2/26リングスKOKグランドファイナル雑感〜UWFの記憶
■団体:リングス
■日時:2000年2月26日
■会場:日本武道館
■書き手:メモ8(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

 立ち見が出るまでは行かなかったものの、ほぼ2階席までいっぱいになった、KOKグランドファイナル(オフィシャルの超満員札止めに嘘はないでしょう)。アリーナの座席の組み方も、いっぱいに組んでいたし(そのお陰で、あんまりウロウロ出来なかった)。会場に入る前から熱気ムンムン。P2000も、そういう雰囲気はあったのだが、リングスで、これが漂うのは久々なような気がする。という訳で、例によって雑感です。

 レフェリーは、和田・塩崎・平。ジャッジは、太田・藤原に加えて、今回は、おやまあお懐かしのジョン・ブルーミン。どっかでドールマンが来るという話を読んだような気がするのだが、いなかったようだ(少なくともアイブルのセコンドにはいなかった)。

 いつも通りの全選手入場(ミーシャにはハン、コピィロフにはズーエフが帯同)、前田の挨拶と続いて、ハンが欠場の挨拶。


<KOK準々決勝>

×イリューヒン・ミーシャ(延長R、40秒、腕十字)レナート・ババル○

 双方、OFGグローブ着用。ミーシャがしたのにはビックリ。

 1R、ババル、ミーシャを抱え上げて外に投げ出そうとしてしまい減点3。ミーシャは、ババルの大して鋭く見えないローをもらって、ダウン気味に倒れ込むこと2回。今回からダウンの決定は、ジャッジの赤旗で決まるらしいのだが、レフェリーがそれをイチイチ確認する為、間が空いてしまい、イマイチのような。

 2Rに入ると、ミーシャ、フラフラになってしまい(ババルの大したことない打撃にビビリが入っていたような)、何回も、ダウン誤魔化し気味のタックルに入る。後半、ミーシャも打ち合いに出るが、あっさり打ち負ける。

 判定は、太田が17−17、残りの2人は18−18(減点3の筈なのに不思議)で、延長。ミーシャが立った状態でのアームロックから、回転式に、倒れ込んだところを凌いだババルが、切り返して腕十字。


×ギルバート・アイブル(判定0−3)ダン・ヘンダーソン○

 両者当然OFG着用。

 アイブルは相変らず素晴らしい。1Rの展開&2Rのヒジでイエローで、勝敗の行方は見えたような気がしたのだが、それでも逃げないヘンダーソンも立派。2R後半に、アイブルのかなりいいパンチが1発入ってグラついていた。

 後頭部&脊髄部へのヒジを巡る、平氏の判定に多少不首尾があったが、まあ気にならなかった。


×アンドレイ・コピィロフ(判定0−1)アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ○

 コピィロフは、OFSなし! それでこそサンボマスターだ!

 1Rの寝技の攻防は、ホントに見応えがあった。バックを取られて膠着という局面も結構あったけど、セオリーのボジション取りを無効化してしまう、コピの仕掛けが実に素晴らしい。ぼーっと見てれば、昨今の総合より、昔のリングスを見ているかのような攻防。

 インターバル時から、コピ、もうヘロヘロ。セコンドのハン、自分の口に水を含んで、吹きかける。いやあ、ハンはセコンドやっててもプロだなあ(笑)。

 2Rに入ると両者ヘロヘロ。特に、コピのそれは、最早ギャグ状態。あそこまで行っているコピに、的確なパンチを当てられないノゲイラのボクシング技術は、やはり大したことないと見るべきなのか、当られないのほどノゲイラもバテバテだったと見るべきなのか。まあ、どっちにしろ、1Rの攻防が、それほど濃かったということでしょう。

 田村戦を別にすれば、1番楽しみにしていたこの試合、満喫しました。


○田村 潔(判定3−0)ヘンゾ・グレーシー×

 UWFのテーマで入場の田村。プロだ。自ら書いたU系vsグレイシーアングルをここまで立派に演じて見せるとは。

 プレッシャーかかったろうな。キツかったろうな。ホントにご苦労様、田村。

 判定に関しては、1R冒頭のヘンゾのフロントチョークをどう見るかによると思うが、それ以外は、グラウンドを支配していたのは、完璧に田村。見事にパスも取ったし(勢いなのか、ヘンゾのテクなのか知らんが、逆の足がすぐに捕まったけど)、腹固めなんちゅう技を見せてくれたし、もう何も言うことありません。

 判定であったこともあり、感動したというより、ホっとしたというのが素直な印象。

 しかし、終了後、ふと隣を見ると、同年代の人が、目尻を押さえている。それを見た途端、もうダメ。涙止まらなくなってしまいました。

 この試合があまりに重過ぎ、おれにおっての、今回の興行のピークは、確かに、ここでした(U系に思い入れのあった客は程度差こそあれ、同じでしょう)。


<スペシャルマッチKOKルール>

×グロム・ザザ(34秒、KO)ボビー・ホフマン

 アリーナは入口がひとつしかなく、休憩中にトイレ行こうと思ったら、大混雑。何とか間に合って、アリーナの後の方で立って見たのだが、ザザあっさり。

 今回は、何試合かは、ビデオを見直しながら、これを書いているのだけど、特に見直す気になれず。


<KOK準決勝>

×アントニオ・ロドリゴ・ノゲイラ(延長、審議判定)ダン・ヘンダーソン○

 打撃に比重をおいているとはいえ、ヘンダーソンから、どんどんテイクダウンを取るノゲイラは凄い(決勝では、ブラジル・アマレス王者のババルですら、そんなに簡単には、テイクダウン出来なかったんだから)。

 判定は、やはり問題ありだと思う。体重考慮らしいが、オフィシャルには、2−1というよくわからんジャッジ判定が載っていた。うーむ。

 ミノタウロちゃん、これに懲りずにまた来てね!!!


○レナート・ババル(判定1−0)田村 潔×

 田村既に燃え尽きていたという感じではなかった。充分コンセントレーション出来ているような気がしました(ヘンゾ戦ほどではないにせよ)。ババルを素直に誉めるべきでしょう。あと体重差について考えさせられた。

 ヘンゾを完封したグラウンドテクでも、ババルにはバックを取られまくり。それでも、ラスト間近の、捨て身の足関節狙いには、熱くなりました。


 ここで、もう1度休憩。テンション落下に拍車がかかる。ブルーミンから、前田CEOへ、極真武道会・名誉8段の授与。日本の極真と勘違いしている人を、ここそこで見付けたが、まったく別組織だし、あくまで“名誉”なんだからね(こんなことで、前田CEO非難されちゃ堪らんよ、まったく)。


<スペシャルマッチKOKルール>

○クリストファー・ヘイズマン(1分11秒、Rアームロック)ブラッド・コーラー

 TK相手にグラウンドを対等以上にわたりあった、ヘイズマン、あれがフロックじゃないことを証明して見せた。益々よくなっているなあ。


<KOK決勝>

○ダン・ヘンダーソン(判定1−0)レナート・ババル×

 会場のテンションは、落ちまくり。悪い試合じゃなかったんだが(ビデオで見直したら滅茶苦茶面白い)、既に祭りの後状態。


 表彰式は、以前からのメガバトルトーナメントと同様なモノ。ウイニングローレルが復活していた(去年の団体対抗戦はどうだったっけ?)ところが、ご愛嬌。

 インタビューを聴いてもヘンダーソン“いい人”っぷり全開。こういういい人が、あれほど、ハートが強く(予選の金原戦にしろ、アイブル戦にしろ、心がキレても不思議じゃないよね)、アスリートらしい戦略性全開(明かにブレイク狙いのロープへの逃げ等)で来たら、強いですよーって感じか。

 またリングスに来ると力強く言ってくれたが、昨年は本業のグレコで全米2位の筈。がんばって1位に戻って、シドニーに行ってくれ!!! まあ、そうすると、リングスに来るのは、それ以降ということになるのだが。少なくとも、オリンピックまでの生活費は、ちゃんと稼げたしね(セコンドのクートゥアーと山分けか?)。


 表彰式終了後、出場選手が、ほとんど集まり和やかなムード。ヘンゾはいなかったけど、休憩時間の時だったか、1回現れて、前田CEOに挨拶していたから、まあ、遺恨的なモノはまったくないのでしょう。

 それにしても、ノゲイラ、ババルというブラジル勢と、肩を組み写真撮影する前田CEOに、リングスの真髄を見た。世界に伸びるリングスネットワーク!!!この風景に、おれは深く深く満足した。

 さあさ、皆さん、ご一緒に! リングス最強!!! 前田CEO最強!!!


 歳も顧みず、朝まで続いたオフ会に参加し、ヘロヘロモードのコピィロフ状態になって、帰宅は6時過ぎ。

 それでも、即刻、撮っておいたビデオで、田村vsヘンゾ戦を確認する。

 おれのHPのBBSで、いつもいい文章を書いてくれるスパンキーさんのKOKに対する熱い思いを引用する(スパンキーさんメジャー板デビュー推進キャンペーン実施中)。


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そして、26日、武道館。「UWFは、正しい」この言葉が問われるとき。

その観客論の正しさは、武道館をいっぱいに埋め尽くすであろう、我々が証明しよう。

その勝負論の正しさは、まるで対決が宿命付けられていたかのような2人によってひとつの結論が出るはずだ。

片や、リアリティーをファンタジーの域まで昇華させたグレイシー一族の最高実力者ヘンゾグレイシー

片や、リアリティーとファンタジーの回転体UWFが産み落とした最高傑作・田村潔司

もし田村をもってして、グレイシーに勝てないようなことがあるならば、いわゆるUスタイル、リングススタイルは封印すべき、とさえ思っている。
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 鈴木みのるが、菊田にあっさりタップを奪われた時、UWFは遠い昔の出来事であると感じた。ところが、どうだ。田村は自分でUWFを掘り起こし、自分の力で復権してみせた。

 観客論の正しさも証明した。その上で、田村は勝った。

 ビデオから、UWFのテーマが流れてくる。突然、激しい感情が突き上げてきてしばらく慟哭状態で、泣き続けた。




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