Rolling Stones, Live at Budokan
■団体:ローリングストーンズ
■日時:2003年3月10日
■会場:日本武道館
■書き手:夏 (ex:「It's Just Another ORDINARY DAY」

定刻よりたったの40分ほど遅れて、ストーンズ初の武道館公演ははじまった。

曲はお馴染みのJumpin' Jack Flashだが、今ここで演奏しているのがあのローリング・ストーンズだという
ことがどうしても腑に落ちない。1963年に英国でデビューし、ビートルズの対抗馬と称され、数々のロック
・クラッシクを生み、良きにつけ悪しきにつけロックの代名詞扱いを受けるローリング・ストーンズ。1973年
に予定されチケット発売までされながら麻薬の前科が取り沙汰されミック・ジャガーの入国拒否を受け中
止になった武道館公演が、今、目の前で行われている。

猪木がアリ戦をはじめとした衝撃的な異種格闘技戦を行い、馬場が生涯唯一の爆笑異種格闘技戦を行い、
鶴田、天龍、ブロディ、ハンセンが熱闘を繰り広げ、ビートルズが、ディープ・パープルが、ディランが、
ザ・ぼんちが、岩井小百合がコンサートをした日本武道館。なんで今ここにストーンズが・・・と相当余計
なことも含め逡巡している間に曲はYou Got Me Rockingへ。

この比較的新しい90年代のロック・ナンバーでようやく我に返り、とにかく今ここにおれとストーンズと1万
人のストーンズファン(年齢層高め)がいるんだという事実を噛みしめることができた。マイ・ストーンズ
・ナンバー・ベスト5に入ると思われるLive With Meが演奏される頃には少し落ち着き涙も乾いた(って泣い
てたのか)。

うれし恥ずかしLet It Bleedを合唱したあとは、ロン・ウッドがペダル・スティールを持ち出し、なんとなんと
お釈迦様もビックリのNo Expectations。ポカンと口を開け座り小便して馬鹿になってただただ聴き入る。
前半のクライマックスはミックのピアノ演奏ではじまるWorried About You。緩急自在の豊なボーカルにキ
ース・リチャーズとダリル・ジョーンズの適確なバッキングが光る。海賊盤狙いの方は是非この曲を見落と
さないように。

キース・リチャーズのギター・プレイは全編を通し決して最高では無かったかな。特にリフ関係はかなりラ
フ&ルーズ。ただしめちゃめちゃ機嫌は良く、いわゆるキース・アクションはいつもより多く決めております
状態。でも床にペタンと座り込む場面も多く、(2時間ずっとクール顔を崩さないチャーリー・ワッツと比べ
ても)年とっちゃったかな・・・という感じも少々。キース・コーナーでの「How You Feelin' ?」に「お
まえが元気かよ!」と応えてる人もいました。

ミック・ジャガーは前回まで以上に日本語を自在に操り、観客の失笑(?)をかいまくってました。それにし
てもクネクネとよく動く60才だ。テツandトモにも負けてない。

今回特にうれしかったのはシンプルなセットで仕掛けも少なく、純粋に演奏でライブを盛り上げていったこ
と。古き良きR&B、Everybody Needs Somebody To LoveやブルースのRock Me Babyも最高に楽しかったし、
Midnight RumblerやCan't You Here Me Knockingでの白熱のインタープレイもバッチリ決まってました。
細かい演奏のニュアンスに敏感に反応する客席もいい感じで、これなんか本当に武道館ならではなのかなあ。
ミックに「しつこい」と揶揄されるほどの拍手が鳴り響いたメンバー紹介の盛り上がりも、「本当に本当に
武道館公演を待ってたんだよー」という皆の気持ち。ロニーよりも古株のストーン、ボビー・キーズへの声
援も爆発的でした。

終盤は必殺の定番ヒット連続攻撃。Start Me Up、It's Only Rock'n Roll、Honky Tonk Women、Tumbring
Dice(ダリルのベース良かったあ)、Brown Sugar。東京ドームとかのスタジアムで聴くよりも余裕しゃく
しゃくに聴こえるのは気のせいなんだろうか?

アンコールは当然(I Can't Get No)Satisfaction。最初ホーンセクションがいなかったのでオーティス・
レディング経由のあのホーンリフは今回無しなんだあ、と思っていたら後半のリフレインから登場!こうした
シンプルな演出がホントに心憎い。

とにかくストーンズ武道館、たっぷりと堪能してきました(チケ取ってくれた友人に感謝)。そして終演と
同時に思ったこと。それは今度の土曜日のドーム公演も楽しみだあ、ってこと。ストーンズのライブはあと
10回でも100回でも観たいんだ。ジミヘンやジャニス、Tレックスもクラッシュもマイルスも、オリジナル
・ビーチ・ボーイズもオリジナル・ビートルズも、チャップリンの映画も寅さんもBブロディやDマードック
のプロレスも志ん朝の落語もやすきよの漫才も、もう見ることはできないけれど、ストーンズのライブはまだ
まだ続く。それが最高ってことなんだよねえ。





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