「週刊タカーシ(仮題)」第五回 <UNFORGETTABLE>
■投稿日時:2002年5月14日
■書き手:タカハシ(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

プロレスファンの人と話をすると、「一時期しばらく離れていたけれど・・・」という人が結構多い。それについては別に批判する気は無いし、自分が異常なだけかとも思うのだけれど、プロレスと女の子に関しては自分が「好きなんだ」と自覚してから熱が冷めた事はないですね。本当に毎日毎日考えていますよ(え〜、一応言っておきますけど、24時間ずっと・・・という事ではないです)。
そんな自分でもサスガに「プロレスファン辞めようか・・・」と思った興行もあるので今回はそれについて。それだけじゃアレなので「プロレスファンで良かった」という興行についても考えてみます。

まぁとにかく「人生のワースト興行」と言えばすぐ頭に浮かぶのが新生UWF(崩壊して10年以上経つのに新生もクソもないか)のNKホール大会(89年5月21日)。アレは本当にヒドかった。
話すと長いが旧UWFから見守ってきてようやく独立したUWFに対する、言葉では説明できない違和感にようやく船木、鈴木といった新しい血が導入されたことにより光明が見えてくるのか?と勝手に幻想を抱いた矢先の(鈴木のUWFデビューの安生戦は面白かっただけに)出来事であった事も理由の一つだとは思うが、帰り際一緒に行った友人とお互いにプロレスの話を避け続けたというのも何故だか妙に覚えている。

ところがまぁ良くしたもんで(自分の人生にとってそれが本当に良かったのかは余り考えたくないが)、プロレスそのものに対する不信感を取っ払ってもらえる興行がその興行のすぐ次にあったんですよ。

NKの次に見たのは全日本の武道館大会。忘れもしない6月5日の興行で、メインは鶴田対天龍の三冠戦(天龍が初めて(唯一?)シングルで鶴田からピンフォール勝ち)で他にもブリティッシュ・ブルドッグス対ハンセン&ゴーディ(これはマレンコ兄弟との対決と並ぶ、キッドの最後の名勝負だと思う)やスティングの東京初お目見え、フットルース対カンナム(フットルース、カンナムともこの試合がベストマッチだと思う)などなど。
試合後には「馬場さん、ありがとう!」という気持ちで一杯だったが、ターザン山本の増刊号だかの編集後記で同じような事が書かれていたのは全く不思議な感じがしなかったな。
この興行が今でも自分の個人的なベスト興行だけれども、自分を救ってくれた(地獄に再度招き入れる・・・とも言う)というのが多少関係しているかも知れないな。この大会のビデオというのは発売されていないと思うが、機会があるなら是非見てもらいたいものだ。

ちなみに全日本の特番にゲストで出た向井亜紀が「一緒にこの試合をTVで見ていた友達が、オレも頑張らなくちゃって言って腕立てを始めた」と言ったところ、ジャンボ鶴田と吉村明宏(和田アキ子の子分)に「高田でしょ?高田でしょ?」と突っ込まれていた事もあった。当時マニアの間では公然の秘密だったけど、発表されてもいないのにTV番組でバラされる芸能人はサスガに初めて見たな。

もうひとつ上げるなら全日本女子の同じくNKホール大会(93年10月9日)。メインはアジャ対北斗のWWAA戦で、これは体調不良の北斗が「資格がない」と自ら挑戦を辞退し、ノンタイトルで行われた(ハズ)。もちろんそんな試合が好試合のはずもなく、暗澹たる気持ちで帰った記憶がある。他のラインアップは尾崎対豊田、関西対山田だったと思うがどちらもタッグ戦での素晴らしさの半分も出ていなかったトホホな内容だった。正直この興行で面白かったと言えるのは唯一神取&紅対貴子&長谷川だけだったな。
で、まぁこれまたトボトボとNKから舞浜駅まで「明日また全女だよ」などとブツブツ言いながら歩いたのを覚えてる。
ところがそのリカバリーとなる興行がその翌日の全女の後楽園大会なんですよね。
タッグリーグ・ザ・ベストの開幕戦で前日の流れから北斗が欠場となり、変更になったカードがスゴイ試合になったのだからプロレスはわかりません。ちなみに全女で欠場というのは層がブ厚かった当時でも、相当な重症でない限りは休ませてはもらえていなかったので、北斗のケガは相当なものだったのだろう。
変更後のカードは豊田&ASARI対伊藤&渡辺で、本来公式戦のカードである試合を北斗の替わりにASARIが入って行われたんじゃないかな。
内容はというとASARIへの伊藤組の攻撃がハンパではなく、それをボロボロになりながらも豊田に繋いで逆転勝ちを収めるという、皮肉な目で見ると本戦への興味が減少してしまいそうな結果に会場が大揺れになった。
他の試合も決して悪くはなかったはずだけど全く印象に残っていない、まさに「ショー・スティーラー」という感じであった。
話はちょっとズレるが、もし自分がASARIのベストマッチを選ぶならタッグではコレ、シングルではジュニア・オールスターでの植松戦が挙げられる。ぶっちゃけた話、ASARIは他には記憶に残るような試合はしてないと思うが(コンビニ強盗は別として)、この試合で女子プロ離れの時期が大幅にズレたと思う。

とにかくこの時期は全女を月2回は見に行っていた。集中的に同じ団体に入れ込んでいたのはこの当時の全女だけ。最高の人材がそれぞれの全盛期に切磋琢磨していたんだから、冷静に考えてみれば面白いのは当たり前。この時期に全女をちゃんと見ていたのは本当にラッキーな事だったと思う。
そもそも全女が男子プロレスしか見ない人の視界に入ってきたのは、W☆INGに選手貸し出しをしていたのがきかけ。そこで金村ゆきひろ(現キンタロー)と中見川志保という若手の有望株がデキちゃった事から提携が途絶えてしまったのだそうだ。
まぁそれはさて置き、先日の新日本ドーム大会でも提供試合でこれまた「ショー・スティーラー」と言える最高の試合(WWWA王者の豊田が中西に負けるというアップセットのオマケ付き)をやってのけた全女勢。これが先のW☆INGから客を引っ張っていった時の再現となれば、こんなに痛快な事はそうそうないのだけれど。

記憶に残る興行として他に挙げるならばベスト興行とは意味合いが違うけれど、初めて徹夜して入場した新生UWFの旗揚げ、初めて泣いた・・・で挙げた鶴田が登場した新日本ドーム大会、試合はどれも面白く10時間興行も退屈しなかった全女のドーム大会(最初から長期戦は予想されたので2食持っていった)、個人名を挙げるのはあんま好きではないがmayaさん、愚傾さんと3人でワイワイ話ながら見た全日本の3回目のドーム大会なんかも心に残ってるな。
試合そのものよりもブックの素晴らしさが印象的だったのは先の闘龍門後楽園大会、若手5人が全勝のGAEA横浜大会。ECWのNWAダブルクロス・トーナメントも忘れられない。

このように記憶を積み重ねる事によって、益々プロレスファンとしての業を深めていく事になるんだろうな。
「記憶に残る・・・」という項はもう少ししたらまた改めて書いてみたいです。
でもまぁ、こうしてみるとプロレスの呪縛からは永遠に逃れられそうにないなぁ。

<先週見た興行>

先週は6日のスマック有明と11日K−1、12日全日本の3興行。スマックは数日前のAXにトップどころが出場した直後のカードが弱い興行だったのに、お客さんがいつも通り来ていたのはちょっとビックリ。定着しつつある事は実感。でも全9試合は多過ぎるでしょ。
あと篠原の試合中のヤジのヒドさにはヘキエキ。勿論怖いから何も言わなかったけど、ラウンドの合間にスタッフが注意に行かないという事からアングルの一環かと思いましたよ、マジで。不可解な試合放棄からの再登場嘆願という流れだからと言って「もっと反省しろ!」なんて殊勝な事言う気はないけど、自分はもう篠原が出るなら行きたくないな。「ブッ飛ばされるところを(金払って)見に行け!」というのがプロレスファンの正しいあり方なのかもしれないけど、篠原がいる空間の空気を吸いたくないって感じ。
多分他の選手たちから猛反発食らうのがオチだと思うけどね。
そして11日はK−1。前回の日本予選は須藤、村浜といった選手たちの活躍もあり、本年のベスト興行という声もあったけど、今回”興行の神様”は降りて来ては下さいませんでした。決勝はノーマークの選手が1RにパンチでKO勝ちという、第一回目のK−1GPの再現だったのがちょっと面白かったけど。
12日の全日本の後楽園大会は勢いのある団体の雰囲気というのをマザマザと感じましたね。ZERO-ONEもそうだけどインディー団体の楽しみ方をメジャーに持って来ているファンのノリに、それまでのファンも上手くノッてイイ雰囲気を作ってるように思う。勿論試合の面白さが大前提であっての事で、これこそファンと団体の正常な関係なんじゃないかな。長井のハイパー・ニーをスワンダイブ・ドロップキックで打ち落とすハヤシの姿には、本当に会場全体が騒然としたもんな。個人的にはハインズのブレイクも嬉しい出来事だけど。
今回は追悼セレモニーとして(多分数年前ならやらなかった)全日本を最後の来日としないワフーやテーズへの黙祷を3回忌を迎える鶴田と共に捧げていた。
三冠王座は力動山から連なる由緒ある歴史を持ったベルトであり、全日本がそのベルトを受け継いでいるという事を最大限利用し、誇るべき事柄なのだからNOAH勢をも含めてその歴史を否定せず、その上で未来を築き上げていって欲しいもんです。
あと時間が巧く噛み合ったのでついでにORGの板橋産文大会にも行ってきた。着衣ならではの何か(攻防だけではなくね)が表現できていなかったので、正直面白くもなんともなかった。実原君が出場していなければ見向きもしなかったと思う。やっぱりプロレスだな!





本稿の著作権はすべてKANSENKI.NET及び「書き手」に帰属します。

戻る
TOPへ