北里大学病院前でインディー観戦リハビリ治療 10/29ターザン後藤一派道場定期戦観戦
■団体:ターザン後藤一派
■日時:2000年10月29日
■会場:相模原インディープロレス道場
■書き手:愚傾(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 「狂い咲き生観戦ロード」の第二弾は(ある意味で)インディーの雄、ターザン後藤一派の道場マッチの初観戦。

 基本的に手前はインディーも観れるほう(というかDDTなんかはむしろ好きな団体)で、かつては国プロの鶴見青果市場定期戦にも何度か足を運んだりもしてた。しかし、今年二月のEWF後楽園大会で「ちょっとインディーは当分いいかな・・・」と感じたこともあり、8月に例外的に埼玉プロレスを観戦(その節はいろいろとごちそうさまでした>メモ8っつぁん)した以外はとんとインディーの興行から足が遠ざかっていたんだけど、まぁ同日に行われるFMWやアルシオンの興行は別にいつでも見れるし、掣圏道はなんかイマイチ食指が伸びなかったのでチケットも安いこともあってインディー観戦のリハビリがてらにターザン後藤一派を観ることにした。

 会場となる「相模原インディープロレス道場」は小田急・相模大野駅からバスで北里大学病院の前までいったところにある。勿論、無類の電車嫌いな手前は車でいくことに。行ったことの無い場所なので、もし路上駐車のできそうなポイントが見つからなければ有料駐車場に停めることも辞さないつもりだったがそこはまぁなんとかなった。例によって詳しく書くわけにはいかないんだけど。まぁ、電車とバスが面倒だっていう人は車でもなんとかなりそうです。ただし切符きられたりしても当方で責任は持ちませんので悪しからず。

 で、実はこの日は天気が悪かったせいか道路がめちゃくちゃ混んでいたため、試合開始時刻のPM2:00には間に合わなかった。というか、相模大野周辺は休日は混みます。バスで行こうと考えてる方もちょっと早めに出ておいたほうがいいかも。

 三十分ほど遅れて会場に到着。外観は道路沿いの民家のガレージを開放してリングを設置した、という感じか。全女のガレージマッチではグッズ販売のテントで会場と外の空間を仕切ってるので往来からは場内の様子がまったく見えないが、この会場(というか道場)では数台の車を歩道ギリギリのところに停め、それで仕切っているため外からも場内の様子は丸見えとなってる。ただし、道幅が狭く、車の通りも激しいのでちゃんと観戦しようと思ったらやはりチケットを買って場内に入るしかない。

 そういうわけで、二千円払って場内に入ると既に第二試合の途中だった。もっともその時リングで試合してた選手の名前をまったく知らなかったので、試合が決着したときのリングアナのコールと対戦カードを照らし合わせて初めて「あ、今のが第二試合だったのね」と気づいたんだけど。試合時間は12分20秒。手前がこの試合を見たのはだいたい3〜4分くらいだろうから、第一試合がだいたい同じくらいの試合時間だとして、試合開始時間は10分遅れなかった程度か。せっかくインディーなんだから30分くらい遅らせてくれてもいいじゃないかとも思ったが、よくよく考えたら随分勝手な言い分なので口にはしないでおいた。まぁ誰かに喋ろうにも知り合いが一人もいないので結局は口にしようがないんですけどね。


第一試合
渡辺宏vs佐藤伸太郎

 というわけで、この試合は見れてません。結果は渡辺の勝利なんだそうな。全試合終了後のマイクでそう判明。


第二試合
○新岩大樹(12分20秒 ドリラーみたいなやつ)中村正則×

 言うまでもないが、フィニッシュの記述は正式名称を知らないからこうなったんであって、「〜〜みたいなやつ」という技名がインディー界隈で流行ってるというわけではない。

 ところで、この新岩という選手は名前だけは知ってたけど、逆に言えば名前しか知らない。黒い袴のようなタイツにパーマを一切かけずに毛先もまっさらに揃えた黒の長髪は暑苦しいといえば暑苦しいが、独特の雰囲気は無いでもない。若干、顔のつくりに毒が無いのでペイントでも施したらどうか?と思ったが、それをやっちゃうとグレート・カブキとまったく区別がつかなくなるであろうから事態は複雑である。

 対する中村は名前も知らなかった。とりあえず、坊主頭に豹柄のツーショルダーというコスチューム。豹柄なのにセクシーさをまったく感じさせないという点ではNOAHの橋と双璧であろう。

 手前が見始めた頃には既に終盤のハイスパートとなっていて、両者ともに歯を食いしばりながら技のラリーを繰り広げる。道場内が狭いため、ロープワークでロープが軋む音まで聞こえる距離で観戦してると、その迫力はかなり伝わってくる。

 最後は文字通りドリラーみたいなやつで新岩がピン勝ち。できれば最初っから見たかったな。

 ちなみに、試合中は相撲部屋で座敷から稽古を見学するタニマチ(っていってもTVでみたイメージでしかないんだけど)のように正座してリングを凝視するリングアナの片手には”マメカラ”が・・・。まさかそれでアナウンスするんじゃあるまいな、と思ってたら、そのまさかだった。狙ってやってるとしたらそれはそれで面白いんだけどねぇ。


第三試合
YUJIKITO(11分? 雪崩式ブルドッキングヘッドロック)宇和野貴史×

 IWAJapanの会場にはもう何年も足を運んでないので状況がまったくわからないんだけど、YUJIKITOというのは木藤勇次から改名したばかりらしい。というか、場内に貼ってあった3ヵ月前のIWAのポスターに「木藤」と書いてあったのでそうゆう推測になったんだけど。どうも人気選手らしく、小っこい星条旗を持って「U・S・A!」という掛け声を送る熱烈なファンが数人いた。とはいえ、コスチュームは黒のベースボールシャツみたいな地味なやつで、イマイチUSAを感じられなかったんだが。ちなみに所属は「クレイジー・バッファロー」なるチーム。黒のBBシャツで”バッファロー”とくると、どうしても「あの選手」が思い浮かぶんだけど、それとは無関係なんだろうか。

 対する宇和野はIWAJapanの所属。ピンクのタイツで「聖闘士・星矢」のテーマで入場するあたり、手前の小宇宙(コスモと読むように)を燃え上がらせる。ゴングが鳴る前にYUJIを急襲。おいおい、そんな卑怯な真似をすると女神(アテネと読むように)が泣くぞ、と思ったが、宇和野としてはテーマ曲を使ってるだけで、別にファイトスタイルまで聖闘士路線を踏襲するつもりは無いのであろう。まぁそんなもん踏襲したら秒間800発ものパンチを繰り出したり大滝をパンチで逆流させたり鎖でアンドロメダ星雲を象ったりしなければならないのでそれは無茶だろうと思うけど。

 序盤はクラシカルな腕を取り合いやロープワークを意図的に見せてる感があった。やはり「道場」での試合なわけだから、テーマの一つには「客前での実戦稽古」といったのもあるのだろうし、普段からちゃんと練習してるというのは伝わってきた。

 インディーといえばバイトの合間にしか練習できず、試合も適当に流したり茶化したりしたものが殆どというイメージを持ってる人が多いと聞くが、そりゃぁ違うよと言いたい。バイトしながらの練習が不真面目だというのなら、クラスAのプロシューターだって殆どが不真面目だということになる。そんな馬鹿な。ちゃんとやってるヤツはやってる。長州が言ったのか週プロが言ったのか知らないけど、KANSENKI.NETではそういった偏見は一切持たないし、また広めたりもしませんので。観客の目からみて、良いものは良い。ダメなものはダメ。それだけをハッキリと語っていくつもりですんで。

 で、まぁ試合は流れて終盤。宇和野のエクスプロイダー二連発からトドメのジャーマンに行くところを、YUJIがレフェリーの袖を掴んで阻止、そして急所蹴り。うずくまる宇和野をボディスラムの体勢に捉えて、田上明がやるようなコーナーへのギロチンホイップからリバースDDTと繋ぎ、雪崩式ブルドッキングヘッドロックでカウント3つ。ちなみにレフェリーがマットを叩くタイミングで、先のYUJIファンとおぼしき客が「ワン・ツー・スリー!」ならぬ「ユー・エス・エーッ!」でとコール。なるほど。そういうアレが確立してるのね。

 とりあえずソツなく流れたという印象だけど、これがリングから間近で見れる道場じゃなくて後楽園だったら手前の目にはどう写るんだろうか? う〜ん、また一つ足を運ばなくちゃいけない興行が増えたな。


 ここで休憩。
 BGMに何故かトランステクノが流れる中、スタッフが何やらビニール袋片手に場内を徘徊しだした。よく見ると何かを配ってる。おいなりさんだった・・・。いや、ちょうどゴハン食べてなかったからこのサービス精神は物凄く有り難かったんだけど。とりあえず、まさかプロレス会場でおいなりさんを配られるとは夢にも思わなかった。これは毎回やってるサービスなのかな? だとすれば、配るのも毎回おいなりさんなんだろうか。前回は太巻き、その前はサンドイッチとかってローテーションがあったりしたらただごとじゃないな。なんでただごとじゃないんだ?と聞かれたら返答に困るんですが。

 休憩がやたらと長かったので、ちょっと道場内を見渡してみた。まず左側の奥に控え室というか更衣室というか場所を提供している方の居住空間というか、そんな感じの入り口があり、そこにゴングとリングアナがスタンバイしてる。

 その横のガラス戸の向こうはテーピングとかコールドスプレーといった備品が置かれた部屋。ウェイトトレーニングの器材も奥のほうにあったような。なお、このガラス戸には以下のような注意事項が書かれた張り紙あり。

 ・練習前には必ず神棚に向かって挨拶すること。
 ・ロープワークの練習をした場合、終了後に必ず緩めておくこと。
 ・ウェイトトレーニングをした場合、終了後に必ずプレートを外し、シャフトを降ろすこと。
 ・練習前、練習後にはリングをホウキで掃いておくこと。
 ・練習中にふざけることは禁止。
 ・練習後には必ず神棚に向かって挨拶すること。

 気になるのは、これを読むべき存在、つまり道場の練習生はいったい何人いるんだろう?ということ。これを見る限り、道場生は普段からここで練習してるんだろうけど、提供された方は上がりをいくらか貰ってるんだろうか? それともまったく無償で練習場を提供しているのかな。たぶん後者だと思うけど。

 あと、場内の至るところにIWAJapanの古いポスターが飾られてた。中には雁之助やら市原やら山圭やら元川の写ったポスターまであったりして歴史を感じさせる。こうして考えると、昔のIWAJapanって豪華なメンツが揃ってたよなぁ。

 あ、そうだ。気になる観客数はこの時点で53人(ヒマだったから数えてみた)。前日に武道館で1万ウン千人の観客と共にプロレスを観てたという事実を一瞬忘れそうになった。

 そんなこんなで長い休憩が終わり、リングアナがメインの開始を告げる。勿論、片手にはマメカラ。もしこれがNOAHの仲田龍リングアナだったらどうなることかと考えたところ、真っ先に浮かんだ映像は仕事も忘れて演歌を熱唱する姿だった。それよりマイクアピールをマメカラでやってみても面白いかもしれんな。もし三沢にマイクアピールをやらせようとしたら、相手を挑発するつもりが何故かいきなり十八番の「人造人間キャシャーン」を歌い出してしまったりとか。小路晃にマメカラ持たせたら絶対に尾崎豊を熱唱しだすから要注意とか。まぁ他愛も無い話ですが。


メイン ブルドック・チェーンデスマッチ
○ターザン後藤(17分20秒 ジャイアントバックブリーカー)マスクド・デスマッチ・X×

 最初に言っておくと、敗者の名前の最後の文字は「X(エックス)」である。また、最後の「×」は「Xが負けた」ということを現してる。まぁ「X×」じゃわかりにくいことこの上ないな。リーバイス501のビンテージじゃあるまいし。

 X−Japanの曲で入場するエックス。リングインするやいなや両手を頭上で交差させる「Xポーズ」。為念として言っておくと、かつての船木誠勝に影響されたというわけでは絶対にないと思う。 当然ながら「エックス」というだけあって、正体は不明。しかしここで、場内のファンから「金髪だから外人に決まってるよ!」という素晴らしい理論が飛び出した。読者諸兄よ、かつてプロレス会場でこれほどまでに説得力のある理論を耳にしたことがあるだろうか? そう。金髪といえば外人なのである。だからエックスも外人なのだ。体型やら声色なんかから正体の目星をつけてた手前はまだまだ未熟であった。まったくプロレスというのは奥が深い。

 反対側から後藤が入場。ガウンを脱ぐと、あらまぁ・・・ちょっと見ないうちに随分とおなかの周りがグッドシェイプ(長州語録:勿論ここでは皮肉の意味で使用)されたようで。

 この試合は長さ3〜4メートルくらいのチェーンの両端についた首輪をお互いの首にはめて闘うという形式のデスマッチ。それにしても、大学病院から目と鼻の先でデスマッチをやって流血もしてのける後藤の根性はある意味凄いと思った。まぁ確かに怪我してもすぐに救急車を待つまでもなくすぐ医者にかかれるという利点はあるが。

 ゴング前、レフェリーが両者の首に首輪を巻きつけるも、どうも後藤の首にはうまくはめられない。ここでしびれを切らした後藤は「早くしろ! 寒いんだから!」とレフェリーを一喝。慌てたレフェリー、今度は手元が狂ったかちょっとキツく締めすぎたようだ。すると後藤はすかさず「きつく締めすぎだ! もっと緩くしろ!」とこれまた一喝。恐らく後藤がネクタイを締めるときはデスピナ夫人にも同じような態度でしめさせているのであろう。もっとも後藤は冠婚葬祭でもない限りネクタイなど締めない人なので(勝手に決め付けてるけど特に根拠は無し)そういうケースは滅多に起こらないとも言えるんだけど。

 ゴングが鳴り、両者チェーンを引っ張り合う。うまく後藤を手繰り寄せたエックスはパンチとキックで攻め立てる。ダウンした後藤に向かって「カマーン!」「スタンダーップ!」とさすがは外人!と思わせる挑発。客のツカミはOK。しばらく攻撃を続けるうちに、ついに後藤の額から血が流れ出した。

 しかし、後藤は流血してからが本領を発揮する(というか血を出してナンボの)タイプ。あっという間にエックスをコーナーに追いつめ、鼻っ柱にパンチを入れる。こりゃ痛そうだなぁ、と思ったらやっぱり相当効いたらしく、エックスは「オーゥッ!」と外人らしい悲鳴を上げつつ崩れ落ちる。が、ここで後藤は「なぁにが『オーゥッ』だこの野郎」と一声。場内失笑。何故だ? 外人が「オーゥッ!」と悲鳴を上げるのは当然だと思うんだが。

 その後、立ち上がるもフラフラ状態のエックスを椅子で殴打する後藤。今度は抜けた椅子の底の角の部分でエックスの額を小突く。なんというか、嫌味な性格が滲み出てるというか、こういう小さな会場での相手のいたぶり方をよく知ってるというか、とにかくスケールの小さい攻撃を披露する。そして、セコンドの若手に持ってこさせたハサミをエックスの背中につきたてる。自らが作った病院の敷地近くで行われたこの光景を天国の北里柴三郎先生が見たらどう思うことか。

 ほぼ一方的にエックスをいたぶり続けた後、師匠譲りのジャイアントバックブリーカーでギブアップ勝ち。なんというか、相変わらず若手相手に楽な仕事してるなぁ、という印象しか持てなかった。

 ゴングが鳴った後、自分のつけてた首輪を若手にはめて、エックスともう一試合させようとするが、何だかよくわからんうちにまた後藤が暴れて終わり。試合と気温の寒さで体が凍え始めた頃だったので、すぐに終わってくれてよかった。


 最後は観客をリングに上げて記念撮影。希望する人には後でその写真を郵送してくれるそうだ。これはいいサービスですな。手前も生まれて始めてリングに上がって、ちょっと緊張した。なんというかロープをくぐるだけで空気が一変したような気がしたし。初めて歩いたリングの上は、結構柔らかいんだな、という印象だった。少しだけ、レスラーの聖域に足を踏み入れることができた喜びで、もはや記念撮影のことはどうでもよくなっていた。それでも一応、後藤を中心に写真を撮ったんだけど。これ、郵送されて、知人の家でスキャナーとか借りれたらどこかで公表します。お楽しみに。

 次回興行は11月19日だそうな。まぁヒマがあったら行ってもいいかな。そのためにわざわざ時間を割こうとは思わなかったけど。とりあえず後藤はどうでもいいけど、IWAJapanの若手はこれからも見ていきたいと思ったし、それにおいなりさんも食べれるし。

 あ、そうそう。客出しの直前、渡辺宏がマイクを握り、次回の興行は自分の30歳の誕生日であること、だから絶対に勝ってみせる、というようなことをアピールしてた。なんだ、やっぱりマメカラじゃなくて普通のマイクもあるんじゃんよ。




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