4・20:リングス代々木大会
■団体:RINGS
■日時:2000年4月20日
■会場:代々木第二体育館
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

今回のリングス「ミレニアム・コンバイン」大会より、KOKルールが正式にリングス
新ルールとして採用、というか変更になっての初めての大会だ。
もうタブーじゃないと思うので書いてしまえば、今まではワークとシュートのブレンド
興行で行われていたリングスが、大成功(収益的にはともかく)を納めた全戦シュート
興行のKOKトーナメントの流れで踏み切った新路線の第一歩だ。
他流派の選手を取り込み(ババル、ホーンがそれぞれリングス・ブラジル、USAと
紹介される)、なおかつKOKルールの審議員としていわゆるガチプロへの批判的立場
にあった元アマレスの日本代表太田氏を迎える事で第三者への牽制ともしている。

とはいえ相変わらず疑惑が付きまとうのはやむを得ない事で、今回のタイトルマッチも
かつてメッツァーがリングス引き抜きを断ったお礼として?船木が王座を譲ったという
過去の噂(事実かは不明)と同シチュエーションでの対戦という事から同じ目で見られ
ていたというのが現状だろう。
とは言えこのような視点のみでしかリングスを語れないとしたら、随分と感性が貧困で
あるか格通の記者くらいなもので、ファンの立場であるなら、目の前にある戦いを単純
に楽しめればそれでいい。勿論楽しめるだけのレベルである事が最低条件だが。
少なくとも田村はプロレスラーとしてはウルティモや大谷といったトップワーカーと
並び称されるほどの評価を受け、シュート・アスリートとしてもF・シャムロックや
ヘンゾ相手に自分の土俵上とはいえ対等の戦いぶりを見せている。
さて第一試合。滑川対アリスター・オーフレイムの新世代対決だ。KOKでメンツが
確定していない時は「リングスの秘密兵器」とか何とか紙プロが煽ってあわや出場か?
と思わせた滑川だがこの試合はわずか1分足らずでガード(アリスター側)の攻防から
アリスターが十字で勝利。滑川はガードの意味そのものが判ってないような気がした。
第二試合は坂田対ヒンクル。多分太田審議委員のルールへの見解の明文化が功を奏した
のだと思うが、1度も膠着ブレークがかかる事なく坂田のアンクル・ホールドによる
勝利。知らないうちに強くなっていたんだねぇ。途中坂田の十字を何度となくパワー
ボムのように叩きつけたり、坂田がTKシザースでマウントを切り返したりと素人目
にも見所の多い一戦であった。ヒールとアンクルの区別がよく判らなかったらしい
ヒンクル側のセコンドがクレームを付けていたが、ヒンクル自身は納得の表情だった。
第三試合はKOKで株を上げたジュリアスコフ対ホフマン。ホフマンの後ろ姿はトニー
ホームを思い出させる。ジュリアスコフはアマレス出身ながら、バックを簡単に取られ
たりと急に決まった試合のためかどうにも動きが冴えなかった。
マウントを取られて顔以外を殴られまくっていたが、なまじ我慢できるだけにタップも
できず、膠着ブレイクに持ち込むのが精一杯という感じだった。
試合はパンチによるKOで決まったが、ホフマンは真っ先にジュリアスコフのセコンド
に駆け寄り握手を求め、次にレフェリーとハイ10を決めようとしたが我に返り失笑を
買っていた。
第四試合はババル対フルトン。フルトンは明らかにバッドシェープだった。
ババルはルール(というか採点基準)を理解していたようで、ワザの選択肢が多い
サイドポジションからの攻撃を多用していた。こちらも特に膠着もなく、流れるような
展開でババルのタップ(十字だったかな)による勝利。試合後は爽やかにノーサイド。
負けた側も「これはスポーツでVTじゃないからな」というエクスキューズがあるから
か簡単に敗北を受け入れている感じ。
第五試合は休憩を挟んで行われた。トイレに行く途中CMスター宇野薫とすれ違ったが
ホントに普通の子だった。マジ驚きましたよ、あんまり普通で。
年齢層はハッキリ25才以上35才前後といったトコロが中心。試合開始は7時くらい
が適当かもしれない。ついでに言うと参加選手たちのオリジナルTシャツを売店で
買えるようにすれば、選手も副収入が入りファンもレアなTシャツが入手でき、それを
目当てに観戦に踏み切る人も多少はいるだろうから、3者ともハッピーだ。即やろう!
そして第五試合は裏メインとも言われたヒカルド・アローナ対コピィロフ。最初の1分
くらいはパンチを軽くサバいたりと見せ場もあったが、だんだん疲れてきたのかその後
は足を足で挟んでパスガードを許さなかった事くらいで、ヘロヘロになりながらも
諦めずに判定まで持ち込んだ。アローナは多分もうこのルールはコリゴリと思っている
だろうが、そんな事言わずに次はアイブルとやってください。
判定は太田20対19、藤原20対19としたところで「前田にはこうされた」ハズの
ドールマンは20対10。オチつけてどうする。当然アローナの3−0勝利。
試合後関係者がドールマンに何やら説明している様子だった。
セミは山本対ホーン。ヒクソンに間違って大善戦してしまった事が、その後に問題を
残してしまったのだという気もするが、とにかく今は一刻も早くヘタレの名を返上する
事だ。その第一弾がホーン。次がWEFでその次がパンクラスのシュルト。大丈夫?
ホーンはスタンドでもグラウンドでもアグレッシブなので、山本の対戦相手には上々
だが、面白かったからいいかと言ってもらえる立場ではもうない。かなり攻め込んだ様
にも見えたが、結局はホーンペースだったという事かもしれない。2R終盤、中途半端
なダウンをして、ダウン判定にレフェリーが迷った時にはブーイングが起きた。
山本自体はそんなに悪くはなかったが、スタミナが十分ではなく三角締めでタップ。
ところでホーンはサイコな役の時のジム・キャリーに似ていると思うがいかが?。
そしてメイン。プロレスの入場曲として個人的に田村の曲をかなり高く評価している。
手拍子のし易さやコールの挟み易さ、と最初静かに入ってドンドン盛り上がっていく
構成などがその理由。逆に自分のコールを挟み難い曲を使っている選手はちょっと
センスが悪いと言われても仕方ないだろう。
田村入場時には曲の通りに大観衆が手拍子。田村の4方への挨拶時にはヒマを持て余し
たアイブルがエアギターの仕種を見せていた。
試合は激しい乱打戦と時折田村が見せるタックルを中心としたポジションの取り合いで
進む。
「膠着で休ませてもらえないならVTなんてやってられないよ」
とは坂田の弁だが、このルールで15分1Rは見ている方までつらい。膠着ブレークも
何度となく重なると段々選手に対してのイラダチに繋がってくる。贅沢な話だ。
終盤はタックルを潰したアイブルがそのまま乗り続けてのブレーク待ち。体重差のある
相手がこの手でくると、スタンドでは差があるだけにキツイ。他団体ならダウンを
取られてもおかしくないほど長い間(5秒くらい)立ち上がれず、また同じ事の
繰り返しとなり、最後は他団体ならTKOを宣告されてもおかしくないほどのダメージ
を喰い続けてのTKO負け。ドーム出場そのものに不安を残した。
案外田村の軽量級進出宣言もコレを見越しての事だったのかも知れないとフト思った。
アイブルの戦法はルールの盲点を突いたもので、しばらくは追いかけっこになってしま
うのかも知れないがそういうのも含めてリングス新世紀を見守っていきたい。
しかしこのルールでのUWFを(シュートである事も含め)見たかった・・・。


第一試合
アリスター・オーフレイム(腕ひしぎ逆十字固め 1R0分45秒)滑川
第二試合
坂田 亘(足首固め 1R7分23秒)ブランドン・リー・ヒンクル
第三試合
ボビー・ホフマン(KO勝ち 1R8分0秒)ボリス・ジュリアスコフ
第四試合
レナート・ババル(腕ひしぎ十字固め 1R4分49秒)トラヴィス・フルトン
第五試合
ヒカルド・アローナ(時間切れ判定 3−0)アンドレィ・コピィロフ
第六試合:ランキング戦
ジェレミー・ホーン(肩固め 2R2分50秒)山本 久
第七試合:リングス無差別級選手権試合
ギルバート・アイブル(TKO勝ち 1R13分13秒)田村 潔司
アイブルが第4代王者となる。




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