リングス8/23大阪府立雑感
■団体:RINGS
■日時:2000年8月23日
■会場:大阪府立体育館
■書き手:メモ8(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 行きました。行かずにいられましょうか、このカード。

 ほとんど押しなしで開始。この時点では、アリーナ6割、スタンド4割位の入り。最終的には、アリーナ8割、スタンド5割強といったところで、うーん平日の6時開始を考慮しても、ちょっとヤバい客の入り。

 例によって全選手入場から開始。前田CEO挨拶。今日は赤ブレの下にちゃんと、ネクタイしてて、よしよし、今日はバカボンではないな。

 ここで、3人のロシア人と、ヤクザみたいな顔したイカツイ日本人がリングへ。国際&ロシアサンボ連盟会長のミハエル・チハミノフ、同ヘッドコーチの、セルゲイ・イーセロフ、97・8年世界チャンプの、セレン・バラチンスキー。日本人は、日本サンボ連盟のアサイノブユキ。

 チハミノフから挨拶、アサイノブユキが、通訳。堀米国際サンボ連盟名誉会長の紹介だそうで、「リングスに協力すること、近い将来のバラチンスキーの参戦」が発表され、前田CEOには、サンボ連盟のオフィシャルエンブレムとバッチを授与。

 最後にバラチンスキー「いつでも闘う準備は出来ている」そうな。

 KOK参戦濃厚でしょう。あと来年2月のKOKファイナルは両国国技館だって。


 今日のジャッジは、藤原・西に加えて、スーパーブロウル代表のTJ・トンプソン。レフェリーは和田・平・塩崎の定番。


×クリストファー・ヘイズマン(判定0−3)マット・ヒューズ○

 ヘイズマンのセコンドには、坂田とオーフレイムと、ヘイズマン実父(多分)。一方初登場の軽重量級MMA界の雄、ヒューズには、WEF対抗戦で、身内だからジャッジを辞退した筈の、モンテ・コックスが、エクストリーム・チャレンジのTシャツを着込んでつく。

 スタンドで押し込んで上を取ってパンチのヒューズと、どうせ上になれないなら引き込んでしまえのヘイズマンという展開で、ブレイク多し。スタンドの打撃ではヒューズ押すものの、決定打にはならず。KOKで、TKを苦しめたヘイズマンの下からの攻撃も健在で、再三のアームロック狙いに加え、1Rには、腕十字(ヒューズ、強引に持ち上げて外す)、2Rには、横にスイープした勢いで足狙い(スッポ抜け)など。

 判定は、TJ20−19、西・藤原20−18で3者ともヒューズだか、おれ的には、ドローか、下から積極的に攻めていたヘイズマンの勝ちでもいいと思ったくらい。


×アンドレイ・コピィロフ(判定0−3)ダン・スバーン○

 田中正志をして「ゴッチvsハッケンシュミットの如き、シュートレスラー世界一決定戦とも言える。ふたりともプロレス出身のシューター。Uインターvsリングス、はたまたロシアvsアメリカだ。わーお興奮するぜい」と言わしめた期待の1戦。

 古田アナのコールに対し、女性一人のみをセコンドにつけ、黒のプロレスラーパンツのスバーンが、両手を高々と上げた野獣ポーズで答えれば、頬まで髯もじゃのコピィは、例によっての片手人差し指で天指しポーズで受け、この辺、2人とも絵になりまくりで期待は高まったのだが…。

 猫パンチを打っていくスバーンに、掌打とローで応戦するコピィ。相変らず結構当ってしまうところが面白い。上を取るのはスバーンだが、そこからは、攻め手なし。コピィ、膠着すると下で万歳しブレイクを催促したり。

 以前に比べれば、スタミナ結構持った感じのコピィ、横回転式のスイープを決めたり、このルールでは初見のカニ挟みにトライしたりと、進歩も見えたのだが、スバーンの「プロレスラーとしては、しょっぱい上に、ガチやらせれば滅茶苦茶固いぞ戦略」の前に、完封されてしまった印象。

 藤原20−19、TJ20−18、西20−18。

 老いと哀愁漂う、凡戦と言わざるえませんな。


×ジェレミー・ホーン(判定1−2)ヒカルド・アローナ○

 98キロにリバウンドしたホーンのセコンドには、モンテ・コックスがつき「おいおい、お前はどっちの味方なんだ」と、突っ込みたくなるが、そもそも、ミレティッチ系列のホーンをリングスUSA、WEFに1回も出てないアローナをWEF勢とすることに無理がある。アローナのセコンドには伊達男スペーヒー。

 レスリングシューズをはいて、テイクダウンを奪うアローナ、既に柔術家という感じではなく、ヤバ過ぎるウマさ。インから丁寧に足を抜いて定番を展開すれば、一方のホーンも下から足を効かせて対抗し、腕十字まで狙ってみせ、実に素晴らしい(アローナ、ジャンプするような動きでひっこ抜く)。

 スタンドで打ち合っている最中や、押し込まれた時に出す、ホーンの膝は打点が高く、まるでクラウベ・フェイトーザ(誉め過ぎ)。2Rには、お互い足向け状態でゴロゴロ回転と、おおう、このルール、この2人で、こんな展開が見れていいのかい、わーお興奮するぜの、内容ぎっしりつまった熱戦は、ホーンの膝十字が、結構いい感じに極まりそうになったところで、終了。

 藤原と西が20−19、TJのみ20−19というスプリット。

 若さと才能がキラキラ輝いた、現在のリングスの到達点といっていいファイト。

 しかもこれがアマのバックボーンのないMMAファイターであるホーンと、柔術の若き強豪のアローナという、外様同士によって行われたことに、感涙してしまう、おれ、目の幅涙。リングスという概念が、前田CEOの熱い魂が、彼らにかくなるファイトさせ賜ふたのだ。嗚呼、ありがたやありがたや。


 休憩15分。明けに、前田CEOから発表がありますとのリングに上がるが、内容は、第2回KOK開催の決定のみ。


○ヴァレンタイン・オーフレイム(36秒アキレス)ジョー・スリック×

 オーフレイムのセコンドには、お返しヘイズマンと坂田。スリックには、上半身裸のホーンらのミレティッチ勢。

 インからパスを狙ったスリックに対して足の取り合いに持ち込んだ、オーフレイムの秒殺。スリック我慢し過ぎて、担架で退場。

 強さとモロさが同居するオーフレイムの、魅力爆発。


△高阪 剛(判定1−0)アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ△

 最近のTK、何でこんなに美しいんだろう。いい男だなあ。

 タックルに来られても、この相手なら充分切れる自信があるTK、積極的にスタンドでパンチで責めると、ノゲイラ、早々にの自分のボクシングテクに見切りをつけたか、まあ、そりゃグラウンドの方が自信あるんだろうなの、テイクダウン狙い。TK、下になれば、平気でマウントを許し、そこからの展開を狙うのだが、ノゲイラ、固くボディーパンチしか狙わないので、ブレイクが入ってしまう。

 TK、恐らく、上四方の体勢から何かしたかったようで、ガブった体勢から相手の股から手を回し、片足をクラッチしての、めくりを何回も成功させる(リバースTKシザースと命名)。しかし、ノゲイラもさるもので、上四方になった瞬間、体勢を反転し、元のガブりの体勢に戻してしまう。

 ポジション取りという意味では、やはりノゲイラ若干優勢なのだが、TKの知性爆発の新戦略、素晴らしく、唸らされた一戦。老いの哀愁でも、若さの輝きでもなく、円熟した知性の色気というか。

 西とTJ20−20、藤原のみ20−19でTK、古田アナ間違えて勝者TKと発表するも、すぐに訂正。TK、試合終了後、立っていられないほど右足を痛めてしまったようで、心配だが。TKの弱点は怪我の多さというか、運のなさというか。


○田村 潔司(判定2−0)パット・ミレティッチ×

 ここで、UFCとミレティッチの契約とかで、ジャッジが、西から、伊達男スペーヒーと交代。それぞれの国と、中立国から、1人づつ選出ということか。

 ミレティッチのセコンドには、ヒューズやらホーンやら勢揃い。

 間合いがツマるとミレティッチのショートパンチが結構入るのだが、田村、ウマく距離をとって、重いミドルをバシバシ。まあ、蹴り足をつかまれ、テイクダウンされてしまうという諸刃のヤイバで、下になる展開も多かったのだが、パス狙いのミレティッチに、1回もパスを許さず。

 藤原とスペーヒー20−19、TJ19−19の判定、僅差といえば僅差だが、丁寧なシングルタックルも何回か取り、まあ、ミドルが相当効いていた分、田村の判定勝ちは妥当なところでしょう。


 1本勝ちで決着したのは、わずか1試合であったが、KOK以降のリングスのファンであるならば、充分に楽しめた興行だと思う。が、果たして、これが、純プロレスのファン層にまでアピール出来る面白さと言われると、かなり疑問であることも確か。

 勿論、最近の、パンクラス、プライド、修斗の各興行を、それぞれ思い起こしていくと、やはりKOKルールは圧倒的に面白いと思うし、今回の収穫である、まったくプロレス的アングルなしに、これほどの戦いをして見せた、ホーンとアローナ、もうリングスの宝として、10年契約位してしまい、逃がさないようにすべきだと思うのだが。

 まずは、早く、アローナをリングス・ブラジルにしましょうね、CEO。

 つーわけで、皆様ご一緒に。

 リングス最強!!! 前田CEO最強!!!




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