZERO-ONE」「破壊王」といったのぼりが二十本近くも立ち上がる(ちなみに長州ののぼりも肉眼で見た限り、一本だけあった)。
 後から「パワーホール」に乗って長州入場。この時点での歓声のボルテージは長州の勝ちか。

 ゴング後、コーナーに留まる橋本。そして何を思ったか、いきなり場外花道に出てしまう。場内は大ブーイング。
 田山レフェリーに促されてリングに戻るやいなや、猛烈な勢いでチョップとキックを乱打する橋本。おお! 橋本のこんな力強い姿を見るのは去年の大森戦以来じゃないか! ……といっても、まだあれから二週間も経ってないんだが。まぁとにかく、鬼気迫る表情といい、エグい攻めだった。場内ヒートアップ。その勢いで田山レフェリーを吹っ飛ばす! 田山レフェリーはダウン(これまでレフェリーバンプといえばタイガー服部の十八番だったはずだが)。

 しかし、長州もやられてばっかりではない。横殴り式のラリアットやバックドロップで形勢を逆転する。その後はお互いに一進一退。リキラリアット三連発を食らっても倒れない橋本。重爆キックとケサ斬りチョップに倒れても、何度でも立ち上がる長州。短期決戦が予想されたが、それらの下馬評を覆す打撃戦。しかも、お互いに殆どフォールを取ろうとしない。狙うはKOによる勝利のみ! ノー・ギミック!! ノー・テクニック!!

 が、この一進一退の力の攻防は藤波による「殺し合いじゃないんだー!」という台詞によって不可解に幕を閉じた。客席からは、怒号と罵声と紙コップやペットボトルといったゴミクズが飛び交いだした。

 というわけで、ざっと試合の流れを追ってみたが、この試合について各方面の評判は著しく悪いようだ。
 まぁ、当然といえば当然だと思う。
 手前も「橋本の負けは無い。おそらくノーコンテスト。決して長州にとって美味しい仕事じゃぁない」という予想はしてたわけで、手前ごときの予想が的中するブックなんぞ面白くもなんともないという意見はわかるし、多くの観客が感じたであろう「後味の悪さ」もよぉくわかる。
 そもそも長州も橋本も、ストンピングを落とすときには必ず片方で足踏みするという基本ラインを守っていたのに「殺し合い」もクソもないだろう、とも思う。

 けど、敢えて言う。手前は楽しめた。
 何より、試合の前、試合中のムードは殺気が溢れててゾクゾクきたし、会場のボルテージもMAXに達してた。長州も最後は足下がフラフラになりながらも、よくぞ最後まで間を持たせたと思う。15分という、大森やグッドリッジより長い試合時間も、いかにも長州らしいしたたかさが感じられて良い。
 藤波裁定というブックにしても「両者リングアウトよりマシじゃん」と思うし、さして文句は無い。強いて言えば、その瞬間のマイクをしっかりやって欲しいというくらいか。つまり、試合の終わりを告げる藤波のマイクが、客席で聞いてる限りは何を言ってるのかまったくわからなかったということが不満だ。もしこれがビンスだったらどれほど上手くその場を煽り、そしてまとめてみせたことか。その点はおおいに不満だ。

 まぁこういった感想に対して「お前は新日本に対して求めてるものが低いからだ」という批判もあろうが、それはその通りだと思う。反論する気も無いし、またその余地も無い。「カラスは黒い」「ウサギは白い」「愚傾はハンサム」というのと同じくらい正しい意見だと思う。

 だって手前は、新日本は「裏切り」で歴史を紡いでる団体だと思ってるもの。「裏切り」の無い新日本なんて新日本じゃないじゃん。新日本という団体は、ファンを裏切って、さらに裏切って、これでもかというくらいに裏切って、そして何年かに一度「大爆発」する団体だと手前は考える。というか、「裏切り」で作った鬱憤無しに「大爆発」はあり得ない。

 だから今回の「裏切り」にしたって、手前は来るべき「大爆発」に備えた予定調和だと考えるようにした。そう考えれば、今回のブックに対する不満はまったく無い。普段から「昭和ファン」を自称する連中どもは、むしろインチキ臭いこの結果に手を叩いて喜ばなきゃいけないんじゃないの? とすら思う……というのは無理矢理すぎるフォローだろうか?

 ま、現在の新日本がそれだけ高次元なレベルで大衆のネガティブ感情をコントロールできるのであれば、この団体は今頃もっとでかい企業になってるわな、とも思うが。

 最後に、藤波が乱入したときに、手前の近くに座っていたファンの叫びだけは書いておかざるを得ないでしょう。ただし、手前がその意見に同意する、というわけでは決して無い。しかし、多くのファンはこういう風に思ってるよ、ということが新日本に伝われば幸いだ。

「こんなんじゃ本当にPRIDEに負けるぞ!」


 メインイベント 第27代IWGP王座決定戦(時間無制限一本勝負)
 ○佐々木健介(10分30秒 ノーザンライトボム)川田利明×

 というわけで、この観戦記、セミの試合でかなりの行数を食っちゃいましたね。読者諸兄としてもさぞかし疲れたことでしょう。今大会の総括じみたことも書いちゃったし、もういいよ、って感じではないでしょうか?

 で、実はそれは、この日の観客も同じ心境だったりする。
 メインが始まるまで、客席からリングへの集中力はまったくといっていいほど無かった。先のセミのブックに関して特に不満は無いと書いたが、こんな状態で試合をさせられる川田と健介は気の毒だと思った。それがあの試合のブック以外で不満に感じたこと。

 で、試合はガウンではなくTシャツを着用し、また背筋が曲がった状態でいまいち気乗りしてないような表情で入場する川田を見て、健介の勝利を直感した。しかも、川田の場合は得てしてそういう直感が当たりやすいから困ったものだ。ここ2〜3年の川田は入場するときの気合いの入れようで試合結果が読めるケースが多すぎる。先の天龍との三冠戦は例外だったが。

 とはいえ、凡戦だったのかというと、これがそうではなくなかなかどうしていい試合だった。川田と健介というのは非常に手が合う組み合わせなのであろう。
 迫力のある打撃戦で徐々に観客の熱を高め、フィニッシュのノーザンライトボムのときにはカウント3の大合唱が沸き起こった。メインとして、やるべきことはやった、と言っていいのではないか。


 しかし、試合終了後、会場のいたるところから「長州でてこい!」「橋本、それで終わりか!」といった罵声が再び飛び始めた。
 手前の隣に座っていた友人のH君は薄ら笑いを浮かべながら
「カッネ返せ! カッネ返せ!」
 と「金返せコール」を巻き起こし、周囲に派生させていた。

 H君、つくづくイヤなプロレスファンに育ってしまったようである。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ