卑弥呼00.8.6 浜松アールンホール
■団体:卑弥呼
■日時:2000年8月6日
■会場:浜松アールンホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

不思議な興行だった。試合自体は私の席からは、見づらく、プロレス的には物足りなかったが、見に行った価値はお釣りが来るほどである。

尾崎は過去にOz興行という形で4回自主興行を行なっていたが、前回の有明でGAEA内のOzは表面上分裂してしまったため(当人達は精神的にはOzにいるとは言っているが)、今回は現在の仲間である、デビル雅美、北斗晶と3人で主催をし卑弥呼興行ということになったのであろう。

尾崎が自主興行を行なう理由には二つあると思う、一つは各団体に分かれているOzの選手達を集め、強敵と当てることにより彼女達がどの程度成長したかを確かめる事。もう一つは、プラム麻里子選手の追悼である。

この日の卑弥呼興行は、プラム麻里子選手の追悼という形を取り、前売りは一切出さず、入場客は全員当日並び座席票を整理券としてもらい、募金という形で入場口の募金箱に入れるシステムを取った。募金額は設定せず、あくまでも入場者の志に任せるということである。 そして、当初は出場選手はノーギャラで、募金はプラム選手のまだ出来ていないお墓代にあてると言っていたのだが、プラム選手のご家族から、お墓はご両親が建てることに決まり、あくまでプロなので選手にはギャラを払って欲しいという要望があったらしい。そこで、出場選手全員には規定のギャラを支払い諸経費を差し引いて赤字ならば、自分たち3人が自腹でアナを埋め、黒字になったら、その募金を日本赤十字に全額寄付するということが最終的に決まった。

もちろん、このシステムは初の試みであると思うし賛否両論はあるだろう。並ぶのが嫌いな私としては、つらいシステムである。ただ、詳しくは分からないがチケットとして販売した場合、そのチケット自体の費用や前売りに伴う委託手数料や税金問題とかも生じてくるのであろう。まあ、私の気持ちとしては、この3人がそういう方針で行きたいのなら、それに従うしかないという事である。まあ、いつも楽しませてもらっているし、ちゃんとエサも撒いてもらったし。

前置きが長くなったが(ただ当分は試合には行かないと思う)、問題はどの位前に行くかであるが、会場が14:00なので、私は会場約一時間に着くように行ったのだが、なんかロビーには整理券みたいな薄っぺらい紙を持っている人がいる。それでも、一応列も出来ているが思ったより長くない。たぶん、前に整理券(座席票)を配っていたのであろう。それでも、私たちの座席票が配られるのは、14:10で日陰だったが、約一時間、炎天下の中並ぶのはきつかった。途中、一瞬これで立ち見だったら、尾崎このやろうとか思ったのだが、それは間違いというのが分かった。というのも、その配布役はデビルさんと尾崎であった。デビルさんは慇懃にどうぞと言うのだが、尾崎は失くしちゃダメだよと言いながら配っている。だけど、そういう尾崎に直接渡されたことにより、なんか全てが許されてしまう気分になってしまった。まあ、取り敢えず席もキープ出来たし。

そして、やっと会場に入れることになるのが、メガホンを持って列の整理をしているのは尾崎。まあ、尾崎はいつもの尾崎モード。入り口に立っている優しいデビルさんに座席票を見せ、中に募金箱が並んでいる。募金箱の前には、北斗、関西とこの日試合の無いアジャ。それでもいつものメークをしていた。しかし、この3人が並んでいたら、募金というより、かつあげではないかという気もしたが、私は少し奮発して諭吉さんを入れたら、北斗から本当に慇懃に、「ああ、どうもありがとうございます」と言われた。 あと、反対側のプレス受付にも、ちゃんと募金箱が設置されており、中にお金が入っていた。今日は報道関係者も募金しなければならなかったのだ。妥協無き女・尾崎恐るべし。

今日は3団体が参加しているのだが、ロビーでのグッズ販売は無し。その代わり、ロビーにはプラム麻里子選手の現役時代の衣装と、イラスト、お花、ありし日の写真が清清と飾られている。シンプルながらも変に飾らないセンスに、なんか感動するし、これを見せてもらって今日の興行の主旨を感じさせてもらえる。

15:00になり、やっと開始時間になったところで、観客は自分の席に着き始めるのだが、ここで関西と北斗が募金箱を持ちながら募金の集金に客席を徘徊する。北斗は「自分の息子も募金しました。まだ足りないと思う人はお願いします」と言って笑顔で客席を回る。笑顔の北斗はかえって怖い。

一通り回った後に、やっと開始である。まずは、トークショウで司会はやっぱり須山さん。当初は卑弥呼三人との予定だったのだが、この日はいつにない雑用に忙しいということで、プラム麻里子選手にゆかりのある人達ということで、キュティー鈴木、有明で久し振りに人前に顔を見せた(KAORUのセコンドで)大沢ゆかり、そして私は良く知らないのだが、ジャパン女子時代の選手で、最近シュートボクシングの試合にも出ていた山崎さんという方と、知る人ぞ知るアイドルレスラー、エデン・まぶち選手、そしてジャパン女子プロレス時代のコーチであった、山本小鉄の5人。

まあ、20分位だったが、トークショウの内容は書いていると、キリが無いが、一つだけ書くと、小鉄は、当時まだ、16〜17歳の選手たちをコーチしていたのだが、練習中に「それでは、二人で組め」というと、プラムは必ず尾崎の所に行き、尾崎とプラムが一緒に練習していたそうである。 ただ、その後に福田選手の話などになり、結構重い雰囲気になり、トークショウは終わった。そして、やっと試合。ちなみに、この日のレフリーはセミまでがトミー蘭で、メインが山本小鉄。リングアナは各団体のリングアナが担当した。


ということで、やっと第一試合の始まりだ。


1.20分1本勝負
 長与千種(1−0)L・飛鳥
 S・佐藤     永島千佳世
  
  佐藤(8分6秒,エビ固め)永島  ※スパイラルボム

エサというのは、これだね。このカードを見て、行かなければいけないと思った人は多勢いるのではないか。このカードをメインにして、代々木第二くらいの規模の会場でやっても、そこそこ客は入ると思う。尾崎としては、本当はクラッシュ対自分の弟子である永島・シュガーを組みたかったのだろうが、それではいくらなんでもGAEAの立場が無いというか、GAEA側の許可が出なかったという所であろう。 ただ、個人的には長与と飛鳥は組んでいるより、戦っている時の方が好きだし、クラッシュ対決は有明以降は無く久し振りである。

しかし、これが第一試合とは。他団体に対するあてつけであろうか。ただ、一つ言えるのは、いくらアクの強い卑弥呼プラス関西でもクラッシュが後ろだと持っていかれる可能性がある。そのためにも第一試合に持っていったのであろう。プラム選手との関係の深さというのも考えられる。実際この日の興行は「ジャパン女子プロレス同窓会」という感じもするし。しかし、そういうこと以上に、ここには尾崎の罠があったのである。


会場は先のトークショウで、少し重い雰囲気になってたのだが、永島、飛鳥の順で入ってくると、一気にヒートしてくる。

試合はいつものGAEAバージョン。永島とシュガーの対戦も昨年の10月以来記憶に無いのだが、結構マジメモードでやった。それにしても、飛鳥と永島のコンビネーションは凄い。二人ともプロレスセンスに長けているからだろうが、なんか何年も組んでいるのではないかというコンビネーションである。

それに対し長与はなんか今日も動きが重い。ほとんど見せ場を作ってない。それに比べ、シュガーはホールでの尾崎戦では少し不甲斐無かったのだが、この日は元気一杯で、ことごとくパワーで圧倒していた感じだ。やはり尾崎には遠慮があったのかと思わせるほど、飛鳥と永島を粉砕していった。シュガーと長与、どっちがチームリーダーか分からない動きである。

永島は動き自体良いんだが、やはり勝負所では読まれ始めている。終わり方も前回のホールでのデビルにやられたのと同じやられ方をした。ちょっとここに来て壁かなという感じだ。ううん、永島どうにかしろ、という感じだが。個人的には永島選手が好きだからである。まあ、そのうちまたなんかやってくれると思うけど。

試合終了後、マイクを持ちながら長与がなんか言おうとするが、「お前が言えよ」と飛鳥にマイクを渡す。飛鳥は「お前が勝ったんだから、お前が言えよ!」とシュガーに。マイクをもらったシュガーはいきなり「ふふぇー!!」あきれて目が点になった飛鳥が見かねてマイクを奪い取り、「負けたんだから、お前が言えよ」と永島に。
永島「休憩時間(第二試合終了後)にこの4人がロビーで募金を集めます。まだ出し足りない人はよろしくお願いします」だって。
そりゃ、クラッシュを並べれば集るだろう。恐るべし、尾崎。これだったのだ。


2,15分1本勝負
  C・ボリショイ(時間切れ引き分け)C・天野
  
関節兄弟対決。崩壊寸前のJWPの中で陰湿ないじめに合っているボリショイ。ボリショイはこの後ホールで、輝とベルトとマスクをかけた大一番が待っている。一方の天野は、早々にJWP離脱を決めLLPWに乗り込んだら、いつのまにやら神取のタッグパートナーに抜擢されメインを張っている。
実は、この二人天野は尾崎の一番弟子であり、ボリショイはジャパン女子時代からプラム選手とは一緒だったというのもあるが、プラム選手の最後の試合というのは、プラム・ボリショイVS尾崎・天野('97.8.15 広島 プラム選手は翌日逝去)であった。そういう意味でも意義のある試合だ。

試合は静かな立ち上がりからグランドを交えた基本に忠実なレスリング。ボリショイは適当に反則を交えコミカルな動きも見せてくれる。グランド中心の戦いになるのは分かっていたし、結構期待していたのだが、如何せんこの日の私の席からはグランドが見えない(ただ入場口の近くだったので別の楽しみがあったが。天野の関節の入り方とかは相変わらず唸らせるものがあったが、寝ながらの攻防はほとんど分からない。そういう人が私以外にもいたのか、試合が進むにつれて場内は次第に冷えてくる。

そういう雰囲気を察知したのか、試合中盤からトミーさんの声が必要以上に大きくなる。ボリショイが耳へ攻撃すると、
「おうい、耳はダメだ、反則だよ」
「おい、耳はダメだと言っているだろう。分かんねえのかよ、コノヤロー」
また、天野がOzムーブをし、ボリショイがそれを反則で返そうとすと、
「おい、天野それも反則だ。やめろやめろ。」
「(ボリショイに)お前も反則だよ、何やってんだコノヤロー」
そして、関節に入ると必要以上に、
「ギブアップかギブアップか、OK,OK?それはタップか?タップか?」
と必要以上に大袈裟にでかい声で言う。客が集中力を無くしかけているのを、トミーさんが見事に取り戻してくれた。さすが、最強レフリーである。試合がつまらなくてもトミーさんを見ているだけでも結構面白い。

試合は15分時間切れ引き分け。しかし、私的には、トミー蘭のTKO勝ちだな。ボリショイは自分の技を出すのが精一杯で、相手の持ち味を出す試合展開とかは出来無いみたいだ。
そういえば、試合中後ろを向くと、どっかで見たことのある茶髪のボウズみたいな人が立ち見をしていた。良く見ると私服の園子であった。


ということで休憩。

どっとロビーに流れ込む客。ロビー中央には飛鳥・長与がまん中に、その脇にシュガーと永島が竹内もいた。その前には早くも人垣が。そう言えば、いきなり後ろから私の肩にぶつかり、何も言わずに募金箱に行ったおやじがいた。感じが悪い野郎だなと思ったら、ロッシーであった。なんか偉そうで嫌な感じ。

募金は快調に始まり、長与「帰りの電車賃は残して置いてよ」、飛鳥「無理しなくていいからね。気持ちだけでいいからね。はい、ありがとう、ありがとう。」
すると、シュガーが、「なんなら、私が歌をうたいますから、募金、お願いします」、飛鳥「なんなら、それに合わせて千佳世が踊りますから募金、お願いします。」
それには、場内大爆笑で拍手。すかさず、シュガーが「今拍手した人、募金お願いします」だって。
シュガーはそれに味をしめたか、「私が小柳ゆきに似ていると思う人?」拍手と笑い。「今、笑った人、募金して下さい。」永島も負けじと、「なんなら、私がブラディーの物真似をしますから、募金お願いします」だって。

しかし、最初快調だった集金活動もだんだんペースが落ちて来る。長与がキレて「おい、募金しろよ」と言いはじめる。
それもそのはずである、ホールで良くあることだがあまりの人垣で、前の方に行けないのである。飛鳥がそれを察知して、「後ろの人は前の人を掻き分けていいから、募金しに来て」といい、やっと前の方が空き、私も二度目の募金を。飛鳥の方から手を出してくれて握手を。永島にも手を出したら握手をしてニコッと笑ってくれた。
最後に全員が、「みなさん、どうもありがとうございました」と言ってお開き。ロビーは大拍手であった。


3,イリミネーション8人タッグマッチ(45分)
  H・斉藤     風間ルミ
  神取 忍(4−2)E・沢井
  立野記代     井上貴子
  遠藤美月     C・美鳥
  
  ハーレー(11分9秒,片エビ固め)キャロル
  ※フィッシャーマンバスター。退場順=風間,遠藤,イーグル,貴子,立野(すべてオーバー・ザ・トップロープ)
  
この試合は変則ルールで通常のイリミネーションではないのだが、オーバー・ザ・トップで退場になりチーム全員がそのチームの負けになり他は普通のプロレスルールである。LLPWは両チーム同時に入場してくる。これは壮観である。リオのカーニバルか仮装パーティーかという所である。BJ側にはG-MAXからキャロルが合流。キャロルは最初からやる気なし。ゴング前にBJ側が先制攻撃をするがキャロルは参加せずコーナーに。どうせ、仲間割れかキャロルが試合を壊して終わりだろうと、私はタカをくくっていたのだが。

試合は結構ハイ・スピードでいきなり大技も出し、派手でいい感じ。キャロルもしっかりと戦っているが、自分のコーナーに向かって「お前ら3人でやっているんじゃねえよ」と言うと10倍返し位で、「うるせえぇ、コノヤロー」おおコワー。最初の退場者は風間社長であった。セクシー・ポーズを見れず終いだったが、外に落される時、「いや〜ん」とか言って、結構セクシー。
そうこしているちに、正規軍は、ハーレー、神取、立野の3人に対して、BJ側はキャロルの一人になってしまう。それでも、立野を落し孤軍奮闘するが、両軍が場外戦をやっている間に、神取とのシングル状態になる。この絶対絶命の危機にキャロルは毒霧を発射し、しかも沖野小百合が竹刀をもって乱入した。それでも、やはりハーレー・神取に対し一人では勝ち目は無く、ピンを取られてしまう。しかも、頑張ったのに試合後にはBJの3人にフクロになる。少し気の毒だけど、ほとんど持っていったかなという感じ。
極めて、練られた展開でなかなか面白かった。だけど、オーバー・ザ・トップロープは少し変だね。まあ、どうでもいいけど。


前の試合で毒霧とかが出て、トミーさんがマット上に水まきをして、雑巾かけを始める。GAEAでは広田や竹内が試合の合間や休憩時間に健気にやっている良く見る光景だ。そして、それを手伝うのはたぶんLLPWの二人と、アジャ、KAORU、山田である。実はこの日の雑用はほとんどが、アジャ、KAORU、山田がやっていた。GAEAのそれ以外の選手は、広田と竹内はいつものTシャツなのだが、他の一期生はたまに顔を見せるが私服で試合を見ているだけで、一切、手伝わない。
試合の合間にロープが緩かったので、トミーさんが誰か調節しに来いというジェスチャーをした。見るにみかねて、働き者の広田が締めに来たのだが、トミーさんになんか言われて控え室に帰って行ってしまった。すると、すかさずKAORUと山田が出て来て作業を始めた。恐らく、この日はこの3人とLLの指定された人とかしか雑用が出来無いのだろう。
しかし、かいがいしくロープを上げたり、調節したり、衣装を持ち帰ったり、雑巾がけまでしているアジャを見ていると、こちらの方が申し訳無くなる。


4,60分1本勝負
  D・雅美(1−0)D・関西
  北斗 晶     尾崎魔弓
  
  デビル(11分35秒,エビ固め)尾崎
  
メインのレフリーは小鉄。各試合リングアナが変わるのだが、この試合のリングアナは、なんと有明で尾崎のセコンドをやったあの謎のポリスマンだ。有明と全く同じ衣装で来た。リングに上がるといきなり、「青コーナーから・・・」とMCを始めたが、その前にお前の素性を教えろという感じだ。

試合開始早々、関西が北斗をコーナーに追い込みロープブレークを命じるが、なかなか関西は外さない。するといきなり小鉄が関西の頭をこずく。結構痛そうだった。これは、デビルにバカ受け。関西は、「痛えな、こっちと試合やっているんだよ。」また、試合途中試合の権利の無い尾崎が入って来て相手に逆エビをかけ、小鉄が注意をしても放さないと、小鉄は尾崎にパンチを入れるが、まだ放さず、次はケリを入れて来た。これが、もしトミーさんなら返り討ちにする所だが、さすがに小鉄にはやり返すことが出来ず、おとなしく引き下がってしまった。だんだん、カットに入るのにもだんだんレフリーの目を気にするようになる。いつもは、そんな事を絶対しないのに。この光景をいつもは、ひどい目に遭っている私服の伊東レフリーが嬉しそうに見ていた。

この日のデビルは、普段のGAEAとは違う優しい人モードに入っているし、尾崎、北斗も小鉄に毒気を抜かれてしまい、試合は和気あいあいモードになってしまった。

個人的には、小鉄がレフリーをする試合は面白いと思った事が無いというか、レフリーが試合を壊してしまうので、あまり好きではないのだが、まあ、この試合もそんな感じだ。まあ、小鉄とのやりとりは若干面白かったが、これも彼女達に芸があるだけで、小鉄の力ではない。この試合のレフリーがトミーさんだったらと思うが、これは今日の興行の主旨があるから仕方ない。

試合後、記念写真を取るので、この日出場した全選手、スタッフが全員リングに。この時尾崎がロープを持ち上げ、風間とイーグルが笑顔で挨拶をしていた所が印象的だった。また、トミーさんに抱かれて健ノ介も記念撮影に参加していた。お前は、働いてないだろうがと突っ込みをいれたくなるが、考えて見ると生健ノ介を見るのは初めてだ。結構可愛かった。

全員が揃った所で、デビルがお礼の挨拶と募金の集計結果を発表。募金総額は1,707,499円だそうだ。
そして、最後に北斗が「天国のプラム選手、みんな元気でやってます!」と。これにはさすがにジーンと来た。さすが、カリスマである。

そして、またメインの4人がリングに残り、四方に挨拶をし、これで終わりだと思いきや、卑弥呼の3人が急いでロビーの方に走る。何をするのかと思ったら、デビル、北斗、尾崎の3人が出口でお客さん一人づつと握手をするというのである。本当に出口に3人が並んでおり、会場を出るにも長い列ができるのだが、客一人づつに握手をして、「今日はありがとうございました」と言ってくれた。普段のGAEAを見ている私は、いくらなんでもまさか、尾崎、北斗、デビルと握手が出来るなんて夢にも思わなかった。私はデビルさんに、「また、やって下さいね」と言ったら、ちゃんと超やさしいモードで、「はい、分かりました」と答えてもらった。なんと、この日は選手5人と握手をしてもらえたのである。しかも、4人は向こうから手を出してくれたのである。

まあ、ヒールとしてはなんかこの日は、あまりに良い人になってしまって、少しマイナスかなとも思うが、タマにはいいだろう。試合はイマイチだったけど、それ以外で本当に楽しめたし、いつもはGAEAで悪行三昧を繰り返している3人も、ファンをいかに大事しているのかが良く分かった。


それにしても、尾崎にとってプラム選手の事故というのは、忌まわしい事故であり、忘れたい過去であろう。実際、尾崎に全面的な非があるわけでもないし、(言葉を選ぶのが難しいのだが)尾崎はこの事故に対する禊や責任は既に果たしたと思う。普通ならプロレスラーを止めてもおかしくないし、もはや過去を忘れて無視しても構わないと思う。

しかし、尾崎はこの悲しい出来事に責任を感じ、敢えて自らこの問題に直面しようとしているのである。この尾崎の精神力というのは、半端でないと思う。ある意味、尾崎ほど奥深いレスラーもいないと私は思う。前にも書いたが、GAEAが現在活況なのは、クラッシュの復活とかあるが、それを反対の立場で支えているのは尾崎である。

そして、尾崎のプラム選手に対する下手をすると私的な感情を普遍化しているのが、尾崎をサポートしているのがデビルと北斗だと思う。デビルはこの興行は、マリちゃんの追悼の意味もあるが、ああいう事故を再び起さない戒めとしての興行と言っている。尾崎の感情を、関係者・ファンといった他の人たちいかに訴えるべきかを分かっていると言えよう。

優しいモードの卑弥呼。しかし、次の8.20大阪では、<長与・飛鳥・永島VSデビル・関西・尾崎>なんていうのが、マッチメークされている。このしっぺ返しは強烈だろうな。

まあ、ともかく、この日はデビル、北斗、尾崎に乾杯だ。もちろん、プラム選手にも。




本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ