久々の登場のビンス、圧倒的存在感を示す。
■団体:WWF
■日時:2000年11月6日
■会場:Houston Compaq Center
■書き手:ひねリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

えっと、今週から世界最大のプロレス団体のWWFの2大番組のひとつである、Raw is War(月曜)のレヴューをやってみることにしました。WWFは月曜生中継のRawと木曜放送(火曜収録)のSmackdownの両方でストーリーを展開していくんですが、両方詳しくレポートするのはちょっときついです。Smackdown の方は、レヴューの前に「前回までのあらすじ」みたいな形で簡単に触れるということにします。毎回週末までにアップできたら褒めてください。俺的におもしろかった事柄だけいっぱい書きます。そうなると、たぶん具体的な試合の内容にはあまり触れないと思う。

11/6 Raw

まず、今までの流れを簡単に説明します。現在中心になってるのは、一年前のストーンコールドひき逃げにまつわるストーリー。ひき逃げの犯人はラキシ(Rikishi=こないだ亡くなったヨコズナの後を継ぐ南洋系スモウキャラなんだけど、発音が俺には「ラキシ」としかきこえないのでこう書きます)が名乗り出て分かったんだけど、そのラキシが先週のRawで「俺はロックに命令されてやった」と告白。その週のSmackdownのしょっぱなに、ストーンコールドがロックにスタナー。番組終りにはロックがお返しのロックボトムストーンコールドに。で、2大ベビーフェイス(もっともふたりとも善人キャラじゃないけど)が対立するという混乱状況の中で、今回を迎えると。

あ、それからどっかのネットで読んだんだけど、この日の放送ではWWFは、最近ちょっと低迷気味の視聴率対策として、放送前にメインのカードを発表したらしい(普段は、番組開始までカードは発表されず、番組開始直後のマイクアピール合戦でカードが発表される)。

番組開始。なんといきなり、社長のビンスが久々の登場。まじめ腐った顔で「みんな明日の大統領選に投票せよ。WWFファン一人一人がこの偉大な国のリーダーを選ぶのだあ」みたいなことを大演説。演説が終了した瞬間、ストーンコールドのテーマが鳴り響き、ストーンコールドリングに登場。びびってるビンス、露骨な作り笑いをしながら「よくぞ戻ってきたなっ、スティーブ!!」と握手の手を差し出す。ストーンコールド、それをしばらく睨みつけたあと、いきなりマイクを奪う。「今日タッグを組むロックが俺を裏切ったら潰す」等と話したあと、「俺はずっと考えていた。誰がラキシを利用して俺を潰そうとしたのか。それくらい悪どいことを考えられそうな最低野郎と言えば、、、」等とびびりまくってるビンスに詰め寄る。

そこにカートアングルのテーマが鳴り響く。アングル&ステファニーが登場。アングル、ストーンコールドに対し「俺のビジネスアドバイザー(=ステファニー)のお父様にお前はなんてことを!」次にステファニーがリングに上がり、ストーンコールドに迫り、顔を近づけて「あんた自分を何様だと思ってるのよ。私の父やビジネスパートナー(=アングル)には手を出させないからね!」とアピール。ストーンコールド「お前が女性であることは尊重する。でも安全のために今から二歩下がったほうがいいぞ。」そこにアングルが背後から急襲。しかしあえなくスタナーで返り討ちに。ストーンコールドのテーマが鳴り響き、マクマン親娘は逃げ返る。CM。

やたら長く書いちゃった以上のやりとりだけど、4人全員さすがのパフォーマンスだった。特にビンスの表情の作り方は相変わらず抜群。特にビンスの表情の作り方は相変わらず抜群。ストーンコールドのテーマが鳴り響いたその瞬間、演説を終えた直後の得意顔をすかさずびびった表情に変えたところ、ストーンコールドへの作り笑いを、脅かされるにつれてだんだん焦りの表情に変えていくところ、娘がストーンコールドに喧嘩を打ってるのを唖然として眺める姿、全て最高に露骨に分かりやすく、面白い。相手に迫り、しばらく睨んで脅し、やがて話し始めるストーンコールドの間の取り方も、あいかわらずのプロの芸。ステファニーもアングルもいつもどおりの名演技だった。彼らの思いきり大げさで、明白すぎるほど明白で、その分かりやすさが極点に達してヒューモアを生みだしてしまうような芸こそ、WWFの真髄なのだ。

会場裏。ビンス&ステファニー&アングル。ビンス「ステファニー、今日は妙な予感がする。私と一緒に会場を離れるんだ。」アングルも同意。「ステファニー、お父様のいうことに従いなさい。」二人が車で去った後、アングルにやっと笑ってつぶやく。「ミスターマクマン、貴方は正しい。今日は特別な夜になる。ステファニーの夫、トリプルHにとってね。」(前回、アングルはトリプルHにしこたまやられている)

アンダーテイカーvsヴァル。
試合内容は省略(実は早送りしたからみてない)。結構長い試合をしてたみたい。テイカーが両手伸ばしリフトアップパワーボムでピン。Right to censor に入って、ヴァルはその前にはまだ少し残っていた個性の欠片もなくなってしまった。まあRight to censorの存在価値は、個人じゃいけてないレスラーをとりあえず集団アングルにのっけて使うことにもあるのでいいか。

コミッショナーフォーリーの簡易特設オフィスに、トリプルHが訪れて談笑。この二人は、カートアングルを協力してバカにすることで仲良くなっている。トリプルHはミックにラディカルズとの対戦を要求。

ちょっと前に、ジェリコに間違ってコーヒーをこぼされて以来、ジェリコを襲っているケイン(なんちゅうチープなストーリーなんだろう)の会場裏インタビュー。「お前らはみんな自分と違う者を排除するのだ。世界が俺のような異端を嫌う。俺はいつもみんなにちやほやされているジェリコがきにくわねえ」みたいなこと。とりたててミスはないんだけど、全然いけてない。声量無いし。喋り出した頃はダースベイダーみたいだった声も最近は中途半端だし。やっぱケインはしゃべらないほうがいい。それで、今日ブラックマンのハードコアタイトルをとって、ジェリコの挑戦を受けて、ハードコアルール(ノールール)で潰すとのこと。

トリプルHとロードドッグが控え室。「こうなったら、あの男に頼むしかないな」誰だ?

CMをはさんで、トリプルHとロードドッグ、チャイナ+ビリージー(=ミスターアス。Right to censorに負けて名前までセンサーさせた)の控え室に。トリプルH「俺達はもう友達じゃない。でもラディカルズを潰すため、今日一日だけDXを復活させようぜ」おおお。

T&A vs Too cool。
試合内容省略。Too coolの勝ちどきに、トリッシュがレフェリーを引きつけ幻のカウントに。そこにアルバートがアルバートボム(ネックハンギングツリーからのライガーボム)でピン。軽量級相手にはこの技はすごく見栄えがいい。その後、クラッシュホーリーと新人の女の子が乱入。女の子がトリッシュにスワンダイブボディーアタック。ちょっと足すべった感じだけどなんとか命中。クラッシュと二人で勝ちどきを上げる。良くみると二人はペアルックだったりする。

復活DXvsラディカルズ。
試合内容は特に言うことなし。でもなぜかほとんどトリプルHの出番がない。最後にやっとでてきてマレンコにペディグリーでピン。そこにアングルが乱入して、トリプルHを痛めつけ、笑って帰ってゆく。

ロック様のリモ到着。

ハーディーズvsRTC(ブキャナン+グッドファーザー)のタッグタイトルマッチ。
レフバンプ(レフェリーが倒れる)の後、エッジ&クリスチャンが乱入し、さらにスティービーリチャーズがベルトでぶん殴ってタイトル移動。

アングル、いきなり控え室のロックを急襲。蹴散らす。

エッジ&クリスチャン、最近お気に入りの笛で遊んでいる。そこにミック登場。ダッドリーズとのテーブルマッチを命じて帰る。

ブラックマンvsケインのハードコアタイトルマッチ。ケインがリング入場に使う階段を振り上げたところで、ジェリコが乱入しイスでケインの階段を痛打。ケインは階段ごと豪快にぶっ倒れる(ナイス!)。ブラックマン防衛。

ロックとストーンコールドが控え室。二人がにらみ合う。ロックがまくしたてる。「ロック様は前回お前にロックボトムを仕掛けることで、彼は問題があれば常に正面から立ち向かうことを示したのだ。(自分はラキシにストーンコールドを轢く指示はしていないということ)」ストーンコールドも言い返す。「俺は前回お前にスタナーをくれてやることで、ストーンコールドは誰も信用しないことを示したのだ。」等。二人はにらみ合って別れる。

レイヴァンvs(今まで解説してた)キング。
こういう、解説者がいきなり試合に出るみたいな境界侵犯はWWFプロレスの醍醐味なんだけど、何度も続けば衝撃は薄れる。それと、なんでWWFはレイヴァンにしゃべらせないんだろう?試合はタズが乱入してレイヴァンの反則負け。そこに最近ずっとキングにラブコールしてたアルスノーが、自分のヘッド(女性マネキンの頭)と、王冠をつけたキングヘッドをもってきて、二人でタズ&レイヴァンを蹴散らす。

ダッドリーズvsエッジ&クリスチャンのテーブルマッチ(テーブルに叩き付けたほうが勝ち)。
いつもやってるだけあって、さすがにそつのない好試合。試合はハーディーズの助けを得たダッドリーズの3Dがテーブルに炸裂。ハーディーズと一緒に入ってきたリタのハリケーンラナ(トップロープからの斜め回転ウラカンラナ)は受け手のクリスチャンとのタイミングばっちり。WWFでもGAEAでもいいから、リタとKaoruのタッグって見てみたいなあ。

鼻にプロテクターを装着してるラキシのインタビュー。たいしたことは言ってない。でも、どんどん態度が高圧的で、ヒールらしくなっている。

WWF New York ( Times Squere にあるWWF経営のレストランバー)からの中継。デブラが店のメニューを味わっている。

カートアングルインタビュー。やっぱり別にたいしたことは言ってない。

通路を歩いていたロックに、ばかでかいトランクの乗った滑車?がいきなり横から襲ってくる。ロックは壁に叩き付けられ、倒れる。

CM後。医者に診てもらっているロックは完全に「ここはどこ?」状態になって立ち上がれない。

メイン。ラキシ&アングルvsストーンコールド。
ストーンコールドは相変わらずのがちゃがちゃラフプロレス。復帰後の動きはそんなに良いと思わないけど(試合時間も短いし)、この試合のようにやられ役が二人いると、流れが全くとまらずこのストーンコールドスタイルがはまる。試合はストーンコールドがそのうち劣勢になってきて観客がロッキーコールを開始。「試合前にやられた選手が、試合中味方のピンチ時に復活」というのは一つのパターンで、観客はそれを期待しているということ。でもそこで掛かったのはトリプルHのテーマ。最近ベビーっぽくなってるので観客は歓声で迎える。トリプルH、アングルを蹴散らす。そしてラキシの持ち込んだハンマーをもって、今度はストーンコールドを一撃。大ブーイング。トリプルHは倒れたストーンコールドに載っかって、出血するまでマウントパンチの連打(ちなみに、こういう時にパンチのスピードがなくて、寸止めにしてるのが露骨に分かっちゃうような瞬発力のなさが、トリプルHの唯一の弱点だと思う。高田でもトリプルHのマウントパンチならタップすることはあるまい)。それからラキシにヒップドロップを指示。炸裂。トリプルHはマイクを掴み、倒れてるストーンコールドに顔を近づけて、「お前の犯人捜査は終りだ。(誰が犯人だか)もう分かるな。」実況席ではストーンコールドの親友のJRが、「なぜだトリプルH!この野郎!なぜなんだ!理由を言ええ!」と絶叫したところでぴたっと終了。見事なり。

いや、今日は最初と最後が面白かったのでいいでしょう。最後のトリプルHのマイクはさすがの迫力だった。彼をしばらくベビーっぽくしといたので、今回の突如大ヒールへの再転向が引き立った。現在のWWFは、ストーンコールドが復帰して、今までベビーを独占してたロックと両雄並びたたずみたいになって、トップヒール同士(トリプルHとアングル)も対立してる混乱状況。昔のアメプロってのは、悪役のつくる混乱状況を善玉が解決し秩序をもたらすことが最終目的だったみたいだけど、今のアメプロの喜びは、(ちっちゃな解決はあるけど)基本的にはどこまでも続いてく混乱そのものにあるような気がする。




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