GAEA 6.11 後楽園
■団体:GAEAJapan
■日時:2000年6月11日
■会場:後楽園ホール
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

今週はバカみたいにプロレスを見に行ってしまいました。アルシオン、全日本、今日、昼の全女、そして最後にGAEAである。

全女のクソ長いダラダラした興行が終わり、横浜のチケットをゲットして、お花を買いに。実は今日は、加藤園子選手の24回目のお誕生日だったのです。少し恥ずかしかったけど、無事渡す事ができました。頑張れ園子。

会場は昼間にダフ屋が夜のGAEAは前売り売り切れたらしいよ、と言っていた通り、またも超満員。しかし、昼のクソ興行のせいで、会場が大幅に遅れ20分遅れで始まる。まあ、今日は4試合だしいいか。

1.HHH選手権試合
△広田(時間切れ引き分け)△竹内
例によって、第五代HHH選手権王者広田さくらのタカビーなスクリーントーク。ちなみに、HHHは、広田、へなちょこ、ハンドメイドというのは知っていたが、通称トリプルHというらしい。今日はサングラスをかけて小意気に登場。竹内にお前なんて1秒で倒して、いや今日は15秒チャンスを与えよう、Only 15 Minutes!!!!だって。

今日はコスプレは無しなのだが、私の知らない曲で入ってきた。ベルトを肩にかけ、ペットボトルを片手にエプロンで霧吹きをしたが、前の客は濡れてしまい、それを見ていたトミーさんがタオルを持ってきてお客さんを拭いてあげて、どうもすいませんと謝り、広田に、お前も謝れよと突っ込む。トミーさんに言われるとッタカビーな態度の広田も急に低姿勢になってしまうのである。これは有明で身につけた新芸。コールで中島リングアナが15分1本勝負と言うと、広田は15秒のはずだと抗議。すると、中島リングアナは、「あなたいつもminutesと言っているけど、minutesは分だよ」と逆に突っ込まれる。なんかスタッフみんなで参加するようになった。ちなみに、試合開始早々中島リングアナは「試合時間15秒経過」とアナウンスし、受けを取る。しかし、カード発表では無制限だったはずだが、結局は15分で話がついた。なんだか良く分からないが、まあ重要な問題でも無いからいいや。

試合は久々の後輩で結構気合いが入っており、ギャグも少し滑りがち。しかも、リング下のマットです巻きにされて、フットスタンプを食らうという醜態を晒し、怒って突っかかろうとしたら、全速力で場内中を逃げられ、追いかけても追いつかずしかも息を切らしてしまう。なかなか、上がって来ない広田に竹内に、「早く来いよ、デブ」「早くしろ、かわうそ」と言われる始末。かわうそは相当ショックだったようだ。急所打ちで竹内を泣かしてしまい、場内から大ブーイングを受けるし、最後には竹内にベルトを壊され逃げられてしまう。「お前は、私の地獄の扉を開けたぞ」と言って撤収するはめに。今迄、どんな大物でも、いつもおいし所を持っていっていた広田だが、今日はまんまと持っていかれた感じだ。

2.○北斗、尾崎、KAORU(体固め20:38)長与、里村、×永島

これからの3試合のテンションは大変なものである。もちろん試合経過なんて書けるはずもない。アルシオン、全女の興行を見たうえで言うと、試合のテンションの高さ、コンビネーション、個々の選手の技術とスピードは段違いだとしか言い様がない。
まず、私の注目は、KAORUと尾崎、北斗の関係である。KAORUはセコンドの時は、DOAのTシャツを着ているし、本当に卑弥呼勢とうまくやっていけるのか。あと、永島と尾崎の関係は。
前者の方は、流石プロという感じだ。まだ2回目なのに、もう立派にチームとして成り立っている。しかも、KAORUは嬉々として試合をやっている感じだ。本当に楽しそうだ。しかし、あのコスチュームは凄いね。有明は遠かったので良く分からなかったが、近くで見るとかなりいっているね。後者のOZ対決も火花出まくりであった。またここにも新たな因縁が出来たという感じだ。

しかし、この3人のターゲットはあくまでも長与であったようである。北斗は有明で恥を掻かされたと、相当根に持っているみたいだ。奇襲攻撃は、最初の5分は長与一人に3人攻撃を集中させる。しかもKAORUのエスカリバーに始まり、テキーラ、ストラングルホールドと最初から大技全開だ。ようやくタッチが出来、長与チームが場外戦を挑んでからはもう試合は乱戦に。常に4人以上が何処かで戦っているパターンに。とにかくいつものパターンだが試合の権利があろうが、なかろうが少しでも油断していると(油断して無くても)何処から攻撃を受けるか分からない展開だ。途中北斗も永島の例のエプロンでの三角締めや腕ひしぎなどで、ヘロヘロにされるが、最後はノーザンライトで勝ちをもぎ取る。
尾崎は永島に水をぶっかけ帰る。しかし、1試合で4試合分くらい見せられた感じだ。

3.デビル雅美、○山田(リバースゴリースペシャルボム8:44)×植松、ブラディー

なぜか、デビルを挑発する植松とブラディー。しかし、いい根性をしているとしか言い様がない。GAEAでのデビルは、最近の良い人モードでは無く全女の頃の圧倒的なヒールモードになっている。しかしあの一人でもクラッシュに引けを取らない圧倒的な存在感は今の女子プロ界随一であろう。そのデビルに対してメンチを切るのだから、見ているこっちがビビってしまう。
植松・ブラディー組は、前半はまた磨きを掛けたコンビネーションで主導権を握るが、徐々にパワーに押されて劣勢になっていく。しかも再三のデビルへの挑発で、デビルを怒らせたみたいで、後半は修羅場を味あう事になる。完全にパワーの差が出てしまった。

試合後に、デビルに、「お前ら時代の扉を開けたなんて言っているが、そんな弱ければ話にならないんだよ、なんか言ってみろ」と言われると、植松は、「これからもいくらでもやっている。最後にリングを舐めるのはお前らなんだよ。最後は笑って立っていてやる」と言い返し、また手痛いしっぺ返しを喰う。圧倒的なデビルの存在感にとことんへこまされた感じだ。

しかし、今日の植松とブラディーの表情が凄く良かった。植松は最近顔つきが変わってきた。底から湧き出るなにかを感じさせられる。あの顔をしている限りへこんだままで終わらないだろう。
全女のお台場3連戦で、WWWAタッグのトーナメントがあり、jd’枠でも1チームエントリーされるらしいが、このチームが出ないかな。兎に角勝ち負けも重要だが、よりいろいろな相手と対戦し、経験を積んで欲しいね。
あと、山さんも恐いモードになってなかなか良かったな。久し振りにゴリスペシャルを見た。
だけど、こういう試合で、4人の立場やキャラクターを明確にしながら、自分の役割を演じながら、その4人とも光らせるところが、GAEAの特徴だな。

4.○関西、尾崎(エビ固め15:49)飛鳥、×佐藤

今日のGAEAは4試合で終わり。しかし、いちいちこのテンションの高さなら、やっている方はもちろんだが、見ている方もこれが限界だ。
しかし、GAEAのこのテンションの高さというのは、見ている側としては、もういかされている女みたいなもので、何をされても感じてしまう状態になっているのだが、選手にとっても魔力なんだろうな。試合開始早々から選手の一挙手一投作に客のリアクションがあるのだから。そしてまたGAEAの禁断の果実を口にしてしまったレスラーが出て来たみたいだ。

まずは、尾崎・関西組が入場。二人でコーナーに立つのは久し振りだろう。セコンドには、昼の興行に出ていたJWPの春山とKAORU、デビルがつく。デビル迄セコンドに着くのかと思ったが、考えてみるとKAORU以外はJWP繋がりなんだ。そして、シュガーが一人で入場し、尾崎にメンチを切り、次に飛鳥の入場なのだが、飛鳥が通路から現われた所で、会場はどよめく。これは、あまりに格好良いからであろう。意外な姿とか、意外な人だからとか、あまりに奇怪か恐いからどよめくというのは時々あるが、あまりに格好良いから場内がどよめくというのは、飛鳥くらいであろう。

試合は、シュガーの方から、尾崎出ろという挑発から、尾崎対シュガーで始まる。尾崎は2試合目という事もあるが、シュガーが押し気味で始まる。しかもシュガーのたたずまいは、昔の先生と生徒という関係というより、あくまでも同格のレスラー同士という感じだ。体も大きいが存在感も大きくなったようだ。(ただ、永島もシュガーもセコンドではOZのTシャツを着ているんだな。)

しかし、長与劇団とかも言われるが、GAEAがこれだけ人気を保てている立て役者は、尾崎の力であろう。あれだけ、アクの強いベテランやヒールを整備出来るのは尾崎の力と人得であろう。長与だけでは到底無理である。長与に対抗する強力な軍団を組織整備出来るから、他団体に無い厚みを持っているのであろう。考えてみれば、あとで裏切られるどうかは別にして、アジャ、ラスカチョ、飛鳥、北斗、デビルを連れて来たのは、みんな尾崎である。しかも一方で、OZアカデミーで若手も育成している。
その自分が手塩にかけて育てて来た選手と、1日2回戦わなければいけないのであるから、この日は尾崎にとって過酷な一日と言えるだろう。

関西と飛鳥に変り、今日初めてのじっくりモードの攻防になる。この二人にも大きな因縁が続いている。向き合うだけでも緊張感が生まれてくる。重い蹴りとラリアットの攻防はこの二人にしか出来無い土壇場と言えよう。関西はあくまでも、飛鳥・クラッシュ狙いなんだろう。しかし、飛鳥の趣意はあくまでもシュガーのサポートのようだ。ただ、飛鳥が出て来ると子供までもが、「アスカ〜」と声援しているのには笑えた。そう言えば今日はいつもより子供たちの数が増えているように思えた。ヤンママに連れられて来た有明以降の新たな傾向であろう。

シュガーも結構健闘し、途中関西をカウント2.9迄追い詰め、パワーでは関西とはほぼ互角である所を示したが、サムシングの部分でやはりやられたという感じである。しかし、ダイハードまで出させたのだから、同格だと認められたようなものであろう。しかも終盤には今迄では考えられない、シュガーコールまで出させたのだから。ただ、関西にも意地でも負けられないという気迫があった。

それも、そのはずだったのである、試合後関西は、「マスコミのみなさん、ファンのみなさん良く聞いて下さい。ダイナマイト関西は、今後全女のリングにはあがりません。JWPも辞めて今日ここに来ました。今後は自分のためにあるリングで戦います。」「GAEA一本で戦う事に決めました。それなりの覚悟で来たという事を分かってください。」それに対し長与は心良くOKのサインを出す。「みなさん分かって下さい」と言い四方に頭を下げ、尾崎とがっちりと握手をする。セコンドにいたデビルも嬉しそうに、関西に祝福をする。もちろん場内は口アングリの大興奮状態となる。
やはり、関西にとっても、GAEAは異空間だったのだ。デビルもGAEAに参戦してから、JWPの本興行にあまり出なくなったみたいだし。

関西はOZ興行で久し振りにGAEAの一端を接し、有明で広田の相手を務めた。本格参戦は、その後の大阪IMPだが、やはり禁断の実を口にしてしまったのだろう。見てないからあまり書かなかったが、何をやっても裏目に出るJWP。しかも、何の生産性も生まれない全女・堀田とのやり取りで、いい加減うんざりしたのではないか。それに対しGAEAでのテンションは相手も客も別世界なのであろう。

関西はプロレスラーとしての目標を、全女、WWWA、JWPからクラッシュに切り替えた。長与にとっては強敵が増えるだけだが、これぞクラッシュの思うつぼである。クラッシュ再結成の目的の一つはクラッシュをエサにして他団体の大物を呼び込む事である。関西はそれに見事に乗ってしまったようなものであろう。しかも老舗団体の地殻変動まで巻き起こして。


もうひとつ気になるのは、アジャの動向である。有明以降2大会に不参加であるが、シングルのベルトを持っているからこのままフェードアウトする事は無いだろう。アルシオンとGAEAの歴然たる差はアジャ自身が良く分かっているだろう。関西はアジャと組みたがっているという話もあるが(一応OZ興行の10人タッグでアジヤと関西は連係(失敗したが)を見せている。そうなると、GAEA生え抜きにとっては、また面倒な敵が増えるという事になろう。


GAEAを見て思う事は、女子プロオールスターというパンドラの箱を開けてから、女子プロは冬の時代を迎えてしまったのだが、それというのは、女子プロのフロント、プロモーター側の怠慢から起きているのではないかということである。実際に今の女子プロレスには、男子以上に魅力的で個性的な存在が揃っている。それを生かしきれなかっただけではないだろうか。結局はこういう魅力的なレスラーも、旧体制の中で過去の女工哀史のように使われるだけで、目的意識を持たす事が出来無かったことにあるのではないか。

そこで出てきたのがGAEAである。GAEAのフロントはもともと全くプロレスに関しては素人らしい。木村統括にとっては、違う会社の系列の一つであり、杉山代表は芸能界関係の仕事をやっていたそうである。しかし、その旧体制とは別個な所で生まれた事にGAEAの特徴が生まれたと言える。

それは、あくまでもソフトである選手をどうやって目立たせるか、やりがいのある試合をさせるか、それをハードであるフロントがどのようにアレンジし調整するかが問題なのである。杉山代表は長与がリングに上がると、自分の知らなかったオーラが生まれ、なぜ長与に熱狂する人達がいるのか良く分かったというような事を言っている。そこで、長与というソフトをアピールすればお客さんを呼べると感じたらしいが、そういうレスラーは長与一人ではないのである。そういうソフトを最大限に活かすというフロントの姿勢に、多くのフリーの大物選手が集まって来たのであろう。猪木にしろ、馬場にしろ、彼らの団体が結果的に成功したのは過去の旧体制から関係を断ったからではないだろうか。今回三沢が、猪木や馬場と同じような行動に踏み切るようだが、これは三沢にとっては当然な行動であると言えよう。

GAEAが増殖しつづけるのは、ある意味必然と言えよう。なぜそこまで言えるかは、会場に行ってもらわないと分からないだろう。




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