NHK (Japan Broadcasting Corporation)
「第52回・NHK紅白歌合戦 atNHKホール」 地上波観戦記
■団体:NHK(Japan Broadcasting Corporation)
■日時:2001年12月31日
■会場:NHKホール
■書き手:ノリリン(名前をクリックするとプロフィールの欄に飛びます)

スウェーデンでは、世界中どこへ散らばって仕事していようともクリスマス24日の午後3時には家族全員がTVの前に集まって「トッポジージョ」を見る。これが国民のルールらしい。日本人の儂には訳がわからんかったが・・・・しかし、これだけは分かる、日本では大晦日の夜には家族でTVの前に座って紅白歌合戦を見ながら、1年を振り返るのが社会のルール。

そんな大イベントが合戦なら、観戦記を書くのが観戦記.ネットのルールだろう。

その昔、儂が『郁恵ちゃ〜ん!』と言っていた頃から、紅白のトップバッターはその年のアイドルが目指す栄光の座。榊原郁恵がトップに座ったのが第29回1978年、『夏のお嬢さん』。懐かしいねえ〜と自分史を振り返ったりして。
で、今年のトップは松浦亜弥・・・最近の10代に人気があるのかどうかはよく知らない。一方白のトップはえなりかずき・・・去年の藤井隆と同様、白のトップには色物を持ってくることに決めたのか?

松浦亜弥はトップで緊張しまくり、えなりかずきはどこが面白いのかさっぱり分からない・・・と波乱含みの開幕。

始めてじっくり紅白を見せられた儂の息子は『どっちが勝つのかな』と気にしている。儂は今までダウンタウン以外に紅白の勝ち負けを気にしている人を見たことがないが、初めて見たのが我が息子とは・・・
『これはなあ、前半はモー娘。が沢山出て紅組優勢と見せて於いて、後半吉本とドリフと少年合唱隊で逆転だ。見え見えのブックだよ。プロレスでも最初引いた方が後で逆転するだろ』と父親の権威を見せて解説しておく。これも大晦日の番組の醍醐味だ。

『ZONEの[secret base〜君がくれたもの]は昼ドラのKid's WARの主題歌で、郷ひろみの歌もやっぱり昼ドラの主題歌。今年は昼ドラの年だ』などと嫁さんの解説を聞く。これも大晦日の番組の醍醐味。

7〜8時代はなんとなく演歌が多い。しかも中途半端で今年ヒットしなかった人が多い。原田悠里・山川豊・藤あや子・山本譲二・八代亜紀・鳥羽一郎・・・若い層に受けるわけもなく視聴率的にはかなりきついかも・・・レコ大とのバッティングのために仕方がない編成か?なんと、八代亜紀もここか? しかし、そこは52回目の紅白。そういう中にMAX・河村隆一、いかりや長介の『8時4分だよ全員集合』、さらには2001年紅白の最大のショウ・Kid’s Dreamを挟んで退屈させない。

Kid’s Dreamは、なんとミニモニでスタート。モー娘。と2重出場で出突っ張りだ。さらに今年のMVP『とっとこハム太郎』。ミニハムズはでてこなかったが、次は千と千尋神隠しの『いつでも何度でも』、トトロの『歩こう』と安倍なつみ、石川梨華、などなどがコスプレで出まくり。

前半はモー娘。の特番だった。しかし、そのモー娘。も9時を過ぎると4人になってしまう。視聴率もここで失速したらしい。

紅白は面白くないって?刺激がないって?それはわざとやってるんだよ。
ビートたけしが出てきて志村とコントをやってた。これがもう何千回も見たようなピストルのコント。いかりやの『8時4分だよ、全員集合』だって、言い訳と前振りをしておずおずとやる。聖歌隊だって『生麦生米』じゃつまらない。

たけしと志村ならもっと面白いのもできるかも知れない。いかりやのかけ声で『全員集合!』のテーマが流れて、昔の常連がわーっと出てきて暫く番組を乗っ取ったら笑えるかも知れない。しかし、そう言うのは紅白には向かない。新しいギャグも向かない。確かに寒いが、わざわざ寒くなるように演出しているんだ。その寒さがお年寄りが昔を思い出す間になるんだよ。

短く・ちょろちょろっとボケかけた年寄りでも知能レベルの低い兄ちゃん姉ちゃんでも理解できる『再確認ギャグ』を意識して出しているんだろう。

後半は白の方が見せ場が多い。吉本RE:Japan、ドリフ。そしてフィニッシュにむけて、堀内孝雄、さだまさし、五木ひろし、北島三郎と・・・『ああ、今年も一年くれるなあ』と観念できるボリュームの歌手を並べて、満足した気もちで今年も紅白と一年が終わる。一年の締めはやはり北島三郎。赤のトリは和田アキ子だ。小林幸子との舌戦で前を振っておきながら、何らスポットはなく、この紅白では小林も和田も死んでしまった。しかしそれさえもブック通りだったかも知れない。

集計の結果白の圧勝。これで勝敗は26勝同士の五分に戻って、予言通りとなり家族の中での面目も立った。

というわけであけましておめでとう。

紅白を見て、なにも感じないのはプロレスファンとは言えない。

*どんなマッチメーカーでも意味を見いだすのが不可能なほどの無意味な『対戦』の枠組み。どうして男と女の歌手を順繰りに出さなきゃいかんのだ?

*どんなマッチメーカーでも意味を見いだすのが不可能なほどの無意味な『紅組vs白組』の得点争い。どうやって赤が勝つか白が勝つか興味を持てるんだ?

*どんなマッチメーカーでも流れを作ることが不可能なほど沢山の50組の歌手に歌を歌わせるという縛り。

*どんなマッチメーカーでも的を絞れない『国民』という名のtarget。

これに対して、『退屈とマンネリと繰り返し+歌手の素材に頼る』という必殺技を用いて50%近い視聴率を維持する手法は感動的だ。


プロレスのマッチメーカーも同じ重荷を背負っている。どうしてもいじり難い、第一試合からメインまで試合を繰り返すという縛り。勝ち負けへの興味の減退。シリーズはもとより、1興行内での流れの形成するという困難さ。『面白くするとターゲットが絞られて枠が小さくなってしまう』というジレンマ。

紅白歌合戦はプロレスとほぼ同じこれらの困難を切り抜けて、日本のプロレスの歴史とほぼ同じ時間を生き延びてきた。でも、紅白を参考にして・・・とは言わないよ。そこには未来がない。新日の1/4ドームだけはそれを目指してもいいかな。






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