PPVとは何か?
■団体:新日本プロレス
■日時:2000年12月14日
■会場:大阪府立体育館
■書き手:ノリリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

新日の2nd Judgementであるがまあまあおもしろかった。会場でみた興行ではなく、PPVとしてみるテレビソフトとして思うところを書いてみたい。

まず入場待ちの客の列をバックにMC辻・木村健吾・山崎等が仕込みのファンに2・3インタビューして放送が始まる。時間はたっぷりある(試合開始まで1時間)し、こんなのんびりした始まりで十分だろう。

その後試合する選手のインタビューをOn airするんだが、これがまずい。第一試合の蝶野のしゃべりに切れがない。『オレがでる試合がメーンだ』とはいうものの、やはりおもしろくないのかも。けんすけについては語る必要はない。 平田は素顔の時と違ってSSマシンになると生き生きする。『蝶野がマスクをかぶってこい』というのはおもしろい。だけどその言葉に対して蝶野から応答がないのが悲しい。

天山(vs吉江)と小原(vsカシン)は『こんな試合のどこに意味があるんだ』といっていた。確かにその通りかなあ、とは思うが、そんなことを言ってはいかん。やる方がそんなことを言ってしまっては、観る方だってそう思うだろ?そう思われたら終わりだ。その点吉江が『オレが勝ったら、1/4のトーナメントにはオレが代わりにでてやる』といっていたのはわずかなテーマが見えていて、かろうじて意味あるマイクだった。ライガー・田中稔・真壁vsツバサ・村濱・デルフィンでは大阪プロレスの3人のマイクは大阪プロレス内でのマイクより少し出来が悪い。しゃべりに規制があるのかも? ライガーは新日ではしゃべりがかなりいい方だ。筋が通っているかどうかは別として、明解だ。面白かったのは真壁の言葉で「大阪の奴らとは体格が違うだろぅがぁ!」・・・そりゃそうだが、Jrの選手がそれを言っちゃあいかんだろ?

ここまでで、頭を抱えてしまった。新日の各々の選手はそれぞれの試合の意義について全く語ることができない。つまり創造論者あたりに言わせれば、新日のプロレスが面白くなるのはprokaryoteが人に進化するくらい困難だ。なにしろblind match makerがいるんだから・・・
それから少し間をおいて、西村vs中西のインタビューだが、この二人はいい。キャラが対照的である。中西はキャラが立ってきた。命を語る西村はいつものことだから厭るのではあるが・・・

金本は藤波戦について自分の思い出を絡めて熱く語っていたが、藤波はいただけない。『周りがどうしても金本金本というから』・・・おまえはそれでも人間か>藤波
『いま目標を失って悩んでいる金本に新日Jrの先達として何かを伝えたい。そして自分たちの開いた伝統を守ってもらいたい』位は言っても罰はあたらんぞ。

永田・飯塚vs川田・淵に関してはアングルも明らかだから、しゃべりは割とやさしい。
ともかくこんなことなら、Matchmakerも現場監督もいらない。そこら辺のOLにさせても充分だ。現場監督と称するものがいかに無駄飯を食っているかがよくわかるインタビュー集でかえって貴重だった。

試合の方であるが、総じてなかなか面白かった。
第一試合:健介&SSマシン vs 蝶野&T2000マシン
マシンはマスクをつけるといい。別に動きがよくなるわけではないが、なぜここにいるのか?という疑問がなくなっていい。SSマシンネタで引きずるのはいいと思うが、それならなぜKY若松を連れてこないのかという疑問が残る。加えて言えば新間寿を担ぎ出せばかなりのPOPになると思うのだが・・・長州との関係は最悪だとは思うが。ともかく試合は最初は蝶野が試合を引っ張った。最近案外体調がいいのかもしれない。健介は相変わらずのHard Hitをたたき込んでいく。そこそこ盛り上がった後、健介のラリアット・マシン風車固め・ダイビングヘッドパットでT2000マシンをピン。マシン風車がためは形の複雑さと有名さの割には弧が小さいので説得力がなくてフィニッシュになったのはほとんど観たことがない。
Surivivor Seriesでは第一試合にChyna&BGunn&KQuick&RoaddDogg VS TheRadicals(ベノワ・サターン・ゲレロ・マレンコ)だった。この両者の組み合わせを観ると、PPVでは第一試合を重視しないといけないことがわかると思う。2−3時間の番組で掴みから退屈させるようなことがあってはならない。たとえメインに自信があってもだ・。新日のその点を反省してこのカードを持ってきたと思うんだが、そこそこ成功したと考えてもいいだろう。ただし、”いつもの”試合だったのでそれほどテレビ的に面白いとはいえなかったが・・・(それはWWFでもおなじだったけどね)

第二試合:吉江vs天山
あんこ型の吉江対あまり細いとはいえない天山。しかも顔も美しいとはいえない、究極の非トレンディー対決。試合用のアングルもくまれていない。しかし大技の飛び交う大熱戦になって、意外な決着まで大いに盛り上がった。最初は天山が全ての局面で一歩リードしてペースを握るが、ダイビングヘッドパッドの失敗を契機に攻守が逆転した。吉江が危険な角度の投げ捨てジャーマン、裏4の字固め、リバースドロップなどの得意技で攻め込み、天山が一時サモアンドロップからサマーソルトをはなって盛り返しをはかったが、はずされて、何度目かの裏4の字でついに天山がタップ。1/4のIWGPトーナメントに参加する天山の意外な敗退に大pop。せっかくなんだから吉江の今後につながってほしいが・・・つながらないのが新日です。

第3試合:小原vsケンドーカシン
小原は正しくて、確かに全く意味のないマッチメーク。時計師は盲目でも4日前に6秒で健介に負けたやつに、猪木祭りに参加するカシンを負けさせることはできるようだ。カウンターのネックブリーカードロップでピン

第4試合:小島vs鈴木健三
健三のしょっぱいタックルでスタートした試合だが、なんだかそんなに悪くない。木村健吾が一番期待する小島はもっとも塩気の高い男をうまく運んでいく。最後は小島がラリアートでピン。ともかく、この位置で試合できたことだけが両者にとって収穫だった。鈴木はまだ時間がかかる。ここで思ったんだが、小島には何かのプログラムが必要だ。半年ほど負け続けるというのはどうか?それで6月くらいに引退をかけてIWGPに挑戦するんだ。ブレークできるだけの力を持っている。もっとも昭和からのプロレスファンでこんなに小島を評価しているのは儂くらいのもんだろうが・・・

第5試合:ライガー・田中稔・真壁 vs デルフィン・つばさ・村濱
確かに村濱の小ささは群を抜いていた。星川と戦っていたときには気がつかなかったが・・・新日とプロレスをするのは危ない。試合は田中のお披露目のような試合だった。田中がツバサから腕ひしぎでT・O

第6試合:中西vs西村
命の伝道者西村とパワーゴリラ中西の試合はある意味典型的な試合だった、が、だからこそうまくはまった。中西がパワーで押し、西村が切り返していく。しょっぱい中西だが、”ちょっと頭が痛い不器用なパワーファイター”と自己規定したことで、塩ラーメンがしょっぱいがごとく、カレーが辛いがごとく、自己の味を承認させることにほぼ成功した。西村は中西の技を卍固めやスリーパーで次々と切り返していったが、切り替えされた中西もスリーパーをかけられたまま立ち上がったり、卍を投げ捨てたり切り返しを力で切り返していく。西村は6月の復活の頃よりは明らかによくなってきている。来年はがんばってほしい。『口から血を吐きながら戦う』というギミックを提案したい。

第7試合:藤波vs金本
金本が空中殺法と膝十字で攻め込んだが、藤波の4の字の前にギブアップ。まあ、いい試合ができるのであれば引退しないのだから・・・しょうがない。

第8試合:永田・飯塚 vs 川田・淵 30分時間切れ引き分け
川田・淵組が最強タッグに優勝しなかった時点でこの試合の価値はない!  と思ってはいけません。しかし確かに価値が落ちたことは致し方ない。もっとも新日もIWGPタッグチャンピオンではないし、中西・永田組でもなし、形だけのエースの健介も、蝶野も武藤も長州もでないんだから、全日の側があやをつけたくなってもしょうがないところもある。
結局確かに淵の試合だった。(淵じゃなければ60分で引き分けだったろうから、その意味でも淵の試合だった) しかしこれで川田は永田とも飯塚ともケンスクとも五分になってしまった。WARの天竜が登場したときにはほかのレスラーの中で埋没したりしなかったと思うんだが・・・

表面上は川田にとって順調に流れているようだが、このままでは早期に消化され尽くしてしまうぞ>川田




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