『も〜こわい・追撃篇:焼き肉至上主義者宣言!』
■投稿日時:2004年10月26日
■書き手:ピクミン ex:ピクミンサイト

『も〜こわい』が終わって3年が経つ。その間に色々な出来事や新しい知識が出てきたようなので、追撃篇を出してみた。


20ヶ月以下の牛は狂牛病
【variant-Creutzfeld-Jacob Disease(vCJD)、Bovine Spongiform Encephalopathy(BSE)。これらは同じものと思ってい い。正確には違うから第一回から読み直すこと】
の全頭検査から外される。20ヶ月以下の牛では今の検査感度では充分な感度でPrPsc感染を検出 できない所為だ。USA産牛肉の輸入再開に向けた動きとされている。

健常人に存在する正常なPrionをPrPc、狂牛病/vCJDのようなプリオン病を起こす異常PrionをPrPscという。通常の感染症とプリオン病の根本的な 違いは、感染症では病原体それ自身が増殖するのに対し、プリオン病ではPrPscが正常体内にあるPrPcを作りかえて仲間のPrPscを増やしていくこと にある。
影響を与えて次々と仲間に作りかえていく。似たものが増えて沈殿して脳をすかすかにする。長州政権末期のラリアットレスラーズ@長州 kidsが沈殿した新日風景やどれをとっても原ボテorガリ@ノア中堅の脳死状態を思い起こさせる。

カレンダーを片隅に載せ、引用とどこかで見たコメントで、妙に似通った体裁の1枚の板を埋めていくブログの繁殖をプリオン病を隠喩として語る ことは可能だ。記事のtrackbackと言うのもなんだか肉骨粉を思わせる。これに限らずプリオン病的な文化のあり方はネットによって加速化してい くだろう。双方向性の発信とその産業化を特徴とするcommunicationが文化をBSEに陥れる近未来が儂には見える・・・しかしそれはまた別の話。


『communicationする』という行為そのものが一か八かのもので、抗争や乱闘や罵倒や嘘や間抜けの危険があるからこそネットが楽しいのだという 事を結論として『も〜こわい・追撃編』を終わる。


つい先日NHK・BS1でBSディベートアワー・「BSE対策 安全は守れるか」を見 た。ピクミンの『も〜こわい』をその参加者が読んだ可能性はない。だから、観戦記ネット及びプ至宣!周りの人達はいわゆる有識者を越える地平 に立っている。 ピクミンの『も〜こわい』を読んでいれば、狂牛病で死ぬ人より狂った牛に殺される人の方がよっぽど多いこと、発症前の感染牛 は感染性があるが検査をすり抜けることがあること、種の壁を乗り越えたPrPscがどんな感染性を持つか(即ちヒトからヒトへの感染の危険がどれ くらいあるか)はっきりと分かっていないこと、について分かっていることと思う。


参加者の意見のよいところ取りすれば、『BSE問題を複雑にしているのは食の安全・安心に関する専門家と消費者あるいは消費者間のコミュニ ケーション・ギャップである。そもそも食とは動物であれ植物であれ他の生物を口にすることであり、常に何がしかのリスクを伴う。経験や科学の 進歩がそのリスクを小さくしてきたが、ゼロリスクの食はない。(本間正義)』、『脳に病原体が蓄積するまでは、検査をしても感染牛を見つける ことができません。

発見できるのは平均して発病(5歳)の半年前。一方、食用牛の約80%は4歳以下。だから80%以上の感染牛が検査で「シ ロ」になり、その肉を私たちが食べています。(唐木 英明)』『BSEは牛から種の壁を越えて人に感染して変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 (CJD)を起こす。感染した人ではBSEプリオンは、種の壁のない人の間で容易に伝播される危険性がある。

英国では、変異型CJD発病前の潜伏期中 の人の血液の輸血で感染した可能性のある例が見いだされたために、予防原則にもとづいた血液の安全対策がさらに強化されている。BSE対策では このようなリスク面のあることを認識しなければならない。(山内  一也)』・・・あれ?畜産業者や消費者団体が入ってないぞ、まあいいか ・・・


今のところUSAの狂牛病対策は0に等しく、狂牛病の危険は現実のまま残っている。USAは世界でもっとも産業化された畜産が行われているので、き ちんとマニュアルが出来れば全頭検査がなくてもUSA産牛肉は狂牛病に関しては日本と同等の安全性をもてるかも知れない。


しかし、ピクミンの『も〜こわい』の結論のひとつは、『狂牛病はほんの100年前までは家族として飼われ、神への捧げ物として葬られて食べら れていたのに、今では産業の対象であり、その死を代償として受け取っていた神聖なる地位を失った牛の復讐だ』ということだった。大規模産業と して畜産が行われる限り、狂牛病の危険は去っても狂牛病の暗示する/明示する本質的な危機は去らない。次の”狂牛病”が発生するだけだ。とす れば、狂牛病はともかく”狂牛病的なもの”の危険はUSAにおいて一番大きい。


おそらく20ヶ月以下の牛の全頭検査除外によって、全頭検査を行わないままUSAから日本への輸出が再開されるだろう。感染牛のscreeningがされ ないから感染牛は見つからないし、結果として見つからないからどれくらいいるか分からない。当然感染危険部位の除去はいい加減なものになるだ ろう。日本の畜産団体が言うように危険と言えば危険かも知れない。

但し、その結果日本の食がより多くの危険を抱えるとは2つの理由で言えない。ひとつは(以外かも知れないが)狂牛病が肉を食べた結果感染する 疾患であるという確実な証拠はないこと、もう一つは食の産業化はUSAだけでなく我々全てを覆う世界的な問題だとううこと。

しかし、産業化されていないと儂たちは焼き肉屋で焼き肉を食うことが出来ない。牛や畜産業者の立場がどうあれ、ポストモダニズムがどう指摘し ようが、これは病気や貿易摩擦や人類の未来に対する全ての懸念を吹き飛ばす程大きなリスクだ。儂や多くの焼き肉至上主義者は焼き肉屋に行くた めにその間の時間を生きている。


USA牛肉輸入再開より、現実の問題として恐ろしいのは潜伏期のhealthy carrierの血液から感染した症例が報告されたと言うことだ。実験的にも血 液感染は証明された。狂牛病は勿論肉骨粉という共食い行為でおこったものだが、輸血も同様に一種のcanivalismだ

。輸血はHCV、HIVなど様々な問 題を起こしてきた。HCV, HIV同様に潜伏期が長いプリオン病(これは狂牛病/vCJ病に限らない、C-J病でもあり得る)で血液による感染性が高い variantが成立すれば、数年後一斉に吹き出すだろう。狂牛病のPrPscはリンパ濾胞の樹状細胞にあるとされていたが、リンパ球にも存在する。 赤血球成分輸血でも感染する。血漿でも安全と言い切れない (英国CJ病監視局)。樹状細胞にしかないのならそんなに高くない感染の危険性も リンパ球や赤血球にあるのならかなり高くなってしまうだろう。


HCVもHIVもSTD(sexually trasmitted disease)だ。口には成人で最大のリンパ装置である扁桃があるから、リンパ球に発現するPrPscは唾液も危険 なものにするだろう。2001年の連載時には想像上の危険に過ぎなかったが、今やSTDとしてのvCJDは現実の危険になったといえるだろう。


『も〜こわい』の最後の結論は、”『食べる』と言うことはそもそも安全なものではなく、もっと一か八かのものであった、しかるべきリスクであ れば受け入れて食べろ”、ということだった。それをもう一度持ち出して、”『まぐわう』と言う行為はそもそも一か八かのもので、性交による出 産・死病の感染・死そのものの危険や性交のための闘いが、『まぐわう』ことの快感の基調である”とまとめることも可能だ。

それはまあ、そうか もしれない。3年前と同じ意味のことを書くのは不本意だが、ここでも結論のひとつとしよう。


では、ピクミンは夜は月に帰る。何故私がピクミンと名乗っているかはそのうち明らかになるであろう。が、ならないかも知れない。





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