10・9リングス
■団体:RINGS
■日時:2000年10月9日
■会場:代々木第二体育館
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

常々好きな団体の順番は1:WWF、2:リングス、3:プライド、4:ガイアと公言
している自分だが、別に同日開催の優先順位という訳ではない。
それでも10・9全日本対新日本のドーム大会よりもリングスのKOKトーナメント
を優先してしまうのはひとえに健介対川田というカードの魅力のなさに尽きる。
これがノア対新日なら迷う事なくドームを選択した事と思う。

さて、会場となった代々木はキャパ4000人程度の会場だが、それでも現在の
リングスでは満員にするにはかなり難しいものがある。特にこの日はドームとの同日
興行だし、両方見るファンからすると代々木を選ぶのはかなりの変わり者ではないかと
考えていたからだ。ところがどっこい蓋を開けてみれば恐らく前田対カレリン(キャパ
は違い過ぎるが)以来の札止め。しかも開始30分前からと予想外の盛況ぶり。
ファン層は自分が考えている以上に変わってきている事と、年齢層の高い観客たちに
とっては日曜・祭日の開催の方が問題であったという事か。何にせよ素晴らしい事だ。

さて試合の方だが予定の開始時間から入場式他色々あり結局40分から。全選手入場式
って意味あるのかな?「ちゃんと来てますからご安心を」くらいのもんでしょ?
それはさて置き、取りあえず軽く予想でも・・・。
1回戦の勝ち上がりはトラヴェン、メネー、ババル、オーフレイム、柳沢、ホーン、
ノゲイラ、田村。この中で願望込みはホーンのみで、サンボの新顔は勝てば勿論大喜び
だが、対戦相手は初挑戦のルールへの不馴れを考慮した上で、勝てるかもというレベル
ではないだろうというのが率直な感想。

第一試合:トラヴェン対ミハイル
年齢的にも即新しい分野(と言っていいだろう)で勝利を納められるほど楽な相手じゃ
ないだろう、と思っていたが案の定。トラヴェンは打撃で攻め込み全くサンボをさせな
いまま判定勝ち。ちょっとキツい試合だった。
あと「キャプテン翼」のロベルト南郷は、ホベルト南郷と表記しなくちゃいけないんだ
な、と思った。
第二試合:メネー対坂田
メネーは体格も日本人と変わらず、バランス良く技術を習得しているところから今後は
一昔前のピータースのような役割に収まるのではと思う。
もっともその前にその登竜門の前に行くまでの若手が育てばの話だが。
坂田は後楽園から使い始めた「威風堂々」で入場。まだまだこの曲を使えるレベルじゃ
ないだろう、とは思うが使っているものは仕方ない。
坂田は恐らくかなり反復練習したであろう、左ミドルに続けての左パンチで突破口を
見い出そうとしたようだが、それしか出さないので終盤には完全に見切られていた。
途中カカト落としを見せたりしたものの、スタミナ切れをヒザのサポーターを直す事で
休憩を取るというセコさも見せながら、結局いいところなく判定負け。
取りあえずテーマ曲とベンツ没収を課したい。

第三試合:オーフレイム対スレン
初参戦のスレンはミハイルとは違いまさに「鍛え上げた」とか「岩のような」と言う
形容が似合う一昔前の強豪レスラーの様な上半身。
脱ぐだけで客が沸くのは久しぶりではないか?
対するオーフレイムは背中の入れ墨がかなり増えているようだった。アイブルの不思議
なスター性の陰に隠れてはいたものの、研究熱心さが実を結び今やリングス新世代を
代表する選手となった。後は確かな実績(田村を初対決で秒殺したものの)だけか。
試合は何故か果敢にもスレンがパンチで立ち向かい、正直言って間延びしていた会場を
沸騰させる。スレンのパンチに見るべき技術はないものの、プロ向きの性格である事は
十分伺えた。立ち技の攻防となればオーフレイムにかなうはずもなく、あえなく古傷?
のヒザを痛めレフェリーストップ。試合は面白かったし、次回への期待も膨らんだが
やはりサンビストなのだからサンボの技術を見せてもらいたい。とは言えスタンドも
寝技もそれなりにバランス良く、ハイレベルに習得している選手がこれだけ集まって
しまうとトラヴェンのように、都合良く使い分けする事で試合をコントロールしようと
するのが勝利への最短距離と考えるのは仕方ない事か?
サンボ王者としての本領発揮させられるカードとして、次回はTKとの対戦を期待した
い。

第四試合:ババル対タリエル
OFGでの顔面パンチOKのルールでは・・・と無闇に幻想だけは膨れ上がったもの
の、昨年のアイブル戦でアッサリ敗退したタリエル。今回は昨年の汚名を晴らさんと
鍛えているに違いないというファンの願いも、選手紹介時の150キロとコールされた
時点で霧散した。それでもそれなりの楽しみ方をしてしまえるところが、今のリングス
ファンのタフなところだろう。
まぁ3分持たねぇだろ・・・という大方の予想こそ結果的に裏切らなかったものの、
ぶつかり稽古の如くャ汲受cb止めたり、ただ乗っかっている体勢ながらその体重
差からあわや・・・と沸かせるなどプロ興行では役目を果たしたといったトコロか?
でもタリエルは今極真ロシア支部長なんだよな。マズくないのだろうか?

第五試合:クートゥア対ホーン
同門だけあってクートゥアはヘンダーソン同様、首を抱えこんでのパンチを多用してい
た。田村はトークショーでその戦法に対して「飛び付き十字が決められると思う」と
発言していたそうだが、ジェレミーも同じように考えていたようで盛んに飛び付き系の
技を見せていた。さすがに3度4度と続くと読まれていたが、リスクの大きい技に何度
もトライするジェレミーを観客も後押ししていたように思う。
ドロー判定後の延長でスタミナに勝るクートゥアの判定勝ち。本戦でジェレミーの勝ち
かと思ったんだが・・・。
それよりもこのカードを一回戦で見られた事を喜ぶべきなのか、ちょっと判断つけかね
るな。アメリカでならPPVのメイン級のカードだろ。もしかしたらソフト販売のあて
があるのかも知れない。

第六試合:柳沢対ジュリアスコフ
体格差とKOKルールという打撃系有利のルールでは圧倒的に柳沢有利かと思っていた
が、始まってみるとポジション取られまくりでバックからの裸締めではあわや瞬殺かと
思わせた。ハイキックにタックルを合わせられたりと殆どいいところはなかったものの
ワンチャンスを逃さず足首固めで勝利。
柳沢の必死さはジュリアスコフが試合後歩いて帰れなかったところに表れていたが、
試合そのもので表現して欲しかった。
敗れはしたものの会場を十二分に沸かせたジュリアスコフ。怪我から回復したら、次は
メネーとの試合を見てみたい。

第七試合:ラバザノフ対ノゲイラ
試合の度に不可解判定で勝利を逃していると言われるノゲイラだが懲りずに?再登場。
さすがに採点基準を理解したのか積極的に極める意志を見せつける戦い振りで、打撃に
も頼る事なく瞬殺。試合タイムは短かったが、そんなに短時間という印象はないなぁ。

第八試合:田村対ザザ
入場式の時に改めて感じたのは、田村が無差別級のリングに上がり続ける事の異常さ。
残念ながらそれだけこのジャンルが熟成されていない事の証明なのだが、わかっていな
がらファンは期待し、残酷なまでに過酷な場に追いやってしまう。
今回は勝ち上がってもノゲイラと対戦というペナルティーとしか思えない組み合わせで
前田は決勝に1人日本人が入っていればOKと考えているのかな?とも思ってしまう。
というワケで今年は昨年の田村と同じ扱いを高阪に!
1回戦はツベトフ、2回戦はミーシャでよろしく。
試合は途中ザザのグラウンドでの顔面パンチが入ってしまった事もあったが、まぁ危な
げなく判定勝ち。ザザはいつまで経ってもタックル→アキレス狙いのワンパターン。
観客にすら見抜かれている事に早く気がついて欲しい。

第九試合:メネー対トラヴェン
流石に半月以上経つと、覚えているのは両者に消極性を理由としたイエローが出された
事くらいだな。それでも試合は特に動く事なく判定でメネーの勝ち。
USトーナメントでは1回戦負けのメネーがベスト8というのも奇妙な話だ。

第十試合:オーフレイム対ババル
第八試合でザザのグラウンド状態でのパンチが田村の顔面に入った時は、確か3分の
インターバルが与えられたが、この試合でのオーフレイムに対してはちょっと曖昧な
感じであった。この組み合わせには期待が大きかったので、とりあえず次の試合を開始
して全試合終了後に再戦してくれないかな・・・と無茶な事を考えていたが、当然しば
らく後再開。足元おぼつかないオーフレイムに対して少し気後れが見受けられるババル
はグラウンドの攻防で足を取られタップ。信じられない番狂わせだが、これが本当に再
戦ならオーフレイムは敗北していたかもしれないのだから、わからないものだ。
結果的には唯一の純リングス勢の決勝T進出となったが、なんとかここでアイブルの穴
を埋めてもらいたいところだ。でも本当に足元おぼつかなかったの?

第十一試合:クートゥア対柳澤
一回戦を短時間で勝利した柳澤と延長判定のクートゥアなら柳澤の勝ちもあるかも?と
考えていたが、流石にそんな甘い話はなく、クートゥアのスタミナに圧倒されて判定
負け。それにしても柳澤がパンクラスでは考えられないMMA界の大物とリングス登場
2戦目にして対戦できてしまったのは、ブッカーである前田がデカいの好きとは言え、
おかしな話だ。試合後「パンクラス、最高だぁ〜」と間の抜けた声が掛かっていたの
には爆笑した。まぁパンクラス・ファンも柳澤で判断して欲しくはないだろうけどね。

第十二試合:ノゲイラ対田村
開始前から一回戦のダメージ、体格差とハンディが重なる対戦となってしまったが、
それでも田村は途中いわゆる「クルクル」な動きを交えて果敢に攻めてゆく。
実際上記のハンディがなかったとしても結果は変わらなかったとは思うが、最後まで
諦めずに最高の技術戦でこの日の興行を締めくくった。
田村の持ち味を本当の意味で表現できたのは、やはりハンとの一連の試合なのかも知れ
ない。しかしながら時代の趨勢とともにそれは封印されたカタチになってしまった。
恐らく来年にはそのハンも引退する事になるかと思う。もし許されるなら萎試合には
田村とのエキシビジョン、そして「クルクル」全開で幕引きとしてもらいたいものだ。

<KOKトーナメントルール、5分2R>
・1回戦

○ホベルト・トラヴェン(2R判定3−0)ボリソフ・ミハイル×
(ブラジル)               (ロシアサンボ連盟)

×坂田 亘(2R判定0−3)デイヴ・メネー○
(リングス・ジャパン)    (ミレティッチMAC)

○ヴァレンタイン・オーフレイム(1R2分13秒RS)バラチンスキー・スレン×
(リングス・オランダ)               (ロシアサンボ連盟)

○レナート・ババル(1R2分58秒)ビターゼ・タリエル×
(リングス・ブラジル)        (リングス・グルジア)

×ジェレミー・ホーン(延長判定0−3)ランディー・クートゥアー○
(リングス・USA)           (USA)

×ボリス・ジュリアスコフ(1R3分45秒足首固め)柳澤 龍志○
(リングス・ブルガリア)         (チーム・ドラゴン)

×ラバザノフ・アフメッド(1R1分38秒腕十字)アントニオ・R・ノゲイラ○
(リングス・ロシア)            (ブラジリアン・トップ・チーム)

○田村 潔司(2R判定3−0)グロム・ザザ×
(リングス・ジャパン)    (リングス・グルジア)

・2回戦

○デイヴ・メネー(3R判定3−0)ホベルト・トラヴェン×

×レナート・ババル(1R2分19秒)ヴァレンタイン・オーフレイム○

×柳澤 龍志(2R判定0−2)ランディー・クートゥアー○

×田村 潔司(2R2分29秒腕十字)アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ○




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