FMWパワースプラッシュシリーズ 10/29PPV  体力は整った・・・!?
■団体:FMW
■日時:2000年10月29日
■会場:後楽園ホール
■書き手:ノリリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

夕方SAMURAIをつけたら、冬木vsハヤブサのアイアンマンマッチをやっていた。これは明らかにJudgement DayのWWFタイトルマッチRock vs HHHに触発された試合だ。WWFを目標にしているのはわかるが、これはいただけない。海の向こうはHHHとRockというコンディションのいい最高の部類のレスラーが闘い、ショーンマイケルスが裁き、マクマーン一家とThe Undertakerが乱入するという、贅沢なしろものだったが、それともろに比べられてしまう。以前は海の向こうのアメプロなどみるのは一部のマニアだけだったが、今では増えてきている。FMWをみようかと言うくらいのファンなら観ているものは多いはず。こんなカードを組んでいると、WWFの宣伝をしているようなものだ。

それはさておきその後PPVがスカパーで始まった。なんと800円。総じて言うと”お値打ち感”のあるPPVだった。観戦記を書くけどFMWはそれほど詳しくないのでいい加減なところがあったらご容赦を

まず放送席に、怨霊のベルトが祟られていると憑かれたように繰り返す漫画家いしかわじゅん(プロレス4コマを書いていた)が乱入したり、MCの斉藤が遅刻して、杉作J太郎とPeterが放送するという放送席のシークエンスが一くさりあったが、それは省略。
冬木は『TVに力を入れる。ハウスは力を抜く』と断言していた。しかしそれなら大事なのは放送席のはず。意図的にundercardでは調子を落として放送していたのかも知れないが、あまりにも放送を盛り上げる役に立ってない。プロレスのPPVでは第一試合が大事だろ。全くもってダメかと言えば、そんなにひどいわけでもないので、どこをどうすればいいのかは見当がつかないが、もう少し何とかならないものか?

第一試合 C向井&牧田vs山崎&森田
チョコボール向井をみたことのない若者はいまい。おそらく潜在的にはハヤブサや冬木を遙かに超えてFMWでもっとも有名人だ。細いAV女優と比べるとすごい体格のC向井だがさすがにプロレスラーとしては、すごい体型というわけにはゆかない。特に上腕3頭筋のあたりが少し弱い。
それはともかく、デビューして1年、同じ時期にデビューしたKアングルはすでに頂点に立った。もっともアングルはデビューまでに1年以上の研鑽を積んできたので、デビューからの年月だけを比べるわけには行かないが・・・この差の背景にはC向井とKアングルの力量の差もあるだろうが、ブックやレスラーの進退を鉛筆が全てコントロールできるWWFと、冬木がそれぞれのレスラーの意向を気にしながらやっていかざるを得ないFMWの差があるのかも知れない。日本・プロレス的には当然であるが、強権がないことがEntertainment路線の足かせになってなければいいが。もっともC向井はFMWのメーンノレスラーの力量にはまだ遙かにおよばないという現実もあるのだが・・・新人の二人はまだプロレスラーではないが、まあ頑張ってやっていた。特徴が試合中に把握できるほどないので記憶に残らない。しかし第一試合というのは根を詰めてみるようなものではない。興行の一部であって興行の一部ではないだ。C向井のケリでC向井&牧田組の勝ち

幕間1:市原が駐車場で荒井薫子を待つ。市原カメラをみてカメラの位置を確認してしまう。しょっぱい。薫子はそんな塩味の市原に冷たい。そこへ遅刻してきた斉藤のミニカが入ってくる。すごい勢いでつっこんでくる車をおそれて、薫子を忘れて飛び退く市原。斉藤は間一髪薫子をよけて車を止める・・・となれば面白いのに、市原はまたしょっぱい意味不明の表情で薫子と一緒におずおずと横によるだけ。何事もなかったようにすーっと車を止める斉藤。・・・・こんなんでいいのか?しっかりしろ。だいたい生で中継しなくていいんだから、事前にとって編集しておきなさい。

第二試合 邪道vs新宿鮫
どことなく加藤鷹に似ている新宿鮫。畑山の同期だという意味なしの経歴もいい。すぐ覚えられるくらいキャラが立っているのもいい。しかし新宿鮫の雪崩式フランケンシュタイナーとかなんとかいろいろ出してくるプロレス技がどうもいけない。これはやはりプロレス技というのは太ってないと見栄えがしないからなのか?ともかく邪道はれっきとした経験を積んだプロレスラーだ。邪道が動いたときだけプロレスがしまる。
3分三二秒 Cベノワの得意技・クロスフェースオブ邪道で邪道の勝ち

第3試合 ミックスドタッグマッチ(MTM) 工藤あずさ・元川恵美 vs 市原・井上京子 
FMWのMTMではどうやら男と女の区別はないらしい。もっともオカマ工藤あずさはれっきとした男だし、井上京子は市原より遙かに強そうだし、男対男、女対女と言うような縛りをつけようがない。試合では『市原は最近女子を相手には強い攻撃をしますねえ』などとキャプションを入れられた市原の腰抜けぶりが素晴らしい。攻撃をもっぱら元川にたたき込んでいくが、あずさにはやられっぱなし。しかも、やられてもちゃんとセルをみせるでもなくタンタンと無能にやられる。このフラットさはおそらくわざとやっているはず。駐車場でのしょっぱさをおぎなってあまりある活躍だ。 やれば出来るじゃないか?それとも出来ないからこそのアングルか?だとすれば深いが・・・ ともかく試合は工藤あずさが市原を押さえる。元川が案外かわいいことに気がついた一戦だった。が、井上京子も案外かわいい。

幕間2:雁乃助駐車場へ登場 (注:雁乃助はエンターティメント路線に反発して、荒井社長によってFMWを追放されている)さっき入ってきた斉藤のミニカを破壊する。但し壊し方がせこい。当然モンスタートラックで踏みつぶすとか、崖までもっていって落とすとかではなく、ワイパーやウインカーを引きちぎったり、クラブでたたいたり・・・この後営業にまだ使うと言う雰囲気がでていてX。

第4試合 外道vs黒田
儂は黒田を良く知らなかったんだけど、案外いいレスラーなので驚いた。きっちりこっちりプロレスをやっているところに、雁乃助が場内に入ってくる。外道のセコンドのGS中山やら雁乃助やらが乱入して結局竹刀で殴られた黒田がピンフォール負け。これはいいんだが、横文に向けて邪道外道のスポットがない。邪道・外道が『俺達はFMWの外人教育係じゃないんだ』と怒るのもわかる。こんな扱いではいけない。んだが、リッキー大矢組がWEWタッグ奪回に失敗。横文ではWEWタッグに挑戦するんだろう。と思っていたら、なんとWEW6人タッグタイトルの防衛戦だとか・・・いくつタイトルがあるんだFMW。

幕間3:荒井vs雁乃助   乱入してきた雁乃助をみて、荒井社長がいい味の警備員を連れて入ってくる。シルバー友の会で紹介された警備員らしく雁乃助が社長を袋にするのを全く止められない。これは間抜けでいい。ともかく、荒井社長のしきりで、雁乃助は出場停止をといてもらい黒田と闘う条件に『雁乃助負ければ即引退スペシャル』を飲んでしまう。となると当然雁乃助は負けるわけだが、その後の展開は新日よりも早いのを希望。ともかく荒井社長のしきりはビンスのごとく極まっている。Dialogue writerもいい。一つ難点を上げると、アナウンサー調になりすぎていることくらいか。

幕間4:薫子と新宿鮫が連れ立って夜の街に消えていく。いきり立つ市原・・・で、市原vs新宿鮫戦に

開始前にまたいしかわじゅんが現れて、呪いのベルトの話をしていく。
第5試合 
WEWタッグタイトルマッチ 王者:本田&丸藤 vs 挑戦者:大矢&リッキーフジNOAHから丸藤と本田がやってくる。丸藤のさわやかさ(儂はさわやかなのは嫌いだが)と本田の迫力はちょっとFMWのリングでは群を抜いている。対するはベテランソープ嬢の様に見える演歌歌手と入場してくる大矢と自分で思っているほどかっこよくないリッキーフジ。丸藤の軽やかさと大矢・リッキーの凝りのなさがスイングして試合が展開していく。丸藤がいくつか炸裂して、最後は丸藤がリッキーを丸め込んでピン。試合はプロレスとして淀みなく展開したんだが、これでいいのだろうか?大矢リッキーというあたりは、特に見せ場がないとかやる気がないとかではなく・・・なんというか、タンタンと消化しただけという感じだ。何か納得がいかない。定年を待つ地方公務員と言った風情に見える。なんにしても、丸藤本田は横文にラインナップされていない。

第6試合 ハードコア6人タッグマッチ
M佐々木・保坂・田中 vs 金村・ホームレスジミー・スプリーム 
妙に嬉しそうな顔をした肥満児金村が大歓声とともに入場。怪しさ満点で、誰がみても小学生のクラスに一人か二人かいたいじめられっこの肥満児に見えるはず。気合いが入っている。その後よく知らない、肥満児スプリームと貧乏そうなコスチュームのホームレスジミーが入ってくる。
派手で似合わないアマレスコスチュームのM佐々木とヘッドギアをした田中が入ってくる。田中は頭の皮を30針ほどぬったそうだが、ヘッドギアがよく似合っていた。
試合はM佐々木がまずヘナチョこ外人を蹴散らしてオーバー。その後田中がジミーを場外でKO、スプリームを階段落としでKO、リングに戻って金村を攻めると言う展開で、カメラワークが田中を中心に展開した。ジミーは場外で田中にやられるのはいいんだが、ペットボトルの水をかけられたくらいでダメージをうけて倒れちゃイカンだろう。おまえはジャミラか!?しかし外人二人も復帰したり、また場外に消えたりして、流れの定まらない試合展開のなか田中が金村をピン。FMWのハードコアというのはどうやら決着はリング内でつくらしい。当然、横文 田中vs金村に続く。コントはなし。どうやらこの二人には・そんなものいらないらしい。
どうも保坂がどこにいて何をしていたか覚えがないんだよなあ。

幕間5:女子便所から工藤あずさと元川が手をつないででてくる。それを大矢のマネージャーのソープ嬢が咎める。そこへ偶然通りがかったギャオス内藤も『それはイカンだろう』ととがめると、怒った工藤あずさが内藤を突き飛ばす。元川も強烈なショルダーアタックを鳩尾に一撃! そのまま去る。変わって登場した大矢が、『見所があるオカマ』と感心しながらいきなり怒大爆発。  『男・大矢怒り爆発!!どっちが強いか男とおかま・ ミックスド・セックス-ハンディキャップ-マッチ 工藤& 元川vs大矢with G内藤に続く。

第7試合  冬木・ GOEMON vsハヤブサ・怨霊
どうも気になることがある。冬木に元気がない。東スポには糖尿病と書かれているし、5日も2ホールとられた。この日もあまり目立たない。アングルではなく本当にかなり体が苦しいのではないか。試合に関してはハヤブサの肉の落ちた前腕と冬木の元気のなさで儂はかなりヒートダウン。散漫な感じの試合だ。しかし、最後はハヤブサが元気を出し、大技の連続から元気のない冬木をスプラッシュマウンテン(だったはず)でピン。
『11/12横文で冬木とけりを付ける。そして5月5日には必ず帰ってくる。お楽しみはこれからだ』と叫ぶハヤブサはかなりかっこいい。これにより冬木vsハヤブサのWEWシングル、と呪いのベルト争奪マッチ(負けた方がチャンピオン)怨霊対GOEMONに続く。儂的には呪いのベルトの意味がもう一つ試合のなかで明らかにならなかったところが気になる。 

さて800円ならかなりお値打ち感のあるPPVだが、エンターティメント興行の問題はお値打ち感があるなしではないと言うこと。”真剣勝負”と銘打ってさえいれば言葉に支配された馬鹿が義務感で何でも観てくれるが、エンテーティメントはそうはいかない。800円が100円でも面白いと思わなければ3時間もの間プロレスを観てもらえないのだ。逆に言えばプロレスを見せて客の時間を買うようなもの。FMWは頑張っているんだが、横文で3時間分の時間を買えるプロレスを見せれるのかが興味が持たれるところ。
それにくわえて、11月11日は夕方からWWF No mercyのオンエアーこれはかなり厳しいところだ。冬木ぴ〜んち
それにくわえて心配なのが、冬木の体調だ。ハヤブサはもう5月までアウトなのはどうしようもない。しかし、東スポ情報とはいえ、儂は冬木の糖尿を本気で心配している。というのもsellの時以外も何となく元気がないのだ。FMW陣営を見渡すともはや冬木が特に重要なレスラーというわけでもない。冬木本当にぴ〜んちか?
しかし逆に言うと、それぞれ玉はすごーく小粒なんだが、FMWの陣営は整ってきている今攻勢に出れば、NOAHや新日を脅かす日も遠くないかも知れないし、逆にちょっと失速すれば闘龍門・大阪プロレスに抜かれる日も来るかも知れない。なんにしてもFMWのネットでの存在感の薄さが気になるところだ。




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