5.14 GAEAJapan 有明コロシアム大会
■団体:GAEAJapan
■日時:2000年5月14日
■会場:有明コロシアム
■書き手:maya(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

GAEAにとっては、運命の有明。見に行く方も多少の緊張はあったのだが、結論から言えば最高水準のプロレス・スペクタル・ショーを見せてもらったということで大満足の興行だった。まあ、難を言えばあれだけの大舞台なので選手の動きが弱冠硬かったのだが、個人的には(品川さんに怒られそうだが)、VTではホイスVS桜庭戦が歴史的な瞬間であっうたというのを、プロレスで目撃したような感じだった。

まあ、再三言っているが、「GAEAを知らずしてプロレスを語るなかれ」という事である。

私は開演一時間前に会場に着いたのだが、既にグッズ売り場は長蛇の列で、パンフレットを買うのにも並ばなければならないという、ふざけた状況。会場は9000人という事だが、レーザーやスクリーンの設置で、入れるべきとこは全て入っているので、大入り満員と言っていいだろう。試合前に品川さんと合流して、席を移し品川さんと一緒に見た事が面白さを倍増した。品川さんは、どちらかと言うと、VT・格闘技系(大体、パンクラス、プライドを2日続けて見るような人だから)の人だと思ったのだが、女子プロレスも含め、プロレスにも造詣が深いので、一緒をさせてもらって、とても面白かった。


まず、選手入場。卑弥呼、ゲスト、DOA, GAEA本隊という順で選手が顔見せに出てきて、長与がお客さんにお礼の挨拶をするというセレモニーなのだが、長与が全選手をねぎらうような話をしている間に、卑弥呼勢はそこすかと控え室に戻ろうとし、長与のお客さんへの挨拶が、卑弥呼勢へのマイクアピールとなってしまった。なんか、こういういきなり不摂取な世界が対戦ムードを感じさせてくれる。

1.ダイナマイト関西○(JWP) 体固め9分38秒 ×広田 さくら(GAEA JAPAN)

Xは(私の予想通り)関西であった。ただ、いきなりこの日の前座第一試合の最初の選手入場が、ダイナマイト関西である。場内はこれだけで大興奮となった。

ちなみにこの日の会場は、大ビジョンが二つあり、その下からリングにつながる花道があるという会場構成で、花道には電球が備えてあり、他にレザー光線、ミラーボールまであり、選手入場はライトショーの趣きであった。

関西入場後、いつもの広田のタカビーなスクリーン・トーク。いきなり、「おい、ミス・A、間違えた、ダイナマイト関西」には笑った。関西も入場時には気合いが入っていたのだが、ここでいきなり脱力状態に。そして、広田は「関西、お前があこがれているものがあったな。今日、お前の夢をかなえてやるよ」と言って入場。

場内、妙にほのぼのとした曲が流れる中、広田の今回のコスプレは、オスカルに扮した宝塚。しかも人形を8体くらい従えて。関西のあこがれが宝塚という事が分かった。しかし、これが花道でなかなか動かず、妙に時間がかかる。しかもマイク・セットを装備して花道でもマイク・アピールを続ける。(私の尊敬する)トミー蘭もさすがに早くしろとうながし、客もそろそろしびれを切らし少し怒りモードへ。そこに来て関西も最初は笑っていたが、流石にあきれて控え室に帰ろうとする。するといきなり、広田が「すいません、少し調子に乗りすぎました。すいませんでした。お願いします。」とか言って、いきなり低姿勢になり、リングイン。ここでまた笑いを取っていた。後で考えると、我々観客も含め広田の計算の上に、いいようにされていただけだったのだ。

中島リングアナの選手紹介の前の、「大変長らくお待たせしました」という前口上にも笑わせてもらい、場内脱力状態で試合開始。さすがの広田も今日は緊張しているのか動きが硬い。いきなり関西の怒りの猛攻を受け、控え室に戻ろうとする。それを見て、関西が「悪かった」とか言って広田が戻ってくるのをうながす。どこの世界に相手の攻撃に反省をさせるプロレスがあるか。広田は、へナーラ・ハリケーンとかヒップ・アタックとかも出すのだが、関西には全く利かずラリアットであえなく撃沈。さすがにに、ヘナーラ・サンセットは狙ったが関西には打てなかった。やられっぷりの良さも広田の心情という感じだが、やっぱりこの試合も広田が全部持っていったような感じで、勝ってもなんかダシに使われた関西が気の毒に思えるような試合。

2.○竹内 彩夏(GAEA JAPAN) 猛虎原爆固め9分31秒 RIE×(卑弥呼)

まあ、普通の団体ならこれが第一試合なのだが、竹内はデビュー直前に、RIEの寝返りで有刺鉄線に縛られ血みどろになり、それを会場で見ていた竹内の母親も卑弥呼(当時のチーム・ノストラダムス)にいたぶられるという苦い経験を持つ。一度はタッグでリベンジしたのだが、度々組まれるこのカードでニューフェイスの竹内は長与からプロレス技はドロップ・キックしか教えてもらず、ベテランのRIEにいいようにされている。
案の定、この日も前半RIEのチェーンや有刺鉄線竹刀でいたぶられる。この新人相手にそんな小道具を使わなくてもいいのではと思うけど、有明大会に向けて新調してもらった妙に似合うコスチュームもあるのか、ブーイングを浴びながら結構いつも以上にいたぶっていく。
しかし試合が動いたのは、今迄やられ放題やられた竹内が反征。しかも唯一の持ち技、ドロップ・キップを10発は打っていったか。ドロップ・キックしか出せない場内は大興奮。さすがにこれは、利いたみたいでRIEは苦しい状況。一度は盛り返したが、竹内のトップ・ロープからの膝に打ったピン・ポイントミサイル・キックから、最後は最近教えてもらったのか、タイガー・スープレックスで竹内がピン。ご祝儀かもしれないが、竹内がここでタイガー・スープレックスでピンをした一瞬に竹内のデビュー前からの苦難が走馬灯のように回ってしまった(はっきり言って私はバカだから)。第二試合から、こんな事をやっていいのかという感じの、メリハリの利いたいい試合だった。

3.×山田 敏代(GAEA JAPAN) 片エビ固め16分58秒 井上 京子○(NEO)

しかし、京子対山田なんて、普通ならセミ・クラスでしょう。休憩前なんてあり得ないという感じだが、当の本人たちは試合順なんか考えず、セミクラスのバトル見せてくれた。山田としては、現在キャラクター的にはGAEAでは埋没しそうなので、ここで男と対等にやっている京子の首を取って、一気に浮上しようというもくろみであろうが、京子も簡単にやられる程甘くない。しかも、今日の京子は結構人気があり嬉しそうだった。この人は人の良い東北人だから、そういうのが良く分かり憎めないんだな。

試合は前半プロレス的展開から、後半は打撃戦に。山田は何度か自分の必殺技、ゴリ・リバース・スープレックスを狙うが、私は何度も書いているが、この技には無理がありすぎる。挌下の相手なら決まるかもしれないが、京子くらいだと極められないだろう。山田は終始、空手からの打撃技を中心に攻撃していたが、最後の決めがないような感じがした。最後は体力が優る京子がラリアットで勝ったが、山田はもう少し考えた方がいいな。しかし、絶対に負けられないという両者の意地もあり、素晴らしい試合だった。

4.AAAWタッグ選手権試合(60分1本勝負)
○シュガー佐藤 永島 千佳世(王者組=卑弥呼) エビ固め16分15秒 植松 寿絵(GAEA JAPAN)ザ・ブラディー×(Jd')(挑戦者組)

実は私の今日のお目当ての試合はこれだったのでした。最近の試合で目を見張る動きを見せる植松に対し、1カ月前にKAORUの表拳を受け、顎が砕け、手術明けの手負いのシュガー佐藤を率いる、永島千佳世。しかも、植松は「一発で決めるパートナーを連れて来てやるよ」という大見得を決め、飛鳥経由で来たのが、ブラディー。一体私は、どちらを応援すればいいのか。

試合はニュー・パートナーを従えた植松組が、初チームとは思えないコンビネーショーンで優勢を取る。しかもシュガーは顎を攻められ、かなりきつそう。交互のプランチャーやダブルミサイル・キックとかとても急造チームとは思えない動き。しかし、前半やられ放題のチャンピオン・チームは場外戦でペースを変える。このへんは流石師匠尾崎仕込みである。その後は相手を分断して完全にチャンピオン・ペース。しかし、チャンピオン・チームの剛のシュガーと柔の永島のコンビネーションは今日も素晴らしかった。特に永島は、シュガーをカバーをするために八面六臂の活躍で、ラナ系の切返し、要所でのカシン並みの関節、そして的確なフィシャーマンやジャーマンの投げ技といい、あの体からは考えられない技のキレである。植松・ブラディーも頑張ったが、最後はシュガーのライガー・ボムに沈んだ。チャンピオンシップらしい素晴らしい試合で、今日の私のベストバウト(まあ、僅差だが)であった。


ここで休憩。リング内には次の試合の小道具が次々と並べられる。(後で分かった物もあるのだが)はしご、イス、机の切はし、電動工具、透明のポリ箱、ゴミ袋、ギターetc.そう言えば発煙筒まであった。

5.第5試合 AAAWシングル王座次期挑戦者決定戦(45分1本勝負)

×KAORU(DEAD or ALIVE) 体固め28:36 尾崎 魔弓○(卑弥呼)

そして尾崎の入場。尾崎のコスチュームはSMの女王様を思わせるような、黒のボンテージ。どっかのインディーから連れてきたのであろう、NYコップの扮装をした男子マネージャーに手錠でつながれ入場。KAORUの表拳でシュガーが病院送りになった仇があるため、尾崎の闘志は半端ではない。一方のKAORUはいつものアンニュイ路線で天女のような女性マネージャー(私は最初は園子だと思ったのだが、結局誰だか良く分からなかった)を従えて花道に。もはやこれだけで、R指定、18禁と言いたくなるような雰囲気だが、この二人の女王様達は28分も闘うとは。

花道で尾崎の先制表拳で試合がスタート。両軍のマネージャーも試合に介入してくるが、やはり場外での主導権は尾崎の方が一枚上である。ちなみにこの試合は、1/2が場外、1/4が花道、1/4がリング上で行われていた。結局は使わなかったが、尾崎が電動工具で机に穴をあけるパフォーマンスをした時には、私はしょんべんをちびりそうになった。尾崎ペースで試合はすすむが、KAORUも要所で、場外の客席からの、ラ・ケブラータや、はしごの上から落差4〜5メートルくらいある所からのダイビング・セントーン、空中で2回転したムーンサルトと見せ場一杯であった。

しかし最近は、デビルや北斗といった濃いおばさん達の中で存在感が薄くなったり、広田に毒気を抜かれ、あまりいい所がなかった尾崎であったが、今日の尾崎は毒気とフェロモンを出しまくり、やはり尾崎は尾崎だった所をまざまざと見せつけてくれた。その尾崎に対し正面からあたったKAORUもたいしたものである。試合後、勝った尾崎は男子マネージャーとリング上で熱いディープ・キスを。そしてなんと、あの憎きKAORUにも近寄り頬にキスをし、笑顔で握手を。なんか嫌な予感。

私はそれほど女子プロを見ている訳ではないが、過去にケージ・マッチ、ストリート・ファイト、キャット・ファイトというものがあったろうが、これだけ、ハードコアの展開の中に両者の卓越した技術を織り交ぜながらフェロモンをまきちらしたゴージャスな試合があったろうか。1本の映画を見せられたような充実感である。もはや、この1試合だけでもGAEAは他の追随を許さないと言っていいだろう。

6.セミファイナル AAAWシングル選手権試合(60分1本勝負)

○アジャ・コング(王者=DEAD or ALIVE) 片エビ固め15:22 里村 明衣子×(挑戦者=GAEA JAPAN)

尾崎、山田、KAORUを飛び越えアジャの逆指名により、セミに抜擢された里村。私はもしやもあると思ったのだが、やはりアジャの壁は高かった。しかし、打たれたらひるまずに打ち返す里村の気の強さはたいしたものだ。この気の強さがアジャに目の敵にされる理由なのだろうが。関節による切返しや、計3発以上のデスバレーでアジャを追い込んだが、やはり裏拳の前に沈んだ感じだ。 過去にハンセンに対し全日本の選手がラリアット封じの攻撃したように裏拳封じを考える必要があるだろう。あと、もう一歩なんだが、その一歩がなかなか遠そうだ。

ところで、この試合をアジャのセコンドで見ていた園子は、この試合をどう思ったであろうか。里村がセミに来るように、GAEAのメインテーマは、里村と園子の赤と青の継承である。後楽園でアジャが里村をチャレンジャーに逆指名した時に、一番悔しい思いをしたのは、尾崎やKAORUでなく園子であろう。早く怪我を直してメインテーマを復活させてくれ。

7.メインイベント タッグマッチ(60分1本勝負)

○長与 千種 ライオネス飛鳥(クラッシュ2000) 片エビ固め20:28 北斗 晶×デビル雅美(卑弥呼)

まずは、卑弥呼組の入場。しかしこの二人、揃って歩いているだけで圧倒的な存在感。恐ろしさプンプン。クラッシュは昔のアイドル路線に戻り、ミエを切る。そして選手コール。スタンドから見ていると、飛鳥と長与がコールされる前に紙テープを投げようとアリーナの客席が生き物のようにモゾモゾと動く様は圧巻である。そして、青と赤の紙テープは撤収できないほどの量となった。 試合は前半卑弥呼ペースで始まる。クラッシュファンはあのやられっぷりがいいのであろう。しかし、少しでもクラッシュ側が反撃した時の大歓声が凄い。中盤からはGAEAいつもの4人が休まず戦うハイパー・バトルに。デビルは技の一発の重さで互角以上に渡り合うが、北斗はこのメンツの中に入ると今のコンディションでは一枚落ちという感じ
だ。ノーザンライトで見せ場も作るが、日本一人気の無い技・ストラングルホールドでは、ブーイングを食らう。最後は北斗がつかまり大演台に。
飛鳥が「時代の扉を開けたぞ!」とアピールすると、デビルが「お前の開けたのは地獄の扉だ!!」と言い返す。確かにその通りと思わせるくらい最近のデビルは恐い。変に私は納得してしまった。チームも再編成されたみたいだし、関西ももしかしたらGAEAに参戦してくるのかという感じもした。

しかし、全7試合、4時間くらいの興行だったが、普通客の集中力が途切れて、会場がザワザワしたり試合中に席を立つという事があるのだが、ほとんど全ての時間を客を引きつける所はたいしたものだ。全てが見所と言っても大袈裟では無いだろう。GAEAを見ずに、プロレスを語る事は無意味であろうと確信させられた。




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