G1クライマックス 両国大会観戦記
■団体:新日本
■日時:2000年8月11日
■会場:両国国技館
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

誰も興味の無い今年のG1。当然、私も全然興味が無い。大体、選手がゴチャゴチャ出過ぎて状況を追いようがない。ただ、一昨年は3試合(ということは全部か。まあ、天龍が出たから仕方無い)行ったし、昨年は2試合行ったので、まあ今年はいかにダメになったか見に行った。
もちろんチケットは当日券。30分前について2F特別席を買ったら、なんと最前列。おいおい大丈夫か新日本。会場に入ってもスカスカ(ただ最終的には8割は入っていたと思うが、一応主催者発表は、8500人)。これで、どうやって盛り上がるのか。

実は、この日カードは見ずに行った。あくまでG1の看板で見に行っただけで、カードを知ったらたぶん行く気が無くなるだろうと思ったのだが、案の定しょっぱいカードだ。参加選手を増やし過ぎてバラケテしまったようなもんだ。見ないで良かった。しかし、健介VS小島をメインに両国で興行できるのは、ある意味メジャーの底力であろう。


1,20分1本勝負
  大谷晋二郎 棚橋弘至(1−0)K・カシン 柴田勝頼
    大谷(11分25秒,逆エビ固め)柴田

この試合だけ公式リーグでは無い試合。だけど、こういう若手とベテランが組む試合って、かえって新鮮で面白かったりする。私の、注目はいつもわがままし放題のカシンが柴田をどうサポートするか。先発は棚橋と柴田なのだが、失敗したと思ったのは、2Fからでは二人の区別が出来無い。後で、右手に黒いサポーターをしている方が柴田だと分かったのだが、同じ色のトランクス、シューズ、髪の毛の色で、それ以外では区別のしようが無かった。次回は試合前になんかポイントを置いておかないと。

試合は、カシンが特別スタンドプレーをしようという感じはなく(ただ、あんまり後輩を引き立てようという気も無かったが)普通に進んだが、棚橋と柴田が、たぶん道場でやっているんだろうなと思わせる基本に忠実なレスリングの攻防を見せたり、柴田が大谷に打撃で打ち勝つなど、なかなか見せてもらった。 最後は大谷の逆エビで、カシンがカットに入る間も無くギブアップをしてしまい、カシンはコーナーで呆然と。すこし唐突な終わり方だったけど、第一試合としては、十分以上の内容であった。だけど、大谷の逆エビって、同時にアキレス腱でも極めているのかな。



2,Dブロック公式リーグ戦(30分1本勝負)
  吉江 豊<2点>(13分48秒,裏足4の字固め)高岩竜一<0点>

ここからG1の公式戦。まあ、昨年から考えればこの二人はG1なんかに縁の無い選手だし、恐らくどっちが勝とうが大勢には影響は無いだろう。 
しかし、G1という独特の磁場が働き、この対決にも独特の緊張感が生まれてくる。これがG1の魅力である。このなんともいえない雰囲気を説明しろと言われても見なければ分からないとしか言い様がない。

両者の対戦成績は高岩の24勝2敗だそうである。結局吉江が海外遠征する前までは、高岩の圧勝だったという事らしい。ここは、高岩も意地が出る。新日本のJrのトップ戦線を争っていた者と、海外遠征した者とどっちが実力がついたか。
序盤は高岩が、デスバレーの連発で先制したのだが、だんだんと自力で吉江が切返した感じだ。高岩にも勝機はあったのだが、パワーボムは打てたのだが、餅つきには出来なかったところが、つまり最終的に自分の持ち技を出せなかった所が敗因だったかな。はっきり言えるのは体重の差で、Jr相手にはパワーでこなせた所があったが、ヘビー相手にそのままでいくのかというのが高岩の課題だろうな。
試合的には、G1の公式戦といえる水準をいっていると思った。


3,Bブロック公式リーグ戦(30分1本勝負)
 B・ジョンストン<2点> (5分38秒,スタンディング・ヒールホールド)木戸 修 <0点>

ジョンストンはOFGを着用で入場。試合開始早々パンチを出すが、レフリーに指摘され試合中に自らグローブを外す。それからは、お互い相手を倒し関節(急所)の狙いあいに。私は木戸の脇固めのほうが有利だと思ったが、ジョンストンは以外にテクニカルに動き二度めのスタンディング・ヒールホールドでギブアップ勝ち。これって、神宮で藤田にやられた技かな?まあ、ジョンストンも木戸にジョブしている場合では無いという感じか。だけど、なんか影が薄いよね。
ちなみに、この試合から3試合は、レフリーが海野さんに。海野さんは、これから新日本でやるのかな。私はそっちの方が気になった。


4,Cブロック公式リーグ戦(30分1本勝負)
  安田忠夫<2点> (10分43秒,逆エビ固め)鈴木健三<0点>

前の試合が関節の狙い合いなら、この試合はまさに肉体のぶつかり合い。まあ、トロールとタイタンの戦いみたいだった。それか、塩ラーメン大盛りといようか。
試合のポイントは健三がスピア3連発からバックドロップを打ったところだった。これは安田が辛くも返したが、その後に健三がもう一つなんかあったら勝てたであろう。攻めあぐんだ所が完全に見て取れた。いくらなんでも、それを客に悟られたらまずいだろう。
まあ、だけど、健三はこれからだからいいか。ウルトラマンはこれでG1、2勝か。最後のタイガードライバーはいつにもまして、決まっていた。



5,Aブロック公式リーグ戦(30分1本勝負)
  藤波辰爾<2点> (6分42秒,ドラゴンスリーパー)後藤達俊<0点>

ライガーに星を献上してしまった後藤。ただのお仕事役というかやられ役に成り下がってしまった。嫌いで無いだけに、どうにかしてくれというところ。
ゴング前から後藤が奇襲のラリアットからバックドロップ。後藤らしいのが見事に決まる。ドラ社長、たまらず場外にエスケープ。それを追いかける後藤。いいぞ後藤、今日は頼んだぞ。
再びリングに戻り、後藤のバックドロップ2連発が炸裂!!!よおし、そのまま秒殺してしまえ。再度、場外にエスケープをするドラ社長を、リング上から余裕で眺める。
え???おい、後藤何やってんだ、休んでいる暇があったら追いかけろ。もう、この時点でこの試合は終わったと思いました。あとは、いつものペースに。あそこで、一気にカタを付ければ大喝采だったのに。


ここで、ケロが「緊急のお呼び出しを致します。全日本の渕選手、来場しているならマイクをお貸しします」と。そこで、スーツ姿の渕が登場。場内大ブーイングと思いきや結構歓迎ムード。さすが、○ホの新日本ファンも渕と大仁田の区別くらいはつくみたいだ。
渕「長い間、全日本と新日本との間には壁がありました。その壁を今日、破りに来た。私は宣言通り、1人で来た。全日本の看板、プライドとも新日本に負けていない。この意気込みを新日本の選手、フロント、現場責任者の長州力、どう解釈するか」、そして長州に返答するようにリングに上がって来るのを要求。そして、長州が登場し、クリーンに渕と握手。そこへ、やく○、あっ間違えた蝶野が乱入。
蝶野「ここはGIの舞台だ!お前の来る所ではない!」と言い、アポロキャップを渕にぶつけて、Tシャツを脱ぎ臨戦体制に。渕もネクタイを緩め、立ち向かう姿勢になった所、新日本の若手に抑えられる。見るにみかねた長州が隣にいた天山にケリを入れて、その場を収拾。
引き上げる蝶野に、「おい蝶野忘れもんだ」と言い、さっきのアポロキャップを投げ返す。場内大喝采。
最後に、「新日本ファンの皆様、どうも大変お騒がせしました」と言い引き上げた。

う〜ん、渕は変におごらず、へりくだる訳でも無く、大人の態度で大役を務めたのではないか。会場の反応からすると、かなりの好印象を受けたようだ。
ということで、休憩。ここまでで、かなり満足度は高い。


6,Dブロック公式リーグ戦(30分1本勝負)
  平田淳嗣<2点>(8分24秒,片エビ固め)越中詩郎<2点>

いつも、気合いは入っているのだが、今日はいつにも増して入れ込んでいる、サムライ・シロー。さっき、古巣全日本の渕が登場したからなのか、蝶野を破り決勝に残る可能性が出たからなのか。しかし、これもいつもの事だが、試合が始まるとおとなしくなる。静かな展開で、若干平田有利かなと思わせる流れに。
その流れを断ち切ったのが越中のケツ。流れを引き込むや、ケツの乱れ打ち。ケツ、またケツ、ケツケツケツ!!!有明で竹内がRIEに打ったドロップキックみたいだ(誰も分からないだろう、ざまあみろ)。しかしこの日の越中の相手に出した攻撃の半分はケツだったのではないか。

それで、これもまたいつものパターンだが、相手についに見切られて、そのままバックドロップ。これで動きが止まり、平田の必殺パターンに。
ここで、サムライが平田に勝ち、決勝リーグ進出かなとか、一瞬でも思った私はマヌケであった。


7,Cブロック公式リーグ戦(30分1本勝負)
  中西 学<2点>(13分4秒,アルゼンチン・バックブリーカー)西村 修<1点>

こんなカード、やる前から勝敗なんて決まっているし、全く興味無い。まあ、中西は秒殺でもして楽しませてくれという感じ。大体私は基本的に西村は嫌いなのである。まあ、見るのは久し振りだけど。
そこで、まずは西村の入場。私の嫌いな「無我」ガウンで。だけど、これが結構格好いい。今迄出て来た選手と全然違う、独特な雰囲気を醸し出している。やっぱ、こいつは大物なのか特別な存在なのか。

試合開始で、二人が向き合った所から、勝負は目に見えていた。体の線が違い過ぎる。まあ、これで西村が唯一の見せ場、自己マンブリッジで場内を適当に沸かせて終わりという感じがした。
試合は静かな展開から。中西はこれに突き合わせられて、攻めあぐんでいるという感じ。西村は三角締めとか出すけど、攻めきるという所までは行かない。一応、お約束のブリッジは見せてくれて、適当に拍手をもらう。
しかし、段々と体力に優る中西が序々にペースをつかむが、なかなかアルゼンチンは出さない。もう少し痛めてから担ごうという魂胆なんだろう。

中西は十分西村を痛めつけたところで、西村を担ごうというのだが、ここで西村はこれを切返し中西にコブラツイストを掛ける。しかも、このコブラツイストは、技の教科書があったら、その写真に載せたいくらいの、素人目に見ても完璧な美しい姿。完全にがっちりはまっている。今日はこのコブラを見せてもらっただけで、来て良かったというものだ。
中西二度目のトライには、今度は卍で切返す。これも見事な卍。この日来た客は、西村のコブラ、卍というオーソドックスな技の美しさに酔いしれたと思う。
                         
そして、健介とのタイトルマッチで見せたミサイルキックを打つのだが、相手のアゴの先端に的確に入れる技の正確性は、芸術的とも言える。
中西の3度目のトライに敢えなく轟沈してしまうのであるが、この日の試合で、西村の西村たる由縁を少し分からせてもらった気がする。
オーソドックな技でも、その技を正確にかけることにより、その技を必殺技にしたて上げる。とても良いものを見せてもらった感じだ。やる前から結果は分かっていたけど、美しい場面を見せてもらった、素晴らしい試合だった。やっぱ、西村には・・・・


8,永田裕志<3点>(12分6秒,バックドロップ・ホールド)獣神T・ライガー<1点>

はっきり言って、この日のカードを聞いた時、ほとんど勝負の期待をさせてもらえる楽しみなものは無かったが、唯一、このカードでライガーがどこまでやるかが気になった。

ライガーは上半身裸で、マスクも変え、ジュニアと違うヘビーモードに。永田はいつもの、おっさんモード。

試合は永田がライガーに合わせたのかグランド中心の展開に。それでも、永田はテクニックなのか、パワーなのかライガーを圧倒していく。それで、あとの展開は忘れちゃった。大体この日9試合もあるし。覚えきれないよ。
ただ、忘れたといっても良い試合で、私自身が見入っていたので。ライガーも結構追い込んでいたし。
ただ、永田はレスリングで対応し、打撃技は極力さけていたけど、打撃中心で試合が進んだらライガーがここまで、善戦出来たかというのは疑問だな。



9,佐々木健介<2点>(19分39秒,片エビ固め)小島 聡<2点>

ここまで、結構良い雰囲気で進んできた。私的には大満足だった。だけど、それもそのはずである、私の嫌いな選手があまり出て来なかったのだ。そして最後の最後に出てきました、うんこコンビ。もう勝手にやってという感じ。

ただ、この日の小島はいつもよりも、過剰な客席へのアピールが少なく、それだったら応援してやろうという気にもなる。

しかし、試合は両者両国のメインだし、好勝負にしようという気があるのか、変なグランドな展開に終始する。ただ、大抵は健介が相手を攻撃し、小島がロープを掴んでブレークという展開が多いのだが。だけども、グランドの攻防というのも、どっちかが極めてそれだけだから、展開とか攻防というものでもないし、あとはただエスケープするだけで、まあ言っても仕方無いか。

最終的には健介がラリアットを打ち勝って勝利を収めるのだが、その前に小島の勝機があったのだが、そこで投げっぱなしのジャーマンと、次にパワーボムを打つのだが、その勝負所でのしょぼさは特筆ものだった。そして、先の鈴木みたいに出せる技が無く、敢えなく轟沈という感じだ。小島寒すぎるな。

例えば、飛鳥はフリーバード・ボムやライガー・ボムで大体は勝負を決めるが、それで決まらないと必殺技タワー・ハッカー・ボムを使う。大抵タワー・ハッカーを返せる選手はいないのだが、希に返された場合、本当の必殺技LSD(ライオネス・スーパー・ドライバー)を出す。なんか新日本の選手にはそういう引き出しの広さを感じられないのが残念だね。もちろん、西村みたいに自分の技の精度を上げるというのはいいけど。



ただ、全体の印象は、G1はやっぱ面白い。独自の磁場が働く。
私は、クソみたいな新日本は嫌いだけど、G1だけは見に行って、良かったと思う。




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