12/17修斗NK大会観戦記
■団体:修斗
■日時:2000年12月17日
■会場:東京ベイNKホール
■書き手:うしをたおせ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

なんだかいろんな意味で盛り上がってしまった修斗NK大会。観戦記を。
10分遅れで開始。相変わらず、華やかな演出。今年の激闘を振り返るような映像、
いつも通りにかっこよく浮かび上がる全選手のシルエット。去年みたいにしつこすぎず良かった。
でもスクリーンの回りのライトはやめてほしい。せっかくの映像がみんなぼやけて見にくいったらない。
まあ書くこと色々あるから試合に行きます。


第1試合 レイ・クーパーvsアレックス・クック
○クック[1R 1:44 ネックロック]

クーパー左ストレートで攻め、クックを後退させる。組み付き、クーパーが一気に両差し。そのまま
押し込み、テイクダウン。で、一気にサイドへ。クックは凄まじいブリッジを繰り返し逃げようとするが、
クーパーがっちり抑え、逃さない。クーパーがそこからどう攻めるのか楽しみに見ていたら、
いきなりゴング。さっぱり分からないので呆然。場内もシーン。スクリーンのリプレイを見直したら、
下からクックがクーパーの首を抱え締め上げてる。で、クーパーがタップ。なんだそりゃ(笑)。
見たこともないような力業。クックじゃなきゃ出来ない。しかもクックはお約束通り、ゴングの後、
クーパー突き飛ばすし。暴れん坊クックは健在。こうやってこの興行の1本(KO)ラッシュが
始まった。


第2試合 加藤鉄史vsダン・ギルバート
○加藤[1R 4:28 スリーパー]

ギルバートがタックル。鉄史がパンチ出しながらもがっちりがぶる。鉄史がサイドを取りかけるような
形になるが、ギルバートは両手で鉄史の片腕を取ったまま動かない。鉄史も腕が抜けず、空いた手で
パンチを当ててく。膠着の後、隙をついて鉄史マウントに!いつもどおりガツガツパンチを落とす。
でも前ほどむやみにラッシュしてない。冷静なのかな?背を向けたギルバートへパンチを落としながら
パンチ。ギルバートも抵抗するが、流れから体を伸ばされ、がっちりスリーパー!でタップ。
やっぱ強いぞ鉄史。なにもさせず完勝だ。マッハだけでなく鉄史も世界の強豪と戦って欲しい。
鉄史もパンクラスとか外で自分の力を試したいとか言ったそうで。


第3試合 マーシオ・クロマドvs三島☆ド根性ノ助
○三島[2R 4:51 ヒザ十字]

かなり好きなルタの選手、クロマド。不自然なほどゆっくり歩いてきた入場。妙に律儀なお辞儀。
慧舟会ばりに大の字に寝る行動。うーん、目が離せない。三島さんはいつもどおりノリノリで登場。

1R 最初の数分はずっと見合い。距離の取り合い。三島、パンチから鋭いミドル。組んでからもヒザ。
そして内掛けからテイクダウン!ガードに。クロマド早速強引な体勢からギロチン狙い!
どんどん腕が三島の首に食い込んでいく!三島頭抜いて場内歓声。そしてクロマドの右手をアミールに
捕らえ(背中越しに右手で掴む)、空いた左腕でパンチを打ち込んでいく。アミールはほどけるが、
ガードのまま、コーナーへ押し込み、パンチを打ち込んでいく。クロマド防戦一方。

ところで、相変わらず三島のセコンドの声は異様に通る。NKの最後列まで響き渡っていた。
「残り1分(笑)」となぜか笑いながらのアドバイスが出ると、場内がどよめく。
三島がおどけながら、攻めていこうとすると「行くな!」の声がかかり、まるでボケとつっこみの様。
絶妙なコンビだった(笑)。

2R 三島慎重に距離を測りながら、タックル一閃!そのまま一気に得意のパス狙い!クロマドは
ギロチン狙い。三島しっかりパスしたが、クロマド下から三島の腕を固めながら、なんとせんたくばさみ!
三島の頭を両足で固め、そのまま反転!サイドに!しかも三島の左腕をがっちりアームロックの形に
取っている!クロマド腕を極めにかかるが、決定的な形に持ち込ませず、三島逃げ切る。一気にスイープし
上に(ハーフ)!パンチを落とし、上体を起こしたと思ったら、一気に膝十字へ!クロマドねばり、
入りが甘いのか?と思ったが、クロマドタップ!!逆転勝ちに会場爆発!三島さんも喜び爆発!
セコンドに抱きついたと思ったらフロントスープレックス(笑)!そして蹴り(笑)!
もう一人のセコンドとも抱きつき、フロントスープレックス(笑)!そしてカニダンス!
お約束のコーナーからのムーンサルト!腹で着地(笑)!×2 というわけで会場大盛り上がり。

クロマド、我慢しすぎたのか、退場から閉会式までずっと足を引きずったまま。やっぱいい選手だ。
また来て欲しいな。
三島さん、お見事な逆転勝利。さぁ、次はウェルター王者挑戦だ!っていいたかったんだけど・・・。


第4試合 アレキサンドレ・フランサ・ノゲーラvsステファン・パーリング
○ノゲーラ[2R 1:19 ギロチン]

1R ノゲーラ牽制のロー。パーリング、誰かがブルース・リーみたいって言ってたけど、
確かにかっこいい。デトロイトスタイルから、鋭いジャブ。そして時折踏み込んでボディへ右フックを
放つ。それがまた強烈でノゲイラも踏み込めない。パーリングがずっとプレッシャーをかけ、その回りを
ノゲイラが回る展開が続く。ラウンド終盤、ノゲイラがタックル。片足掴んで強引に倒す。
パーリング、ガードを取る。特に動き無くゴング。スタンドは完全にパーリングペース。

2R ノゲイラ一気にタックル。倒されつつも、後ずさりして逃げるが、立てず、アリ猪木状態へ。
コーナーに追いつめたノゲイラ、するするっと足を捌き、サイドへ。そして難なくマウントへ。
パーリング、下から、ノゲイラの膝を押し、隙間を作って潜り込むようにしてタックル気味に立ち上がる。
「お!これで立ち上がったら、またパーリングペースだ!ノゲイラ危うし」って思った瞬間、
ノゲイラの右腕はがっちりパーリングの首へ絡みつき、パーリング前のめりに倒れると同時にタップ!
もう形に入った瞬間極まってるとしか思えない。極めの強さ。なんだありゃ。我慢するとか、
逃げようとするとかする次元じゃない。これぞ必殺技!!ノゲイラやはり化け物!

ノゲイラ最高。どんどん呼んで、ランカーをバンバン当てて欲しい。
パーリングもとっても良かった。ノゲイラにギロチンが無かったらまだまだわからなかったはず。
日本人選手は誰がやっても相当苦戦するのでは。また早く見たい選手。


■エリック・パーソン引退セレモニー

お疲れさまです。個人的に川口さんが出てきたときはジーンときた。こういう引退式をやって
もらえる選手って幸せです。なんか修斗っぽくって好き。さすがに桜田さんは泣かなかった
みたいだけど。


第5試合 桜井速人vsフランク・トリッグ
○桜井[2R 0:25 TKO]

来ました、来ました。開始前から緊張しまくり。自分まで体中ピリピリした試合なんて久々。
トリッグ体調ばっちり、マッハ減量失敗なんて噂も入ってきたが・・・。

1R マッハ強烈な右ローを内股へ打ち込む。バチーンと当たり、歓声が沸く。トリッグ、胴タックルで
組み合いを望むが、マッハは前腕をトリッグの首元へ押しつけ距離を取り、十分組ませない。
トリッグは組み合いを狙い続けるが、マッハ落ち着いて首相撲。振り回して、トリッグを崩す場面も。
打撃はマッハが上手いし、組んでも倒されない。マッハ巨強じゃん!って喜んでいたら、トリッグの
強烈な左ストレートがマッハの顔面捕らえる。ちょっとマッハぐらつく。イハはこれでやられた。
マッハがっちり組んで首投げ!見事に投げたが、勢い利用してトリッグが上に。マッハはガードを取り、
凌ぐ。スイープも狙えるように両足甲をトリッグの股に当てていたが、スイープできそうだった
場面はなし。右腕を首と肩で挟み込み、アームバーを何度も仕掛けるが、簡単に抜かれる。利き腕の
左手を自由にしたのがまずかったか、だんだんトリッグが凄まじいパンチを落としてくる。
アグアはこれでやられた。最初こそガードしているかに見えたが、顔面を直撃し、リング外へ
押し出されそうに。鼻血も出る。マッハだからこそ、あの程度のダメージで済んだのか。
並の選手なら意識飛んでたか。

2R 組んでマッハ投げを打つも、今度は踏ん張られまた下に。すぐさま凄まじいパンチが降ってきて、
本部席まで、押し出される。SDMで中央から再開。さすがにダメージが心配になってきたところ、
マッハが距離を作り、潜るように立ち上がる。そして組み際、ショートフック一閃!ヒザから崩れ落ちる
トリッグ!場内大歓声。立つも、マッハが首相撲からアゴにヒザ!またも崩れ落ちるトリッグ。
なんとか立つが、再度組んでからのヒザをマッハが叩き込み、トリッグ立てず。場内大爆発!!!
僕もフックが入った時点で立ち上がり絶叫。その後も当然、絶叫、絶叫、絶叫(笑)。
ここまで絶叫したのは過去に記憶がないほど(^-^;)。そして近くの知人と固い握手。
正にNKホール大爆発!マッハも本当にうれしそうな笑顔でリングを駆け回る。
マイクを持って「見ての通り、相手は強かったけど、総合は修斗が一番。打、投、極ができないと駄目」
とコメント。ブス先生がリングに呼び上げられ、「ヒクソンとやらせてください。みんなで盛り上げて
下さい」とか。もちろん個人的にはみたくないのだが、やったとしても
「マッハ絶対倒されない。ヒクソン寝技に持ち込もうとする」
といった全然かみ合わない試合になるのでは?

マッハ、この階級世界最強というのががとうとう真実味を帯びてきた。あとライバルと言えば、
ミレティッチ、ペレ、ヒューズといった感じか。でもマジで負ける気がしない。それくらい総合格闘家と
して強さを感じた。本人も、世界の強豪と戦いたいとのこと。確かにへぼ外人当てたらもったいない。
来年はどこの舞台で、誰と戦ってくれるのか。楽しみであり、ちょっと不安。


第6試合 マモルvs秋本じん
○マモル[判定:3-0]

秋本に5本も、のぼりが!気合いの入れようが伝わる。
マモルもとんでもない派手なガウンを着て登場。うーん、個人的には似合ってないと思うぞ(^-^;)。

1R マモル両差しからテイクダウン。秋本ガード。秋本両手脇に抱え動きを止める。マモルはパンチ。
秋本はスイープと三角狙い。そして隙を見て立つ。首相撲からヒザを出したり、タックルを仕掛けるも、
マモル倒れず、また両差しから外掛けでテイクダウン。最後にアキレス狙いでゴング。

2R 差し合いからマモルが足を抱えテイクダウン。パスするもハーフに戻される。
マモルが腹固めを狙う場面も。秋本立ってまた首相撲で対抗するも片足タックルでまた下に。
頭をつけてじっくり攻めるマモルに対し秋本細かいパンチを下から放つ。
インサイドからマモルはパンチを落とす。

3R 秋本ヒザとパンチ狙う。またもマモルが足かけテイクダウン。パスするも秋本立つ。
またもマモルテイクダウン。秋本下から細かいパンチ放つ。最後はマモルが果敢にアキレス狙う。
秋本上になって、インサイドからラッシュするも有効打はなさそう。

秋本のアグレッシブさも感じられたが、常に展開をリードしていたマモルが当然判定勝利。
「下からどんどん狙われる立場になるので頑張る」みたいなコメント。
正直凄いカードに挟まれて不運。普通の試合だったが、NKとしては伝わりにくい展開。
後楽園、下北ならもっと楽しめたと思う。


第7試合 宇野薫vs佐藤ルミナ
○宇野[1R 2:11 KO]

前置きは短めに。ルミナも宇野も入場かっこよかった。

ルミナ強烈なローで牽制。宇野もローを返すが、ルミナがガードすることも。
ルミナローから左フック、右アッパーの見事なコンビを見せるが、宇野はガードでしっかり凌ぐ。
ルミナ踏み込んで、宇野がガードを高く掲げた瞬間、見事に脇をすり抜けバックを奪取!
これぞルミナの動き!しかし宇野も冷静。ルミナの右腕を桜庭ロックに切り返し振り回す。しかし
ルミナもついていき、スタンドのままバックをキープ。ルミナ足をかけ、いつも通り飛びつく。
しかし宇野は回ってきた腕をふりほどき、ルミナを振り落とす。大きくバランスを崩し、ロープに
もたれたルミナ。あまりのバランス悪い体勢に、「そのまま寝て凌げ!」と思ったが、駄目だった・・・。
宇野が猛然と襲いかかり、左ミドル!そして右フック!ロープ際に吹っ飛ぶルミナ・・・。
倒れたあとすぐ手を振っているので、意識はしっかりしていると思った・・・。
しかしカウントがいくら進んでも、全く立ち上がる気配はない。カウントアウトされ場内総立ち。
僕は呆然として席に座ったままリングを見つめる・・・。
自分でマウスピースを外してなにかしゃべっていたらしい。意識が完全に飛んでいたのだろう。

衝撃はそれだけでは済まなかった。マイクとベルトを持ってしゃべりだす宇野。
「今でもルミナさんが一番です・・・。ベルトを返上します・・・・・。すみません。」
予想だにしない王者の発言に場内騒然。「ふざけるなー!」「ルミナの立場はどうなるんだ!」
怒号も飛ぶ。自分の発言をかみしめるように、じっと会場を見つめる宇野。
真摯な表情でそして時には堂々と歓声には応え、退場する宇野。

ラストのモノクロ映像は修斗をどんどん振り返るものだった。若き日のルミナの姿がまた僕を
落ち込ませたのは言うまでもない。
本人もファンも待ちこがれ、完全な形で用意された戴冠の機会は2回目も失敗に終わった。
しかし僕は、また月が昇るのを信じて待っている。

まずは試合から。
宇野は相当な集中力だった。結局ワンチャンスを完璧にものにし、一瞬にして勝負を決めてしまった。
しかしやはりルミナペースだったと思う。打撃もルミナがペースを握り、バックを制しただけでは
なんにもならなかったが、基本的にずっとルミナの展開だった。しかし大きく隙を見せることになり
、そこを最悪の形で突かれた。宇野が2回勝った。文句なく宇野は強いが、今回に限っては実力差だけ
でなく運の差を感じずにいられない。

宇野がベルトを返上した。
びっくりはしたが、宇野への不満はさほど感じなかった。
ルミナが負けたことの方がよほどショックだったこともあるが。
ネット上での大宇野バッシングには驚いている。宇野がルミナを貶めたという意見もあるが、
どう考えたって、宇野は2回勝ってもルミナに対し尊敬の態度を示しており、「ルミナさんが一番」は
言葉通り受け取るべきだと思う。インタビューでも暗に言っているとおり、ルミナと戦うことが
モチベーションのよりどころであり、修斗の王座を守ることではなかった。それだけのことなんだと思う。
今後、宇野がプライドに出るのかどこに出るのか分からないが、修斗の王者のまま出てくれた方が確かに
うれしかった。しかし、その重荷を本人が嫌ったのか、多くのしがらみで不可能だったのか知らないが、
それは無理だったようだ。今回は勝つにせよ、負けるにせよ修斗を離れるつもりだったのではないか。
憧れだった存在であり、今でも一番と認めるルミナに負けて修斗を離れられれば一番すっきりできたと
思ってるかもしれない。
とにかく修斗黄金のウェルター級は宇野無しで回る。ルミナ、五味、三島を中心に回るだろう。
いつになるか分からないが、宇野が戻ってきて、そのときの王者、ランカーと戦ってくれればうれしい。
そのとき王者であるルミナと戦うことになってくれれば言うことない。

修斗は昔からフェイクをしていない。それが関係者、選手達の誇りである。
また現在アマチュア修斗の充実ぶり、総合格闘技界・軽中量級において修斗のステータスというのは
相当なものだと思う。例え総合ブームが去ってプライドとかがなくなっても修斗は絶対残る。
しかし宇野は新たな敵を求めて出ていってしまった。鉄史もマッハも修斗外の強敵との試合を望んでいる。
あとはトップ選手へどれだけのカードを組んで上げられるか。それに尽きると思う。
金銭的な問題等、どうしようもない問題もあると思う。でも期待したい。

こんなに僕にそして多くの人に衝撃を与えた大会もめずらしい。この大会に立ち会えて幸せだった。
これだから修斗はやめられない。




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