田村欣子 vs 井上京子
■団体:NEO
■日時:2000年11月21日
■会場:北沢タウンホール
■書き手:凸ユーレイ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 7時少し前、やや遅れて会場に入ると、お目当ての 元気美佐恵 vs 春山香代子 戦がもう始まっており、すでに春山がボディシザースに捕まっている。逆エビにいっても瞬時に跳ね返され、ものすごいハリ手も食らってしまう。無理やりローリングクレイドルにいこうとするも回転させられず、その場はグラウンドコブラのような形で一応フォールを狙うが、おそらくココで痛めたのだろう、左肩を押さえ泣き叫びはじめる。たぶん脱臼、どうにもならずレフリーストップ負け。

 ○元気美佐恵(6分31秒、レフエリーストップ)春山香代子× ※NEOの団体側発表では春山は「骨折」になってますね… 23日の脇澤とのタイトルマッチは無理っぽい…

 元気マイク「JWPはこんなものか!脱臼でも骨折してでも試合は続けろよ!お客さんは満足してないんだよ。倉垣でも連れてこい!」JWPをクサされ何故かぼくまでアツクなる(笑)しかし元気の言うことには一理ある。
 倉垣リングに上がる、泣き顔で元気に突っかかる「こんど、次に試合のある時に、JWPの力を見せてやる!」客席失笑「こんど、って…」「今日やれよー」しかし、NEOの会社サイドからもストップがかかる、おそらく新規のギャラが発生するとマズイ、というようなことか?一転、笑顔になって元気、「できないのにリング上げちゃってゴメンネ」(笑)
 しかし、同僚選手の負傷で動揺したのか、自分の団体をクサされて悔しかったのか、それで泣いてしまう生真面目なクラちゃんには、エンタテインメントにもつながるアドリブのパフォーマンスは無理な相談であった。最ベテランのボリショイでさえアルシオンでのマイク等にややムリがあると思わせるなか、JWPのこの世代でそういうことに対応できそうなのは、なぜかムヤミに度胸のある春山なのだが…

 この後、「NEOニュース」(キャスター:タニー・マウス)と題するビデオによるスキットがある。はじめに12/8板橋産文のカードが1つ発表になる「お笑いサミット全員集合 井上京子&元川恵美 vs ボリショイ・キッド&おばっち飯塚」こっれ見たいな〜でも12/8行けません(涙)。つづいて宮崎有妃のダイエットを巡るコントが映し出される。

 次の試合、井上貴子 vs 仲村由佳。5/31NEO再旗揚げのとき以来の再戦らしい。このときぼくはプロレスカフェでこう書きました。
 「貴子が一方的に攻め相手の技を全く受けない、ちょっと陰湿さを感じさせる試合」
 今日は、貴子もいちおう技を受ける。仲村、ジャーマンはともかく、偶然決めちゃったようにも見えたフライングメイヤー、あとミサイルキックで後ろ受け身を取らせることに成功!そうだ仲村、貴子の弱点は腰だ!とにかく後ろ受け身をとらせろ!!しかしボディスラムは貴子必死の防御、けっきょく裏拳でピン。フォール後、倒れた中村に手を差し伸べ健闘を称える。今日に限り優しいお姉さんキャラ。

 ○井上貴子(5分10秒、体固め)仲村由佳×

 3つめの試合、♪5,6,7,8♪がかかりタニーと元気が入場、当初の予定試合にない。途中から見たためにわからなかったのだが、宮崎欠場による代替試合のようだ。内容は「楽しい」プロレスで、「宮崎の水虫靴下攻撃(さいきん宮崎自身が得意にしているらしい。元ネタは言わずと知れてカクタスジャックです)」、急所蹴るが効いてないよ、セコンドの椎名をどちらが味方に引き入れるか、椎名も張り切ってドロップキック連打、などなど。フィニッシュはタニーがナント、えびす(GAEA広田の技)から倒れ込み、腕ひしぎのような形で勝っちゃった!

 ○タニー・マウス(7分23秒、パロスペシャル)元気美佐恵× ※えびす=パロスペシャル、ですね

 元気のマイク「このリングは呪われている… 春山の呪いだ…」爆笑。そもそも“テーマ曲争奪戦”であったので、さっそく音を流しタニー踊ろうとするが、♪5,6,7,8♪の本来の所有者である仲村が現われ「もう1度チャンスをくれ!」でまた寸劇が展開される。この試合、とくにレフリーのグレース浅野が楽しそうでした。

 いよいよメイン。田村欣子 vs 井上京子。NWA認定女子パシフィック&NEO認定シングル選手権 60分一本勝負。
 京子、FMで闘っていたためか身体が巨大化している。男子の中ではさほどに思わないが女子に入ると際立つ。田村は♪ギャラクシーエクスプレス♪にのって入場。石田リングアナに自分のグラサンをかけさせ、コールさせる。
 ゴング後いきなり京子、DDTからジャーマン連打で入る。田村、膝への低空ドロップキックからスリーパーで切り返す。京子、巨体を生かしてグラウンドで上になる。これがしばらく続き、それだけで田村キツそう。田村なんどかブリッジで跳ね除けようとするがさすがに無理で押しつぶされ、膝十字で切り返す。この膝十字も長い。ココで京子は足を痛めたか。
 田村、ミサイルキックの連打で立体的に動き始める、このへんからずっと最後まで主導権を握り続ける。
 重い京子にジャーマンを決めようと必死、動かない京子にエルボー!このエルボーが攻撃の合間合間に入る。
 ここまでに田村が出したスリーパー、膝十字、エルボーバット。この3つがくり返しくり返し繰り出され、試合をかたち作るリズムとなる。田村のファイトスタイルは、巨大な壁であったジャンボやハンセンに挑む若き日の三沢を彷彿とさせた。
 大きな相手に密着して動きを止める締め技、スリーパー、コブラクラッチ、三角締めと少しずつ形を変えて何度も。関節技は膝十字、エルボーはまさしくハード・ヒットで何度も京子の出足を挫く。
 京子も負けずにハード・ヒットのラリアットや場外乱闘でペースを取り戻そうとするが、大きく流れを変えるにいたらず。田村が先に仕掛けた場外の机へのボディプレスを阻止、逆にエプロン越しブレーンバスターを狙ってもこらえられ、再び逆転して自分がエルボーで吹っ飛ばされ机に激突、なんて場面もあった。
 思うに京子は巨大化し過ぎて、本来の軽快な動きが出来なくなっているのではないか。この日出した技はラリアット、ジャーマン、ナイアガラドライバーのみ。ナイアガラを返されて田村に食らったブルズポセイドン、これも強烈だった。

 雪崩式ダブルリストアームサルトの連打!
 リバースダブルリストの連発!!
 最後はフォアのエルボーをブロックされ、半転してのバックエルボー!!!(三沢だ…)

 ○田村欣子(36分55秒、片エビ固め)井上京子×

 試合後京子マイクで田村を認め、再挑戦の意志を伝える。田村はお約束“タムラ様”パフォーマンスでシメ。

 19日の 浜田 vs 日向 戦を見た上でこの日感じたのは、20代半ば、平成6年組… ぐらいの世代で田村は頭一つ抜けたのではないか、ということ。(その下、20そこそこぐらいの層には、浜田、中西、里村、シュガーと、いろいろいますが…)
 エンタテイナーとして以前の姿を知るものからはアッと驚く変身を遂げ(無口さが逆に“タムラ様”としていい方に出てるのかも(笑))、それを担保する試合内容のポテンシャルも、本来の動きでなかったとは言え井上京子を正面から堂々と説得力十分に打ち負かしたのだから。


 NEO総体として、エンタテインメントを指向し、それがこなれてきて、充分に楽しめるものになってきているのは認められる。
 また、それを担う選手も、コマが少ないとは言え、仕事が出来るレスラーを揃えていると思う。コマを弱小女子団体仲間のJd'、JWPとの連携で補えれば、むしろその連携の核となり得るぐらいの存在だと思う。
 ただ、さいきん同様にエンタテインメント指向を強めているらしいJd'はともかく、生真面目なJWPの選手たちが適応できるのか、がとっても心配なのだが…




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