12/22KOK−B雑感〜リングの神様ありがとう!
■団体:RINGS
■日時:2000年12月22日
■会場:大阪府立体育館
■書き手:メモ8(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 興行アングルといえばオフィシャルの宜久日記だけで、どこまで埋まるものかと思ったKOK−B。カード的にも去年ほどのインパクトないしなあ。

 暮れも押し詰まったこの時期にロクに告知もせずに(当初は6時開始発表だった)、平日の5時開催ってのは、ちょっと何だよなあ。それにちゃんと間に合うように、東京から行くおれもおれだが。やはり入りは悪い。開始時には、アリーナも2Fも、3割程度が。最終的には、6割強といった感じで何とかカッコがついたという感じ。しかし、2Fの後ろの方は、結構席潰していた。

 場内に入ると、リングの上で成瀬が動いている。おおう、もうそこまで回復しているのか。がんばって欲しいなあ。オフィシャルの板で自分で書いていたけど、椎間板ヘルニアで、メス入れて復帰したスポーツ選手なんて皆無と言っていいわけだから、復帰できるという例を作るだけでも意味があると思う。

 前田CEOは、例によって赤ジャケの下はセーター。だからやめろっちゅうに。しょうがない「CEO、赤ジャケの下はちゃんとネクタイしろ」キャンペーンでも始めるか。

 10分のオシで例によって全選手入場から。バヘット、デカいなーと思ってたら、アミランの方がもっとデカい。そりゃそうか。3月20日でデイファ有明で興行決定だそうだ。止めて欲しいなーここは。不便だわ見難いわオシャレ度はリングスに全然似合わないわ、後楽園ホールでいいじゃんなあ。ディファの方から営業でもしてるのかな。

 審議委員は、藤原、西と、本日初顔の慧舟會東京本部のオオカワシンイチロー。レフェリーはいつもの通り。


<1回戦、5分2R>

○ボビー・ホフマン(1R43秒、KO)ヨープ・カステル×

 肘サポ着用のホフマンには、モンテとヒューズ(双子のどっちだかはわからん)。カステルにはお懐かしのナイマンとオーフレイム兄弟。双方OFG着用。つーか今回はOFG着用しなかった選手ゼロ。

 予想通りの大味な殴り合いから、押し込んだホフマンのパンチの連打で、カステル、しゃがみ込むようにダウン。しょっぱい。負けたわりにはサバサバしてるしな。そういうもんだと思っちゃっているんだろう。


×リー・ハスデル(2R8秒、KO)ヴォルク・ハン○

 ええと、ハスデルのセコンドのスキンヘッドは誰だろう。フリーマンみたいな顔してるんだけど、小さいから違うような気がする。一方遂にKOK登場のハンには、ズーエフ、パコージン、ノダリと、オールキャスト。

 接近戦で打ち負けないハン。組むとサバ折り気味にひねり倒して上になる。ウマい。しかもハン、研究してるなあ。中途半端にインに入らず、中腰の体勢から重そうなボディーパンチをガンガン。マウントからの十字をしのがれ、リバースされたなんてシーンもあったが、1Rから、ほぼ圧倒。2R開始早々に、打ち合いからショートアッパーが見事に決まってKO。パンチが自然に無理なく出てる感じ。40近くになってこれって、モノ凄いんじゃないか。

 ヴォルク・ハン最強!!!


○トム・サワー(1R10秒、KO)アンドレイ・コピィロフ×

 サンビストは素手と豪語していたコピィも、遂にOFG着用。と思ったら、あっとうまにKOされちゃった。まあ、当り浅かったし、コピィのキャラ出まくりで悪くなかったが。


×アレシャンドリ・カカレコ(2R2分45秒、アームロック)金原弘光○

 ファスVTのシャツ着用のカカレコにはレイタウンJr。金原には成瀬がつく。

 ゴング早々、カカレコのタックル早い! なんとかこらえて得意の「バックからして」戦法に持ち込む金原。例によっての金原ワールドが展開。腕狙い。一方のカカレコは、アキレスやら膝十字と足を狙って。面白いなこの選手。噂通りに強い。が、金原がもっと強いのには、口アングリっていう感じ。それほど、コントロールしまくりだった。最後は、グラウンドでのバックから腕を取って、ゴロンとしてのモノ。いやあお見事。


×ヒカルド・アローナ(延長判定0−3)エメリヤーエンコ・ヒョードル○

 アローナ、サンボの足関節を警戒してか素足。ヒョードルにはロシアオールキャストセコンドに加えて、後楽園にも来ていた背の高い痩身のおやじ。

 いやあ、とにかく、この日のベストマッチでしょう。アローナのタックルにあわせるヒョードルのパンチ、とにかくシャープでキレる。極まりそうもない(わりにはアローナ、外すの苦労していたから馬鹿力なのかな)フロントチョークですぐ引き込んじゃうし、ポジション取りという意味ではさっぱりなんだが。アローナはマウントからV1狙い。極まらないと、違う方の手を狙っていくあたりが凄い。ヒョードル、説明不能なリバースも見せながら無表情ぶりが不気味。180ちょっとしかないのに、100キロ超えてるナチュラル腹ボテぶりが、おれ好み。

 延長に入ると、アローナ、徐々に気弱な表情を見せるようになる。数は多くないけど、タックルに行く瞬間のカウンターが確実に当っている感じ。この辺の印象点もあってか、延長判定は文句なし。とにかく2人ともメチャつよ。いやあ、面白かった。


×イリューヒン・ミーシャ(2R1分53秒、KO)高阪剛○

 ミーシャのセコンドには、オールキャストに加えてハンまで出てくる。TKには成瀬とケビン山崎。右足の膝にはテーピングが痛々しい。オフィシャルやらイトイ先生のサイトでの文章はかなり強がってると見た。

 TKのグラウンドはホント安心して見られるなあ。ミーシャが上取っても、あっさりTKシザースだし。しかし、それに比べてスタンドの打ち合いの危なっかしいことったら。ミーシャはハンと一緒に練習したようで、至近距離からのアッパーを再三。しかし、2Rに入って首相撲からの膝も交えたTKが、殴り勝つ。ヒヤヒヤもので心臓に悪いぞTK。しかし勝ち名乗りは、堂に入っていて滅茶苦茶カッコいい。


×カーロス・バヘート(判定0−3)クリストファー・ヘイズマン○

 KOKルールでもバヘートはバヘートだなあ。ブラジル国家をテクノ風にした入場曲はカッコよかったんだが。基本的にプライドのボブチャンチン戦と同じ。一方のヘイズマン、スタンド相当練習してきたようだ。飛び込みざまのパンチがそこそこ当る。2Rには明らかに目に見える有効打でポイント稼いで。この日最高のアップセット。

 アローナにしろ、バヘートにしろ、TOPチーム、KOKルールを見切ったつもりでナメてたところが裏目に出たというか。


×ビターゼ・アミラン(1R4分38秒、腕十字)山本宜久○

 そしていよいよヤマヨシ様の登場だ。相変らずのユルい腹は、前田CEOからの一子相伝! 炸裂するか多摩川低空アッパー!

 いやあ、おれはアミラン相手にシバキ合いに行くかと思っていた。しかしどうだ。ちゃんと考えてタックル狙い。頭も使っているな! アミラン、随分練習した模様。タックルは丁寧に切っていくし、顔面狙いの左ジャブがキレていた。さすが極真ベスト16。ヤマヨシのタックル、馬鹿正直過ぎて笑われていたけど、そんなに悪くないと思うぞ。切れられるところまでは予想の範囲なのだ。問題はそこから。丁寧に手を伸ばして片足掴んで倒していく。2度目のテイクダウンから腕十字。

 心底うれしそうに、ニヤーっと笑ったヤマヨシの表情が素晴らし過ぎた。

 アミランに向けて、激怒するノダリに、現在のリングスを見た。


 休憩。


<2回戦、5分2R>

×ボビー・ホフマン(延長0−3)ヴォルク・ハン○

 ハンは強い。もうそれはこの試合でよーくよーくわかった。ホフマンとがっぷり4つ組んだ姿勢から捻り倒して上になれる人間が、どれだけいるというのだ。ベタベタな打ち合いは避けて、スタンドは出会い頭のパンチの応酬だけに絞り、数発当てたら、組み付いて上になり足関節は狙わずパンチ。KOKで勝つということを考えてハンが練り上げてきた戦略がこれ。

 本戦では、確かにホフマンが上になった回数の方が多かった。ここでホフマンの勝ちでもしょうがないと思う(西先生のみホフマン)。しかし、延長ラウンドはスタミナも切らすこともなかったハンが、間違いなく取ったし、これはこれでもういいんではないか。

 判定基準がどうのとか言う前に、我々は我々が愛してきたハンの現在の戦いを刮目して見つめるだけで満足すべきではないのか。最初で最後のKOKとか言っているし、もうそんな機会はないだろうけど、純粋なVT(なんてものは、もうどこにもないが)をやるなら、その時にはハンはそこで勝つ為の方法をキチンと考え、さらに彼独特の味付けを加え、ハンマジックを見せてくれるだろう。男の鏡だヴォルク・ハン。

 何回書いても書き足りないぞ。ヴォルク・ハン最強!!!


×トム・サワー(2R4分14秒、KO)金原弘光○

 サワーが結構グラウンド出きるんでびっくり。まあ終始金原余裕があったが。最後は、左のハイからパンチの連打。

 おれは田村も含めてインター勢は嫌いなのだ。しかしもういいだろう。リングスファンの愛に包まれて、誇らしげな金原を見ていると、おれも心底気持ちよくなった。強さは元々お墨付きだ。これからもリングスを頼むぞ金原!


×エメリヤーエンコ・ヒョードル(1R17秒、ドクターS)高阪剛○

 開始早々の一瞬の打撃の交錯でヒョードル、右目尻を大きくカット。ぎゃあああああ、これは見たいようで見たくない一戦だった。ヒョードルがあまりに凄すぎて、TK危うしという感じだったから。

 怪我が多かったり、いつも、ここ1番でツキのないTK、こんなことがあってもいいよね。


×クリストファー・ヘイズマン(1R3分57秒、KO)山本宜久○

 まあね、確かに打撃で押されていたんだよ。危なかったんだよ。それが左内股(というより膝)へのローが効いてきた挙句、最後は逆の右足へのローで、ヘイズマンを粉砕。これは素直に「スネをビール瓶」の成果が出たと考えるべきだろう。

 こんな勝ち方で田村に「決勝終わったら1対1でやりましょう」なんて言っている場合じゃないとか、決勝でヤマヨシが勝てる奴いるのかとか、今からそんなこと言わなくてもいいだろ? 一緒に苦労してた練習生も感極まって男泣き。それ見たおれも貰い泣き。


 リングスファンとしては心底面白い興行だった。勿論、たまたま結果オーライなだけだ。興行としての総合の未来は暗いという想いは深くなるばかり。同体重のカカレコをあれほど圧倒した金原は、10キロ以上重いスペーヒーやババルには永遠に勝てない(と思う)。それが哀しいリアル。

 しかし、リングスはここに来てしまった。ジャパンの3人とハンが残って、これで両国もそこそこ入るだろう。厳しいリアルの中でリングスは今回も何とか持ちこたえた。

 リアルだからこそ、こんなファンタジーが生まれる夜もあるのだ。

 ありがとうリングの神様。




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