7.22 GAEA後楽園
■団体:GAEAJapan
■日時:2000年7月22日
■会場:後楽園ホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

今日は品川さんと観戦のGAEA。
まず、ロビーではまた人だかりが出てきている。飛鳥が園子とDOA Tシャツを売りさばいてるのだ。前回も飛鳥が売りさばくと、次からそれを着なくなるので嫌な予感はしたが、今回は当たると飛鳥と園子のサインが入っているらしい。こういうのに弱い私は思わずトライしてしまい、無事サイン入りTシャツをゲットしてしまった。しかも、飛鳥と園子の二人のサインである。こりゃ、家宝モノだね。

1,D・雅美(1−0)里村明衣子
  北斗 晶     永島千佳世
  
  デビル(11分37秒,エビ固め)永島
  ※スパイラルボム
  
考えてみれば、デビル・北斗組というのは、有明のメインでクラッシュと戦ったチームではないか。なんで、こんなのが第一試合から出てくるんだ。
それで試合はというと、いつものGAEAにありがちな、ハイパー・スピード・バトル。客の歓声が静まる暇の無い試合で、ただ指を加えて見ているだけで、試合展開なんて全く覚えられない。この試合を見て、今日観戦記を書く気を半ば失わせてもらった。だから、この日は観戦記を書く気で見てなかったので、たぶん手抜きになります。

里村・永島組というのは、前回の後楽園での6人タッグで初めて見たのだが、やはり二人ともなかなかのプロレス・センスの持ち主で、コンビネーションはかなり良くなっている。永島がスピードで撹乱して里村が大技で決めるというパターンを目指しているのか。

ただ、この日、少し失敗だったと思ったのは、北斗に対して里村があたり、デビルに対して永島があたったシーンが多かったところだ。永島とデビルの攻防は、結構永島の相手の頭上でクルクル回るのが、読まれ始めているというのと、デビルのパワーに圧殺されているような感じがした。永島は北斗と当たらせた方が良かったのではという感じがした。永島もデビル相手に正面から行きすぎた感があった。もう少し低空ドロップキックとかを使って、揺さぶりをかけるとか、もう一工夫必要な所だ。まあ、永島のことだから、次はやってくれると思うけど。しかし、試合を行う度に、その差が僅かながらも縮んでいるのは確かだ。

この試合で、一番印象的だったのは、里村の表情の変化である。里村の印象というのは、ストイックに自分を追い詰め、常に悲壮感が漂い、遊びや緩みのない息苦しさを感じたのだが、この日はいきなり、デビルに対し嘲笑したような笑いで挑発をしているのである。試合後もいつもなら、半泣き状態で必死さを見せたのだが、前回の新潟からそうらしいのだが、笑って挑発しているのである。まさか、これだけボコボコにされたら笑っているしか仕方無いという訳でもないだろうが、しかし、この里村の不敵な笑顔の挑発は、里村だけにかなりのインパクトがある。どういう心境の変化か分からないが、この里村はいい。

有明の後にアジャが、「あいつがストイックに真面目にやっている限り、私は(壁として)どかないよ」と言ったことに対し、里村は答えを模索したのかなあ。

とにかく、第一試合ながらも、いろいろな情報を発信した面白い試合だった。

2,山田敏代(7分18秒,体固め)植松寿絵
  ※エルボーカッター
  
有明以降、初のシングル対決である(除く、広田絡み)。 しかし、いきなり、山田と植松という所が、GAEAのシビアさを感じさせる。有明前は、絶好調だったが、有明以降ブラディーとのタッグで、いまいち鳴かず飛ばずの植松と、昨年11月のノストラダムスとの対抗戦以降鳴かず飛ばずの山田の対戦。
試合的にも残念ながら、鳴かず飛ばずであった。最終的には表拳とエルボーの耐久合戦になってしまったが、二人とも強い弱いは別にして、技や観客に見せるサムシングをつけないとダメだな。植松の永島に打ったキャプチュードはかなり衝撃的だったけど、何で出さないのかな。

3,尾崎魔弓(8分9秒,片エビ固め)S・佐藤
  ※裏拳
  
前半戦の注目カード。シュガーは有明でコスチュームも化粧を変え、以前よりも全然魅力的になったし、なによりも、その前のOZ興行でのバンクハウスマッチでドラム缶を抱えながらKAORUを追い回した事で、一皮むけた感じがする。
体格的にも尾崎54キロに対し、シュガーは76キロであり、タッグでは尾崎を追い込むシーンが何度もあった。あわよくば、という期待もあったのだが。

この試合の尾崎に対して、リッチさんは、合気道の植芝盛平先生や塩田剛三先生の世界だと言っていたが、まさにその世界であった。尾崎はシュガーのパワーをあちこちに分散させて、遠心力で力を使わず翻弄していった感じだ。結果的にはシュガーは尾崎に何もさせてもらえずに、尾崎の手のうちの中をぐるぐる回された感じである。

試合後に、尾崎はシュガーに「お前がなんで私に勝てないか分かるか。体重だけ増やせばいいんじゃねえんだよ」と言ったが、本当に説得力があったし、シュガーも尾崎と対等の所に近づいていると思ったが、完全にOZの校長と生徒だということを見せつけられた感じだ。

だけど、敵対する立場になりながらも、尾崎のきつい言葉に、シュガーに対する愛情を痛いほど感じる。このへんが、尾崎の変な人の良さだろう。しかも、セコンドについていた永島がリングに上がり、シングルをアピールし場内は異様な複雑な緊張感を占めてきた。

まあ、プロレス界にはいろいろな抗争があるが、この尾崎、シュガー、永島のOZ抗争は今迄にないなんとも言えない緊張感を味合わせてくれる。これまた中味の濃い展開であった。


4,広田さくら(6分33秒,へなーらサンセット)竹内彩夏

場内、言い知れぬ緊張感に客が酔った後に、中島リングアナの「プロレス界の至宝、HHHH選手権ベルトの変遷を見て頂きます。」というMC。これで、一気に客はコケてしまった。大体、いつからHHHがプロレス界の至宝になったんだよ突っ込みたくもなる。全く緩急を織り交ぜた興行にヘロヘロになっちゃうね。

まず、大阪のブラディー戦で使った奴を持ってきたのだが、KAORUが出てきて、このベルトを取ってろくな事がないと言って、ゴミ箱に捨ててしまう。そして広田の登場なのだが、ゴミ箱をあさり、まず食いかけのアンパンを見つけて「まだ、これは食えるじゃないか」と言ってポケットにしまってしまう所で大爆笑、もう好きにしてという感じ。「ユー・アー・ノット・アイ」を言おうとするんだけど、アイの所で、たらいが上から落ちてきてKAORUに言われてしまう。

場面が変り、ブラディーに取られてしまい消息が不明になってしまったベルトを、なぜか仇敵竹内が持っていた。それをクチャクチャの2000円札で買収して、首尾よくまた、「ユー・アー・ノット・アイ」を言おうとするのだが、またもアイの所でたらいが。今回の犯人は竹内だった。なんか、アイをいつ言えるのかというネタを延々続けそうで怖いね。

今日の広田はコスプレ無し。しかも、久し振りに自分の入場曲で登場した。広田が自分の入場曲で来るなんて本当に久し振りに見た。ただ、手にはさんざん落された、たらいを持って。しかも、このたらい、変にへこんでいる所がリアルであった。しかもわざわざ自分が持ち込んだたらいで逆にやられてしまうし。だけど、この時点でプロレスというよりドリフだよね。

まあ、試合的には結構笑わせながらも、貫禄勝ちだったりして。


5,45分1本勝負   L・飛鳥(15分43秒,片エビ固め)KAORU
  ※LSDIII
  

これは、KAORUが勝てるとは思わなかったけど、この日のベストバウトだ。結論から言うとこの試合は負けはしたけど、KAORUがもっていった。この日のKAORUは、今のばばあ軍団では一番下っ端になってしまうので、セコンドで働きづくめであった。ただ、KAORUが通るたびにドキドキして結構個人的には嬉しかったんだけど。

そして、飛鳥の入場だけど、最近の後楽園ホールは飛鳥が入場するだけで、場内がどよめくというのが恒例になりつつある。だけど、それ程今の飛鳥は本当に格好いい。その飛鳥と対峙するKAORUは少し役不足と思ったが、堂々たるもので、なんかそれだけで、テンションが高まっていく感じだ。KAORUもいつのまにか、飛鳥と対峙しても全く遜色の無い雰囲気が出てきた。

試合はまず場外戦に。これが、なんか変な場外戦なんだけど、飛鳥が椅子を持ってKAORUを追いかけるのだが、KAORUは飛鳥をおちょくるかのように、わざわざ客席の中を掻き分けて逃げる。南側の通路にいったところで、椅子でのチャンバラを始め、そのチャンバラ戦を制したKAORUが飛鳥を通路の上から座らせて後ろ向きの階段落しをし、執拗に場外で飛鳥の足を攻撃する。完全に場外戦はKAORUの勝ちである。
真向勝負では、ほとんど勝ち目は無いと思っていたが、この手を狙っていたとは。この時点で、一言、KAORU凄過ぎる、頑張れ。

試合は当然ラフな展開になるのだが、東側でKAORUを机に寝かせて飛鳥がフット・スタンプをやり、南側ではKAORUのラ・ケブラータが失敗したが、西側で机の上に飛鳥を寝かせKAORUがダイビング・セントーンを決行した。しかもこのセントーンが、普通場外へのは、上から落ちて来るだけだが、KAORUのは距離を置いて加速して相手に当たるのである。また、一言、KAORU凄すぎるし美し過ぎる。

だけど、見せるという点ではこの二人は本当のプロだ。いちいちの場外戦を必ず違うサイドでやって、客に見せる。この日西側の我々は目の前で、ダイビングセントーンを見せてもらって本当に得した気分だ。あと、有明以降あまり、無くなったセコンド同志の戦いも、飛鳥が場外のフットスタンプを成功させて、広田が諸手をあげて喜ぶのだが、それを見たデビルにこずかれるところが、地味に面白かった。というか、両軍セコンドも入っての激戦である。

最後は双方の大技合戦になるのだが、大技の間に長い足でハイキックや逆回し蹴りを打つ飛鳥がだんだんと主導権を握る。ライガーボム、フリーバード・ボムを次々に出すがKAORUは驚異的な粘りで返す。しかし、飛鳥の決め技タワー・ハッカー・ボムはまるででかい永島みたいに空中で切返され、なかなか決めることができない。さすがの飛鳥も少しあせり気味か、コーナーを何度も蹴って悔しがる。4〜5回目のトライでやっと決めることができたが、これも空中でKAORUが動き、飛鳥のバランスが微妙に崩れカウント2で跳ね返す。そして最後に出たのが、飛鳥の本当の切り札LSDIIIである。まだ、過去には関西とのシングルにしか使っていない、超危険技である。

試合後にKAORUは、「飛鳥、DOAは解散だ。お前の首を取ってやる」と飛鳥に宣戦布告をする。という事で、今日私が買ったDOA Tシャツはこの日が着おさめなんだろう。まあ、今日の興行のMVPは間違い無くKAORUであろう。それにしても、今日のKAORUは、技のキレ、コスチューム、たたずまい、容姿、散り具合といい全てが美し過ぎた。


6,60分1本勝負
  A・コング(1−0)長与千種
  D・関西      加藤園子
  
  関西(8分47秒,エビ固め)加藤
  ※スプラッシュマウンテン

そしてついに園子の復帰試合だ。入場は一人づつ、関西、アジャ、長与といった大御所の後に、最後に入場してくる園子。破格の扱いだ。しかし、そんな事に憶する所が全くない園子に大量なテープのおでむかい。普通なら園子クラスのキャリアがこの中に入ったら影が薄くなるもんだが、贔屓目かもしれないが、他の3人を圧倒する存在感。う〜ん、やっぱりGAEAは何だかんだ言いながらも園子だ。

とは言っても、相手はアジャと関西である。勝ち負けはハナから期待していないが、病み上がりの園子がこの二人を相手にして試合が成立するのかどうかの方が気になる。結構GAEAのフロントは意地悪だと思いたくもなる。

試合は、若干パワーで押えられる所もあるが、まずまずの動き。いつもは外すダイビング・ギロチンとかもしっかり決める。アジャとの真向からの頭突き合戦も、「やられたら、やり返す」園子の心情そのもの。 しかし、試合は意外な方向に。どうせ園子がボコボコにされるんだろうと思っていたら、長与が二人の集中攻撃をくらい、後半はほとんど戦闘不能状態になり、ずうっとニュートラル・コーナーでうずくまっていた(ただ、それ程やられたようにも思えないのだが)。

それにしても、いつのまにか、セコンドには飛鳥を始め全選手が出てきて、しかもまるで自分たちが試合をしているかのように、全員がマットを叩きながら応援している。今迄、シュガーや永島はOZにいたわけだから、これも初めて見る光景である。一期生の5人に広田、竹内を含め、いつからこんな連帯感が生まれたのであろうか。

長与が働かないので、後半は園子の孤軍奮闘という感じだったが、仲間の応援に大いに答えたと言っていいだろう。園子は攻撃が直線的過ぎるとか、試合を組み立てが雑だというのが、昔から指摘されていた事だが、アジャの灯油缶攻撃を強烈なキックで防いだり、わざわざ相手の誤爆を誘い体を入れ換えたりしたりというのを何度か成功させた。しかも、その上でアジャにジャーマンを打った所は圧巻だった。

しかし如何せん多勢に無勢。このパワーコンビにいつまでも抗する事はできない。最後は関西に高々と持ち上げられスプラッシュ・マウンテンでピンを取られる。

試合後に、いきなり元気になった長与が、「なんでお前らオレから取らないんだよ。ここまでやる事ないだろう」とアピール(それだったら、お前がもっと働けと突っ込みを入れたかった人が半数以上いたであろう)。そして「逆指名」ということで、9.15文体のメインは、クラッシュvsアジャ・関西組で決定。

クラッシュのポーズで宣戦布告をした長与と飛鳥に対し、半ばおちょくった感じでクラッシュのポーズをやり返すアジャ、関西に対し、いきなりセコンドにいた若手6人(園子はまだこの間、倒れていた)がエプロンに上がって来て、一斉にクラッシュのポーズで、おばさん軍団を挑発する。こいつらの結束力はなんなんだという感じだ。
GAEAの一期生というのは、例えばシュガーと永島が早々に長与を見限って尾崎の元に行ったり、園子は飛鳥の方へ行ったりと、結構勝手気儘で、お互いライバル心を持ってやり合うということはあっても、全員が結束するなんていうのは皆無の世界であった。他の団体では当たり前かもしれないが、GAEAにとってはむしろ異様な光景であると言えよう。

有明以降、唐突に始まった世代抗争だが、彼女達はケチョンケチョンにやられた事で、なにかを目ざめたのであろうか。

それにしても、里村の不敵な笑み、若手のここに来ての異様な結束力、尾崎を中心にしたOZ抗争。もう帰る場所の無い関西の妥協無しのファイトとそれをフォローするアジャの最強コンビ。相変わらず女子プロレス界のドンとして圧倒的な存在感を示すデビル。有明以降少し引き気味だったKAORUも飛鳥に宣戦布告を示しまたもムクムクと上がってきたし、何と言っても、加藤園子が無事復帰した事により、いよいよ役者が揃ったという感じだ。

最後の最後に、一人だけで、クラッシュのポーズをすることにより、闘志を示す園子。絵になる。


                                                      to be continued




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