9.30 GAEA 本川越大会観戦記
■団体:GAEAJapan
■日時:2000年9月30日
■会場:本川越ペペホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

川越まで行って来ました。西武新宿線で高田馬場から急行で約1時間。会場は駅ビルの中にあるので、アクセスにいいし場内は綺麗だし、ホールとはまた違い、なかなかいい感じ。これならまた行ってもいいかな。

まず、チケットのもぎりが伊東レフリーだった。なんか申し訳ない感じ。場内ではTシャツを買った人に一期生全員のサインをという事で列が出来ていた。ホールでは考えられないサービスだ。後ろ髪を惹かれたが、先月飛鳥と園子のサイン入りTシャツをゲットしたし、先週は飛鳥とブラディーにブロマイドにサインを入れてもらったからいいや。だけど、今月私は飛鳥を4回見ることになるんだ。ビョーキだね。

お客さんは首都圏近郊という事で、ホールとは若干違うようだ。いつもホールで見かける人もいるが、子供連れが多かった。男女比は、5:5というところかな。ただ、立ち見により四方の壁は人で溢れている。まさにすし詰め状態だった。


9.15の文体と9.17のホールをパッケージと考えれば、今日の川越は文体以降の最初の大会である。有明以降の世代闘争から個人闘争に。オオバコ後のGAEAは状況が大きく変わるので、見逃せない大会だ。ちなみに、今日はLLPW、jd’も試合があるのでトミーさんはお休み、全試合伊東幸子レフリーが裁いた。やっぱトミーさんに会えないのは少し残念。

1.里村明衣子(15分32秒 腕ひしぎ逆十字固め)竹内彩夏

里村と竹内のシングルというのを私が見るのは、昨年の10.23後楽園ホール以来である。この試合は竹内のデビュー戦で、その相手が里村だったのである。

この試合の印象は、デビューの選手相手に里村はあまり付き合わず、あっさり関節で終わらせてしまったという感じだった。もう少し受けてやれよというのが率直な気持ちだった。実際試合時間は、3分34秒であった。


デビュー戦と同じように、今日も両者握手をし、竹内が「お願いします」と言って試合が始まる。
両者レガースを着用しており、お互いミドル、ローの蹴りあいから試合が始まる。どこかで見たようなフットワーク。しかも打撃は掌底だ。竹内がタックルに入った所を里村が上から潰すが、竹内はすぐにフロント・スリーパーに切返してくる。
そう初期のUの試合を見ているようだ。長与の前田好きは有名だが、その弟子二人にそういう試合をさせるとこういう展開になるのか。

この試合の4分の3はグランドの攻防であった。しかし、それは過去の浪漫や言っては悪いが無我とは全く違う世界でもあると感じた。グランドでも相手のスタミナを奪うとか、痛めるというのではなく、ひとつ間違えは一触即発な緊張感をもった展開である。無我なんてグランドの攻防だとか言っても途中で休んでいるのではないかという時があるが、それとは全く違う、いつ試合が終わってもおかしくない展開だ。

竹内がまず攻勢となるが、まあ、序盤は里村が付き合ったように思えた。結構余裕で返しているし。一通りの竹内の攻撃が終わり里村が逆エビやメキシカン・ストレッチみたいな技で押して行き、試合的にはそこで終わりだと思った。

しかし、里村の攻撃を凌ぎ竹内タイムが始まった。まず、執拗な脇固めで相手の右肩を徹底して攻める。その後、ビクトル式腕ひしぎ、ノーマルな腕ひしぎ、三角締め、腕をクラッチしたままキーロックのような形の三角締め(なんか名前があるんだと思うのだが)。

スタンディングでもタイガー・スープレックス2発、稲妻レッグラリアート(これは相手の首にハードヒット)、そして技名は分からないのだが、トップロープ最上段からコン・ヒーロのように空中で回転し相手の首をネックブリーカーのようにヒットされる技。これで、里村を2.9まで追い詰めて行く。

最初は受けてやろうという感じの里村にも、だんだん余裕が無くなる。里村は竹内のグランドテクニックに対し、なりふり構わず力ずくで返して来るようになる。
最後は、力ずくでねじ伏せた後の腕ひしぎで里村の勝利となったが、里村自身ここまで追い詰められるとは思っていなかったのではないか。

試合後に、下から上目づかいに覗く竹内に対し、里村は一時睨み合ったが、そのまま客席に挨拶して帰ってしまった。そして悔しがる竹内。普通なら後輩の健闘をリング上で称えるところだろうが、そういう余裕も無いような感じだった。下手に健闘を称えられるより里村のこの行動は正解であっただろう。

それにしても、最近ホールでは広田との試合しかなく、文体でのサヤ・エンドー戦でも何もさせてもらえなかった竹内だが、ここまで成長していたとは。少し前までドロップキックしか出来無い選手だと思っていたが、今日やっと道場でのスパーリングの成果を見せてもらった感じだ。しかし、ここまでグランドのテクニックをつけていたなんて驚きだ。

体格とパワーでは他に敵わないが、キレとスピードのあるキックで相手を翻弄し、姑息とも言える程、相手の弱点を卓越したグランド・テクニックで追い詰めていく、研ぎ澄まされたナイフのような印象を受けた山崎一夫の影を今日の竹内に感じたのは私だけでは無いだろう。

GAEAにとっては比較的長い15分という試合。一時も緊張感が途切れる事の無い濃密な時間。身振るいするような素晴らしい試合だった。

2.植松寿絵(ドラゴン・スープレックス9:24)×広田さくら

最近ホールでは広田の相手は竹内ばっかだし、文体はポリスでこういう相手とやるのを見るのは久し振り。個人的には植松は広田との絡みになると、植松はいいお姉さんみたいな感じになって愛らしい。このカードを前に私が見たのは、前の試合と同じ昨年10月の後楽園。あの日のダシ物は例のダンシング・ベイビーだった。

まずは、植松の入場。この会場は映写設備が無いのでスクリーントーク無しで入場なのだが、なにやら耳慣れた曲が。「おもいこんだら〜、しれんのみ〜ち〜を〜、」ジャイアンツ優勝で来たか、今日は。ジャイアンツのユニホームに背番号は栄光の3番。プラスチックのバットとボールで打撃練習をする。顔のメークは”巨人の星”ではなく、昔アニメであった”侍ジャイアンツ”に出てくる長嶋の顔みたい(知っている人は知っている)で、結構汚い。ベルトも腰に巻いており、なんかプロレスラーの入場というより危ないおじさんだな。

「おい、植松、お前はこのベルトを欲しかったよな。今日は賭けてやるよ。お前が負けるとは限らないからな!!」場内???
さらに、「今日は巨人の優勝を祝ってビールかけをやります」と言って、缶ビールを取り出して思い切り良く振って客席に向けて開けようとする。これには、慌てて植松、伊東レフリー、中島リングアナまで止めに入る。3人とも目がシュート。
植松「誰が後始末をすると思ってんだよう!!」そうです、須山さんによると、広田がバカな事をして後で会場の掃除や後始末をやらされるのは植松だったのでした。大体この会場は客席内での飲食禁止なのだ。

という事でやっとゴングなのだが、広田が野球と言えば野球拳といい野球拳が始まる。まず、広田が負けて脱げコールからユニホームを脱ぐ。するともう一着きていた。姑息な奴。しかし、このとき私の近くの女性が「もうイヤダ〜」と嘆いていた。
次のジャンケンはアイコ。場内妙な緊張感が走る。この時ばかりは広田頑張ってくれと思ってしまう。3度目は広田の勝ちに。
仕方無く植松は、水着の上の紐を外し少しずらそうとする。すると、広田が「誰も見たくないけどよ、熟女の裸、オウェー、オウェー」と言い植松が怒り戦闘開始。「ばか、広田、余計な事を言うな!」(私の心の声。だけど脱ぐはずないか。だけど、結構緊張感はあったぞ。しかし二人とも良くここまでやるな。やっぱ名コンビだ。)

試合中も広田は結構、お下劣技を使う。今日はシモに走っている感じだ。それでも、なんだかんだ言っても最近の広田は実力も多少つけて来ているので、植松も危ない所があった。特に、ラ・ヘナストラルから沖縄固め(ジャックナイフ式の逆さ押え込みみたいな技)はあはやという感じだった。

しかし、広田のおバカに付き合っていた植松も、水玉の赤いトランクで顔にお尻をすりすりされる攻撃にはまいったのか、いきなりキレて広田が持ってきたバットで滅多打ちにする。さすがにこの気迫に負けた広田は「伊東さん助けて」だって。一応凶器攻撃なんだけど、伊東さんも笑って見ているだけだ。
最後は植松が「二岡、逆転」といって広田の延髄をバットで打ってドラゴン・スープレックスでピン。

これで、植松が第何台か良く分からないが、HHH王座に。

3.長与 千種 ×シュガー佐藤 (8分43秒、ファイアーバレーから片エビ固め) ○デビル雅美 尾崎 魔弓

しかし、前の試合からいきなりデビルと尾崎の入場。第一試合の流れから言っても、このギャップは結構見る方も大変だ。9.17の後楽園では個々のテーマで入場したが今日は卑弥呼のテーマでポリスを帯同して二人一緒に。
それにしても今日は尾崎が人気がある。地元だからかな。

お互い神経戦というか、駆け引きのかけまくり。先発は尾崎と佐藤なのだが、これも駆け引きを施しなかなか組み合わない。
やっと戦闘開始と思いきや、いきなり、ハイスパート・バトルになってしまった。スピードでシュガーを追い詰める尾崎に対してシュガーはあくまでも尾崎をパワーで圧倒しようとする。前回のシングルで尾崎のインサイド・ワークに歯が立たなかったシュガーにとって、ここでパワーを全面に押し出すのは正解であろう。
長与はまだ肩を痛めているようで、かなり分厚いテーピングをしている。しかし、それ以外は元気で今日は打撃中心の結構ラフな攻撃を仕掛けてくるのだが、いつもより増して結構ハードで、尾崎はかなりダメージが大きかったのではないか。

試合の見せ場はデビルとシュガーのパワー対決。85キロのデビルに対し76キロのシュガーがパワーで対抗するかだ。シュガーに永島のようなテクニックを望むべくも無いのであるから、この路線でいくしかないだろう。結果的には6:4で少し押されたような気がするが、なんだかんだ言ってもスピードはある。尾崎も今日はシュガーのパワーに押された感がある。最後はシュガーがデビルにファイアー・バレーを打とうとするのだが、かわされ逆に打たれてピン。

負けはしたけど、シュガーはファイアー・バレーをモノにするべきだな。ライガー・スパイラルに加えてファイアー・バレーまであれば、かなり強力だ。負けはしたけど、なんか今日のシュガーはふっ切れたような表情で良かった。

さて、試合後、長与コント劇場が始まる。はっきり言って、この日は10分くらいやっていた。試合時間よりも長い感じだ。

まず、デビルが「クラッシュ2000の長与千種選手。今の私はノリノリなんだよ。楽しいな。あんたとも、いずれシングルをやらなければね。」
しかし、いろいろあって、長与が矛先をセコンドでウルサイ、ポリスに向ける。
「お前は広田に負けたくせして偉そうにするんじゃないよ。このヘナチンが!」ヘナチンポリス怒る。長与「お前とやってやるよ」と言って、親指と人指でヘナチンの大きさを客席に示す。
長与「広田、こいつは殉職したんじゃないのか」広田「おい、お前は殉職だ」長与「だけど、お前あいつのこと好きなんだろう」と言われて広田は恥ずかしがり、顔色がピンクになってしまった。何だよ、どうなっているんだよ。

そこで、デビルが「こいつとやりたくなった」と言って広田を指す。長与「お前、広田のベルトが欲しいのかよ。」デビル「ベルトならなんでも欲しいよ」
ということで、デビルさんがHHH王座に名乗りを。長与「おい広田、お前はどうなんだよ」広田「いつでも受けましょう」と王者らしくキッパリと。

しかし、客席から今のチャンピオンは植松だぞという声。それに気付いたデビルと長与はコケて、広田は悔しがる。なんだか良く分からないが、ここでデビルさんと広田の遺恨?が出来たみたいだ。

ここで休憩。



急にデビルさんは、「私はあいつとやりたくなった」と言って、セコンドにいた広田を指す。

4.セミファイナル

○ライオネス飛鳥 加藤 園子 (8分35秒、タワーハッカーボムから片エビ固め)  北斗 晶 ×KAORU

名古屋で園子がキレ、北斗と園子の遺恨が生まれた同じカード。私がわざわざ川越まで来たのは、飛鳥・園子組が見たいからである。しかも、文体、後楽園とシングル5連戦というのは2回続けて行われたのだが、今日の対戦カードでその時の相手というのは、北斗・加藤だけである。遺恨中の遺恨どうなるか、あと個人的に久し振りに見る飛鳥・園子組。

あと、園子は復帰はしたものの、まだ首にはテーピングをしており完治しているようには思えない。当然首であるから、受け身やフォールを返す時に負担が来る。復帰以降文体の試合以外、イマイチいい所のない園子にこのへんでどうにかして欲しいという気もする。しかもパートナーが園子にとって最良の飛鳥であるから。


入場後、北斗に突っかかろうとする園子。やはり、いきなり熱くなっている。それをなだめる飛鳥。園子が先発で、「北斗、お前が出て来い」というが、北斗は「飛鳥、お前が出ろ!」園子が逃げるんじゃねえよとか言うが、北斗は飛鳥が出て来ないと分かるとエプロンに入り、KAORUが先発に。園子、いきなり気勢を削がれた感じだ。しかし、この駆け引きは完全にすかした北斗の勝ちだ。もうこの時点で今日の北斗対園子は北斗の勝ちのような気がする。

そういう事で、試合はKAORU対園子で始まったのだが、園子は感情むき出しで、KAORUに対しお前なんて用が無いんだよと言いながら、力攻めで行くのだが、やはり実際はそれをうまく交わして有効打を打っていくKAORUが主導権を握ってしまう。園子、うう〜ん。

しかし、この試合、園子と北斗がメインテーマだったと思っていたが、飛鳥が物凄い。園子は途中かなりのダメージを受け動きが鈍る時間帯もあったのだが、その頃の飛鳥の獅子奮迅振りは半端ではない。北斗・KAORUなら一人で大丈夫という感じだ。またも、園子の感情の入り過ぎで試合が壊れる所をも救ったのは飛鳥であろう。

もし、これを読んで今の飛鳥を見た事を無い人は一度生の飛鳥を見た方がいいだろう。全てに於いてパーフェクトである。

園子も、気持ちは分かるがあまり熱くなりすぎずに飛鳥を見習った方がいいな。だだっ子みたいな園子もたまにはいいけど、園子のファンは彼女にそんな低い次元を望んでいないという事に気付いた方がいいな。まあ、まだ若いから試行錯誤はいいけど。

終わってみれば、後半の園子の好サポートもあったが、飛鳥の圧勝という感じだ。ただ、途中KAORU対飛鳥の局面で、「お前は外に出てろ」と言って北斗をリング外に落した所は、園子一矢を報いたかという感じだ。

試合後、KAORUになんか言われて、また熱くなる園子。さすがに飛鳥も一緒に怒っていたが、飛鳥と園子が同じコーナーに立っている風景は私にとってなんとも言えないものがある。

5.メインイベント

里村 明衣子 ×永島 千佳世 (9分39秒、スプラッシュマウンテンからエビ固め) ダイナマイト・関西○ 山田 敏代

ついに、クラッシュを押しのけて、里村・永島組がメインに。有明以降の二人の活躍を考えれば当然の配慮かもしれない。
半年前なら、この二人が、ダイナマイト・山田組に勝てるとは思えないが、現在は互角ではないかと思わせてくれる。

セミまでは、二人一緒に入って来るのだが、メインだけは一人づつの入場。この日最後になった里村の入場にセコンドにいたデビルさんの表情が印象的だった。なんか、デビルさんにとって敵ながら自分の娘を見るような表情だ。今のデビルがノリノリなのは、里村の成長もあるのではないか。

試合はいきなりグチャグチャの展開。やはり個人芸ではベテラン組の方が上だが、里村・永島の若手組はスピードによる二人攻撃で相手を翻弄していく。特に二人とも、直線的に来るダイナマイトをアイーンでかわす所は、本当に頭に来たであろう。しかも、その後トップロープ上の永島のヘッドシザースが待っていた。

結構若手組が押していたが、最後は永島と関西の一騎討ちのような感じになってしまった。それでも永島が関西にジャーマンとBDを食らいながらも、スプラッシュをウラカンラナで返した所は圧巻であった。それでも、最後はダイナマイトのスプラッシュを足をバタバタして必死に抵抗したが、あえなくピンに。

最後の所で、里村は山田を押える所に専念して、永島に結果を託したのが敗因のような気がする。もちろん、里村の永島が星を取ることに賭けた気持ちも分かるが、あそこは山田との小競合いを一旦止めて再度二人で関西を痛めるべきでは無かっただろうか。もちろん実力的に全然話しにならないのならそんな事も言わないが、やはり可能性があっただけに惜しい試合であった。

いくら、GAEAの若手がベテラン勢を追い込んでいると言っても、個人芸ではやはり差がある。それは埋めるのは、ベテランには出来無い連係と作戦であろう。そういう事を最大限に活かして初めて勝てると思うのだが、そういう可能性は十分感じる。


さて、文体以降の初めての大会。有明以降と構図自体は変わっていなかった。しかし、有明以降、少し引き気味であったクラッシュも積極的に戦いに入ってきたし、ますます若手がどう対応するか楽しみだ。

ただ、今日に限って言えば、この日のMVPは竹内であろう。この日は竹内が持っていった気がする。まあ、他の試合が水準以下という訳でもないが、常に新しい、新鮮な驚きがあるところが、GAEAの面白さだ。




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