プライド10雑感
■団体:PRIDE
■日時:2000年8月27日
■会場:西武ドーム
■書き手:メモ8(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 西武ドームは、帰りの電車が地獄という噂を聞いていたので、クルマ持ちの友人を誘って、所沢まで快適ドライブ。早く着き過ぎたので、ユネスコ村の大恐竜探検館を見学。スモールワールドの恐竜版みたいで面白かった。後ろに乗っていたガキ、母親に「ほらほら、恐竜、空飛んでるわよ」と振られると「違うもん、糸で吊ってあるんだもん」とワーク判定。うーん、何とシュートなガキだ。推定年齢5歳。

 今回は、少し時間が経ってしまったので、試合展開はあまり追わずに、まさに雑感でいきます。

 レフェリー・ジャッジは、いつもの通り。渡部大佐が敬礼しなかったのが残念。佐山、切られたのかな。

 30分押した挙句、ヒップホップ系の大してウマくもないダンスが延々。おれ的には、同日開催のXスポーツを標榜する修斗への皮肉にしか見えなかったが、これはちょっと穿ち過ぎかな。おれが作る側だったら、ここはやはり日本の夏、しかも、蒸し蒸しの西武ドーム、浴衣に鉢巻姿のおやじ100人位で、巨大なウチワで観客を扇いで回らせるな。わっしょいわっしょい。それが大和魂ってもんです。


×松井大二郎(2R判定)ビクトー・ベウフォート○

 スタンドのお見合いから、1Rは、松井がジレてタックル。バック回られて、後はボコボコ。それに懲りた松井、2Rは、待ちに待ったが、今度はビクトーフェイントからのタックルであっさり上に。やっぱりボコボコ。

 ビクトーは、ヤンチャさと引き換えに、堅実さを手に入れ、競技的な強さなら、UFCでの全盛期以上だろうと思う。しかし、面白くもなんともない。つまらない大人になっちまったって感じ。少なくとも、日本でやりたいなら、ましてや、桜庭とやりたいなら、これじゃダメだ。誰か、ちゃんと教えてあげるべきだと思う。

 松井は、リングスにおいでよ、うん。


○ヴァンダレイ・シウバ(1R3分45秒KO)ガイ・メッツアー×

 メッツアー、まともにシウバと打ち合って、最初は多少押すも、KO負け。

 突然のメッツアーの積極ファイトは、一部で噂されているように、契約更新を狙ったギャンブルファイトなのか。どちらにせよ、シウバの打撃が効いてきたら、得意のコーナーへの押し込みが出てたから、まあ意識的に積極ファイトしたことだけは間違いなさそう。出来るなら、最初からやればいいのにね。

 意識変革さえすれば、メッツアー、かなり実力あると思うし、結構面白いんじゃないか。リングスには要らないけど。


×ジャイアント落合(1R6分4秒チョーク)リコ・ロドリゲス○

 落合、ビューティフルネームでの入場は悪くなかったんだがなー。

 いいとこまったくなしで、最後はクビを抱え込むような上からのネックロック。チョークってのは、オフィシャルの発表だけど、いくら何でもチョークじゃないよな。

 誰も勝つとは思ってないんだから「負けちゃってすいません」などというマイクアピールはダメだな、落合。勿論、リングスには要りません。


○ギルバート・アイブル(1R28秒KO)ゲーリー・グッドリッジ×

 いつもより、愛嬌200%UPで入場のグッドリッジ。何故かセコンドのコールマンまで一生懸命愛嬌振りまいていました。似合いません、止めなさい。

 試合は、アイブルの左ハイ一発。

 やはり、おれは、これワークだと思う。根拠は薄いし、内部情報のリークでも出ない限り証明不可能だが、どんとしんくふぃーる、である。

 アイブルは、使い方が難しいな。ケアーやコールマンみたいなアマレス系じゃ勝ち目ないし、やっぱり、打撃系がベストだろうけど、ボブじゃ、さすがにキツいし、そこそこ打撃に自信がある柔術系なら、狙い目だと思うのだが、プライドには、バヘットくらいしか手駒がいない上に、元カーウソン系は、最近やたら固い戦い方するし。まあ、今回でオーバーしたことにして、あとは消費しちゃうというのが、一番無難なのかな。んで、リングスに戻ると。うーむ、ちょっとそれはイヤだ。


×ボリソフ・イゴリ(1R2分6秒ネックロック)マーク・ケアー○

 サンボ王者の幻想は、掣圏道vsプライドで、まったく関節技を使わないことで余計高まった感があったのだが、これがとんだ一杯であった。

 タックルあっさり極められたイゴリ、何とかガード取るも、ネックロックであっさり。

 しかし、掣圏道のナンバー2のイゴリが、こんなにあっさりじゃ、この後どうするんだろうな、佐山。ナンバー1のカフカズ、小さいしなー。

 やはり顔面にほとんど行ってないのは不自然だし、ストレッチャードジョブと考えれば、附に落ちるのだが、ビデオ見たら、現場で見た時ほど、自信がなくなった。灰色判定。しかし、ケアーの試合は、分り難い試合が多いなあ。


×エンセン井上(1R終了時Dストップ)イゴール・ボブチャンチン○

 エンセンのセコンドには、奇人朝日。まあ、当然といえば当然だけど、何となく皮肉な感じ。当然、事前に申請してあるんだろうな。

 序盤の殴り合いは、双方一歩も引かずも、やはりボブが打ち勝つ。後は、インからボコボコに。エンセンも下から再三十字を狙うのだが、ウマくいかない。

 エンセン、心の強さは十分わかった。しかも、恐らくDSEが1番望んだことをシュートなフォーマットの中でキチンとこなしてみせて、プロの中のプロと言っていいのではないか。しかし、こんなことばかりやっていると、ホントに早死してしまう。ギャラを少しは落としても、金魚をあててもらいましょう。そうじゃないなら、リングスおいでよ、うん。


 ここで休憩。発表は15分も、実際は、30分近く。まあ、トイレ大混雑だったから、それでいいのかも。

 休憩明けは、猪木登場。この日1番の盛り上がり。正式にプロデューサー就任と早速、この後の4試合をプロデュースする旨の発表。


○佐竹雅昭(1R6分58秒マウントパンチ、Rストップ)村上一成×

 村上、外掛けで倒すと、マウント入っているというムーブは結構よかったな。

 5分経過の声でブレイク入って、その後の殴り合いもなかなか。しかし、そこからがショボい。村上が引き込むように、倒れこむと、マウント取れちゃうんだもん。

 あれは空手の手刀ですからと、煽るスカパーの解説サダハルンバ、60点。

 あんまり気合が入ってない、取ってつけた小川との睨み合いもこなした佐竹だが、もうひと息、吹っ切らないとな。天を指差す船木ポーズは、あまりにショボいぞ。親が死んでもショウビジネスは続くんだ。このまま、新日(というより猪木?)に飲み込まれてしまうだけじゃ、ニールセン戦パチキKOでファンになってリングス参戦に胸を躍らせスタン・ザ・マン戦に熱狂した佐竹ファンの、おれはとしては、実に悲しい。腹ボテは好きなんだが。

 猪木味のスパイス、ピリリと効いた一戦。どういう味かは、現時点では、よく判らんのだが。


○藤田和之(1R6分46秒タオル投入)ケン・シャムロック×

 藤田のセコンド、ドン・フライと、B・ジョンストン。なんかなー、これが、あんまり好きじゃないんだよなー。新日にはセコンドにつける人間がいないって証明しているようなもんだもん。

 タックル1回も取れないし、相当打撃もらっているし、タオル投入後、藤田じゃなくても、WHYと叫びたくなるのは、当然でしょう。が、しかし、そのWHYを発する藤田の表情が絶妙で、少なくとも、藤田自身は、3試合に遡って、すべてがシュートであったことを、これで証明したのではないか。

 勿論、シャムロック自体のタオル投入は不可解だし、コールマン戦への煽りも予定通りなんだろうけど、DSE、仮に藤田がボコボコにされても、しれっとコールマン戦組むか、もしくは、あっさりなかったことにしそうな気がするので、これを理由に何か言うのは無理なような気がする。


○石澤常光(1R2分16秒パンチの連打、Rストップ)ハイアン・グレイシー○

 ハイアン、何故、小柳ゆきなんだ。意味わからず。一方の、石澤の入場は、相当緊張してるように見えた。

 打撃に腰が引けて、柔術家にタックル取られてしまった時点で、石澤の負けだな。ここまでボコボコにされると、むしろ「次」は言い出しやすいような気がするので中途半端に判定で負けるより、結果オーライのような気はするが。

 しかし気になるのは、あれだけ腰引けてた石澤、ホントに自分から望んだ戦いだったのだろうか。

 あと、おれ的には、セコンドに山宮がいて、持論のコーチ高橋最悪説を、証明した気がするので、これには満足。高橋は、結局ひとつのカタチを作り上げることには優れていても、それぞれの選手の特徴に合わせた戦略が練れないような気がする。結果として、高橋は、自分より強い選手を作れない。

 そもそも、短期間の練習で、高橋流ハイブリッドボクシングを取得するのが不可能に近いのは、おれみたいな素人にだってわかるんだし、かと言って、山宮をセコンドにつけてる以上、戦略的にも、全面的には高橋にオンブにダッコだったのだろうし、ならば、もう少し、違う戦略があってしかるべきだろう。

 まあ、パンクラスの力に頼らざるを得ない時点で、ハナから新日&カシンの負けとも言えるし、さらに言えば、これが新日を貶める為の、船木&尾崎社長の深い戦略だったりしたら、大笑いなんだが、それが出来る位なら、パンクラス、もう少し客が入っているよな。

 結局、猪木にしてみれば、チャック・ウェップナーにボコボコにされた坂口(だっけ?)みたいなもんか。要はダシだな。カシン好きだから、ちょっと同情したい。勝つまでやれ!


○桜庭和志(1R9分43秒アームロック、Rストップ)ヘンゾ・グレイシー×

 桜庭が、本調子じゃないなんて説もあるけど、おれはそうは思わない。半分以上は、メディアの話題作りだと思う。

 勿論、ヘンゾの右ローは効いていたように見えるし(ここに集中すれば、もう少し違う展開があったんじゃないか、ヘンゾ)、左足自体の故障が完治していないのかもしれない。

 しかし、ノーモーションのハイやら、カウンターのタックルやら、猪木アリからの桜庭キックやら、キレは悪くなかったし、あの熱さを考えれば、普段通りと言っていいのではないか。当然、強敵相手で慎重だったということで。

 それにしても、肘脱臼(なのかな?)しながら、キチンとハーフ取るヘンゾもやっぱりスゴいな。さすがリングスブラジル! 「桜庭サンは日本のグレイシーです」とか言うあたりが、リングスをよく理解しておって、実によろしい、うんうんうんうんうんうん。

 勿論、一瞬のチャンスを見逃さない桜庭はもっとスゴいのだが。


 10試合は多過ぎるということと、8月に野外は勘弁してくれ、ということを除外すれば、結果も順当にDSEの狙い通り計算通り(特に前半)の、興行であったように思える。休憩を6試合目終了後に入れて、そこから猪木ワールドを展開させる構成も大成功だと思う。ルールをいじって、試合単体を面白くしようという発想のリングス、おしゃれな若者へのマーケティングとガチガチのガチ(変な日本語)で勝負の修斗に対して、全体構成というか総合力で勝負というか。少なくとも、今回は、プライドの大勝だと思う。近藤vs菊田をエキジビジョンでお茶を濁したパンクラスは、レースに出走も出来てない。

 平成のデルフィンも、昭和新日ファンも、そこそこ楽しめ、おれのような、リングスファン左派(右派?)も、勿論楽しめ、これに文句言う奴は、いわゆるガチ馬鹿系のファンだけだと思うのだが、そういう人達は、大概修斗に行っている筈だから、関係ないと思う。95点。

 こうなりゃ、後はノブ最強が、猪木ワールドと、どう絡んでくるか、DSEのお手並み拝見である。




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